懐かしのカッコいいBill Bruford初リーダー作。
"Feels Good to Me" Bruford(EG)
YesからKing Crimson,そして一時的にではあるもののGenesisにも参加したプログレ界屈指の名ドラマー,Bill Brufordの初ソロ作である。ジャケを見るとBrufordとなっているので,あくまでもこれはバンドとしてのアルバムと捉えるべきだろう。
本作がリリースされたのが1978年なので,もはや40年以上前のことである。実は私がこのアルバムを入手したのは結構後になってからのことで,それまではベスト盤"Master Strokes"でバンドとしてのBrufordの音楽を聴いていたというのが正しい。そして,このバンドはBill Brufordのドラミングに加えて,Allan HoldsworthとJeff Berlinというテクニシャンの参加が非常に大きな要素と考えるリスナーが多いだろう。
そして出てくる音は実にハイブラウなフュージョンである。プロデューサーはBill Bruford自身とBrand XのRobin Lamleyであるから,そっちの路線になるってのも当然だが,Brand Xの音の感じとはちょっと違う。BrufordにはKenny Wheelerが一部参加することで,よりジャズ的なフレイヴァーの強さを感じさせる部分もあれば,Annette Peacockのヴォーカルによって,ロック的な感覚も打ち出していて,Brand Xよりハイブリッド感が強いってところか。ついでに言えば,1曲だけだが,Brand XのJohn Goodthalもゲストで参加しているから,バンドとして通じるところはあったのだろう。いずれにせよ,Brand XにはPhil Collinsが参加していて,プログレ界の2大ドラマーと言ってよいこの二人が,こうしたフュージョン系の音楽をやっていたという共通項は,今にして考えれば実に面白いことであった。
このアルバム,非常にカッコいいアルバムだと思うのだが,唯一タイトル・トラックだけがテンションがゆるむ感覚があるのは何とももったいない気がする。私からすれば,この1曲だけが妙に浮いている感覚がぬぐえず,どうも不思議な感覚が生じてしまう。だが,全体的にはテンション高く,テクニシャン軍団が作ったナイスなフュージョン・アルバムであることは間違いない。星★★★★。
クレジットにNeil Murrayが"a bass playerwhen i needed one"とあるが,リハーサルとかに参加したってことなのかなぁ...。
Personnel: Bill Bruford(ds), Dave Stewart( Stewart(key), Allan Holdsworth(g), Annette Peacock(vo), Jeff Berlin(b), Kenny Wheeler(fl-h), John Goodthal(g), The unknown John Clark(g)
« これは知らなかった...。Rachael Yamagataの"Porch Songs"の現物CDが出ていた。 | トップページ | シナリオは先が読めても泣かせてくれる「コーダ あいのうた」。 »
「ロック」カテゴリの記事
- これって本当にSeamus Blake?って思わせるオルタナ・ロックの世界。(2026.02.05)
- Stephen Bishopのベスト盤を久しぶりにプレイバック。(2026.01.22)
- Boone's Farm@ビルボード・ライブ東京参戦記。前日のBlue Noteのリベンジにはなったな(笑)。(2026.01.17)
- MojoでYesのアルバムのランキングが掲載されていたので,聞いてみたアルバムだったが...。(2026.01.19)
「ジャズ(2022年の記事)」カテゴリの記事
- 2022年の回顧:音楽編(その2:ジャズ)(2022.12.30)
- 今年最後のライブを締めくくったBanksia Trioの見事な演奏@武蔵野市民文化会館(2022.12.24)
- George Bensonの20世紀の活動を振り返る好アンソロジー。(2022.12.26)
- ジャズ・ヴォーカルはあまり聞かない私だが,今日はJune Christy。(2022.12.23)
- この静謐さがたまらない:Ketil BjørnstadとDavid Darlingのデュオ第2作(2022.12.22)
コメント
« これは知らなかった...。Rachael Yamagataの"Porch Songs"の現物CDが出ていた。 | トップページ | シナリオは先が読めても泣かせてくれる「コーダ あいのうた」。 »

































































Toshiyaさん こんにちは
Neil Murrayさんですが こちら http://www.calyx-canterbury.fr/mus/murray_neil.html
では
"「Feels Good To Me」の最初のリハーサル(1977年7月)に、一時的に欠席していたJeff Berlinの代わりに参加し1978年初頭、BBCの「The Old Grey Whistle Test」に出演するため、Jeff Berlinに代わって再び演奏した。"・・・とありました。
BBCの映像は https://youtu.be/9aTmj11EaD8 あたりで確認出来ます。
以下 無関係な独り言で恐縮ですが、
このアルバムの裏にはライナーノーツがまるで50年代のJAZZアルバムのように配置されており、冒頭でBrufordのDave Hollandに対する尊敬の念が記載されております。(WheelerとHollandはSpontaneous Music EnsembleやBraxtonグループでのお友達なのでWheelerを呼んだ?)
Jeff BerlinとBill Brufordの知り合った経緯はRay Gomez経由とライナーノーツに書いてありますが、元YesのPatrick Moraz の"The Story Of i"では GomezとBerlinが参加しているのでMorazからの情報かな?・・とも思っております。
AnnetteさんのヴォーカルですがPaul BleyとのSynthesizer Show時代の繋がりを感じます(当時より角は取れていますが)。
以上 いろいろ押し込んでしまいました。
投稿: Lsto | 2022年2月19日 (土) 22時36分
Lstoさん,おはようございます。
素晴らしい情報収集能力です! 勉強になりました。
>このアルバムの裏にはライナーノーツがまるで50年代のJAZZアルバムのように配置されており、冒頭でBrufordのDave Hollandに対する尊敬の念が記載されております。
CDサイズではなかなか追えない情報です。そもそも老眼がきつくなってしまった私が,ライナーノートを読み込むことも稀になってしまいましたが,結構逸話の宝庫ですよね。こちらも勉強になりました。ありがとうございます。
投稿: 中年音楽狂 | 2022年2月20日 (日) 09時19分