Weather Report最初期のライブ音源を収めたブートレッグ。これは痺れる。
”Definitive Europe 1971" Weather Report(Bootleg)
またブートかよ?って声も飛んできそうだが,それが何か?(笑) 昨今はブートレッグも"Definitive"と称して,リマスターだ,放送音声なしだと,エンハンスしたヴァージョンがどんどん出てきている。音質が改善されることはそれはそれでいいことだと思うが,散財の機会が増えるのは困ったものだ。
この2枚組のブートは以前から知られた音源のはずだが,それが音質エンハンスして市場に出回っているのがこれである。2枚組のDisc 2はDVDでも出回っている"Beat Club"映像の音起こしだと思うが,YouTubeでも見られる映像でも,音はそこそこよいのはわかる。よって,注目はDisc 1だが,これが実に音がよいのだ。これはポイントが高い。
Weather Reportのファースト・アルバムがリリースされたのが71年の5月。そしてこのDisc 1は6月の初の欧州楽旅の模様を収めたものとのことである。Weather Reportには"Live and Unreleased"という未発表ライブ音源を集めたアルバムがあったが,そこにはMiroslav Vitous在籍中の音源が全く入っていないという決定的な瑕疵があった。その他の演奏は実に素晴らしいのだが,なぜVitous入りの音源が省かれたのか?それはJoe ZawinulとMiroslav Vitousの確執が原因とする説もあるが,そのことを実に残念に思っていた私である。Vitous入りのライブなら"Live in Tokyo"を聞いていればいいって話もあるが,やっぱりもっと聞きたいのだ。大げさに言えば,そんな渇きを癒すのがこういうブートってことになる。
聞いていて面白いと思ったのは,初期のWeather Reportには"In a Silent Way"的な牧歌的な展開が随所で聞かれることであった。例えばMiles DavisのLost Quintetならハードにブチかましまくるが,ここでのWeather Reportは硬軟を取り混ぜたかたちで,バランスの取れた音楽を展開しているのが興味深い。かつその音楽的な質の高さは半端でなかった。ブートレッグも凄い時代に入ったなぁと実感させるに十分。こういう音源はどんどん世に出すべきだと改めて思ってしまった。
Recorded Live at Stiftshoff, Ossiach, Austria on June 27, 1971 and at Beat Club, Humburg, Germany on August 9, 1971
Personnel: Joe Zawinul(p, el-p, key), WaynZawinul(p, el-p, key), Wayne Shorter(ts, ss), Miroslav Vitous(b), Alphonse Mouzon(ds), Don Un Romao(perc, fl)
« ブート購入のオマケでもらったEric Dolphyの64年,パリでの演奏。 | トップページ | Badgerのライブ盤によるデビュー作。懐かしいねぇ。 »
「ジャズ(2022年の記事)」カテゴリの記事
- 2022年の回顧:音楽編(その2:ジャズ)(2022.12.30)
- 今年最後のライブを締めくくったBanksia Trioの見事な演奏@武蔵野市民文化会館(2022.12.24)
- George Bensonの20世紀の活動を振り返る好アンソロジー。(2022.12.26)
- ジャズ・ヴォーカルはあまり聞かない私だが,今日はJune Christy。(2022.12.23)
- この静謐さがたまらない:Ketil BjørnstadとDavid Darlingのデュオ第2作(2022.12.22)
« ブート購入のオマケでもらったEric Dolphyの64年,パリでの演奏。 | トップページ | Badgerのライブ盤によるデビュー作。懐かしいねぇ。 »

































































コメント