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2022年1月 4日 (火)

豪華なメンツによる正調フリー・ジャズ:これはハードル高いなぁ。

_20211228-2 "A Love Sonet for Billie Holiday" Wadada Leo Smith, Jack DeJohenette & Vijay Iyer(TUM Records)

新年早々記事をアップするにはハードルの高い音楽を選んでしまった気もするが,デリバリーが昨年末ぎりぎりだったので,まぁしょうがない(苦笑)。ご覧の通りのメンツによる正調フリー・ジャズである。1曲が3者の共作となっている以外は,作曲者のクレジットがあるから,テーマはあるのだろうが,真っ当にテンポを刻むという展開はあまりなく,3者が自由に対話したって感じのコレクティブ・インプロヴィゼーションと考えればいいと思う。

相応にリズムとメロディ・ラインが出てくる感じなのはJack DeJohnette作の"Song for World Forgiveness"の後半と3者共作の"Rocket"のみってところ。そんな音楽であるから,誰にでも受け入れやすい音楽とは言えない。しかし,Wadada Leo SmithとVijay Iyerには"A Cosmic Rhythm with Each Stroke"という素晴らしいデュオ作があった(記事はこちら)から,そこにJack DeJohnetteが加わることで,更に強力なアルバムになることを期待するのが筋ってものだ(きっぱり)。だが,このアルバムは,"A Cosmic Rhythm with Each Stroke"がもたらしたような感覚を与えるところまでは行かなかったというのが正直なところである。

どうもJack DeJohnetteはDave Liebmanとの"Fire"でもそうだったのだが,フリー的なアプローチに相性必ずしもよくないのではないかと思ってしまったが,そのため,この三者ならではの相乗効果が生まれていないように感じられるのだ。まぁ,レコーディングされたのは約5年前とは言え,Wadada Leo SmithもJack DeJohnetteも後期高齢者なので,そんな激しくはやれないってところはあるだろうが,それでもJack DeJohnetteにはもっとソリッドなドラミングを期待してしまうのだ。

もちろん,この三者による演奏であるから,演奏のレベル自体は相応に高いと評価できるし,Vijay Iyerのエレピやハモンドの使い方も面白いと思うが,これだったらWadada Leo SmithとVijay Iyerのデュオの方がよかったと思わせてしまうところが,このアルバムの決定的な難点。星★★★☆。しかし,こんなアルバムがフィンランドの会社からリリースされるってのが不思議な気もするが,このTUMって会社のカタログ(https://tumrecords.com/new-music)を見ると,Wadada Leo Smithだけでなく,ほかにも濃い~メンツによる超ハイブラウそうな(笑)アルバムが並んでいて,目が点になってしまった。

Recorded on Novemver 22, 2016

Personnel: Wadada Leo Smith(tp),Vijay Iyer(p, el-p, org, electronics), Jack DeJohnette(ds, perc)

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