Phoebe Snowは好きだが,これはイマイチだと思えた"Against the Grain"
"Against the Grain" Phoebe Snow(Columbia)
私はPhoebe Snowという歌手が結構好きで,アルバムも91年の”The New York Rock & Soul Revue"までのものはほとんど保有している。例外は"Rock Away"のみである。特にデビュー・アルバムや"Never Letting Go"を愛聴してきたと言ってよい。私はこの人の歌を聞いていると,強烈にNYCを感じてしまうのだが,それはいつになっても変わらない。
それでもって,久しぶりにこのアルバムを取り出して聞いてみたのだが,イマイチ印象がよくない。いい曲もあるのだが,全体的に玉石混交な感じがして,Phoebe Snowのアルバムとしては,微妙な出来だと思えてしまった。
冒頭はPaul McCartney"Every Night"で幕を開けるが,これが可もなく不可もなしって感じで,印象が薄いのだが,私が納得いかなかったが2曲目の"Do Right Woman, Do Right Man"である。Dan Pennが書いたこの曲はAretha Franklinの名唱があるだけに,比較対象のハードルが高くなるのだが,ここでのPhoebe Snowの歌いっぷりが全然面白くない。彼女ならもっとうまく歌えるはずだという感覚しか与えてくれないのは全くもって残念だ。この出足でのつまずきがこのアルバムの印象を弱めてしまうというのはもったいない話だが,Phoebe Snowらしいバックの音でありながら,このアルバムがあまり魅力的に響かないのは,Phoebe Snowの書いたオリジナルが面白みに欠けるためと言ってよいだろう。このアルバムのチャート・アクションがよくなかったのも,偏に曲のせいだということになると思える。
"Oh, L.A."なんて,若干ボサノヴァ・タッチを感じさせて,むしろソウルフルに攻めるよりも,こういう路線をもう少し入れてもよかったのではないかとさえ思える。やっぱり彼女のアルバムの中では一段評価を下げざるをえないアルバムというところ。星★★★。尚,David Matthewsアレンジのホーン・セクションはBrecker BrothersをはじめとするNYのセッション・プレイヤー総出演みたいな感じであるが,ちょっともったいないなぁ。
Phoebe Snow(vo, g), Barry Beckett(p, key, synth), Dave Grusin(key), Richard Tee(el-p), Steve Burgh(g), Steve Khan(g), Hugh McCracken(g), Jeff Mironov(g), Warren Nichols(pedal steel), Will Lee(b), Hugh MacDonald(b), Doug Stegmeyer(b), Rick Marotta(ds), Liberty DeVitto(ds), Ralph MacDonald(perc), Michael Brecker(ts), Jon Faddis(fl-h), Corky Hale(harp), Margo Chapman(vo), Michael Gray(vo), Lani Groves(vo), Gwen Guthrie(vo), Linda LaPresti(vo)
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