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2021年11月30日 (火)

Marisa Monte,10年ぶりのスタジオ録音作だそうである。これがまたも素晴らしい。

Marisa-monte "Portas" Marisa Monte(Sony)

私は長年,Marisa Monteの音楽に痺れていると言っても過言ではないが,Marisa Monteがスタジオ録音のアルバムをリリースするのは"O Que Você Quer Saber de Verdade(あなたが本当に知りたいこと)"以来10年ぶりになるということだ。そのアルバムが出た時も私は絶賛している(記事はこちら)が,その年は私はMaria Ritaがマイ・ブームになっており,その年のベスト盤には前作は選んではいないものの,十分高く評価していたつもりである。本作はそれ以来のスタジオ録音ということだが,当初はデジタル音源でリリースされていたものが,CDでもリリースされると知って,早速購入したもの。そしてやっぱり今回もMarisa Monteは素晴らしかった。

上記でリンクした記事でも書いているが,私はMarisa Monteの魅力はその声にあると思っている。あの魅力的な声で歌われたら,大概の場合,まいってしまうだろうと思う。そこへ今回は全17曲という大盤振る舞いである。それも粒よりと言ってよい佳曲が並んでいるのだから,これはたまらん。

極めてヴァラエティに富んだ曲が並んでいるし,派手目のアレンジが施された曲もあり,私としてはもうちょっとしっとり感があってもよかったかなとも思うが,そんなことはどうでもよくなるような魅力がこのアルバムにはあると言っておこう。様々なコラボを通じて生み出された佳曲の数々に身を委ねていればOKみたいな感じになってしまう。久しぶりに2曲にArto Lindsayが共同プロデュースで関わっているのも嬉しかった。貼り付けた映像でやっている"Calma"もそのArto Lindsayとの共同作業で生まれた曲である。

とにかく,全編に渡って私にとっては心地よいことこの上なく,師走を前にいいものを聞かせてもらったって感じである。今回も軽々と標準的なレベルを越えたナイスなアルバム。星★★★★☆。彼女のほかのアルバムも久しぶりに聞きたくなる効果は絶大。買い逃していたTribalistasの第2作も慌てて発注した私(笑)。

Personnel: Marisa Monte(vo, g), Dadi(g, b, p, el-p, perc), Nicolas Hakim(g), Davi Moraes(g, b, perc), Chico Brown(vo, g, p), Pedro Baby(g, perc, vo), Marcelo Camelo(g, b, perc), Jorge Drexler(vo, g), Mauro Deniz(cavaquinho), Paul Wilson(p, org, synth), Pretinho de Seminha(key, perc, vo),  Claudi Andrade(el-p), Melvin Gibbs(b), Martin Leiton(b), Kassa Overall(ds), Jorginho Gomes(ds), Kassa Overall(ds), Calinhos Brown(perc),  Michael Leonhart(tp), Seu Jorge(fl, vo), Melanie Charles(fl), Silva(vo), Flor(vo) with Strings and horns

2021年11月29日 (月)

実に面白いEberhard Weberのライブ発掘音源。

_20211128 "Once upon a Time" Eberhard Weber(ECM)

最近,ベース・ソロのアルバムがよく出るECMであるが,これはEberhard Weberが94年に行ったライブ音源を発掘リリースしたもの。Eberhard Weberのソロ演奏となっているが,おそらくシークェンサーを用いて,多重録音的な雰囲気を醸し出している。そして,いかにもEberhard Weberらしいベース音が捉えられていて,実にECMらしいアルバムとなった。このECMらしさは最近,エンジニアリングで名前を観ることもあるGerald de Haroが,このレコーディングのプロデュースとエンジニアリングを行っていることによる部分もあるかもしれない。

いかにもEberhard Weberらしい音楽が続く中,突然"My Favorite Things"が現れるのには驚くが,「音」の一貫性もあるので,演奏としての違和感はない。

いずれにしても,このタイミングでこの音源がリリースされることに,ECMというレーベルにおけるEberhard Weberの重要性というものが示されていると思う。今年,ECMからはMarc Johnsonのベース・ソロ・アルバムもリリースされたが,同じベース・ソロでもこれほど違うというところを感じさせるのが実に面白く,Marc Johnsonもよかったが,このアルバムも同じぐらいよいと思ってしまう。

もはやEberhard Weberは脳梗塞により演奏はできないし,既に傘寿を過ぎた高齢ではあるが,過ぎし日の創造性を感じさせるには十分なアルバムであった。万人向けとは思わないが,好き者にははまる世界ってことで,星★★★★☆。

Recorded Live at Theater des Halles, Avignion in August, 1994

Personnel: Eberhard Weber(b)

2021年11月28日 (日)

マイキーのアルバムにはBob Bergがよく似合う。

_20211125 "Odds or Evens" Mike Stern(Atlantic)

度々このブログに登場するマイキーことMike Sternである。いつも書いていていることだが,マイキーのアルバムは正直言ってどれを聞いても同じように響くということは否定できない。だから私は曲名なんて全然意識して聞いたことがない(爆)。ライブに行っても,あぁ,これって知っているなぁなんて思っているだけで,さて,どのアルバムに入っている何という曲かなんてことは思い出そうにも思い出せない。マイキーの結構なファンだとか言っても,そういう聞き方だってあるのだ(きっぱり)。それはマイキーが新機軸を打ち出そうとしてヴォイスを入れてみたり,新たな共演者を迎えても変わらない。結局私はマイキーの演奏スタイルやフレージングが好きなんだろうってことは強く感じるが,とにかくライブなんてこう来るだろうなぁとおもったところで,ちゃんとやってくれるところがいいのだ(笑)。

そうは思いつつ,マイキーのアルバムはBob BergとやっていたAtlantic初期の頃のものの方がプレイバック頻度が高いのは事実で,今更ながらマイキーとBob Bergの相性は実によかったと思っている。双頭バンドを率いていたのだから,本人たちもそれは自覚していたはずだが,ハードボイルド対ハードボイルドみたいな感じで,やっぱりカッコいいのである。

彼らがアルバムを一緒に作っていたのは1992年ぐらいまでになるが,それはBob Bergが更なる自身のキャリアを追求しようとしたことによるものかもしれないが,その後,マイキーが選んだサックス奏者はMike Breckerはさておき,Bob MalachとかBob Franceschiniのような人たちであるが,結局Bob Bergの路線を踏襲しているように思えても,Bob Bergに勝るものなし。だったら,Bob Bergともっと続けて欲しかったなぁなんて思っても,Bob Berg亡き今,叶わぬ夢である。

それはさておき,ここでもマイキーはアコースティック・ギターをプレイしてみたりして,ちょっと違うことをやろうとしているが,結局はいつものマイキーになってしまうのはご愛敬である。でも好きなので星★★★★だが(笑),それが何か?(爆)。

Personnel: Mike Stern(g), Bob Berg(ts), Jim Beard(p, synth), Lincoln Goines(b), Anthony Jackson(b), Ben Perowsky(ds), Dennis Chambers(ds), Don Alias(perc)

2021年11月27日 (土)

Eaglesの76年のライブLPがデリバリーされた。しかし,このパッケージは...。

Live-at-the-forum "Live at the Forum, '76" Eagles(Asylum/Rhino)

発注していた2LPのライブ盤がようやく到着した。発送メールが届いたのが11/11だったが,米国側での手続きに手間取っていたようで。2週間以上経過しての到着となった。

このアルバムは"Hotel California"がリリースされる直前のライブということで,相当初期の"Hotel California"のライブ・ヴァージョンの披露ということになるのだろう(だが,アレンジは既に「あの」あまり評判のよくないライブ・スタイル)。本来のライブはもっと長かったはずだが,この2LPは3面収録,無音のSide Dにはビヴァリーヒルズ・ホテルのエッチングが施してあるという変わった作り。収録時間も50分にも満たないので,せっかくだったらもっと出せばいいのにと思ってしまった。しかし,まだまだ勢いのある頃のライブなので,演奏自体は相応に楽しめる。

しかし,私がこのアルバムを手にして感じた違和感は,パッケージにおいて,ミュージシャンが4人しか写っていないことである。そう。ここにはDon Felderがいたはずなのに,ジャケの写真にもスリーヴにもその姿がない。Don Felderがその後,Eagles(より具体的にはGlenn FreyとDon Henley)と泥沼の裁判沙汰になったというのはわかる。しかも,まだもめているって話もあるが,それにしても完全黙殺モードってのは,実に大人げない感じがする。双方に言い分はあろうが,どっちもどっちだ。

よって,音楽自体は楽しめるのだが,どうしてもこの違和感をぬぐうことができないということが決定的な問題。バンドなんてそんなもんだと言われてしまえば反論もできないが,この違和感さえなければ,もう少し気持ちよく聞けたはずだよなぁなんて思ってしまった。よって,本盤についてはそうしたところにケチがつくので,星はつけるのをやめておこう(決して無星ということではない)。

Don Felderの名誉のために,この時のForumにおけると思われるライブの写真もアップしておこう。確執もここまで行くと見苦しく,人間,こんなになるまでもめたくないねぇ...というのが実感。

Recorded Live at the Los Angeles Forum in 1976

Personnel: Glen Frey(vo, g), Joe Walsh(g, vo), Don Felder(g, vo), Randy Meisner(b, vo), Don Henley(ds, vo), J.D. Souther(g, vo), Vince Melamed(org) with Strings

Forum-76

2021年11月26日 (金)

久々のブラックホークの99選から,今日はJerry Jeff Walker。

_20211123-3 "Mr. Bojangles" Jerry Jeff Walker(Atco)

私のSSWに関する嗜好のかなりの部分は、「ブラックホークの99選」に依存している。私のSSW熱の高まりの端緒はCSN&Yの"4 Way Street”であるのは事実だが,「ブラックホークの99選」がその後の私の音楽の好みに大きな影響を与えたことは間違いない。よって,このブログでも何度か99選のアルバムを紹介してきたが、すべてが私の好みに合致している訳ではない。私は特にトラッド・ミュージックには関心が低い(そもそも相性がいいと思っていない)し,例えばPacheco & Alexanderなんて,そんなにいいか?と考えているクチである。しかし、かなりの確率でこの99選は私の趣味に合っているのだ。それでもって、今日はJerry Jeff Walkerである。

このアルバムと言えば,やはりタイトル・トラックというのは事実だろう。しかし,それならもっとヒットしたNitty Gritty Dirt Bandのヴァージョンを聞いていればいいのではないかという話もあるが,本家には本家としての魅力があるのだ。この曲の魅力は、この曲が多くのミュージシャンによってカヴァーされていることによって実証されている。

本作においては,冒頭の"Gypsy Sandman"には濃厚なカントリー・フレイヴァーが感じられるが,私にとっての強い魅力は、よりフォーク・タッチの曲にあると言える。一方で、"The Ballad of Hulk"のような7分30秒を超える曲における物語性なども面白く感じられるし。アルバムの最後に収められた"My Old Man"なんて実に痺れる曲だと思っている。

正直、これより好きな99選のアルバムはいくらでもあるが,全体的に考えれば、やっぱりいいアルバムだと思う。私の保有するCDには"Mr. Bojangles"と"Round and Round"のシングル・ヴァージョンがボーナス・トラックとして追加されているが、伴奏陣の違いによる雰囲気の違いを楽しむのも一興。星★★★★☆。

尚,伴奏陣にRon CarterやBob Cranshawの名前があることは実に興味深い。

ecorded on June 7, July 29, 31,August 2,1968

Personnel: Jerry Jeff Walker(vo, g), David Bromberg(g), Gary Illingworth(p, org), Donny Brooks(harp), Danny Milhon(dobro), Jody Stetcher(fiddle, mandolin), Bobby Cranshaw(b), Jerry Jemmott (b), Ron Carter(b), Bill LaVorgna(ds) with Bobby Woods(org), Charlie Freeman(g), Sandy Rhodes(g), Tommy McClure(b), Sammy Creason(ds) and strings

2021年11月25日 (木)

山下トリオがManfred Schoofを迎えた強烈「ど」フリー+α。

_20211123-2"Distant Thunder" Manfred Schoof(Enja)

カヴァーのアーティストの並びを見れば,あたかもManfred Schoofのアルバムのようだが,実質的には山下洋輔トリオにManfred Schoofが客演したものであることは,収録された曲を見ればわかる。通常,トリオでの演奏が基本だった山下トリオがゲストを迎えるとどうなるのかっていうのが興味の第一点ってところだろうが,基本的にいつもの山下トリオの演奏である。むしろManfred Schoofが彼らにどう対峙するかの方がこのアルバムにおける関心事である。

まぁ,そうは言っても,Manfred Schoofと言えば,Globe Unityにも参加していた強者であるから,期待はできる。そんなアルバムが廉価盤でリリースされたので購入したものだが,買ってから1年半近くになるのに,記事をアップしていなかったのは,このアルバムをちゃんと聴くタイミングに恵まれなかったからだ。このアルバムは爆音で聞かなければ意味がないのだが,家人のいるところではプレイバック不能(苦笑),また在宅勤務のBGMには不適切(爆)だったのである。

そこへ今回,休日に家人が出掛けた隙を狙って(爆)の爆音プレイバックをしたのだが,これが全く期待を裏切らないもので嬉しくなってしまった。Manfred Schoofは山下トリオによくフィットしているし,山下トリオも何も変えることなく迎え撃つって感じである。唯一,Schoofのソロで演じられる"’Round About Midnight"が2曲目に収められていることを除けば,当時の山下トリオの演奏そのものだろう。そして森山威男のドラムスの激しいこと,激しいこと。今にして思えば,小山彰太も山下トリオにはばっちり合っていたが,森山の「重量感」は更に強烈なものだったと思える。

タイトル・トラックは山下洋輔のソロで演じられるものだが,ここはいつもよりコンベンショナルな山下洋輔のピアノが聞けて面白いが,冒頭の「ミトコンドリア」と最後の「Hachi」はこれぞ山下トリオの真骨頂と言うべき強烈,(少なくとも私にとっては)爽快なフリー・ジャズである。やっぱりこういう演奏は燃えちゃうねぇと思った私である。結局のところ好きなのだ。日頃の憂さを晴らすにはこれぐらいが丁度ええわってことで,星★★★★☆。

Recorded Live in Stutgart on June 12, 1975

Personnel: Manfred Schoof(tp, fl-h), 山下洋輔(p),坂田明(as),森山威男(ds)

2021年11月24日 (水)

元Brad MehldauトリオのJorge RossyによるECM作。

_20211123"Puerta" Jorge Rossy(ECM)

Jeff Ballardに交代するまで,Brad Mehldauトリオの不動のドラマーであったJorge RossyによるECMからのリーダー作である。トリオ脱退後はドラマーと言うより,ヴァイブ奏者としての活動が活発になっていたと思うが,本作においてもドラムスはJeff Ballardに任せて,リーダーはヴァイブとマリンバに専念している。

Manfred EicherはExecutive Producerとクレジットされているので,持ち込み音源と思われるが,Jorge RossyはJakob Broの"Uma Elmo"に参加していたから,それが縁となってのリリースとなったのかもしれない。サウンド的にはECMのアルバムとしては,コンベンショナルなジャズ・フレイヴァーが漂わせつつも,音数が多い訳ではなく,へぇ~って感じである。この辺りは,ECMが日ごろ使っているスタジオやエンジニアと違うところも影響しているだろう。

特筆すべきは私のしょぼいオーディオ・セットで聞いても感じられる音のよさである。非常にクリアで粒立ちのよい音に聞こえる。こうした演奏を捉えるためには,音のクォリティも必要だと思うが,まさに音楽にぴったりのエンジニアリングではないかと思える。ECMの音には独特のECMらしさが存在するが,これは明らかに昨今のECMの音とは異なるように感じる。

収録された全10曲中9曲がJorge Rossyのオリジナルで,残る1曲がChris Cheek作ってのが面白い。まぁ,Jorge RossyにはChris Cheekとの共演歴もあるから,取り上げることには違和感はないが,「敢えて」ってところは,今でも付き合いがあることの証であろう。アルバム全編を通じて聞いてみると,決して悪いとは思わないが,突出した魅力を感じるかと言うと,そうでもないってのが正直なところである。私としては4ビート的な展開の方が面白く聞けたので,この編成にはよりオーセンティックな感じでの演奏の方がフィットしているのではないか。

まぁヴァイブ・トリオってのはあるようでない編成であり,そこが難しさと言うこともできるが,よほど魅力的にやらないと聞く方も集中力が保てないって気がする。それに敢えてチャレンジする姿勢は立派と認めつつも,アルバムとしてはプレイバックの頻度は高まりそうにないというのが正直なところ。星★★★☆。

Recorded in September 2020

Personnel: Jorge Rossy(vib, marimba), Robert Landfermann(b), Jeff Ballard(ds, perc)

2021年11月23日 (火)

オーケストラのライブ談議に触発されて,今日は"Great"

Tennstedt-box_20211123093301 ”Schubert: Symphony No.9 ’Great’” Klaus Tennstedt & Berlin Philharmonic Orchestra(EMI)

昨日,久しぶりに大学のサークルの先輩,同期とのこじんまりとした飲み会があったのだが,そこでのオーケストラのライブ談議に触発されて,久しぶりのクラシック・ネタである。

昨今,私がブログにアップするのは現代音楽のピアノが中心みたいになっていて,オーケストラの演奏は久しくアップしていない。児玉桃のECMからの細川/モーツァルトはあったが,純粋なオケのCDは昨年9月にTeodor Currentzisの「運命」をアップしたのが最後だ。そもそもライブにも全然足を運んでいないし,オーケストラの生演奏も最後に聞いたのはいつのことだったかすら記憶にない。

そんな私も以前は結構クラシックのライブに行っていたが,一番よく行ったのは約2年のNYC在住中であった。何せカーネギー・ホールやリンカーン・センターの定期のチケットは金のない私でも行けるレベルだったし,夏のタングルウッドだって,ちょこちょこ出かけることもできたのだから幸せなものである。それ以外で言うと,頻度からすれば通算して約8週間(初回が3週間,2回目が5週間),出張で滞在した1988年9月~89年初頭でのロンドンでのことだと思う。仕事のピークはシステム稼働のための年末年始だったが,それ以外は結構余裕のある滞在であった。9月は音楽シーズンの幕開けとも合致していたこともあるし,かつロンドンのオーケストラのライブはチケットが激安だったので,コンサート・ホールにはよく足を運んだのも懐かしい。王室がパトロンとなっていることもあるのだろうが,日本では信じられないような値段で聞けたのだ。

今日取り上げるシューベルトの「グレイト」も現地で聞いたのだが,私が入手したチケットは確か£2.90,当時のレートでも700~800円ぐらいだったはずである。そんな価格でKlaus Tennstedtが振るロンドン・フィルの演奏が聞けてしまったのだ。あの時はオケの後ろの席だったので,振っているTennstedtの表情がよく見えたのも懐かしい。

ってことで,今日は久しぶりにTennstedtがベルリンを振った演奏を聞いているのだが,久しぶりに聞くとオケの演奏はやっぱり高揚感があっていいねぇなんてことを思ってしまうのだから,私もいい加減なものだ。このEMIのボックス,激安と言ってよいもので,ショップによっては1枚200円もしない価格で入手出来てしまうが,たまにはちゃんとこういう音楽も聞かないといけないな。こうなったら,皆さんが昨日盛り上がっていた同じボックスに入っているブルックナーでも聞くとするか(笑)。

2021年11月22日 (月)

Aretha Franklinの伝記映画「リスペクト」を観てきた。

Respect 「リスペクト("Respect")」(’21,米/加,MGM/Universal)

監督:Liesl Tommy

出演:Jennifer Hudson, Forest Whitaker, Marlon Wyans,Audra McDonald, Marc Maron, Kimberly Scott

Queen of Soul, Aretha Frankinの幼少期から,アルバム"Amazin Grace"までを描いた伝記映画である。マッスルショールズも出てきたり,Jerry Wexler等,実在の人物も多数登場するし,数々のArethaのヒット曲が流れる映画は音楽ファンにとっては相応に楽しめるだろう。Jennifer Hudsonも頑張っているのはよくわかる。

しかし,ストーリーとしてはよくある伝記映画であり,もう一歩深掘りしてもよかったようにも思えるところだが,時期を更に絞り込むと訳がわからなくなるだろうし,まぁこの辺りが限界ではないかという感じだ。しかし,このシナリオ,元々映画「アメリカン・グレース」に感動して書き始めたのではないかと思ってしまうような展開で,やはり終盤近くの"Amazing Grace"の歌唱は泣かせる。

そして,エンディング・クレジットで流れるのがAretha本人がKenndy CenterでのCarole King Honorsで歌った"(You Make Me Feel Like)A Natural Woman"ってのは反則だ。また,泣いてまうやないか(爆)。何度観ても感動的なので,映像も貼り付けておこう。やっぱり泣ける名唱だ。但し,Carole Kingの反応は行き過ぎって気もするが(笑)。

本作は映画としては完璧とは言えないが,Aretha Franklinの音楽をまた聴きたくなること必定の映画。でも映画「アメイジング・グレース」には絶対勝てないのは仕方がないところだ。星★★★☆。

2021年11月21日 (日)

CDの整理をしていて,久々に聞いたVinicius Cantuária。

_20211120 ”Horse and Fish” Vinicius Cantuária(Bar None)

ここのところ,買ったCDを全く整理していなかったので,デスク脇にはうずたかくCDの山ができていた。部屋の整理も兼ねて,CDを片付け,収納すべき場所に収納を進めていて,久しぶりにこのアルバムが目に留まってしまった。

Vinicius Cantuáriaについては,アルバム"Vinicius"や"Cymbals",そして"Samba Carioca"にBrad Mehldaugが参加していることもあって,それらのアルバムは保有しているが,本作はBrad Mehldauは参加していないものの,結構Vinicius Cantuáriaの音楽が気に入って購入したものと思う。しかし,それでも放置状態を続けていて,聞くのは何年振りだろうか?

このアルバムを聴いてこれは象徴的だなぁと思ったのが冒頭のGilberto Gilが書いた"Procissão"である。ほかの曲に比べて,この曲におけるエレクトリックな感覚,あるいは明らかに異なるムードが異色に響く。その後は比較的オーセンティックなボサノバ的な音楽が続くが,多少ベース・ラインが強調されているように思える部分もあって,その辺りはコンテンポラリー感が強い。Vinicius Cantuáriaの弾くエレクトリック・ギターのトーンもそういう部分があるが,これは聞いていてなかなか面白いと思えるものであった。

このアルバムは,私が保有するほかのVinicius Cantuáriaと異なり,固定メンツでのレコーディングとなっているが,こうした音場を生み出すにはある程度メンバー間のコンセプトの共通理解が必要だったのかもなぁなんて思ってしまった。それにしてもやっぱり"Procissão"は異色だ。星★★★★。ほかのアルバムもここのところ全然聞いていないので,そのうち聞いてみようっと(笑)。

Recorded in October, 2003

Personnel: Vinicius Cantuária(vo, g), Paulo Braga(ds, perc), Paul Socolow(b), Michael Leonhart(tp, perc, synth), Mauro Refosco(perc), Nanny Assis(perc)

2021年11月20日 (土)

"Power of Three":これほどいいアルバムだったとは...。

_20211119 "Power of Three" Michel Petrucciani(Blue Note)

知らぬこととは恐ろしい。このアルバムを初めて聞いたのはつい最近のことである。正直言って,私がMichel Petruccianiをそれほど熱心に聞いてきた訳ではないことが一番大きいのだが,このメンツに対する「恐れ」みたいなところがあったが,そうした感覚が予断に過ぎなかったことを痛切に思い知らされてしまった。

そもそも,Michel PetruccianiとJim Hallであれば,"Undercurrent"を想起させるようなコンビネーションを聞かせるだろうというのは想像がつくが,Wayne Shorterがどうなるのかってのがよくわからない部分への「恐れ」が強かったということだと思ってしまうが,そこはWayne Shorter御大,全く違和感なく溶け込んでしまうのがやはり凄い。冒頭の"Limbo"から目が点になってしまったではないか。

3者の共演は全7曲中3曲に留まるが,Wayne Shorterが参加していないMichel PetruccianiとJim Hallのデュオ曲にしても,聞きごたえ十分。モントルーの聴衆がなぜこれほどヴィヴィッドに反応し,熱狂したかも理解が容易と思える。こうした特殊な編成でも聴衆を熱狂に至らしうるということがよくわかる演奏である。ブルーズだろうが,バラッドだろうが,何でもござれ。最早これは名人芸の世界であったと言ってもよい。

返す返すもこれを長年聞かずにおいてきたのは,本当に惜しいことであった。既にPetruccianiとJim Hallは世を去り,Wayne Shorterも演奏から引退している状態の今,往時の名演に改めて触れることができただけでも,記録が残っていてよかったと思うことにしよう。自分の無知への反省も込めて星★★★★★。それにしても最後の"Bimini"は強烈であった。ここでの演奏を紹介して下さったFB友のAさんに感謝したい。

Recorded Live at Montreux Jazz Festival on July 14, 1986

Personnel: Michel Petrucciani(p), Jim Hall(g), Wayne Shorter(ts, ss)

2021年11月19日 (金)

銃撃事件からのLarry Carlton復活作を久々に聞く。

_20211118 "On Solid Ground" Larry Carlton(MCA)

Larry Carltonが銃撃を受けて,瀕死の重傷を負ったのが1988年。その頃,このアルバムは製作途上で,本作のリリースはLarry Carltonのギタリストとしての復活を宣言したものと言ってもよい。そういう意味では非常に感慨深いものであることは間違いところである。銃撃によりLarry Carltonは声帯を痛めたため,歌うことは難しくなったわけだが,ギタリストとしては左手が麻痺するというクリティカルな問題をクリアしての復活は。やはりめでたいという感じで迎えられたアルバムと言ってよいだろう。

今回,久しぶりにこのアルバムを聴くまで,そういうタイミングでのリリースであったことは全く私の意識になかったのだが,そういう逸話を聞くにつけ,復帰できたのは何よりだったと思う。

そうは言っても,私は同系のギタリストではLee Ritenourの方を評価していて,FourplayでのLarry Carltonもバンドに合っていると思えなかったという程度の人間であるから,Larry Carltonに対する思い入れというのは実は大したことはない。それでもこのアルバムの冒頭のSteely Danの"Josie"を聞けば,この人にはこういう曲が合うと思ってしまうのだ。

ここでは全編エレクトリック・ギターを演奏しているが,一時期アコースティック路線を強化していたことからすると,多少なりとも握力への銃撃の影響はあったのかと思わせるが,それでもフレージングには何の影響もなかったようで,よかった,よかったって感じである。いきなり"Layla"とかをやられるとなんでやねん?という気もするが,無難な演奏っぷりである。むしろ,Larry Carltonのオリジナルのメロディ・ラインはなかなか行けているので,カヴァー曲なしでもよかったという気もするが,やはりそれではアルバムとしての力が足りないという判断だったのかもしれない。まぁ,"Layla"のような超有名曲だけに,あまりチャレンジをしていない(できない)のは致し方ないところであるが,ここは個性を敢えて消しているようさえに感じてしまう。そこをどう思うかはリスナー次第だろうなぁ。

それでも,この人のフレージングはこの人ならではというところを感じさせるのは大したものだと思う。誰が聞いてもLarry Carltonって感じさせる個性ってのはなかなか出したくても出せるものではない。Larry Cartonの復活とその後の活動も含めて星★★★★。

甚だ余談だが,このジャケの写真を見ると,Larry CarltongがJohn Travoltaに見えて仕方ない私(笑)。御髪の感じもあるかもなぁ...。

Personnel: Larry Carlton(g, key, b), Dean Parks(g), Terry Trotter(key), Alan Pasqua(key), Rhett Lawrence(key), David Foster(key), Brian Mann(key), Abe Laboriel(b), Nathan East(b), John Peña(b),John Robinson(ds), Rick Marotta(ds), Paulinhio DaCosta(perc), Michael Fisher(perc), Kirk Whalum(ts)

2021年11月18日 (木)

またもブートにはまる...:今回もBob Bergである。

_20211116 ”Jazz Jamboree 1996" Bob Berg(Bootleg)

またもブート・ネタである。今回の本命は惜しくも閉店した新橋のテナーの聖地こと,Bar D2のマスターがご紹介されていたBob Berg入りのEastern Rebellionのライブ音源だったのだが,そちらを発注ついでに,名古屋のブート・ショップでお決まりのパターンで2枚買うと無料ギフトがゲットできるという特典を活かしてもらったのがこれである。因みにもう1枚購入したのはBrad Mehldauのザルツブルグでの2008年のライブ。これまた音よし,演奏よしのナイスなブートである。

このブートレッグ,実に気になるものだったのである。それは偏にメンツゆえであるが,ピアノが私が結構贔屓にするJoey Calderazzo,ベースがJames Genus,そしてドラムスがデニチェンでは誰だって気になるだろう。ここにMike Sternがいても不思議ではないというようなメンツであるが,Bob Bergワンホーンでアコースティックなサウンドで勝負しているのだ。これが実によい。オマケでこんなものがもらえるなんて実にラッキーとしか言いようがないが,この音源はほかのブート・ショップでも普通に売られているもの。この時の演奏はYouTubeに上がっているので,映像からの音の抜出しだろうが,Bob Berg吹きまくりである。完全に期待以上だ。

思えばBob Bergという人は,エレクトリックでもアコースティックでも実にハイブラウな吹きっぷりで,それにずっと痺れている私なのだ。このブログにも何度も書いているが,私はMichael BreckerよりBob Bergの方が好きだと言っても過言ではない。そんな私だから,この音源は実に魅力的。たまらん。

改めて映像を見てみればわかることだが,いきなりJames Genusのベース・ソロから始まって,なかなかBob Bergが出てこないのは放送がそこから始まったか,映像がそれしか残ってないってことだろう。その最初の"Sometime Ago"でのみソプラノを吹くが,その他はテナーでブイブイやっている。その吹きっぷりのカッコいいことと言ったら...。Bob Berg好きにはマジで至福の1時間である。ラストの"Snakes"でのBob Bergとデニチェンのバトルを聞いて燃えなければ,その人はモグリだと言ってしまおう(きっぱり)。

ということで,YouTubeに上がっている映像も貼り付けておく。いや~,燃えますわ。ポーランドの聴衆が羨ましい。お時間のある方は是非映像でどうぞ。

Recorded Live in Warsaw on June 30, 1996

Personnel: Bob Berg(ts, ss), Joey Calderazzo(p), James Genus(b), Dennis Chambers(ds)

2021年11月17日 (水)

John Goodsallを偲んで聞いたのが"Timeline"。

_20211113 "Timeline" Brand X(Buckyball)

先日のJohn Goodsallの訃報に接した際に,故人を偲んでプレイバックしたのがこのアルバムである。本作は1999年にリリースされた2枚組ライブCDであるが,1枚目は1977年,2枚目が1993年のパフォーマンスを収めたものになっていて,時代と編成が違うと,随分違う印象を与えるのが面白い。そうした中で77年は"Livestock"に似た感じだが,93年はトリオ編成となって,John GoodsallのギターはおそらくMIDIを通して,更にアグレッシブな印象を与える。

どちらの音源も,決して音がいいとは言えないものの,まぁ聞けるレベルではある。77年のメンツは名ライブ"Livestock"のHammersmith Odeonでのメンツと一緒であるから,印象が似るのは当然と言えば当然。当時のBrand Xの代表的なレパートリーをやっていて,実に嬉しくなる。これに対して,93年はGoodsallにPercy Jones,Frank Katzのトリオとなり,自由度が増した分,変態度も高まると共に,三者のテクが炸裂する感じがある。どちらもBrand Xと言えばBrand Xではあるし,相応に楽しめるのだが,やはり私の世代は77年のライブの方により魅力を感じてしまうというのが正直なところである。

いずれにしても,実にハイブラウなバンドであり,ある意味ストイックな感じさえ覚えてしまう。彼らのライブを実体験できなかったのは痛恨だったが,こうした音源で追体験できるだけでもよしとしよう。いずれにしても,NYC出張と彼らのIridiumへの出演のタイミングさえ合っていれば...と思ってももはや時既に遅しである。

Recorded Live in Chicago on November 16,1977 and in NYC on June 21, 1993

Personnel: John Goodsall(g), Percy Jones(b), Robin Lumley(key), Kenwood Dennard(ds), Frank Katz(ds), Morris Pert(perc)

2021年11月16日 (火)

ストリーミングでLyle Maysの遺作を聞いて思ったこと。

Eberhard"Eberhard" Lyle Mays(Outside in Music)

Lyle Maysが亡くなったのは2020年2月のことであった。本作はLyle Maysが亡くなる直前まで製作が続けられていたもので,今年になってリリースされたもの。それを遅ればせながらストリーミングで聞いた。

タイトルはもちろん,Eberhard Weberに由来するもので,元々は2009年に作曲したものを発展させたものらしいが,多くのミュージシャンが参加して作り上げたものである。Lyle Maysが自身の余命を自覚していたかどうかはわからないが,実に美しい音楽であった。この作品を特徴づけているのはヴァイブラフォンとヴォイス,そしてチェロだと思えるが,それでもやはりLyle Maysの音楽だと感じさせるに十分なものと思う。また,そこはかとなく漂うSteve Reich的な音もいかにもって感じである。

そして,この作品を聞いた誰しもが思うことだろうが,ここで聞かれるサウンド・テクスチャーはまさにPat Metheny Groupに近いものである。即ち,往時のPat Metheny Groupのカラーを作り上げていたのはLyle Maysであったことがよくわかるものであり,聞いていて喪失感の高まりを覚えた私であった。

本来であれば,この1曲のためだけに媒体を購入してもよいが,私としてはストリーミングでこの曲を繰り返し聴くことで,改めてLyle Maysを偲ぶこととしたい。でもやっぱり買っちゃうかもなぁ...。

Recorded between August 2019 and January 2020

Personnel: Lyle Mays(p, key, synth), Bob Sheppard(sax,woodwinds), Steve Rodby(b), Jimmy Johnson(b), Alex Acuña (ds,perc),Jimmy Branly(ds,perc), Wade Culbreath(vib, marimba), Bill Frisell(g), Mitchel Forman(org, el-p), Aubrey Johnson(vo), Rosana Eckert(vo), Gary Eckert(vo), Timothy Loo(cello), Erika Duke-Kirkpatrick(cello), Eric Byers(cello), Armen Ksajikian(cello)

2021年11月15日 (月)

これも久しぶりに聞いたElvin Jonesの誕生日ライブ。2曲だけだが,Michael Brecker参加。

_20211112"The Truth: Heard Live at the Blue Note" Elvin Jones Jazz Machine(Half Note)

昨日のThad Jonesに続いて,Elvin Jonesのアルバムである。本作が録音されたのは1999年だが,リリースされたのはElvinの死後の2004年になってからである。NYCのBlue NoteではよくミュージシャンのBirthday Bashってのをやっているが,このレコーディングもそうしたイベントにおけるライブ音源である。でもって,ポイントはMichael Breckerの参加だが,本作では2曲でBreckerのテナー・サックスが聞ける。

Elvin JonesのJazz Machineというバンドは突出したメンバーはいないのだが,ちゃんと水準以上の演奏を聞かせるバンドだったという意味では,Elvin Jonesの審美眼は間違っていなかったっということにはなるが,Art Blakeyのようにはなっていないのは,やはりメンツがJazz Messengersのレベルに達していなかったことは否めない。しかし,「水族館」やWynton Marsalisを迎えた「至上の愛ライブ」を聞いていれば,無茶苦茶レベルが高い演奏だっただけに,メンツにさえ恵まれていれば,もっと優れたバンド・リーダー足りえたのではないかと思うと,ちょっと惜しかったなぁと思わせる部分もある。

このアルバムもAntoine Roney,Robin EubanksやGene Perlaの知られた名はあるものの,やっぱりメンツ的には地味で,Birthday Bashならもう少し豪華に行ってもよかったかもなぁなんて思ってしまうが,まぁそれはよかろう。

Michael Breckerは"Body And Soul"と「五木の子守唄(クレジットでは"A Lullaby of Itsgo Village"となっている)」で素晴らしいソロを聞かせて,やっぱり場をさらうねぇと思わせる。私がElvinのライブをBottomlineで観た時は,Wynton Marsalisがゲストで入っていた。その時は「花嫁人形」をやったが,夫人の影響でこういう日本の曲をやってしまうのがElvinのいつものパターンとも言えるが,ここではテーマからBreckerのソロに転じると,モーダルな感じのソロ展開に痺れてしまう。

相変わらず,Elvin Jonesのオリジナルは曲としては大したことないなぁと思ってしまう(苦笑)が,演奏は相応に楽しめるものである。でもやっぱりMichael Breckerだなってのが結論。もちろん,Elvin Jonesのドラムス・ソロは実に素晴らしいし,その他のメンツも健闘しているが,傑作とまではならなかったってのが正直なところ。星★★★☆。結構好きなんだが,そのあたりが適切な評価だろう。

Recorded Live at Blue Note NYC on September 11 & 12, 1999

Personnel: Elvin Jones(ds), Michael Brecker(ts), Antoine Roney(ts, ss), Robin Eubanks(tb), Darren Barrett(tp), Carlos McKinney(p), Gene Parla(b)

2021年11月14日 (日)

Thad Jones:ジャズにおけるいい意味での「中庸」の魅力。

_20211111-2 "Detroit ‐ New York Junction" Thad Jones(Blue Note)

Thad JonesはJones3兄弟の真ん中であるが,ビッグバンドでの活動ではよく知られていても,プレイヤーとしては3兄弟の中で一番地味な感じがする。兄貴のHank Jonesだって,派手さはないものの,後年のThe Great Jazz Trio等もあって,注目度は日本でも高まったと言ってもいいし,弟のElvinはJohn Coltraneとの活動や,自身のバンドでの活動でやはり目立つ。Thad Jonesはアレンジャーとしても腕はいいし,トランペットだって極めてまともだと思うが,何となく地味なのだ。まぁ,強烈なハイノートをヒットする訳でもないし,劇的に盛り上げるようなこともしない。つまりギミックには頼っていないってことなのだ。

そんなThad Jonesが,Blue Noteにレコーディングするにあたり,故郷であるデトロイト人脈を揃えて作ったのがこのアルバムである。但し,ベースのOscar PettifordとドラムスのShadow Wilsonはデトロイト人脈ではないが,デトロイトと言えば,この二人ははずでないというKenny BurrellとTommy Flanaganは入っているし,Billy Mitchellも生まれは違うが,デトロイト育ちである。

まぁ,これだけのメンツが揃えば,おかしなことにはならないのは当然だが,突出した響きという感じではなく,いい意味で落ち着いた演奏なのである。熱く燃えるのだけがジャズではないというところで,実に「中庸」感に満ちている。過激なところはないし,イケイケ感もないが,それでも適度なリラクゼーションと,心地よいスイング感に溢れていると言えばいいように思う。

Blue Noteレーベルにおける飛び切りの傑作とは思わないが,こういうのを聞いていい感じになるってのはこれもまた楽しい。この感覚,最後に収められた"Zec"を聞いて頂けばお分かり頂けよう。星★★★★。

Recorded on March 13,1956

Personnel: Thad Jones(tp), Billy Mitchell(ts), Kenny Burrell(g), Tommy Flanagan(p), Oscar Pettiford(b), Shadwo Wilson(ds)

2021年11月13日 (土)

追悼,John Goodsall。

John-goodsallJohn Goodsallが11月11日に亡くなったそうである。John Goodsallと言えばBrand Xということになるが,ブリティッシュらしいウエットさを持ったフュージョン・バンドだったと思っている。特に初期のアルバムを愛聴してきたが,その3枚は全てオリジナルで保有しているということで,結構なファンだったのだ。結局,彼らのライブに接するチャンスには恵まれなかったが,フュージョンにおける英国からの回答と言うべき優れたバンドの実質的なリーダーがJohn Goodsallであった。

こうなったら,彼らの音源を聞きまくるしかないではないか。68歳はまだ若いし,まだまだ活躍できたはずだけに惜しい。しかし,よくよく考えてみれば,Brand Xの初期3作の頃はJohn Goodsallはまだ20代前半だったってことを知って,また絶句...。

R.I.P.

2021年11月12日 (金)

いつまで経っても変わらないJames Taylorだが,この瑞々しさはやはり素晴らしい。

_20211111"Sweet Baby James" James Taylor(Warner Brothers)

古希を過ぎても,James Taylorの音楽はまだまだ現役として通用するし,声も年齢を感じさせないのは凄いことである。それを認めたうえで,James Taylorが21歳の時に吹き込んだこのWarner Brothersレーベルにおける第1作の瑞々しさは,リリースから50年以上経過しても新鮮に響く。特にいかにもSSW的な曲のよさは不変。

そんな私でもホーン・セクションも入ったロック・タッチの"Steamroller"や"Suite for 20G"の後半には違和感を覚えつつも,やっぱりいいアルバムだ。31分余りという短い収録時間も時代ならではって気もするが,久しぶりに聞いても魅力は現代においても通用すると思う。

そんなアルバムにおいて,"Fire And Rain"が突出した曲だとは思うが,James Taylorが歌う"Oh, Suzannah"なんて,この人ならではだと思えるし,"Anywhere Like Heaven"のカントリー・タッチも面白いし,"Oh, Baby, Don’t You Loose Your Lip on Me"なんて,James Taylorに合ってるかどうかは別にして,珍しくも「ど」ブルーズである。このアルバムを聴いて,改めてJames Taylorのアルバムを聴きたくなった私である。上述のような違和感ゆえに星★★★★☆だが,魅力的なアルバムであることは間違いない。

Personnel: James Taylor(vo, g), Danny kootch(g), Carole King(p), Russ Kunkel(ds), Randy Meisner(b), John London(b), Red Rhodes(b), Chris Darrow(fiddle), Jack Bielan(brass-arr) + Horn Section

2021年11月10日 (水)

私にとっての究極の名曲と言ってもよい”Don’t Let the Sun Go Down on Me"。

_20211109 この曲を意識したのはカラオケであった(爆)。海外に出張中であったか,いつのことであったか覚えていないのだが,この曲のライブでの演奏の模様がカラオケのスクリーンでプレイバックされた時に,私に電撃が走ったと言ってよいかもしれない。何なんだ,この曲はと思った。そして,その後も私の頭から離れたことはない名曲である。

そんな私が,この曲をカラオケで挑んでみてもまともに歌えた試しはない(爆)が,歌うことに意義があるというモードで挑み続けて,常にはね返される私である。私が衝撃を受けたヴァージョンは,George Michaelとのライブ音源であったが,それはアルバム"Duets"にも入っている(はずだ)。私は"Duets"も保有しているはず(苦笑)だが,それよりもベスト盤のボーナス・ディスクに入っている方でよく聞いていたってところである。よくよく考えてみれば,この曲はベスト盤本編にも入っているが,今日,久しぶりにGeorge Michaelとのデュオ版のこの曲を聞いてみて,やっぱりこれはとんでもない名曲だと思った。そして無理だとわかっていても,また歌いたくなってしまった。Elton Johnは間違いなく天才だったってことの証である。マジでいい曲だ。

2021年11月 9日 (火)

現代音楽的なミニマル度も示す田中鮎美のECMリーダー作。

_20211108"Subaqueous Silence" 田中鮎美トリオ(ECM)

ECMからリーダー作をリリースした日本人ミュージシャンは菊地雅章,児玉桃,福盛進也,そして旦那のSchiffとデュオ作を持つ塩川悠子だと思うが,そこに加わったのが田中鮎美である。この人,Thomas Strønenのアルバムにも参加しているのは認識していたが,私はそちらは未聴。今回はリーダー作ということもあり,購入と相成った。

そもそもECMに相応しい"Subaqueous Silence(水中の静寂)"なんてタイトルを持つこのアルバムであるが,冒頭の"Ruins"からして,実にミニマルな響きであり,ジャズ的な熱狂とは全く無縁の世界。私はこの曲を聴いていて,能を想起していたのだが,「間」を重視するところは,先日記事をアップした高橋アキのJohn Cage集にも通じるところがある。つまり,かなり現代音楽的な響きと言ってもよい。バックもリズムを刻む訳ではないし,ややフリーな展開も交えるものの,基本的には実に冷え冷えとした感覚を持つアルバムである。まぁ,"Subaqueous"なのだから,温かみとは無縁という気もするが,これはもはやジャズの概念だけで捉えることは難しい音楽と言ってもよい。

私としてはこういう音楽に対する耐性があると思っているが,一般的なリスナーには結構ハードルが高いと思える。しかし,34分程度という収録時間もあって,あっという間に聞き終えてしまうようなアルバムなので,そう抵抗感もなく時は過ぎていくかもしれない。現在,田中鮎美はノルウェー在住であるが,ノルウェーという場所もあって生まれた音楽と言うこともできるように思う。そんな響きに身を委ねていればよいというところだろう。星★★★★。このトリオ,生で聞いたらどういう感覚を生むのか興味あるなぁ。

Recorded in June 2019

Personnel: 田中鮎美(p),Christian Meaas Svendsen(b),Per Oddvar Johansen(ds)

2021年11月 8日 (月)

ここのところ...

最近は週末や休日に外出する機会が多く,本来であればブログの記事を書きだめするための時間が取れない。この週末も連チャンで出掛けていたので,記事を書けずであった。

そんな中,昨日のアクセス解析を見ていたら,夕方から夜にかけて,集中的なアクセスの痕跡があった。大体平均的な日次のPVは500~600という当ブログにおいて,PVが1,000を越えたのは久しぶりって気がする。素人ブログなんだから,そんな強烈なアクセスは期待していないのだが,ユニーク・ユーザ数は通常とそんなに変わらないので,同じ方が集中的にご覧になったようだが,どういう方がご覧になっていたのかは気になってしまった。まぁ,ご覧頂いた方がいらっしゃるってことは喜ぶべきことだが,駄文の垂れ流しだけに申し訳ない気も...(苦笑)。

いずれにしても,明日には音楽系の記事がアップできるといいのだが,さて...。何ともさぼっているのを誤魔化すような記事になってしまった。

2021年11月 7日 (日)

Pat Martinoを偲んで:今日は"Consciousness"。

_20211106"Consciousness" Pat Martino(Muse)

Pat Martinoが亡くなって,このブログに記事をアップしていないアルバムを聴いてみようってことで,今日は"Consciousness"である。Pat Martinoはいろいろなレーベルに吹き込んでいるが,Museの諸作ってのは結構人気が高いところではないか。脳動脈瘤による記憶障害前のPat Martinoってのはやはり凄かったよなぁと改めて思わされる。もちろん,復活後だって素晴らしいアルバムは残しているが,一番油が乗っていたのはMuse期ではないかと思う。

本作もいきなり"Impressions"で幕を開けるが,これがいかにものPat Martino節全開である。Pat Martinoの速射砲を浴びて,興奮しなければもぐりだと言いたくなるような強烈な演奏から入る。2曲目は本作のタイトル・トラックだが,もともとEric Klossのアルバムで(Pat Martinoも参加)取り上げられた曲をアルバム・タイトルにしてしまうのはよほどお気に入りだったのだろうか。しかも11分越えという長尺である。

続く"Passata on Guitar"はクラシカルな響きを持つ曲で,ソロ・ギターでもイケているところを示す。それに続くBenny Golson作の"Along Came Betty"は正確無比のピッキングを聞かせ,世の中のギタリストにギターを諦めさせかねないものと思ってしまう(私だけか?)。続くMartinoオリジナルの"Willow"はボサノバ・リズムに乗って,またも見事なピッキングさばきを聞かせる。当たり前ではあるが,結局何をやってもうまいのだ。

そして,興奮は次の"On the Stairs"でピークを迎えると言ってよい。なんなのよ,このフレージング!?って感じであるが,冒頭の"Impressions"同様のインパクトで迫ってくる。これがマジで凄い。これこそPat Martinoの真骨頂と言ってもよい。そして,最後はJoni Mitchellの「青春の光と影」で締めるというのが実ににくい演出である。私が保有しているCDには"Along Came Betty"の別テイクが入っているが,これはあっても嬉しいが,なくてもOKってところか。いずれにしても,本作はやっぱりいいねぇ。

つくづく亡くなってしまったことが惜しまれる。改めてR.I.P.と申し上げたい。

Recorded on October 7, 1974

Personnel: Pat Martino(g), Eddie Green(el-p, perc), Tyrone Brown(b), Sherman Ferguson(ds, perc)

2021年11月 6日 (土)

皆さんが「今日は一日“松田聖子”三昧」で盛り上がったのに便乗して...。

Seiko-index"Seiko Index" 松田聖子(CBSソニー)

私は聞いていないが,先日FMで「今日は一日“松田聖子”三昧」なる番組が放送されていて,私のお知り合いも大いにネット上で盛り上がっていたので,それに便乗である。

松田聖子に関して,私が音楽的にショックを受けたのがアルバム”Pineapple"であったことはにもこのブログに書いたことがある(記事はこちら)。あのアルバムに収められた曲の素晴らしさは今でも不変であり,私が変わらず保有している松田聖子のアルバムはその"Pineapple"と"Utopia"だけである。あと,"Dancing Shoes"の12インチは今でも持っているなぁ(笑)。

"Pineapple"が出て,それで松田聖子にはまってしまった私が次に買ったのがこの当時のベスト・アルバムである。松田聖子のキャリア上,一体何枚のベスト・アルバムがあるのか?と思ってしまうが,私は相当このアルバムにはマジではまった記憶がある。選曲が実によいのだ。そして曲の並びも素晴らしい。シングルだけではなく,アルバムからの曲も選んでいて,選曲の妙とはこれのことだ。

「今日は一日“松田聖子”三昧」において実施された「心の聖子ソング SWEET投票」で1位となったらしい「制服」も入っているが,「Squall」とか,「いちご畑でつかまえて」とかよくわかっているねぇという選曲である。唯一,このアルバムにおいて私があまり評価していないのはAメロが「青い珊瑚礁」みたいな「風は秋色」ぐらいである。その「風は秋色」という曲はAメロの印象が悪いだけで,それを除けば悪くないのだが,ここに代わりに「渚のバルコニー」が収録されていれば完璧だったと思う。こればかりは当時のシングルのリリース・タイミングもあっただろうから仕方がないが,多少もったいないと思ってしまうのだ。しかし,そうした瑕疵が気にならないほどよく出来たベスト・アルバムである。

今となっては私は松田聖子への関心を失ってしまったが,それでも1982年から83年こそが松田聖子の黄金期であり,その頃の彼女の歌は今でも十分に魅力的だと思っている。今でも十分魅力を発散する森高千里はそういう意味では凄いなぁと思ってしまうが。

ってことで,皆さんのノリに便乗してこんな記事を書いてしまったが,ストリーミングで聞き直してもこのアルバムはよく出来ていた。

因みに私にとっての心の聖子ソングは「P・R・E・S・E・N・T」,「秘密の花園」,「マイアミ午前5時」,そして「Rock’n Rouge」と「ボン・ボヤージュ」の合わせ技ってところか。懐かしいねぇ,松田聖子黄金時代。

2021年11月 5日 (金)

望月慎一郎の”Trio 2019”:このアルバムが日本から生まれたことに驚く。

_20211104 "Trio 2019" 望月慎一郎(Unknown Silence)

FBやブログのお知り合いが取り上げられていて,気になって仕方がなかったアルバムである。巷のショップでは11/17リリースとなっているようだが,レーベルに直接発注して,早速ゲットした。それぐらい逸早く聞きたくなるメンツだったと言ってよい。何てったって,ベースはMiroslav Vitous,ドラムスは福盛進也なのだ。これはどうやっても気になる。

メンツからしても,ジャケの雰囲気からしてもECMライクなところを想像するが,まずはストリーミングで聞いて,こういう音楽が日本から生まれたことを素直に喜びたい。まさにツボにはまる素晴らしいピアノ・トリオ・アルバムである。静謐にして美的なところはやはりECM的と言ってよいが,日本人のピアニストがこういう演奏をすることが今まであっただろうかと思ってしまう。そして,Vitousの来日,福盛の帰日のタイミングを逃さなかったことも素晴らしいではないか。まさに一期一会。

こういうサウンドが好みのリスナーにとっては文句なしというところであるが,果たして本作に"Waltz for Debbie"は必要だったのかなぁ?という気はする。むしろ,メンバーのオリジナルだけで通してもよかったのではないかと思えるところはあるが,それでもアルバム全体を支配する美的な感覚は素晴らしい。まずはこうしたアルバムがリリースされたことを評価したい。星★★★★☆。

Recorded in 2019

Personnel: 望月慎一郎(p), Miroslav Vitous(b), 福盛進也(ds)

2021年11月 4日 (木)

追悼,Pat Martino。

Pat-martino-photo-2

Pat Martinoが亡くなった。ここのところ,体調を崩しているらしいという情報が入ってきてはいたが,ついにこの世を去ってしまった。まさにこの人のギタリストとしての人生は波乱万丈。脳動脈瘤により,ギタリストとしての記憶をなくしたというのも凄いが,そこからの完全復活が更に凄い。そしてワン&オンリーの音色,フレージングを持つ人であった。

私にとっては,何度か彼のライブに接することができたのは幸いであった。これからしばらくはPat Martinoの音源を聞いて,彼を偲ぶこととしよう。

R.I.P.

2021年11月 3日 (水)

「間」を感じさせる高橋アキの次がCecil Taylorって私は変態だ(爆)。

_20211101-2 "Akisakila" Cecil Taylor Unit(Trio)

昨日このブログにアップしたのが,ミニマルと言ってもよい高橋アキのJohn Cage集だったのだが,その次がその対極みたいなCecil Taylor Unitをアップしてしまうことの異常(笑)。これこそまさしく音の洪水であり,これほどタイプの違う音楽を聞いている自分は多重人格者?って思いたくなる。

編成は山下洋輔トリオと一緒であるが,洋輔トリオが一種の爽快感をもたらすフリー・ジャズだとすれば,Cecil Taylorのフリー・ジャズは重い。誤解を恐れずに言えば,一枚聞き通すともたれる(爆)。このアルバムなんて,収録時間82分って,CDの性能限界を超えているのではないかっていう長時間収録盤だが,とにかくこれは聞き通すだけで疲れるが,その疲労感を燃焼させるパワーを感じさせるところが,それこそ定冠詞付きの「フリー・ジャズ」である。

このアルバム録音当時,Cecil Taylorは44歳。まだ体力もあり余っていたはずだが,それにしてもこのえげつないと言ってもよいパワーは何なのだろうか。音がイマイチなのが玉に疵だが,こうした音楽に音質どうこうということ自体が馬鹿げている(きっぱり)。聞いて一緒に燃えればいいのだ!ってことで,82分聞き通すとどっと疲れが出ること必定だが,聞き終えた時の到達感こそが心地よいのだ。ある意味修行であるが,生で聞いたらトランスあるいは悶絶確実な音楽である。こんな音源が1,100円で買えるっていい時代だ。星★★★★★。

それにしても冒頭の悠雅彦のイントロダクション終了を待たずに演奏になだれ込む,勢い余った瞬間のスリル。ひえ~って感じである。やっぱ凄いわ。

Recorded Live at 新宿厚生年金会館 on May 22, 1973

Personnel: Cecil Taylor(p), Jimmy Lyons(as), Andrew Cyrille(ds)

2021年11月 2日 (火)

高橋アキによるJohn Cageの音楽。このミニマルな感覚がたまらん。

_20211101 "Perilous Night" 高橋アキ(カメラータトウキョウ)

私は現代音楽のピアノがかなり好きだと言っていいと思うが,私にとっての精神安定剤みたいなところがあると言ってもよい。ノイジーなフリー・ジャズだって好きなのとは対極みたいな感じだが,「間」に惹かれるってところかもしれない。現代音楽と言ってもいろいろあるが,大体私が好んで聞くのはミニマルな音数を絞った感じの音楽である。

そして,日本のピアニストで現代音楽を弾かせたら,やっぱりこの人ははずせないと思わせるのが高橋アキである。その高橋アキがJohn Cageのピアノ音楽を弾くとなれば,これはいいに決まっている(きっぱり)。そして,全17曲中13曲はプリペアード・ピアノによるものであり,最後に収められた1969年の作品,"Cheap Imitation"以外は1940年代の曲で占められている。

やはり注目はプリペアード・ピアノの音ということになるが,そもそもJohn Cageはプリペアード・ピアノの「発明者」であるから,ここに収められた曲を聴けば,プリペアード・ピアノの何たるかは理解できるということになる。基本的にはピアノをパーカッシブに響かせるための小道具を施したって感じだが,その個性的な響きが面白い。ここでは驚いたことに名器,ベーゼンドルファーをプリペアード・ピアノに使っているのだ。普通のピアニストからすれば,何ちゅうことするねん!?って感じだろうが,それをやってしまう高橋アキも凄いねぇ。後半4曲のプリパレーションを外したベーゼンドルファーとの違いを体感するのも楽しい。

そうしたサウンド面はさておき,私にとってはここで聞かれる「間」が何とも心地よい。やっぱりこういうのが好きなのだ。星★★★★★。

Recorded on January 10 & 11,2007

Personnel: 高橋アキ(prepared-p,p)

2021年11月 1日 (月)

中年音楽狂,新潟に現る(笑)。

20211030

昨日,某所に遠征中なんてもったいぶったことを書いたが,私が訪れていたのは新潟である。私は縁あって,プライベートで新潟を年に数度訪れる機会がある。私と親しい方々はなぜ新潟ってのはご存知なのだが,不特定多数がアクセスするブログにはその理由は書かない。それはさておき,コロナ禍の間はなかなか大手を振って訪れるってこともできなかったのだが,緊急事態宣言も解消されたので,今回は堂々と行ってきた(笑)。

新潟にお邪魔した時の楽しみは食と酒に決まっているということで,今回も現地の名店にお邪魔してきた。写真では雰囲気は完璧には伝えることはできないが,私が現地で食したもののイメージはつかんでいただけるだろう。おすそ分けにもならないが,秋を感じさせる器にも是非ご注目頂きたい。

シーズン最後?とも思える松茸の土瓶蒸しと松茸ご飯も嬉しかったが,下の写真の左から2枚目のオレンジ色のものは白子の上に雲丹が乗っているという,痛風まっしぐらの一品。とにかく,どれもこれもが素晴らしいお料理であった。因みに上の段の右から2枚目はぶりのあぶりに辛味大根が乗ったものだが,今回改めてではあるが,新潟のぶりの美味しさにはマジで感動した。ほかのお店で頂いたぶりのあぶりも実に美味であり,やっぱり寒ぶりは日本海だってつくづく思ってしまった。

頂いたお酒はKENZO Estateシリーズであさつゆと紫鈴と調子に乗ってしまった!散財したことは言うまでもない(爆)。でもまた冬場に絶対行くぞ~!

新潟,この素晴らしいこの場所に縁ができたことを素直に喜びたい。

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