望月慎一郎の”Trio 2019”:このアルバムが日本から生まれたことに驚く。
"Trio 2019" 望月慎一郎(Unknown Silence)
FBやブログのお知り合いが取り上げられていて,気になって仕方がなかったアルバムである。巷のショップでは11/17リリースとなっているようだが,レーベルに直接発注して,早速ゲットした。それぐらい逸早く聞きたくなるメンツだったと言ってよい。何てったって,ベースはMiroslav Vitous,ドラムスは福盛進也なのだ。これはどうやっても気になる。
メンツからしても,ジャケの雰囲気からしてもECMライクなところを想像するが,まずはストリーミングで聞いて,こういう音楽が日本から生まれたことを素直に喜びたい。まさにツボにはまる素晴らしいピアノ・トリオ・アルバムである。静謐にして美的なところはやはりECM的と言ってよいが,日本人のピアニストがこういう演奏をすることが今まであっただろうかと思ってしまう。そして,Vitousの来日,福盛の帰日のタイミングを逃さなかったことも素晴らしいではないか。まさに一期一会。
こういうサウンドが好みのリスナーにとっては文句なしというところであるが,果たして本作に"Waltz for Debbie"は必要だったのかなぁ?という気はする。むしろ,メンバーのオリジナルだけで通してもよかったのではないかと思えるところはあるが,それでもアルバム全体を支配する美的な感覚は素晴らしい。まずはこうしたアルバムがリリースされたことを評価したい。星★★★★☆。
Recorded in 2019
Personnel: 望月慎一郎(p), Miroslav Vitous(b), 福盛進也(ds)
« 追悼,Pat Martino。 | トップページ | 皆さんが「今日は一日“松田聖子”三昧」で盛り上がったのに便乗して...。 »
「新譜」カテゴリの記事
- Laura Marlingの"Patterns in Repeat"のDeluxe Edition現る。(2025.05.24)
- Wayne Krantzに何があったのか...。新作は驚きの弾き語りアルバム。(2025.05.17)
- 初聞きだった"Pink Floyd at Pompeii – MCMLXXII":Pink Floydでこれが一番好きかもしれないと感じるほどの興奮作。(2025.05.14)
- Joe LovanoとMarcin Wasilewski Trioの共演第2弾:結果やいかに。(2025.05.03)
- Stingの最新ライブ盤をまずはストリーミングで聞いた。(2025.04.27)
「ジャズ(2021年の記事)」カテゴリの記事
- 2021年の回顧:音楽編(2021.12.30)
- Alan Broadbent:実に趣味のよいトリオだ。(2021.12.25)
- ホリデイ・シーズンに取り出したアルバム。(2021.12.24)
- Art Blakey & the Jazz Messengers初来日時の記録:悪いはずがない。(2021.12.23)
- Johnathan Blake:やはりこの人ただ者ではない。(2021.12.22)
コメント
« 追悼,Pat Martino。 | トップページ | 皆さんが「今日は一日“松田聖子”三昧」で盛り上がったのに便乗して...。 »
閣下、これも抜き打ち的な感じでびっくりだったです。
まぁ、、ここでは、、ヴィトウスさまは、お客様的立場なのでしょうが、、結構と熱くなってるのがいいなぁ、、と、やっぱり。ヴィトウスさまです。
個性的な3人が創り上げた情感豊かな世界だとおもいます。
信念が引き寄せた奇跡的なめぐり会いの一枚ですね。
私のリンクを置いていきます。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-6c6640.html
投稿: Suzuck | 2021年11月 5日 (金) 08時39分
Suzuckさん,こんばんは。リンクありがとうございます。
>これも抜き打ち的な感じでびっくりだったです。
はい。私も驚きました。
>個性的な3人が創り上げた情感豊かな世界だとおもいます。
>信念が引き寄せた奇跡的なめぐり会いの一枚ですね。
これを実現させた実行力には敬服します。いいものを聞かせてもらいました。
投稿: 中年音楽狂 | 2021年11月 6日 (土) 17時27分
このページを拝見し、早速購入。
ECMよりはwarmで、あまり鋭角的ではない音だと思いますが、昨今のECMより良き録音で楽しめました。Vitousがそんななかに溶け込んでいるのにはビックリ。
ゆったりと聴いています。
投稿: K's Jazz days | 2021年11月 9日 (火) 21時06分
K's Jazz daysさん,こんばんは。
>このページを拝見し、早速購入。
痛み入ります。
>ECMよりはwarmで、あまり鋭角的ではない音だと思いますが、昨今のECMより良き録音で楽しめました。Vitousがそんななかに溶け込んでいるのにはビックリ。
Vitousの参加そのものが驚きでしたが違和感ない演奏でした。Vitousを立て過ぎることもなかったのがよかったって気もします。こういう音楽は大歓迎ですね。
投稿: 中年音楽狂 | 2021年11月 9日 (火) 21時46分