Fred Herschは初リーダー作から素晴らしかった。
"Horizons" Fred Hersch(Concord)
Fred Herschについてはことあるごとに,このブログに記事をアップしてきた私だが,この初リーダー作については,まだ書いていなかったなぁってことで,改めてこのアルバムを聴いてみた。
このアルバムが吹き込まれた1984年はFred Herschは30歳を迎える前ぐらいということで,決して早咲きとは言えない初リーダー作であるが,逆にそれによって,成熟度の高いピアノを既に聞かせているのが印象的である。ベースにMarc Johnson,ドラムスにJoey Baronというメンツも魅力的なこともあるが,このアルバムが結構人気があるのは,Fred Herschのピアノに魅力を感じるリスナーが多いからだと言ってよい。
スタンダードと本人やジャズマン・オリジナルを交えた選曲も非常にいい感じだし,何よりFred Herschのリリシズム溢れるピアノはこの頃から完成していたと感じる。ライナーを見ると,Bill Evans,Thelonious Monk,Winton Kelly,Herbie Hancock,Ahmad Jamal,そしてPaul Bleyに影響を受けたと書いているが,加えて,Tommy Flanaganを"Favorite Living Bop Player"として挙げているのは面白いと思うと同時に,なるほどなぁと感じた私である。Fred Herschのピアノが有する適切なスウィング感はTommy Flanagan的と言えば,そういう風にも思えてくる。 例えば,Herbie Hancockの"One Finger Snap"や,Herschのオリジナル,"Cloudless Sky"を聴けば,Herschの魅力はリリシズムだけではないというのが明らかになるはずだ。
いずれにしても,このアルバムにはFred Herschのピアノが初リーダー作の気負いを感じさせることなく収められていて,この人の魅力を強く感じることができる作品に仕上がっているというのが立派。とにかくバランスがよい作品であり,今までこのブログで取り上げていなかったことも反省して,星★★★★★としてしまおう。
余談だが,本作にもらったFred Herschのサインは,Cotton Clubにトリオで来日した時にもらったもの。コロナ禍により,以前のようなサイン会は実施されなくなってしまうのかもしれないが,それはそれとしても,また生で聴きたいと思うのは決して私だけではあるまい。でもライブの場では,ミュージシャンと会話する機会ぐらいは残して欲しいなぁ。
Recorded in October, 1984
Personnel: Fred Hersch(p), Marc Johnson(b), Joey Baron(ds)
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