Barney Wilen:このアルバムは結構懐かしい。
"Wild Dogs of the Ruwenzori" Barney Wilen (IDA)
一時期リーダー・アルバムのリリースが途絶えていたBarney Wilenが,日本で再評価される機運が高まったのはこのアルバムあたりではなかったか?私の記憶の中では,かつて六本木にあったWaveでこのCDを買ったような気がする。そして,当時そのWaveでこのアルバムは結構売れていたように思えるのだが,実際のところは記憶の彼方ゆえはっきりしない。いずれにしても,Waveって今にして思えば相当スノビッシュな場所だったなぁなんて思う。
Barney Wilenはこのアルバムが出た頃は50歳を過ぎたぐらいでミュージシャンとしては脂がのっている時期だったと言ってもよいだろうが,上述の通り,リーダー作がなかなか出ない時期を経てのこのアルバムは,印象的なジャケも売り上げには結構効いたのではないかと思わせるものであった。
それでもって,久しぶりにこのアルバムを聞いてみたのだが,何とも軽いなぁって感じである。冒頭の"Port of Spain Shuffle"なんて,このアルバムにおける人気曲だとは思うのだが,パーカッションが入ることで,ただでさえ軽い感じが更に軽くなるってところである。アルバムではSonny Rollinsの"Little Lu"なんて曲もやっているが,曲はまさにRollinsなのだが,ここでの演奏は,Rollinsがヘヴィー級なら,せいぜいバンタム級って感じの軽さなのだ。軽薄とは言わないまでも全編を通じて黒さもなければ,重みもない。
この音楽が当時の日本で受けたとすれば,それはバブルに踊るそうした時期の雰囲気には合っていたってことなのかもしれないが,今このアルバムを聞けば,私にとってはまぁこういうのもあってもいいけどね...ぐらいの感覚である。
音楽なんて必ずしも深刻ぶって聞く必要はないし,時代も反映するものと思うが,還暦を過ぎた今の私にとっては,必ずしも優先順位が上がらないっていう演奏と言えばいいだろうか。決して悪い演奏ではないのだが,シンセサイザーらしき音も入ったり,エレクトリック・ベースの音もするようなところはどうも中途半端な感じがする。別にそうした楽器の利用を否定はしないが,使い方がイマイチなのが残念。星★★★。
ということで,Barney Wilenなら私は50年代の演奏を聞く方がずっと心地よいってところか。それにしても,IDAレーベルだからかもしれないが,本作も結構な値段で売買されているのには驚いた。結構日本でも売れたはずなんだけどねぇ。
Recorded on November 21-24, 1988
Personnel: Barney Wilen(ts, ss, as), Alain Jean-Marie(p), Eiccardo Del Fra(b), Sangoma Everett(ds), Henri Guedon(perc)
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