ほぼ9年ぶりに登場した"Black Radio"の第3作。
"Black Radio III" Robert Glasper(Loma Vista)
"Black Radio"シリーズはこれまで2作がリリースされているが,2枚目が出たのが2013年,それから9年弱の時を経て,第3作が出た。このシリーズは現代のソウル,R&B,ヒップホップをいいところどりのようなところがあって,実に楽しめるものであった。特に私は第1作を高く評価していて,2012年の最高作の一枚にも選んでいる。前2作はRobert Glasper Experiment名義であったが,今回はRobert Glasper単独名義となっている。
それでもって,今回もその筋のミュージシャンを集めてきて,ナイスなアルバムに仕立てるところは,もはやプロデューサーとしての立ち位置の方が強烈に感じられる。これだけのメンツを集める力がRobert Glasperにはあるということにほかならないが,プロデュースだけでなく,作編曲,そしてキーボードの演奏をこなし,明確なリーダーシップを発揮しているところが凄い。
とにかく,このミュージシャンの適材適所の配置ぶりを見て,聴いているだけで,本当にセンスがいいとしか言いようがない。決して尖った音ではないので,これならどのような年代のリスナーにも受け入れられてしまうだろうと感じさせるものであり,やはりこの人の才能は半端ではない。もはやQuincy Jonesの世界である。唯一のカヴァー曲であるTears for Fearsの”Everybody Wants to Rule the World"をLalah Hathawayに歌わせて,Commonがラップを被せるってのもたまりませんな。しかし,それ以外のオリジナル曲のよくできていることも特筆に値する。Ant Clemonsをフィーチャーした"Heaven's Here"のメロウなグルーブにはマジで痺れてしまった。
Robert Glasper,恐るべしと改めて感じさせられたアルバム。星★★★★★としてしまおう。
Personnel: Robert Glasper(key), Isiah Sharkey(g), Marlon Williams(g), Derrick Hodge(b, strings), Berniss Travis II(b), Pino Paladino(b), Chris Dave(ds), Justin Tyson(ds, key), Kenyon Harold(tp), Marcus Strickland(b-cl), Terrace Martin(sax), Jahi Sundance(turntable), DJ Jazzy Jeff(turntable) with Amir Sulaiman(spoken words), Christian Scott aTunde Adjuah(spoken words), BJ the Chicago Kid(vo), Big K.R.I.T.(vo), D Smoke(vo), Tiffany Gouche(vo), Esperanza Spalding(vo), Q-Tip(vo), Yebba(vo), H.E.R.(vo), Meshel Ndegeocello(spoken word), Lalah Hathaway(vo), Common(vo), Musiq Soulchild(vo), Posdnuos(vo), Ledisi(vo), Gregory Porter(vo), Ant Clemons(vo), Jennifer Hudson(vo), PJ Morton(key, vo), India.Arie(vo) & Others
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