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2021年9月25日 (土)

私は上原ひろみのファンではないが,こういうのはなかなか面白いと思う。

_20210919 "Silver Lining Suite" 上原ひろみ(Telarc)

私は上原ひろみのファンではない(きっぱり)。むしろ彼女の音楽は評価しつつ結構辛口な感じだったと思うってのが正直なところだ。だから,私は彼女のアルバムが出れば買うということはないので,本作も久しぶりにアルバムを購入したという感じが強い。

Anthony Jackson~Simon Phillipsとのトリオはそれなりに面白いと思っていたが,いつも感じるのが彼女のピアノのやり過ぎ感。うまいのはわかったけど,そこまでやらなくてもいいじゃんっていう感覚である。そうした演奏が相応の高揚感をもたらすことは事実だが,常に満腹になってしまうと,飽きるのも早いっていうのが私の彼女に対する正直なところである。

では,この新作,なんで買う気になったのか?と皆さん思われるかもしれないが,先日「報道ステーション」にこのクインテットで出演していたのを見ていて,これって結構面白いかもなぁって思ったからってのが正直なところである。ということで,ボーナス・ディスクもついたお得感のある2枚組をゲットした私であった。

ジャズ・ミュージシャンがストリングスと共演するというのはCharlie Parkerの時代から続いてきていることだが,弦楽四重奏との共演と言えば,私の年代はChick Corea~Gary Burtonとの共演盤を思い出すってのが普通ではないか。そのほかだって,上原ひろみのようなコンテンポラリー感覚が強い人と言えば,またもChick Coreaの"Mad Hatter"の時期が想起される。それはいいか悪いか,あるいは好きか嫌いかは別にして,どうしてもチャレンジしたくなってしまうというミュージシャンの「性」みたいなところがあるのかなって思ってしまう。ましてやChick Coreaとの共演盤も残している上原ひろみだから,更にそういうところはあるのではないかと勝手に想像してしまう。

それでもって,今回のストリングスのアレンジメントを聞いていると,まぁよく頑張ったねっていう感じだろうか。破綻していないのは立派だとは思いつつ,あまり面白いと思えるものではない。ちょっとした違いを感じるとすれば,チェリストにピチカートでリズムを刻ませる展開だろうか。それ以外はよく出来ましたとは思うが,「普通だなぁ」って感じは否めない。ストリングスがユニゾンで演奏するシーンが多いからかもなぁという気もするが,まだまだ成長の余地はあるって気がする。

ピアノはいつもながらの上原ひろみで,目眩くフレージングで圧倒するってところだが,もはやこれは個性として捉えるべき領域と思う。そこに弦楽クァルテットが加わって,いつもと違う感じも付加していてなかなか面白いと思えた。

このご時世を踏まえて“Silver Lining Suite”と名づける気持ちもわかるってところもあり,星★★★★。それでもファンの方からすれば,まだ辛口って言われそうだが(笑)。

そもそもSilver Liningってのは”Every cloud has a silver lining."から来ているが,端的に言えば,「希望の光」みたいな意味である。上原ひろみはコロナ禍でライブ活動が制限される中,Blue Note東京で"Save Live Music"という趣旨でライブを行っていたが,ボーナス・ディスクはそのBlue Note東京でのピアノ・ソロの模様を収めたもの。65分超の音源なので,お買い得感はあるし,その「志」は認めなければならないと思う。こちらは"Ballads"と題されていて,そういう演奏が収められていて,いつものような手数やスピード感は抑制されていて,好みはわかれるかもしれないが,私には結構味わい深いものがあった。ということで,こちらとの合わせ技で星★★★★☆としよう。購入されるなら私はボーナス・ディスク付きの2枚組を推奨したい。

Recorded between April 28 and 30, 2021

Personnel: 上原ひろみ(p),西江辰郎(vln),ビルマン聡平(vln),中恵菜(vla),向井航(cello)

Bonus Disc Recorded Live at Blue Note東京 on September 10 & 11,2020

Personnel: 上原ひろみ(p)

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