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2021年12月31日 (金)

皆さん,よいお年をお迎え下さい(+私自身の回顧)。

Fireworks-over-manhattan-bridge

いよいよ大晦日である。少なくとも日本においてはコロナ禍もようやく沈静化してきたと思っていたら,オミクロン株感染が拡大するというのは実に踏んだり蹴ったりってところだ。しかし,"Life Goes On"なので,こんな状況でも生きていくしかない。

私は今年還暦を迎えたので,7月末で一旦定年退職し,即,シニア従業員として再雇用となった訳だが,立場が変わると仕事の仕方も変わるって感じで,いかに後進に道を譲るかを意識するようになったと言えばいいだろうか。

一方,3月には白内障の手術を受け,裸眼で1.2~1.5ぐらい見えるようになったのはいいのだが,逆に老眼がきつくなってしまい,本,新聞,スマホは老眼鏡なしでは無理!ってなってしまった。あとは見え過ぎると自分の皺や白髪の多さがはっきりしてしまうのだが...。自分ははこんなに老けていたのか?と改めて感じるが,まぁ歳なんだから仕方ない(苦笑)。

そんな変化もありつつ,長きに渡る在宅勤務には少々辟易としてきたのも事実だが,マイペースで仕事ができるのは悪いことではないって気がする。少なくとも,仕事をしながら音楽を聞ける(逆か?音楽を聞きながら仕事ができるが正しい?)ってのは実にいいことで,今までだったらあまりプレイバックしていなかったような音源を聞くチャンスが増えたのはよかった。昨年以来,このブログでも古い音源を取り上げる機会がずっと増えたのは,新譜をあまり買わなくなったこともあるが,「温故知新」を地で行くって感じだったと思う。

昨年,今年とコロナ禍に翻弄されたと言ってもよいが,オミクロン株は重症化のリスクが低下しているようで,ウイルスも弱体化していることは間違いないだろうから,来年はもっと良い年になると期待したい。

ということで,皆さん,本年も当ブログにお越し下さり,誠にありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。

2021年12月30日 (木)

2021年の回顧:音楽編

2021-best-albums
いよいよ今年の回顧も最後の音楽編である。このブログにも何度か書いているように,私の新譜購入のペースは,以前に比べると随分落ちた。そんな中で印象に残った新譜音源(星★★★★☆以上)については,ブログ右側の「2021年のおすすめ作」にアップしているので,そこが回顧する上でも基本になる。

しかし,回顧するもへったくれもなく,今年のベスト作はこれになるだろうなぁと思っていたのが2作ある。それが児玉桃の”Hosokawa/Mozart”と菊地雅章の"Hanamichi: The Final Studio Recordings"であった。この2作ともにこのブログに記事をアップしたのは3月であったが,その段階でこれを越えるものはないと思っていた。児玉桃については2006年録音の音源ではあるが,細川俊夫の「月夜の蓮(”Lotus under the Moonlight”)」の演奏があまりにも素晴らしく,私は唸ってしまった。もちろん,モーツァルトのピアノ協奏曲23番もいいのだが,何と言っても「月夜の蓮」である。

そして,菊地雅章だ。これも2013年の録音ではあるが,この作品について記事を書いた時の「命を削って紡ぎだされるフレージング」という表現には,いささかの誇張もないと思っている。それぐらい痺れる音楽であったと言わざるをえない。私にとってはこの2枚の印象があまりにも強かった。

そのほかでは新録音では,ジャズ界の不老不死,Charles LloydのMarvelsとのアルバムはいつもながらの優れた出来であった。記事にも書いたが突出した部分はないとしても,このクォリティの高さは尋常ではない。メンバーの貢献度も高かった。また,私が高く評価し続けるMarcin Wasilewskiの"En Attendant"はこれまた痺れる出来であった。Joe Lovanoを迎えた前作,"Arctic Riff"も悪くなかったが,私としては多少の違和感もあった。やはりこの人たちはトリオが一番いいと思う。また,Dave Hollandも年齢を感じさせないカッコいい音楽を作り続けていて凄いなぁと思う。音楽性をアルバム毎に変えてくることも立派。本当に幅が広いし,もう一人の主役と言ってよいKevin Eubanksのギターもよかった。

そして,年末になって現れたRobert Plant/Alison Kraussの第2作は滋味溢れる出来に嬉しくなった。Bruno MarsとAnderson PaakのSilk Sonicはソウルの楽しさを完璧なまでに打ち出していて,これまたいいものを最後の最後に聞かせてもらった気がする。全然タイプは違うが,現代音楽ではMichael WendebergとNicolas Hodgesによるブーレーズのピアノ曲全集。私の嗜好にばっちりはまるこの音楽は,決して万人向けではないとしても,この手の音楽好きにはたまらない魅力があると思う。

発掘ものもいいものがあったが,発見という意味ではJohn Coltraneの「至上の愛」ライブははずせないところ。いかんせん音がもう少しよければ...というところはあったが,歴史的音源であることは間違いない。むしろ,私が音楽として楽しんでしまったのがCharles Mingusのカーネギー・ホールでのライブ。その日の演奏をきっちり収めたこともに加え,演奏が何よりも楽しい。Mingusに対する私の勝手な思い込みやイメージを覆したのが本作だったと言ってよい。そして,Joni Mitchellのアーカイブ・シリーズ第2弾が実に素晴らしく,もはや第3弾が楽しみな私である。アナログでリリースされた初期4枚のアルバムのボックスも実によいのだが,ディスクがきつきつで取り出しにくいのが玉に疵(笑)。

ということで,新譜の購入枚数は減ったものの,今年もそれなりに楽しめた1年であったと思う。

2021年12月29日 (水)

今年最後の新譜は最高に楽しいソウル・アルバム。

_20211228 "An Evening with Silk Sonic" Bruno Mars / Anderson Paak(Atlantic)

これが2021年最後の新譜になるが,これが実に素晴らしく,年末年始を楽しく過ごせることを確実にさせるようなソウル・アルバム。なんでそんな風に感じるかと言えば,私ぐらいの年代のリスナーが「ソウル」と聞いた時に想定するような音楽が次から次へと現れるからだ。時にスウィート,時にファンキーって,これぞソウルの王道って感じである。それがまたAtlanticレーベルから出るってのがこれまた郷愁を誘うって感じである。

私はBruno MarsもAnderson Paakもその音楽に触れるのは初めてだと思うが,わずか31分という収録時間ながら,リスナーのニーズを理解し,これだけでもリスナーの心を捉えて離さない音楽なのだ。打ち込みに頼らず,リアルな演奏で対応しているところも私なんかにはぴったりなのだ。実に楽しい。相当なフィーチャ具合のBootsy Collinsだけでなく,ThundercatやBabyfaceも登場し,賑々しくアルバムを盛り上げているのは,この二人の意思に共鳴したところがあるのだろうと思ってしまった。星★★★★★。

暗い世相をぶっ飛ばすとでも言いたいナイスなアルバムである。

Personnel: Bruno Mars(vo, g, sitar, perc), Anderson Paak(vo, ds), Bootsy Collins(vo), Thundercat(vo, b), James King(vo), Krystal Miles(vo), babyface(vo), D'Mile(p, org, key, g, b, perc, vo), Ella Finegold(g), Brody Brown(b), Charles Moniz(perc), Alex Resoagli(perc), Kameron Whalum(tb, vo), Mark Franklin(tp), Kirk Smoothers(as, bs), Lannie McMillan(ts) with strings

2021年12月28日 (火)

Robert PlantとAlison Kraussの第2作。これまたいいねぇ。

_20211227"Raise the Reef" Robert Plant / Alison Krauss(Warner Music)

年の瀬も迫ってきたところに,またまたいいアルバムが出てきた。前作"Raising Sand"も素晴らしかったRobert PlantとAlison Kraussの二人だが,突然の第2作のリリースである。前作もそうだったが,今回も選曲の妙に加えて,二人のヴォーカルが渋いことこの上ない。最高なのだ。

そして,前作でもそうだったが,ここでもMarc Ribotほぼ全面参加ってのが凄いよねぇ。自分のバンドでやっていることとの落差が大きく,一体どういう頭の構造なのかと思えるが,ここではあくまでも音楽に合わせた渋い伴奏ぶりである。

もはや私の音楽的嗜好とこれほど合ってしまうと文句のつけようもない。T Bone Burnettのプロデュースもよろしく,またも傑作をものにしたお二方って感じである。酒でも飲みながら楽しみたくなること必定のレイドバック音楽。星★★★★★。カテゴリーはロックにしているが,これはロックよりSSW的な感じだと思ってもらえばよいだろう。

Personnel: Robert Plant(vo, hca), Alison Krauss(vo, strings), Jay Bellerose(ds, perc, clap), Viktor Krauss(b, synth), Dennis Crouch(b), Bill Frisell(g), Marc Ribot(g, requinto, b, clap), T Bone Burnett(g, synth, b, vo), Russell Pahl(pedal steel, g, b), David Hidalgo(jarana, g, clap), Jeff Taylor(dolceola, celesta, p), Stuart Duncan(banjo, fiddle, mandolin, cello), Buddy Miller(mandolin, g), Colin Linden(resonator), Lucinda Williams(vo)

2021年12月27日 (月)

2021年の回顧:ライブ編

King-crimson-live

ライブを回顧すると言っても,今年私が行ったライブは1本だけである。諸事情(笑)あり,ブログにはアップしていなかったのだが,回顧ということもあるので,それについて記すことにしよう。

私が今年唯一行ったライブはKing Crimsonであった。私にとっては1984年("Three of a Perfect Pair"の頃だ)以来のCrimsonのライブとなったが,今回が最後の日本ツアーだとやたらに喧伝されるものだから,これが最後ならやはり見ておかねばということで,高いお布施を払って駆けつけたというところである。Robert Frippがもはや75歳ということもあり,あんなテンションの高い音楽をやり続けるのは大変だってのはわかるのだが,現役感バリバリのKing Crimsonであった。

正直言って私はJakko Jakszykのヴォーカル(と言うか,声だな)は好きになれないところがあり,亡きJohn Wettonの素晴らしさばかりを感じていた訳だが,それでもやはりこの7人でしか出せない音にはなっていたと思う。つくづく,本当にこれが最後なのか?という疑念ばかりが渦巻いていたと言っても過言ではないと思えるほど,年齢を重ねても,実にハイブラウなバンドであった。

デビューから50年以上活動してきたというのも凄いことだが,これが最後(しつこいようだが,ほんまか?)と思って目と耳に焼き付けた私であった。でもここまでできるなら,やっぱり「また来ちゃった」ってなりそうだが(爆)。それにしても,オミクロン株の拡大のタイミングがもう少し早かったら,このライブも観られなかったと思うと,それだけはマジでラッキーだったと考えたい。

Personnel: Robert Fripp(g, key), Jakko Jakszyk(vo, g), Mel Collins(sax, fl), Tony Levin(ds, perc), Jeremy Stacey(ds, key), Gavin Harrison(ds)

2021年12月26日 (日)

2021年の回顧:映画編

2021-movies

いよいよ年の瀬も迫ってきたので,今年を回顧するモードに入ろう。まずは映画である。2020年はコロナ禍により映画館も営業できないような状態が続いていたので,昨年は映画については回顧していない。それに比べれば,今年は途中までは一席ずつ空けるようなかたちで営業を再開し,更には全面的に開放というかたちで映画を観られるようになったのは実にいいことである。私はライブにはほぼ行っていない状態なので,その代わりに映画館に足を運んだって感じかもしれないが,それでも劇場で観たのは16本に留まる。そのうちの一本は「赤ひげ」だから新作は15本ということになる。全然大した数字ではないが,そのほかに家でAmazon Primeやらで結構な数の映画を観たように思う。また,ライブに行けない分,音楽系の映画が1/4を占めたのも象徴的であった。

ここでは劇場で観たものに限定するが,今年観た映画で一番感動したのは何だったかと言えば,「アメイジング・グレース」か「アメリカン・ユートピア」の二択ってことになるかもしれない。どちらもよ過ぎて,Blu-rayをすかさず購入したというのは私にとっては実に珍しいことなのだ。音楽としては「アメイジング・グレース」なのだが,総合的な演出を含めれば「アメリカン・ユートピア」ってことで,どちらかを取れと言われれば「アメリカン・ユートピア」を取る。もう一本,「サマー・オブ・ソウル」という凄い映画があったことも付け加えておく。この3本,どれを観ても音楽ファンならずとも満足するはずであり,今年を象徴するならこの3本ということでまとめて挙げてしまおう。

また,日本映画としては「ドライブ・マイ・カー」の海外における高い評価には誇らしい気持ちになってしまう。3時間という長尺であったにもかかわらず,村上春樹の小説をよくアダプテーションしたという気がする。この映画のシナリオもよく出来ていたが,昨年のオスカーを獲った「プロミシング・ヤング・ウーマン」のシナリオも実によかった。面白い映画ってのは必ずシナリオもよく出来ているのだということを改めて感じさせてくれた2本であった。Anthony Hopkinsの演技に注目が集まりがちな「ファーザー」のシナリオも実に見事なものであった。ついでに言っておけば,「ファーザー」のOlivia Colmanも凄かった。彼女,本当の名女優である。今年の最後に観た「パワー・オブ・ザ・ドッグ」もBenedict Cumberbatchの演技もよかった。

そのほかに観た映画も満足のいくものばかりだったが,その中で唯一噴飯ものの出来だったのが「ワイルド・スピード」の最新作。あれは本当にひどかった。次はさすがにもう行かないかもしれんとさえ思わせたのは罪悪だ。また,「ブラック・ウイドウ」は公開の仕方に問題があったのも,映画を観に行くという観点で顰蹙ものだったとディズニーは知るべきだ。

あとどうしても納得がいかないのが,「Dune / デューン:砂の惑星」が日本でヒットしなかったことだろうか。あれほどよく出来た映画なのに,実にもったいないとしか言いようがない。全世界でヒットしたので,続編の製作が決定したのはよかったが,なぜあれが日本で受けないのか私には不思議でならない。原作を読んでいないと厳しいという指摘もあろうが,私だって原作を読んで臨んだ訳ではないが,十分に楽しみ,堪能した。あれはどうしても解せない。次作は日本でもヒットすることを祈願しておこう。

そして,Daniel CraigがJames Bondを演じる最終作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」はそれなりにヒットしてよかったと思う。Daniel Craigの007フランチャイズへの貢献は評価しても,評価し過ぎることはないと思っている私である。次のBond役者は大変だな。

来年はライブ通いが多少復活するかはまだわからない。しかし,映画はやっぱり最低月1本は劇場で観るというペースは崩したくないところだが,さてどうなることやら。

2021年12月25日 (土)

Alan Broadbent:実に趣味のよいトリオだ。

_20211223 "Personal Standards" The Alan Broadbent Trio(Concord)

Alan Broadbentの名前はIrene Kralの伴奏者として意識したのが最初だったと思う。その後,Charlie HadenとのQuartet Westでも知名度が上がっていたが,このアルバムはAlan Broadbentが全編オリジナル(1曲だけベースのPutter Smith作)を演奏したトリオ・アルバム。Alan BroadbentはPat Methenyの"From This Place"でも素晴らしいオーケストレーションを提供して,アレンジャーとしても凄いところを見せたが,本業たるピアニストとして97年にリリースしたのがこのアルバム。

そもそもConcordレーベルということで,趣味のよいアルバムになることは想定内であったが,これが実にリリカルなピアノを聞かせるナイスなアルバムなのだ。私がこのアルバムを購入する気になったのは,ドラマーがBill Evansトリオの最後のドラマーとなったJoe LaBarberaであったこともあったが,ジャケもまたいい感じなのがよかった。

そして出てくる音楽はこちらの期待通りの楚々としたピアノ・トリオである。ピアノ・タッチは美しく,曲もなかなか魅力的ということもあって,愛聴するというほどは聞いていないが,絶対売らない「一軍」アルバムとしての位置を確保している。全編を通して,スローでも,ミディアムでも,アップ・テンポでも実に心地よく時間が流れていく好アルバム。存在そのものがあまり知られていないかもしれないが,埋もれさせるには惜しい作品。最初に聞いた瞬間から私はこのアルバムが好きだと思ったが,今回改めて聞いても,やっぱりよかった。認知度向上のためにも星★★★★☆としよう。

ディスクそのものは,中古ではいくらでも手に入るので入手困難という訳ではないが,ご関心をお持ち頂けた方は,まずはストリーミングでどうぞ。

Recorded on October 7 & 8, 1996

Personnel: Alan Broadbent(p), Putter Smith(b), Joe LaBarbera(ds)

2021年12月24日 (金)

ホリデイ・シーズンに取り出したアルバム。

_20211222 "Jazz to the World" Various Artists(Blue Note)

最近はホリデイ・シーズンだからと言って,それにフィットする音楽をプレイバックする機会も随分減ったなぁと思う。それは娘が学業のため,家を離れているということもあるが,相応の年齢の夫婦二人では,別にそういう音楽を聞く理由も特にないってのが正直なところである。だが,在宅勤務が続く私は一人で仕事をしながら,音楽を聞く時間も結構あるので,久々に取り出したのがこのアルバムである。これをプレイバックするのは一体何年ぶりか?ってぐらい久しぶりである。

このアルバムが出たのは1995年のことであるから,既にこれも四半世紀以上経過しているのかと思うと愕然としてしまうが,いずれにしても,これはかなり豪華なメンツで構成されたコンピレーションだ。クレジットを見ていると実に面白いこともある。その最たる事例がMichael Franksの"Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!"だろう。Michael Franksがこれを歌うことには全然違和感はない。しかし,そのバックでピアノを弾いているのがCarla Bleyってのは異色な組合せと言わずに何と言うって感じである。ベースがSteve Swallowなのはわかるとしても,ギターがArtie Traumってどういう組み合わせやねん!と思ってしまった。しかもCarla Bleyの何ともまともなプレイぶり(笑)。

また,バンドとしてのホリデイ・アルバム"Snowbound"のあるFourplayが"It Came upon a Midnight Clear"をやっているのだが,"Snowbound"のギターがLarry Carltonなのに対し,こっちはLee Ritenourがやっているのが,私にとっては重要だ。Fourplayに似合うのはLarry CarltonよりLee Ritenourだというのが私の絶対の持論なので,これは実に嬉しいものであった。

このアルバムは"A Very Special Christmas"と同じ趣旨のジャズ/フュージョン版であるだけに,本家同様の豪華さを持っていることが特徴であるが,久々に聞いても,Chick Coreaはいるわ,Herbie Hancockはいるわ,John McLaughlinはいるわ,Diana Krallはいるわ,Brecker Brothersはいるわ,Steps Aheadはいるわ,Anita Bakerはいるわ,更にはDr. Johnまでいるわって感じで,こんなに揃っていたのか~なんて改めて思ってしまった。まぁ,ホリデイ・シーズンならではの企画アルバムだが,冒頭からしてHerb AlpertとJeff Lorberによる"Winter Wonderland"ってだけで掴みはOKであった。いや,マジで豪華ですわ。

2021年12月23日 (木)

Art Blakey & the Jazz Messengers初来日時の記録:悪いはずがない。

First-flight-to-tokyo "First Flight to Tokyo: The Lost 1961 Recordings" Art Blakey & the Jazz Messengers (Blue Note)

1961年のArt Blakey & the Jazz Messengersの演奏に関しては既に1月2日のサンケイホールの演奏がリリースされていたが,これは同年1月14日の日比谷公会堂での演奏。

本作はBlue Noteレーベルからのリリースであるが,装丁がResonanceレーベルのようだなぁと思ったら,プロデューサーはResonanceのZev Feldmanではないか。ってことは今やBlue Noteの社長となったDon WasがZev Feldmanを立ててのことと思わざるをえないが,Webの情報によれば,Feldmanは外部レーベルでの仕事もOKってことになっているようだ。なので,ライナー・ノートもResonance並みにしっかり作ってあって,日本からは湯川れい子,そしてナベサダも寄稿している。それだけでもへぇ~となってしまった私である。

まぁ,演奏に関して言えば,フロントはLee MorganとWayne Shorterを揃えた強力なメンツが揃ったライブであるから,悪いはずがない。しかも初来日に際して,彼らが日本で受けた大歓迎ぶりは今なお逸話として残っているし,ライナーにもBlakeyが感動のあまり涙したと書いてあるぐらいだから,演奏もBlakeyの感動を反映して,実に真摯なものであり,一切の手抜きがない。どこから聞いても,あの頃のJazz Messengersの音って感じで,60年前の記録を今にして楽しむことができることは実に素晴らしいことである。

選曲に関しては,なんで”Now’s the Time"を2回やっているのか?なんて疑問もあるものの,やはりこれは貴重な記録であり,私としては大いに楽しんだ。音源の古さもあるので,ちょいと甘いかなと思いつつ星★★★★☆。

Recorded Live at 日比谷公会堂 on January 14, 1961

Personnel: Art Blakey(ds), Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

2021年12月22日 (水)

Johnathan Blake:やはりこの人ただ者ではない。

_20211221"Homeward Bound" Johnathan Blake(Blue Note)

Johnathan Blakeの名前を初めて意識したのは,彼がTom Harrellのバンドにいた頃だと思うが,そのJohnathan BlakeがSunnysideレーベルから"The Eleventh Hour"をリリースした時には,その才能に心底驚かされたものである。あまりにびっくりして,2012年のベスト作の1枚にも選んでいる。

その後のアルバムもよかったJohnathan Blakeの新作は何とBlue Noteレーベルからである。私は当初,このアルバムをストリーミングで聞いていたのだが,そのコンテンポラリーな感覚が非常に良かったのでCD購入に至った次第。Blue Noteからのリリースゆえってところもあるだろうが,同レーベルの期待の若手,Immanuel WilkinsとJoel Rossの参加も注目されたこのアルバム,実にレベルの高い音楽となっている。

これはリーダーが優秀なのはもちろん,Blue Noteレーベルがタレントの発掘もきっちりやっていることの証左だ。まぁ,アメリカにはこれぐらいの才能はゴロゴロしているってところなのかもしれないが,こういう感じにはついつい惹かれてしまう。David VirellesのRhodesやMoogの使い方も適切で,これが今の,あるいは現在進行形の真っ当な筋の,あるいはコンベンショナル系から発展したジャズなのかなと思ってしまう。

こういう音楽には生で接して,その本質に触れてみたいと思うので,コロナ禍が落ち着いたら,是非この編成で来日して欲しいと思わせる音楽。突出したところがあるとは言えないかもしれないが,実に平均点が高く,センスがよいので,ついつい評価も甘くなり星★★★★☆。私の年代には絶対響くJoe Jackson”Steppin’ Out"とかをやっちゃうのもいいねぇ(笑)。

Personnel: Johnathan Blake(ds, perc), Immanuel Wilkins(as), Joel Ross(vib), David Virelles(p, rhodes, moog), Dezron Douglas(b)

2021年12月21日 (火)

「パワー・オブ・ザ・ドッグ」:映画における純文学ってところか。

The-power-of-the-dog 「パワー・オブ・ザ・ドッグ(”The Power of the Dog”)」('21,Netflixほか,米/英/加/豪/NZ)

監督: Jane Campion

出演: Benedict Cumberbatch, Kirsten Dunst, Jesse Plemons, Kodi Smit-McPhee

批評家筋にはすこぶる評判のよいこの映画,Netflixでも観られるが,どうしても劇場で観たい私は,劇場公開最終日に午前半休を取って劇場に駆けつけたのであった。

私がJane Campionの映画を観るのは「ピアノ・レッスン」以来のことなので,28年振りぐらいってことになる。「ピアノ・レッスン」は実に沈鬱な雰囲気の映画だったが,この映画の前半もかなり暗い雰囲気が漂っていた。この映画では後半に若干トーンが変わってくるが,それでも家族の確執やその背景を描くところには,身につまされる思いをさせられる。実に静かなトーンで,かつ真面目に撮られた映画であり,主題の通り,これはエンタテインメントと言うより純文学の趣に満ちた映画であった。そういうトーンは,エンタテインメント性を求める人々にとってはあまり面白くないものに感じられるはずで,その辺が評価の分かれ目ではないかと思える。

後半に向けて,Benedict Cumberbatch演じるPhil Burbankと,Kodi Smit-McPhee演じるPeterとの間の関係性が変わってくるところには若干の唐突感はあるのだが,Benedict Cumberbatchの演技は一見に値するものだと思えるし,次のオスカーにおいても主演男優賞ノミネートはかなり有望なものと言えると思う。それにしても,これって家庭でNetflixで見るより,映画館で観る方が絶対雰囲気は出る映画だと思うけどなぁ。

尚,この映画は全編ニュージーランドで撮影されたとのことだが,舞台となるモンタナの雰囲気は強く感じられるところも実に面白かった。星★★★★☆。

2021年12月19日 (日)

中年音楽狂の行ったり来たり(笑)。

久々の出張で福岡を訪問していた私である。

木曜日に福岡入りし,東京の自宅に帰り着いたのが金曜日の21:30過ぎであった。

そして土曜日の一便(7:40発)で,家人共々ではあるが,長崎に飛んでくるってどういうこと?てのが普通だよなぁ...。

しかし,以前もっと極端な事例があった。家族共々ヴァケーションをハワイで過ごし,一旦帰国し,その翌日,仕事でダラスに一泊三日の出張をしたことがある。さすがにその時はイミグレーションで怪しまれ,1時間ぐらい事情聴取をされた。なんでハワイから直接来ない?という疑問はごもっとも。しかも,一泊三日だけに私の荷物はブリーフケースとガーメントバッグだけ,かつハワイでの日焼けで,どう見ても真っ当なビジネスマンには見えなかっただろうから怪しまれるのも当然だ。

それに比べれば福岡〜東京〜長崎なんてちょろいもんだ(爆)。ってことで長崎滞在中の私である。

2021年12月17日 (金)

全然聞けていなかったChick Coreaの"Piano Improvisation Vol.2"。

Chick-corea-piano-improvisation2 "Piano Improvisation Vol.2" Chick Corea(ECM)

私はこのVol.1はアナログでも長年保有してきたが,Vol.2についてはECMがChick Coreaのピアノ・ソロを3枚組ボックスにしてリリースした時に初めて入手したのであった。そのボックスがリリースされて10年以上経過するはずだが,このVol.2についてはプレイバックした記憶がない。保有していることに満足してしまっている最たる事例だが,遅ればせながらこのアルバムを聞いて,なんでこれを放置していたのかと後悔してしまった。

Vol.1の出来のよさや,当時のChick Coreaの創造力を考えれば,いいに決まっているのだが,これが実によかった。Wayne Shorterの"Masqualero"の中間部のフリーな展開とかには驚いてしまうものの,いかにもChick Coreaらしい,基本的にはリリシズムに溢れるピアノ・ソロなのだが,そこに時折現れるフリー風味が当時のChick Coreaの音楽性ってところかもしれない。"Departure from Planet Earth"なんて,もはや完全フリーな世界だしなぁ。そこにまたミニマルな雰囲気も醸し出すところが実に面白いのだ。

いずれにしても,こういうのがアルバムとの「縁」なんだろうなぁと思ってしまうが,これまで聞くチャンスはいくらでもあったのに,それに気づかずに時間を過ごしてしまったことを今更ながら反省してしまった私である。取り敢えず買っておいて,後から聞けばいいやなんて思っているアルバムはこれに限った話ではないので,ちゃんとプレイバックの機会を見つけなければと思ってしまう。本作についてはVol.1と"Children’s Song"で聞いた気になっていたってところだと思うが,1971年当時の才気溢れるピアノ・ソロは今聞いても全然古びたところを感じさせないのは立派。

Chick Coreaは惜しくも今年の2月に亡くなったが,彼の残した音楽はまさにレガシーだったと思わされた一枚。放置したことへの反省も込めて星★★★★★としよう。改めてChick Coreaのご冥福を祈りたい。

Recorded in 1971

Personnel: Chick Corea(p)

2021年12月16日 (木)

久しぶりに聞いたHall & Oates:同時代を過ごした人間にとって懐かしいことこの上ない。

_20211211-5"The Essential Collection" Daryl Hall & John Oates(BMG)

Hall & Oatesの活動のピークは70年代後半から80年代前半と言って間違いないと思うが,その当時高校~浪人~大学生という時期を過ごした私のような世代にとっては実に懐かしい。私は5枚組のOriginal Album Classicsってのも持っているが,ここのところ全然聞いていないところに,今日はこのベスト盤である。今や,新しいベスト盤も出ていて,この20年前に出た欧州仕様のベスト盤より充実したものがあるだろうが,今更改めて買おうなんてつもりはないので,これで十分である。

それにしても,馴染みの曲が多いので,ついつい乗ってしまう自分がいるのだが,それにしても懐かしい。ほぼ歌えてしまうのも我ながら恐ろしいが,曲については必ずしも全部が好きって訳ではなかったなというのを改めて感じた私であった。例えば,"Family Man"なんて全米6位まで上がっているが,そんないいかねぇと思ってしまう。まぁ,それでも私の世代にとっては懐かしのメロディが並んでいるから,ついつい昔日を思い出してしまう訳だ。まぁ,こういうのを契機にまた彼らのアルバムを聞いてみるかということになるので,それはそれでいいのだが。いずれにしても懐かしい。さて,何を聞くか...?

それにしても,ジャケに写る髭のないJohn Oatesってなんか違和感あるんだよねぇ(笑)。

2021年12月15日 (水)

Bobby Charlesの”Wish You Were Here Right Now”:もうリリースされて四半世紀以上とは...。

_20211211-4 ”Wish You Were Here Right Now” Bobby Charles(Stony Plane/Pioneer LDC)

Bobby Charlesがこの世を去って10年以上経過しているが,彼がBearsvilleレーベルに残したアルバムは今聞いても実に素晴らしいアルバムなのは言うまでもない。Bobby Charlesについては件のアルバムを聞いていればOKって話もあるが,ラックを漁っていて,久々にこのアルバムを聞いてみた。

私が保有しているのは国内盤だが,リリースされたのは95年なので,もはや四半世紀以上前で,昨今感じることが多くなったように,時の流れが実に早い。本作は,当時比較的マイナーなシンガー・ソングライターのアルバムを結構出していたパイオニアLDCからのリリース。同社からのCDはジャケを矢吹申彦が書いていることが結構あったが,これもそうである。永らくニューミュージック・マガジンの表紙も担当していた矢吹申彦の絵はSSWへのフィット感は確かにあるよなぁなんて感じさせるジャケである。

それはさておき,このアルバムは1984年と1992~3年の録音が混在したものなのだが,音の変化のようなものがほとんど感じられないってのがある意味凄い。まぁBobby Charlesの音楽性がそういうものなのだということの裏返しであるが,まさにこれが個性ってことだろう。いかにもSSW的な音と,ルイジアナ出身らしくケイジャン風味の音が混在するのもBobby Charlesらしい。

そしてこのアルバムには結構豪華なゲストを迎えているのが特徴的。特に84年はNeil Young,Willie Nelson,Fats DominoらがBobby Charlesをサポートする。一方,90年代の録音ではSonny Landrethの客演が光る。"The Jealous Kind"のスライドなんて最高である。それでも上述の通り,出来上がってっ来るのは完全にBobby Charlesの音楽というのは自身のアルバムが決して多い訳ではないのに大したものだと思う。変わりようがないとも言えるし,鉄板の個性と言うこともできるだろう。

もちろん,アルバムとしてはBearsville盤を聞いていれば事足りるってのも事実なのだが,それでもこれはこれで結構味わいのあるアルバムだということを再確認した私である。ラストのタイトル・トラックなんて泣かせるしねぇ。星★★★★。

Recorded in 1984,1992 and 1993

Personnel: Bobby Charles(vo), Sonny Landreth(g), Bobby Broussard(g), Tommy Moran(g), Neil Young(g), Jody Payne(g), Ben Keith(steel-g),  George Bitzer(key), Joe Krown(key), Tommy Withrow(p), Reese Wynans(p), Pat Breaux(accor, ts), David Hyde(b), B. Spears(b), Mike Burch(ds), David Peters(ds), Danny Kimball(ds, rubboard), Billy English(ds), Bobby Campo(perc), Karl Himmel(perc), Micky Raphael(hca), Marshall Cyr(tp), Jon Smith(ts), Bill Samuel(bs), Fats Domino(vo), Willie Nelson(vo, g), Elaine & Lisa Foster(vo), Erica Falls(vo), Dana Duhon(vo)

2021年12月14日 (火)

Steve Colemanとラップは合うねぇ。

_20211211-3 "The Way of Cipher" Steve Coleman and Metrics(BMG France)

Steve Colemanは今でも現役でやっているが,私が一番熱心に聞いていたのは90年代前半までだったと思う。Arista/Novusから出るアルバムに段々マンネリ感を覚えるようになって私としては急速に関心を失っていったというのが正直なところである。

ところが,本作を含むパリでのライブの3部作が95年にリリースされた時には,やればできるんじゃんなんて思っていた(その時のFive Elementsの演奏に関する記事はこちら)のだが,結局のところ,Steve Colemanの魅力はスタジオ録音では捉えきれない部分もあったのかなと思う。

それでもって,このアルバムはFive Elenmentsとラップの融合って感じのアルバムなのだが,これまた実にカッコいいのだ。M-Baseコンセプトに合致したヘヴィーなビートと,3人のラッパーによるラップが実にフィットしていると思えるのだ。別にラップに対して何の思い入れもない私のような人間でさえそう感じるのだから,このカッコよさはある程度普遍的なものと言ってもよいと思う。

結局,私がSteve Colemanに求めていたのはここに聞かれるようなトンガリ感と,M-Base的なビートだったのかなぁと改めてこのアルバムを聴いて思った私である。この音楽を楽しむためには相応のヴォリュームが必要であり,できれば現場を再現するような爆音で鳴らしたいところ。いいねぇ。星★★★★☆。同じラップを交えた音楽としてはBill EvansのPushのライブ盤も結構好きな私だが,随分趣が違うなぁと思った。明らかにSteve Colemanのサウンドの方がヘヴィーだが,Bill Evansの軽い感じも捨てがたい。Bill Evansのアルバムもまだ記事にしていないので,そのうち取り上げることにしよう。

Recorded Live at the Hot Brass Club on March 26 & 28, 1995

Personnel: Steve Coleman(as), Ralph Aless(tp), Andy Milne(p, key), Reggie Washington(b), Gene Lake(ds), Josh Jones(perc), Kaila(dance), Kokayi(rap), Sub-Zero(rap), Black Indian(rap)

2021年12月13日 (月)

久しぶりに取り出したBrad Mehldau参加の珍盤。

Warner-jams

"Warner Jams: A Tribute to Jazz Masters" Various Artists(Warner Brothers)

このアルバムは,このブログを始めて3日目に記事にしている(笑。記事はこちら)。だが,ここに収められた音源を聞くのはそれ以来かもしれない(爆)。ソフトの保有枚数が増えれば,各々のプレイバック頻度が下がること自体は不可避だとしても,ブログを始めてもはや15年近くになるというのに,ほとんどプレイバックしていないというのもひどいものだと思わざるをえない。

このアルバムはジャズマンをデザインした切手のフォリオのオマケとしてついてくるものというのが実に珍しい訳だが,私がこれを入手した頃は,世の中で出回ることはあまりなかった。まぁ,切手のコレクターはそれをコレクションする訳で,手放す訳ないしねぇってところだろうが,それでもDiscogsでは今や簡単に入ってしまうのだからいい時代である。私はeBayで結構安く手に入れたが,Discogsは送料込みにするとそこそこの値段って感じか。まぁ,メンツとか見ると欲しくなる人もいるだろうねぇ。

これは本家"Warner Jams"の残りテイクかと思いきや,よくよく見るとクレジットにはVillage Vanguardでの録音って書いてあるから,ライブでのショーケース音源なのか?って疑問も湧くが,聴衆の拍手は入っていない。4曲だけとは言え,Brad Mehldauが参加している以上,私としてはどうしても入手しなければならなかったもの。Brad Mehldauがフィーチャーされるのは実にブルージーな"Goodbye Pork Pie Hat"だしねぇ。しかし,入手したのはいいものの,15年近くラックに寝かせたままってのもどうなのよ?と反省してしまった。切手含めた中身は上記のような感じ。まぁ繰り返しになるが,そこそこの珍盤ってことで。

2021年12月12日 (日)

Barry Harrisが亡くなったそうだ。

Barry-harris-2

Barry Harrisが亡くなったそうである。ジャズ界におけるまた新たなCovid-19の犠牲者であるが,91歳という高齢だっただけに,感染してしまったのは痛かった。

亡くなる直前まで,オンラインでのワークショップを続けていたとのことなので,近年は教育者としての側面が強くなっていたが,長期に渡る演奏歴を誇る大ヴェテランであった。最初に私が買ったBarry Harrisのアルバムは"Plays Tad Dameron"だったと思うが,もはや手許には残っていない。今,残っているのは数枚であるが,その中から今日は追悼する意味で,Riversideの"Preminado"を聞きながらこれを書いている。

Barry Harrisについてはこのブログで取り上げたリーダー作は"In Spain"だけってのが,私の中でのBarry Harrisの位置づけを示しているとも言えるが,一番聞いたのはSonny Stittのバックで弾いている"Tune Up!"かもしれない(それすらこのブログで記事にはしていないが...)。リーダーともども典型的なバッパーだった二人の共演は実に楽しく,Stittのアルバムとしてもプレイバック比率が高い。

古き佳き,と言ってはいけないが,ジャズの伝統に根差したピアノを聞かせる渋い人だったと思う。

R.I.P.

2021年12月11日 (土)

今更ながらの”Bass Desires”。懐かしいねぇ。

_20211210 "Bass Desires" Marc Johnson(ECM)

私はこのブログにMarc Johnsonのアルバムを何度か取り上げてきたが,そこではことあるごとに"Bass Desires"がどうのこうのという書き方をしてきたように思う。それだけMarc Johnsonと言えばこのアルバムみたいになっていることは間違いない。本作がリリースされたのが1986年なので,私は最初からCDを購入したと思うが,もうそれから実に長い時間が経過した。それでもこのアルバムの持つカッコよさってのは不変だ。

今回,久しぶりにラックから取り出してみたら,随分ジャケが黄ばんでしまったなぁと気づいた私である。まぁ経年劣化ってのもあるかもしれないが,保存状態が悪かった訳ではないはずなのだが...。本作はあまりに好きだったので,米国に渡る際にも日本から持って行ったはずで,ジャケにはMarc Johnsonのサインが入っている。私の記憶が確かならば,サインをもらったのはMarc JohnsonがJohn Scofield Quartet(Joe Lovano入りの頃)でSweet Basilに出た時のはずだ。そう言えばあの時,ジョンアバが聞きに来ていた。私はジョンアバがMarc Johnsonと話しているところに図々しく割り込んだはずだ(爆)。

それはさておきである。ECMらしくないと言えばECMらしくないアルバムである。しかし,このメンツの妙と言うか,全員がリーダーを張れる4人がバンドとして演奏をしているのだ。残念ながら彼らのライブに触れる機会はなかったが,まだこの4人は存命なので,万一再編されるようなことがあれば絶対観たいバンドである。冒頭の"Samurai Hee-Haw"からリスナーは心を捉えられること必定,そして2曲目はColtraneの「至上の愛」から"Resolution"が来て,更に興奮度が上がるのだ。

そしてジョンスコとビルフリという個性の塊みたいな2ギターというのも,好き者には超魅力的。そしてそれを煽るPeter Erskineも素晴らしければ,バンドとしてまとめたMarc Johnsonのリーダーとしての資質を強く感じさせられたことが今でも記憶に残っている。実に懐かしくもいまだに魅力的な傑作と思う。個人的な好みも含めて星★★★★★。

Recorded in May 1985

Personnel: Marc Johnson(b), Bill Frisell(g, g-synth), John Scofield(g), Peter Erskine(ds)

 

2021年12月10日 (金)

Apple MusicでPat MethenyのECMベスト盤を聞いた。

Rarum-ix”Rarum IX: Selected Recordings" Pat Metheny(ECM)

在宅勤務が基本となっている私ではあるが,珍しく出社の機会があったので,さて通勤では何を聞くかってことでApple Musicでセレクトしたのがこれであった。ECMのPat Methenyのリーダー作は全部保有している私であるから,何もベスト盤を聞かなくてもいいだろうという気もするが,気楽に聞くには丁度いいわと思ってプレイバックしたらはまってしまった(笑)。

まだ,テクノロジーを強烈に使いだす前って感じで,今聞くと結構シンプルささえ感じさせる演奏とも言えるのだが,こういうまだ「素」とも言えるPat Methenyは実に魅力的に響いた。今や大御所と言ってもよいポジションを確保したPat Methenyだが,ECM時代は人気はあっても,まだまだビッグネームとまでは言えなかっただろう。そんなまだ若かりしPat Methenyの演奏は,今聞いても全然色褪せていないなぁと思ってしまったのだ。特に"Travels"からの”Are You Going with Me?"の完璧さはまさに驚異的。このライブ音源を越える演奏はあり得ないと思えるほどの完成度を改めて確認。ほかにもECMの諸作から美味しいところが並んでいて,またECMのアルバムをちゃんと聞き直したくなってしまった私である。いやぁ,今更ながら,やっぱりええですわぁ。家に帰って,"Watercolors"とか"Offramp"を改めて聞いてしまったのであった。

2021年12月 9日 (木)

Barney Wilen:こういうのを聞いていると仕事もはかどる(笑)

_20211208 "Barney Wilen Quintet" Barney Wilen(Jazztone→Fresh Sound)

在宅勤務のいいところは,音楽を聞きながらの仕事ができることだ。好きな音楽を聞きながらだと,仕事もはかどることこの上ない。但し,好き過ぎる音楽には注意がそっちに向いてしまい,手が止まることがない訳ではない(爆)。

このアルバムを久しぶりにプレイバックしたら,仕事がはかどる,はかどる(笑)。心地よいスウィング感と適度なリズム,決してうるさくならない演奏。PCに向かう私をリラックスさせてくれたと言うべきか。オリジナル盤はアホみたいな値段がついているらしいが,私が保有しているのはFresh Soundから出たCD。確か値段は安かったはずだが,Fresh Soundってレーベルは,こんなものまでよく出すねぇって感じの再発が多かったので,結構世話になった。これもそんな一枚。

決して突出した作品ではないと思うが,それでもいかにも佳作と呼んでよい作品。こういうのって和むのだ(笑)。星★★★★。

Recorded in 1957

Personnel: Barney Wilen(ts), Hubert Fol(as),Nico Buninck(p),Lloyd Thompson(b),Al Levitt(ds)

2021年12月 8日 (水)

「アメリカン・ユートピア」のBlu-rayが到着。再見が楽しみだ。

Amercan-utopia-bluray 今年観た映画の中でも屈指の一本と言ってよい「アメリカン・ユートピア」だが,海外版のBlu-rayも出てはいるものの,日本ではなかなか手に入れにくい状態だったので,今回発売された国内盤を購入した私である。

これぞまさに舞台芸術という感じで,心底痺れさせられたこの映画を,改めて観るのが実に楽しみな私である。いずれにしても,David ByrneもSpike Leeも凄いわ。

2021年12月 7日 (火)

”Music from Big Pink":さすがにこういうアルバムは記事にしにくい(笑)。

_20211205 ”Music from Big Pink" The Band(Capitol)

長年ブログをやっていても,本作のようなアルバムについて書くことには大いに躊躇がある。私が今更どうのこうの申し上げること自体が馬鹿げていると思ってしまうからだ。本作に限らず,The Bandについてもこのブログに書いたのは「ラスト・ワルツ」の映画版についてだけのはずである。Bob Dylanはまだ現役で,新作も出るが,The Bandについては3人が亡くなって,残るはRobbie RobertsonとGarth Hudsonだけになっているし,結局彼らの過去のアルバムを取り上げるしかないとすれば,もはや書くことは限られている。なので,今回も完全な気まぐれなのだが,こういうことでもないと,しょっちゅうプレイバックする訳ではないので,丁度ええわってことで...。

このアルバムを私が初めて聞いたのは高校生の頃だったと思うのだが,正直言って,その当時は本作の真価を理解できていた訳ではない。こうした音楽の魅力を本当に理解するにはそれなりに音楽に触れる必要があると思っている。自分自身の経験に照らして言えば,ジャズにおけるThelonious Monkの音楽のようなものである。Monkの音楽も高校生の時はさっぱりわからなかったが,ジャズ喫茶通いを続けて,様々な音楽に触れて,やっとMonkの音楽の入口に立ったような気分だったが,The Bandの音楽もBob Dylanも聞き,様々なアメリカン・ロックやシンガー・ソングライターのアルバムを聴いた上で,本当の素晴らしさを理解できたのは随分後になってからではないかと思う。

私が保有しているCDは2000年にリリースされたボートラ9曲が追加されたヴァージョンだが,オリジナルの11曲の完成度が無茶苦茶高いので,ボートラなしでも十分満足できるのは当然である。改めて全編を通して聞いてみて,私が実感したのが,少なくとも本作におけるRichard Manuelの出番の多さであった。Garth Hudsonを除けば皆歌える人たちだが,少なくとも本作では,まだLevon HelmもRick Dankoも,Richard Manuelほどはリードは取っていなかったのだなと,今更のように思ってしまった私である。逆に言えば,その程度の聞き方しかしてこなかったのかもしれないなぁなんて反省してしまったが,今聞いても,まさに珠玉の名盤であることには間違いない。ボートラはあっても問題ないが,結局は別テイクや没テイクだから,なくても全然問題ないのだ。そうは言ってもThe Band版の"Key to the Highway"とかは興味深いが,実にあっさり2分半弱でやっている。

ってことで,いろいろ書きつつも,やっぱり星★★★★★以外の評価はあり得ないな。2作目もそのうちちゃんと聞き直そうっと(笑)。

Personnel: Jamie Robbie Robertson(g, vo), Richard Manuel(p, org, vo), Garth Hudson(p, org, key, ts, ss), Rick Danko(b, fiddle, vo), Levon Helm(ds, perc, vo), John Simon(p, perc, horn)

2021年12月 6日 (月)

Karen Daltonの"In My Own Time"の50周年記念盤がリリースだそうだ。

_20211204 "In My Own Time" Karen Dalton (Paramount→Papa’s Choice)

世の中には好き者がいて,いろいろな音源が拡大再発されるのには段々驚かなくなってきた。だから,このKaren Daltonの名盤の誉れ高きセカンド・アルバムの50周年記念盤が出るというのにも,なるほどと思いつつ,驚いたのはそのリリース形態である。3LP+7インチ×2+CDというスーパー・デラックス・エディションは凄いなぁと思いつつ,なるほどという感じだが,カセット・テープや8トラックまで出るらしいというのにはさすがにびっくりした。昨今,人気が一部で再燃しているカセット・テープはさておき,8トラなんて再生できる環境がどれぐらい残っているのかと思うと,これには本当に驚いた。

それはさておき,このアルバム,「ブラックホークの99選」にも入っているが,Karen Daltonは歌い手に徹していて,自作の提供はしていないので,彼女はシンガー・ソングライターではなく,あくまでもシンガーである。そして,アルバム・タイトル通り,(一部例外はあるものの)時代に即した曲を選んで歌っているって感じがする。そして,"When a Man Loves a Woman"みたいな曲も交えてしまうところがユニークだが,歌いっぷりは若干癖があるのも事実。しかし,私のようなSSW好きにとっては,このアルバムを支えるバックのメンツも魅力的なので,避けて通れないアルバムではある。おそらくはプロデューサーも務めたHarvey Brooksの人脈ってのもあるだろうが,Paul Butterfield作の"In My Own Dream"は曲もいいが,そこで聞かれるJohn Hallのソロなんて実に渋いものである。

だからと言って,50周年記念盤まで手を出すとは思えないが,何か凄いことになっているなぁと感じる今日この頃。アルバムとしては100%好みかどうかは別に,星★★★★☆には十分値すると思う。

Personnel: Karen Dalton(vo, g, banjo), Richard Bell(p), Harvey Brooks(b), Amos Garrett(g), John Hall(g), Daniel Hanken(g), Bill Keith(pedal steel), Ken Pearson(org), Denny Seiwell(ds), John Simon(p), Greg Thomas(ds), Dennis Whitted(ds), Bobby Notkoff(vln), Hart McNee(ts), Robert Fritz(cl), Marcus Doubleday(tp)

2021年12月 5日 (日)

ようやく到着。Joni Mitchellのアーカイブ・ボックス第2弾が最高だ!

Jma2 "Archives Volume 2: The Reprise Years 1968-1971" Joni Mitchell(Rhino)

リリースから若干時間が経過したこのボックスがようやくデリバリーされた。早くから発注していても,輸入盤が発売日に届くことが少ないAmazonにはマジで文句を言いたいところだが,価格差を考えれば仕方ないかもしれない。しかし,遅いものは遅い。本作を待望していた私としては待つのが実に辛かった。

ここに収められた音源はストリーミングでも聴けるんだから,それでも聞いて待っていてもよかったのだが,今回はひたすら待ちに徹していた私である。そのボックスを早速聴いているのだが,まず聞いたのが名門カーネギー・ホール出演時のライブ音源。いやはや実に若々しく瑞々しい。もうこれを聞くだけでも星★★★★★。全部聞き通すのがこれほど楽しみなボックスはない(きっぱり)。最高である。

2021年12月 4日 (土)

追悼,新井満。

Photo_20211204141601

新井満が亡くなったそうだ。私の年代であれば新井満を最初に意識したのは,シンガー・ソングライターとしての「ワインカラーのときめき」においてであったのではないかと思える。しかし,私が評価していたのは小説家としての新井満であった。

しかし,新井満は小説を書くのをやめてしまって,やれ「千の風になって」やら,自由訳を連発するようになってからは全くの興味の対象外とはなっていたが,「ヴェクサシオン」から「海辺の生活」あたりまでは,少なくとも出版された当時の私の嗜好には相当フィットしていたと思う。今や彼の本はクロゼットの奥に鎮座しているが,訃報を受けて今一度取り出して再読してもいいかなと思っている。三十数年前に読んだ本を,還暦も過ぎた今読めば,全然違う感覚をおぼえそうな気もするからだ。

いずれにしても,いろいろな才能を持っていた人だったが,私にとってはあくまでも小説家,新井満であった。

R.I.P.

2021年12月 3日 (金)

これぐらいが丁度いいって感じのRod Stewartのベスト盤

_20211202 "The Story So Far: The Very Best of Rod Stewart" Rod Stewart(Warner Brothers)

このベスト盤が出たのが2001年で,それから20年経っても現役で頑張っているRod Stewartである。つい先日,新作もリリースしたようだが,そちらは未聴だが,もう彼も76歳,来年の1月には77歳になるそうだ。まぁ,私が還暦なんだから,当たり前か(苦笑)。

この2枚組は基本的にWarner Brothersレーベル所属時の音源で構成されているが,"Maggie May"は外せなかったというところか。私のように何枚かRod Stewartのアルバムは保有していても,熱狂的なファンではない人間にとっては,これぐらいのヴォリュームが丁度いいわってところのベスト盤だが,選曲は玉石混交って気がする。まぁ,ヒット曲は多い人だから,こういうかたちでそれまでのキャリアを俯瞰できるってのは悪くはないと思う。

実に久しぶりに聞いたのだが,やはりこの人も時代のアイコンだったなぁと感じる今日この頃。でも今でも結構チャートではいい線行ってるんだねぇ。それにはびっくり。星★★★★。

2021年12月 2日 (木)

更新がままならず...。

諸事情あり,更新が停滞中。明日は何とかしたい(苦笑)。

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