2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

2019年おすすめ作

無料ブログはココログ

« 私は上原ひろみのファンではないが,こういうのはなかなか面白いと思う。 | トップページ | 実に味わい深いRoy HargroveとMulgrew Millerのデュオ。二人の早逝が惜しまれる出来。 »

2021年9月26日 (日)

劇場で観る「赤ひげ」。実に素晴らしい。やっぱり映画は劇場だ。

Photo_20210924173501 「赤ひげ」('65,東宝)

監督:黒澤明

出演:三船敏郎,加山雄三,山崎努,団令子,桑野みゆき,香川京子,二木てるみ,土屋嘉男,笠智衆,田中絹代

古い映画を劇場の大スクリーンで観るというのはやはり感慨深い。以前,「七人の侍」もそうしたかたちで観た私だが,今回は「赤ひげ」である。私はこの映画,録画をしたままで今まで観たことがなかったので,丁度いいやってことで観に行って,またまた感動してしまった。我ながら単純だ。

小石川養生所を舞台に,三船敏郎演じる「赤ひげ」こと新出去定と,蘭学を学び,野心溢れる加山雄三演じる保本登がメインのキャラクターであるが,この二人を取り巻いて,様々なストーリーが次から次へと展開される映画で,ある意味オムニバス映画的な手法と言ってもよい。一方,派手なアクション・シーンはなく,あくまでもヒューマニズムに溢れた映画である。

こうしたヒューマニズムを今の時代にどう捉えるかについてはいろいろ議論もあるところと思う。何せもはや60年近く前の映画であるが,三船演じる赤ひげが病は「貧困と無知に対する闘い」だとする台詞や,大名,豪商から金を巻き上げて,市井の人々の医療に充てるというところは,当時の現代社会に対する黒澤の怒りを反映したものではなかったのかと思える。そうした意味では実にリベラルな映画なのだ。

映画にはいろいろな挿話がある中で,恐ろしいのが香川京子。これは観てもらえばわかるが,香川京子の視線が実に怖い。更に山崎努の「天国と地獄」とは全く異なる劇演,根岸明美の独白シーン,そして何よりも泣かせる二木てるみと頭師佳孝の名演技,更には内藤洋子の美しさ等,当時の日本映画界のレベルの高さを反映したもので,私は素直に感動してしまった。まじでたまらん。こういう映画は無条件に星★★★★★である。

この映画に描かれるようなヒューマニズムが現代においては嘘臭いという感覚を生むかもしれない。一方,こういう映画を観て無条件に感動してしまうのは,私が老境に差し掛かった証でもあろう。しかし,そうした心根を失いたくないなぁと映画を観ながら思っていた私である。そして,こうしたヒューマニズムが今後の日本という国においても有効であって欲しいと切に願う。

これは黒澤明の最高傑作ではないだろう。しかし,襟を正して観るに値する映画である。暗闇で素直に涙するカタルシスは少なくとも私にとっては重要であり,いいものを見せてもらったと言うしかない。

« 私は上原ひろみのファンではないが,こういうのはなかなか面白いと思う。 | トップページ | 実に味わい深いRoy HargroveとMulgrew Millerのデュオ。二人の早逝が惜しまれる出来。 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 私は上原ひろみのファンではないが,こういうのはなかなか面白いと思う。 | トップページ | 実に味わい深いRoy HargroveとMulgrew Millerのデュオ。二人の早逝が惜しまれる出来。 »

Amazon検索ツール