「パワー・オブ・ザ・ドッグ」:映画における純文学ってところか。
「パワー・オブ・ザ・ドッグ(”The Power of the Dog”)」('21,Netflixほか,米/英/加/豪/NZ)
監督: Jane Campion
出演: Benedict Cumberbatch, Kirsten Dunst, Jesse Plemons, Kodi Smit-McPhee
批評家筋にはすこぶる評判のよいこの映画,Netflixでも観られるが,どうしても劇場で観たい私は,劇場公開最終日に午前半休を取って劇場に駆けつけたのであった。
私がJane Campionの映画を観るのは「ピアノ・レッスン」以来のことなので,28年振りぐらいってことになる。「ピアノ・レッスン」は実に沈鬱な雰囲気の映画だったが,この映画の前半もかなり暗い雰囲気が漂っていた。この映画では後半に若干トーンが変わってくるが,それでも家族の確執やその背景を描くところには,身につまされる思いをさせられる。実に静かなトーンで,かつ真面目に撮られた映画であり,主題の通り,これはエンタテインメントと言うより純文学の趣に満ちた映画であった。そういうトーンは,エンタテインメント性を求める人々にとってはあまり面白くないものに感じられるはずで,その辺が評価の分かれ目ではないかと思える。
後半に向けて,Benedict Cumberbatch演じるPhil Burbankと,Kodi Smit-McPhee演じるPeterとの間の関係性が変わってくるところには若干の唐突感はあるのだが,Benedict Cumberbatchの演技は一見に値するものだと思えるし,次のオスカーにおいても主演男優賞ノミネートはかなり有望なものと言えると思う。それにしても,これって家庭でNetflixで見るより,映画館で観る方が絶対雰囲気は出る映画だと思うけどなぁ。
尚,この映画は全編ニュージーランドで撮影されたとのことだが,舞台となるモンタナの雰囲気は強く感じられるところも実に面白かった。星★★★★☆。
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