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2021年9月19日 (日)

一部で話題沸騰(笑),Nicole Gloverのアルバム。

_20210917 "Strange Lands" Nicole Glover(Savant)

テナー・サックスに一家言をお持ちと言えば,惜しくも閉店した新橋のテナーの聖地,「Bar D2」のマスターだった河上さんだが,その河上さんが最近ことあるごとに(笑)推しを入れているのが,このNicole Gloverである。NYCのSmallsには結構出ているようではあるが,いかんせんレコーディングはまだまだ少ないので,私は河上さんのお話から想像するに留まっていた。そうは言っても,George Colliganのアルバムで吹いているのとかは聞いていて,なるほど,さもありなんと思っていたが,そこへ彼女のアルバムが登場である。

Nicole Gloverの音楽を表すとすれば,アルバムのライナーの冒頭の文章が最適である。そこには"Her name is Nicole Glover; she is thirty years old; and she burns.” 年齢はさておき,重要なのは"She burns."ってことだろう。この目くるめくようなハードでリスナーを燃えさせるブローイングこそが,彼女の魅力と言ってよい。そして,本作は4曲にGeorge Cablesをピアノに迎えつつ,そのほかの曲はピアノレスのトリオである。サックス・プレイヤーとしての自信がなければ,そのフォーマットは取らないというところだろうが,冒頭のタイトル・トラックからして,吹きまくりである。河上さんが推すのもよくわかる演奏と言ってよい。

スタンダード3曲以外は,本人もしくはバンド・メンバー(及びその関係者?)のオリジナルである。このアルバムを聞いて思うのは,Nicole Gloverはスタンダードだってちゃんと吹けるとは思うのだが,私にはこうしたスタンダードよりも,よりハードな吹きっぷりの方が似合っていると思えてしまう。George Cablesとデュオで演じた”A Flower Is Lovesome Thing"だってちゃんとやってはいるし,ラストの"I Concentrate on You",あるいは中盤の"Dindi"だって破綻はない。ではあるのだが,これらの曲にはまだ彼女に成長,あるいは成熟の余地があると思わせるもので,やはり私にはよりハード・ブローイングな曲の方に魅力を感じてしまう。若気の至りだってよいのだ。

このアルバムを聞いていて,Lee Morganって最初から出来上がっていたのねぇと思ってしまったが,Nicole GloverをLee Morganと比べてはさすがに可哀想か...。

そうは言っても,Nicole Gloverがライブの場でブイブイ吹く姿を見れば,間違いなく悶絶させられるだろうと思うが,こうしたスタジオ・アルバムではまだまだ発展途上って感じが残るのは事実である。やはりこの人,まずはSmalls辺りでライブを観るところから始めていれば,更にはまっていたかなと思う。それでも彼女が注目に値するRising Starであることは間違いないと思えるアルバム。星★★★★。

尚,本作のプロデュースをしているのがJeremy Peltってことも,リリースしているレーベルがJerry Bergonziと同じSavantであるってことも,「その筋」のリスナーのシンパシーは間違いなく誘うな(笑)。

Recorded on December 15, 2020

Personnel: Nicole Glover(ts), George Cables(p), Daniel Duke(b), Nic Cacioppo(ds)

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