Phil Manzaneraの初リーダー作は豪華メンツに支えられたアルバム。
"Diamond Head" Phil Manzanera(Island)
私にとってPhil Manzaneraと言えばRoxy Music以前に"801 Live"だったと言ってもよいのだが,そこから遡って購入したのがこれだったり,"Listen Now"ということになる。もちろん,今やRoxyのアルバムも保有しているが,Phil Manzaneraのリーダー作は相応に聴きどころがあると思っている。
本作はPhil Manzaneraの初リーダー作であるが,実は本作と同時期に以前取り上げたQuiet Sunの"Mainstream"も同じIsland Studioで録音されていて,兄弟アルバムと言ってもよいものである。本作にもQuiet Sun名義で1曲"East of Echo"が収録されているのはそうした背景もあってのことであろう。そして,Quiet Sunや本作のレパートリーが"801 Live"で再演されることになるが,スタジオとライブの違いを体感できるのも私にとっては興味深かった。
そして,本作のメンツはRoxy Music人脈+αと言ってよい豪華なものであり,Bryan Ferryのソロ・アルバムのメンツとも結構被る部分がある。冒頭の"Frontera"からいきなりRobert Wyattのスペイン語のヴォーカルが飛び出すのには驚くが,その後はソリッドなロック・ナンバーが続き,プログレ的な響きも感じさせる。しかし,"801 Live"と比べてしまうと,私にとっては若干響きが軽い感じがする。これは完全に好みの問題だと言ってもよいが,私の"801 Live"の偏愛と言ってもよいものだから仕方ない。だが,初リーダー作としてはよくできていると思うし,クレジットを眺めながら聴くだけでも面白いと思えてしまうナイスなアルバム。
私はこのアルバムはアナログ,CDの双方を保有しているのだが,私が保有するCDのボーナス・トラック"Carhumba"は完全にアルバムのテイストと違うラテン・ナンバーのようなもので,ギター・ソロを聞く分にはまぁよかろうが,これは明らかに蛇足。アナログは星★★★★☆でもよいが,CDはボートラが仇となって半星減らさざるをえない。でも本質的にはいいアルバムなのだ。皆さんははこのボートラはすっ飛ばすか,あるいはアナログで聴きましょう(笑)。
Recorded between December 1974 and January 1975
Personnel: Phil Manzanera(g, b, synth, org, p. vo), Robert Wyatt(vo, perc), Brian Eno(vo, treatment, g, p, perc), Eddie Jobson(strings, el-p, key, synth), Dave Jarrett(key), Andy Mackay(ss, as, oboe), Ian MacDonald(bagpipes), John Wetton(b, vo, synth), Bill MacCormick(b, vo), Brian Turrington(b), Paul Thompson(ds), Danny Heibs(perc), Chyke Madu(perc), Sonny Akpan(perc), Charles Hayward(perc), Doreen Chanter(vo) and others
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