結構楽しめるDavid Murrayのライブ盤。
"I Want to Talk About You" David Murray(Black Saint)
David Murrayという人はなかなか敷居が高い人であると同時に,活動の幅が広くて正直訳がわからんとも言いたくなるような人である。James 'Blood' Ulmerとどファンクをやったと思えば,サックス・ソロでアルバムを吹き込んだり,World Saxophone Quartetに参加したり,ビッグバンドを組んでみたりと,何でもありである。フレージングはやはりアバンギャルド系列と言った方がいいかもしれないが,コンベンショナルに吹いたDavid Murrayのアルバムが結構味わい深いのは,このブログにも書いたことがある。"Morning Song"なんかはその代表的なものの一枚と思っている(記事はこちら)。
その"Morning Song"について,惜しくも閉店した新橋のテナーの聖地,Bar D2のマスター,河上さんがFBで触れられていて,おぉ,これはまた聞かねばと思ったのが契機となり,David Murrayの比較的コンベンショナルな演奏が聞けるアルバムとして,Black Saint/Soul Noteのボックス(Vol.2)から引っ張り出してきたのがこのアルバム。まぁ,メンツもフリー系の人ではないと言ってもよいが,出てくる音が実によい。比較的落ち着いた演奏が多いのだがその中で異色とも言えるのが,Murrayの盟友と言ってもよいLawrence "Butch" Morris作の"Red Car"。シャッフル・リズムに乗ってDavid Murrayのブチ切れフレーズ炸裂ってところである。これはこれでMurrayの個性とは思うが,ほかの曲との違いが大き過ぎて,これは何だかなぁという気になってしまうのがちょっと惜しいかなぁって気がする。曲の調子もあって,聴衆には相当受けているが,アルバムとしてはやはりこの1曲があまりに異色。
それでもDavid Murrayが吹く"I Want to Talk About You"なんて,へぇ~と思わされるような「まともな(笑)」吹きっぷりで,このアルバムは結構よくできていると思うし,楽しめる。だからこそ"Red Car"の浮きっぷりが私には惜しいと感じられる。星★★★★。
尚,ジャケにはレコーディングされた場所がCharlie’s Topとあるが,おそらくはケンブリッジ側にあったCharlie’s Tapの誤りだと思う。
Recorded on Live at Charlie’s Tap, Boston, on March 1, 1986
Personnel: David Murray(ts, b-cl), John Hicks(p), Ray Drummond(b), Ralph Peterson Jr.(ds)
« "Boss Tenors":これを聴くのはいつ以来だろう? | トップページ | これは知らなかった...。Rachael Yamagataの"Porch Songs"の現物CDが出ていた。 »
「ジャズ(2022年の記事)」カテゴリの記事
- 2022年の回顧:音楽編(その2:ジャズ)(2022.12.30)
- 今年最後のライブを締めくくったBanksia Trioの見事な演奏@武蔵野市民文化会館(2022.12.24)
- George Bensonの20世紀の活動を振り返る好アンソロジー。(2022.12.26)
- ジャズ・ヴォーカルはあまり聞かない私だが,今日はJune Christy。(2022.12.23)
- この静謐さがたまらない:Ketil BjørnstadとDavid Darlingのデュオ第2作(2022.12.22)
« "Boss Tenors":これを聴くのはいつ以来だろう? | トップページ | これは知らなかった...。Rachael Yamagataの"Porch Songs"の現物CDが出ていた。 »




































































コメント