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2021年8月31日 (火)

新作リリースを前に,Marcin Wasilewskiの参加作を聴く。

_20210826 "Air" Jerzy Małek(Universal)

間もなく待望のMarcin Wasilewskiのトリオによるアルバムのリリースを控えているが,その前にMarcin Wasilewskiが参加したアルバムを改めて聴いてみるということで,このアルバムである。何とも購買意欲をそそらないジャケットではあるが,ここに収められた音楽には聴きごたえが結構あると思う。

このアルバムは,トランぺッター,Jerzy Małekがリーダーとなって吹き込んだワンホーン・アルバム。Marcin Wasilewskiがその名前を知られる契機となったTomasz Stankoとのつながりもあって,トランぺッターのバックでピアノを弾くということに違和感はないが,Jerzy Małekという人は全然知らなかったので,このアルバムを買ったのもMarcin Wasilewskiゆえであることは間違いない。Marcin Wasilewskiなくして,こんな地味なジャケのアルバムでは手に取ることすらなかったかもしれない。

しかしである。このアルバム,私のしょぼいオーディオ・セットで聞いても音がよいのがわかる。ドラムスが若干控え目に感じるものの,どの楽器も実に生々しい感じがする。音もよいが,基本リリカルでありながら,ハードな展開も聞かせる音楽もなかなかよい。昨今はゲストで弾くMarcin Wasilewskiというのがなかなかお目にかからない中で,結局は何をやっても優秀であることを再確認した私である。ついついMarcin Wasilewskiのピアノに耳が行ってしまうが,リーダーであるJerzy Małekのラッパは音もフレーズも魅力的であり,侮れないミュージシャンだと感じさせる。さすがポーランドは奥が深い。星★★★★。

Recorded on March 1, 2011

Personnel: Jerzy Małek(tp),Marcin Wasilewski(p),Michał Barański(b), Michał Miśkiewicz(ds)

2021年8月29日 (日)

久々に聞いたJohn McLaughlinのブート。やっぱり違いがわからん(爆)。

_20210816-2 "Uppsala 2010" John McLaughlin & the 4th Dimension(Bootleg)

久しぶりにこのJohn McLaughlinのブートを取り出してみた。これは2010年の音源なので,当時の新作"To the One"からの曲が多くなっている。そうは言いながら,前にも書いたと思うが,John McLaughlinの曲ってのはどれを聞いても同じような感覚を与えるものであり,それはこの音源にも当てはまる。それは私が真面目にこの人の音楽に対峙していないからそうなるのだと言われればその通りだが,それでもいい意味でこれはOne & Onlyのワンパターンだと開き直ってしまおう。

そういう感覚はマイキーことMike Sternにも当てはまる。マイキーも一定の演奏パターンがあり,それを聞いたり観たりしながら,こっちは喜んでいるのだ。しかし,John McLaughlinとマイキーを同じように語るな!というお叱りの声も飛んできそうだが,両方私は好きであり,どっちも相当レベルで好きなのだから,そこはほっといてもらおう(きっぱり)(笑)。

私はこの4th Deimensionの場合,現行ドラマーのRanjit Barotが苦手なので,この時に叩いていたMark Mondesirの方がいいと常々言っている。しかし,その後Mark Mondesirの活動状況ははっきりしていないし,後にベネフィット・ライブも開催されているようなので,どうも健康状態に問題があった模様だ。だが,私としてはJohn  McLaughlinにこの人は十分フィットしていたと思えるだけに,短期間でバンドを去ってしまったのはちょっと残念ではある。

それはさておきであるが,その後も共演を続けるメンツだけにこの頃からコンビネーションはばっちりだと思えるが,それにしてもJohn McLaughlinは自分のサウンドに負けないバカテク・ベーシストをよくもまぁ見つけてくるものである。ここではEtienne M’Bappeであるが,その前にはDomique di PiazzaやHadrien Feraudがベースを弾いていたのだから,このバンドはMcLaughlin翁のギターだけでなく,ベースにも注目しなければならないのだ。いやいやそれにしても指がよく動く人たちである。

まぁ,そうは言ってもやっぱりソロを聞いていても,どれも同じに聞こえてしまうのだが(爆)。でもいいのだ,好きなんだから...。このブートはスウェーデンで開催されているUpsala International Guitar Festivalにおける実況音源だが,まぁ眼前でこんな演奏されたら燃えちゃうわね。私はこのバンドをBlue Note東京で見ているが,その時の興奮を思い出す。

Recorded in Uppsala on May 8,2010

Personnel: John McLaughlin(g), Gary Husband(key, ds), Etienne M'Bappe(b), Mark Mondesir(ds)

2021年8月28日 (土)

リメイク版の「宇宙戦争」をAmazon Primeで見た。

Photo_20210816093001 「宇宙戦争("The War of the Worlds")」(’05,米,Paramount)

監督:Steven Spielberg

出演:Tom Cruise, Dakota Fanning, Miranda Otto, Justin Chatwin, Tim Robbins

休日にAmazon Primeでこの映画を初めて見た。1953年のオリジナル版も私はAmazon Primeで見て,このブログにも記事をアップしている(記事はこちら)。SF映画の古典とでも言うべきこの映画を,2005年的なSFX技術を使ってリメイクするとどうなるのかってことになるが,まぁこんなもんかって感じである。

常々マッチョな役柄を演じるTom Cruiseが取り敢えず逃げまくるという映画であるが,シナリオには突っ込みどころ満載で,なんでそうなるの?ってストーリーでどうもねぇって感じがする。結末は元がそうなのだからまぁいいとして,そこに至る道程が無茶苦茶なのである。そんな都合よく主人公が生き残るか?って思い出すと,途中で投げ出したくなる。"I Am Sam"で我々を大いに泣かせてくれたDakota Fanningがちょっと大きくなって出演していて,相変わらず可愛いことは可愛いのだが,スクリーミングがうざったいと思い出すと,これまた気になってくる。子供なんてそんなもんだと思いつつ,あの金切り声の連発にはさすがに芸がないと思ってしまう。これも完全にシナリオが悪いというところであり,Dakota Fanningのせいではないとしても,やっぱりやり過ぎである。

侵略,破壊,パニック,親子愛とそれこそいろんな要素がてんこ盛りになっているが,その連続性の部分にどう考えても無理がある。まぁ,こうした映画に普通のリアリティを求めること自体馬鹿げているが,それにしてもあまりにも適当なシナリオには失笑を禁じえないところがあった。私はSpielbergはそれなりに評価に値すると思っているが,最近は彼の映画だから観たいという感覚は生まれていない。その程度の信頼度にしかならないのは,こういうのを撮っているからだと皮肉の一つも言いたくなる」。まぁ,お時間に余裕があればどうぞってレベルの映画と言っておこう。星★★☆。

尚,余談ながらエンド・クレジットを眺めていると,なぜか私の勤務先への謝辞が...(笑)。なんでやねん?と思ってよくよく調べてみれば,公開当時タイアップしていたんだねぇ。全然知らなかった。

2021年8月27日 (金)

Charlie Wattsを偲んで。

Charlie-watts-2

Charlie Wattsが亡くなった。Rolling Stonesの米国ツアーにおいて,Steve JordanがCharlie Wattsの代役を務めるとアナウンスされた段階で,健康状態が心配されていたが,残念ながら80歳でこの世を去った。元気な高齢者揃いのStonesにあって,メンバーにおいて最年長だったのがCharlie Wattsであった。長年に渡り,Rolling Stonesのリズムを支えてきたCharlie Wattsは,Stonesにおいては,比較的シンプルなドラミングを披露していたと思うが,自身はジャズ・バンドも結成しており,決してそれだけの人ではなかったことは言うまでもない。

彼の死を悼んで,私は"Exile on Main Street"を聴いたが,様々な曲調を収めたStonesの名作において,パワーよりニュアンス,そして歌心を感じさせるドラミングに改めて感動した私であった。惜しい人を亡くした。何度か彼のライブにおけるドラムスを見られたことを永く記憶にとどめるとともに,彼が残した音楽を改めて聴いて,Charlie Wattsを偲ぶことにしよう。

R.I.P.

2021年8月26日 (木)

Steve Kuhnもいろいろあるねぇ。

_20210816 "Live at Birdland" Steve Kuhn(Blue Note)

既に傘寿を過ぎたSteve Kuhnであるが,結構多作の人なので,私としても結構フォローはしていても,聞くものとあまり聞かないものに分かれてしまう。聞かない方の代表はVenusレーベルの作品であるが,そのほかもしょっちゅうプレイバックしている訳ではない。実はこのアルバムもあまり聞いていなかったので,改めて聞いてみたもの。

このメンツを見れば,あぁ,Village Vanguardでの実況盤,”Life’s Magic","The Vanguard Date"と一緒だったのねと今更のように気づく私であった(遅いわっ!)。この2枚はなかなか入手が難しい時期が続いたが,今やSunnysideから再発されて,簡単に手に入るようになったのはいいことだ。結構ファンも多い好盤であることは間違いないし,前者についてはSteve Kuhnが来日した時にきっちりサインをもらったぐらい,私としても好きなアルバムである。そこでのメンツがほぼ20年の時を経て再会し,同じくライブで演奏を繰り広げるのが本作だが,Steve Kuhnにも明確なリユニオンの意図があったようで,へぇ~,そうだったのかぁと思ってしまった。

Steve Kuhnという人は耽美的なスタイルから,コンベンショナルなスタイルまで何でもござれみたいなところがあるが,ECMならECMで違う個性を打ち出すように感じられる部分がある。ただ,21世紀に入ってからは比較的コンベンショナルな演奏が多くなったように思う。もともとの2枚もいかにもなジャズ・ピアノって感じであったが,それを踏襲したものと言ってよいだろうし,前の2枚から再演している曲もある。そういうこともあって,ここでは極めて安定のピアノ・トリオの演奏が聞けるのが結構楽しい。

私は正直言ってRon Carterのベースの音が嫌いなのだが,ここではエンジニアリングの効果もあって,いつもより抵抗感のない音で収録されているのはありがたい。それはさておき,ここでの相互に触発しあう感じの演奏はやっぱりレベルが高いと思わせるに十分であるし,聴衆の盛り上がりも頷ける話である。久しぶりに聞いて,こんなアルバムだったのかと認識を新たにした私であった。星★★★★。

Recorded Live at Birdland on July 6 & 7, 2006

Personnel: Steve Kuhn(p),Ron Carter(b),Al Foster(ds)

2021年8月25日 (水)

今更ながらのMichael Jackson。

Bad "Bad" Michael Jackson(Epic)

Michael Jacksonほど毀誉褒貶相半ばする人はいないのではないかと思ってしまうが,正直言って,私はMichael Jacksonの音楽にそれほど入れ込んできた訳ではない。もちろん,リアルタイムで"Thiriller"は聞いていたし,"Off the Wall"こそが傑作の名に相応しいとかは思ってきたが,それ以外の音楽については,はっきり言って「斜に構えて」見てきたというのが正直なところである。それはこの"Bad"以降顕著になったと言ってもよいかもしれない。そんな訳で,"Bad"はリアルタイムで聞いた訳でもないのだが,25周年記念盤が出た時に,まぁここまではQuincy Jonesがプロデュースしているし,聞いておくかってことでDVDもついたボックスを購入したのであった。そのボックスが出たのが2012年なので,10年近い時間が経過している。そうした時間の経過の中で,このアルバムを何回聞いたかと問われると,多分1回か2回しか聞いているまい。同梱されているライブ音源CDなんて,DVDは見た記憶があるが,多分1回も聞いていない(爆)。

そんなアルバムを今回気まぐれで聞いてみたのだが,アルバムとして聞いた回数は少ないのに,耳馴染みのある曲が多いのにはびっくりしてしまった。それだけFM等でエアプレイされていたってことになるだろうが,今更ながら,なかなかの佳曲揃いである。私はこの後の"Dangerous"以降については全く知らない状態ではあるが,まだまだ本作では十分な魅力を発揮していたってことにはなる。"Bad"以降の作品での唯一例外として馴染みがあるのは,私が在米中にやたらにMVが放送されていた"Black or White"ぐらいだが,あのプロモーションは凄かったなぁなんて記憶の方が勝っている感じだ。

いずれにしても,曲のクォリティは高いし,演奏は更にビートを効かせた感じになっている部分があるが,私がクレジットを見ていて驚いてしまったのが,タイトル・トラックのオルガン・ソロがJimmy Smithだったってことである。"Dirty Diana"のSteve Stevensのギター・ソロと言い,こういったキャスティングには非常に強いこだわりを感じてしまった。また,打ち込みの多用により,ベーシストはNathan Eastが”I Just Can’t Stop Loving You"に参加するのみってのもある意味では凄いねぇと思ってしまう。クレジットを眺めていて,へぇ~と思うことも多かったアルバム。十分星★★★★☆には値するとは思う。ただ,25周年記念盤のディスク2の未収録曲やリミックス版は大したことはないので,オリジナルを持っていれば十分。尚,参加ミュージシャン多数なので,Personnelは省略。

2021年8月24日 (火)

Richard Marx:売れたねぇ...。

_20210812-3 "Repeat Offender" Richard Marx(EMI)

私がRichard Marxを初めて聞いたのはおそらく在米中の初期ではなかったか。その頃,FMでやたらに"Right Here Waiting"がプレイバックされていたと思うが,この曲がヒットしたのは89年のはずだが,私がNYCに渡ったのは90年の8月であったから,それでもなおプレイバック回数が多かったということになる。まぁ,それは私が聞くステーションが限定的で,そのステーションがこういうバラッド系の曲もかけていたことによるかもしれない。それが私がこのアルバムを購入した契機だったと思う。その後,"Paid Vacation"まで都合3枚を購入していて,今でもそれは保有している。

いずれにしろ,Richard Marxが最も勢いに乗っていたのは80年代の後半から90年代の初期ということになるだろう。現在では,やれインダストリアル・ロックだ,何だかんだと揶揄されることも多いRichard Marxではあるが,それでもここで展開されるソリッドなサウンドが私にとって今でも結構魅力的に響くのは,私との同時代性ゆえか。そして,Richard Marxの絶頂期は日本のバブル期に重なるというのが象徴的ではあるが,時代がこういう音に反応していたのかもしれない。

Richard Marxは1stアルバムがかなり売れて,それに続いたのがこのアルバムであった。本人には相応のプレッシャーがあったと思うが,それでもこのアルバムは前作以上の成功を収め,全米#1になったのだから間違いなく売れたのである。Richard Marxはこのアルバムをピークとして,売れ行きそのものは下降線を辿っていくが,その後の私が保有しているアルバムも悪い出来ではなかったと思っている。Richard Marxは結構魅力的な曲を書いていたと思うが,この時代のアレンジメントが多少なりともパターン化して,飽きられる要素が出てきたというのも一方では事実のように思える。先述の通り,ソリッドなサウンドではあるが,逆に言えば一本調子になってしまっているところは否めない。

このソリッドさはTOTOにも通じるところがあるようにも思えるが,それは冒頭の"Nothin’ You Can Do About It"でSteve Lukatherがギター・ソロを弾き,その後の曲ではLukatherの弟子的なMichael Landauが結構ソロを弾いていることからしても,また,Bobby Kimballがバック・ヴォーカルで入っていることからしても,TOTOとサウンドの同質性が生まれることは頷けるところだ。

それでもこのアルバムを久しぶりに聞いてみて,何とも馴染み深いというか,懐かしさを感じてしまう。あれから30年以上の時が経過していても,やっぱりこういうサウンドにどっぷりはまっていた時期があったがゆえに,そうした感覚が生まれてくるのだろうと思う。私にとってはある時期の記憶を呼び起こす音だったと言ってよい。そうした懐かしさも含めて星★★★★。

Personnel: Richard Marx(vo), Steve Lukather(g), Michael Landau(g), Bruce Gaitsch(g), Jon Walmsley(g), Paul Warren(g), Michael Omartian(key, p), Jeffery Vanston(key), Bill Champlin(org, vo), Bill Payne(org), Bill Cuomo(key), John Pierce(b), Randy Jackson(b), Jim Cliff(b), Mike Baird(ds), Prairie Prince(ds), John Robinson(ds), John Keene(ds), Mike Derosier(ds), Paulinho Da Costa(perc), Marc Russo(sax), Dave Koz(sax), Tom Scott(sax), JLarry Williams(sax), Jerry Hey(tp), Gary Grant(tp), Bobby Kimball(vo), Cynthia Rhodes(vo), Fee Waybill(vo), Tommy Funderburk(vo), Larry Gatlin(vo), Steve Gatlin(vo), Rudy Gatlin(vo), Terry Williams(vo), Ruth Marx(vo), Sherry Cole(vo), Don Shelton(vo), Gene Miller(vo), Kevin Cronin(vo), The Children of the Night(cho)

2021年8月23日 (月)

Music Inc.:時代を反映した音って感じ。でも,スピリチュアル・ジャズって何だ?

_20210814 "Live at Slugs" Music Inc.(Strata-East)

このアルバムをリリースしたStrata-Eastレーベルはスピリチュアル・ジャズの宝庫だなんてよく言われている。でもこの「スピリチュアル・ジャズ」ってよくわからない概念だよなぁって思うのは私だけではないと思う。このアルバムを聞いていても,別に「精神性」みたいなところは感じないし,何を以て「スピリチュアル」なのか全く理解できていない私である。私にとって,このアルバムに収められている音は,それこそ60年代後半から70年代前半のような時代を反映したジャズである。そして,この音は(いい意味で)黒人にしか出せない音ではないかと思える。

それはさておきである。これは確か今はなき横浜のレコファンで中古で買ったものと記憶している。ダイエーの何階だかに結構広いフロアを持つ店で,同じく既に閉店したレコファン町田店と感覚的には近いが,更に面積は広いと思わせる店であった。あれだけ店舗展開をしていたレコファンも今や渋谷BEAMS店もなくなり,リアル店舗は秋葉原と武蔵小金井だけになってしまった。昔だと下北沢の店にも結構世話になっただけに,時代の流れを感じざるをえない。

話が横道にそれてしまったが,このアナログ盤2枚を合体させたMusic Inc.のライブCDを聞いていて感じるのが,いい意味での「暑苦しさ」だと思える。汗をほとばしらせながら演奏をする「熱さ」を感じられるという点で,こういうジャズこそジャズっぽいと感じるリスナーもいるのではないか。バラッドなんか無縁だぜ観たいな感じの音は,こじゃれたピアノ・トリオとは対極にある。ここにサックスでも入れば,更に暑苦しさは増しただろうが,ここでのラッパのワンホーンぐらいがあまりしつこくならず適切って感じである。

それでも,こういう音楽はジャズ喫茶で大音量で浴びたいと思ってしまうが,今やそういう場も減りつつある中,家で小音量で聞くには全く適さない。再生環境は大事だなぁとつくづく思えるようなアルバム。いずれにせよ,生でこういう音楽に接していたら,間違いなく燃えるな(笑)。星★★★★。

本作が録音されたSlugs’はSlugs’ Saloonという名でが正式名称のはずだが,Albert Aylerもライブ盤を残しているようなヴェニューである。ロケーションがNYCの東3丁目のAvenue B&Cって,この当時は結構危ないエリアだったんだろうなぁと思う。Lee Morganが射殺されたのもこの店のことであった。こういう音楽はGreenwich Villageよりこういう場所の方がフィットするって感じがする。

Recorded Live at Slugs’ on May 1, 1970

Personnel: Charles Tolliver(tp), Stanley Cowell(p), Cecil McBee(b), Jimmy Hopps(ds)

2021年8月22日 (日)

恥ずかしながら,Tim Burton版「バットマン」をAmazon Primeで初めて観た。

Batman 「バットマン("Batman")」(’89,米,Warner Brothers)

監督:Tim Burton

出演:Jack Nicholson, Michael Keaton, Kim Basinger, Robert Wuhl, Pat Hingle, Michael Gough

私はChristopher Nolan版の「バットマン」シリーズは全て見ているが,実のところ,Tim Burton版の「バットマン」を見るのはこれが初めてである。前にも書いたことがあると思うが,私は一時期映画と結構縁遠い生活を送っていて,映画館に全然通わない時期も存在した。その分,当時はレンタル・ビデオ(死語!)やレーザーディスクで映画を見ていたと言っても過言ではない。今にして思えば邪道と言いたくなるような生活である。中学生の頃は音楽より映画が趣味として先行していた人間としては,なんで?って感じもするが,そういうこともあるってことにしておこう。

そうした事情もあって,ある特定の時期の映画はほとんど見ていないということになってしまうのだが,これもそうした一本ということになる。89年と言えば,仕事も忙しかったし,アメリカに渡る前の年で全然時間が取れない時期を過ごしていたから,それはそれで仕方がないということになる。そしてこの映画はむしろPrinceが映画音楽を担当したってことでの記憶の方が強いのだ。

それでもって初めて見たこの「バットマン」だが,Jack Nicholsonのキャラが立ち過ぎて,主役はジョーカーなのか?と言いたくなるような感じである。それはそれでキャスティング上仕方ないところもあるが,どうもTim Burton的な美術も私としては気になって仕方がなかった。Christopher Nolan版は街の造形とか,リアリティが感じられるものだったが,Tim Burtonはどうしてもファンタジー風味が強くなり過ぎて,私としては気になってしまうのだ。また,ジョーカーがゴッサム・シティの200周年パレードとして練り歩くシーンがあるが,そこで出てくる風船人形は「ゴーストバスターズ」かっ!って悪態をつきたくなっていた私であった。ジョーカーの造形についても,後のHeath LedgerやJoachin Phoenixのそれに比べると,どう見ても軽いのだ。

おそらく,Christopher Nolan版との決定的な違いは,「バットマン」に求められる「暗さ」ではなかったか。ジョーカーに関してもそうだし,ここでのMichael Keatonには「苦悩」のようなものが感じられないのだ。エンタテインメントとして見ている分には文句もないのだが,シナリオに無理がある部分もあるし,どうしても比較対象としてのChristopher Nolan版が良過ぎたこともあり,点はついつい辛くなって星★★★ってところか。これが私とTim Burtonの相性ということになるのかもしれないが,私にとってはChristopher Nolanの圧勝と言っておこう。

2021年8月21日 (土)

結構Pacific Jazzが好きなのだ。

Just-friends"Just Friends" Bill Perkins(Pacific)

私の音楽の嗜好は雑食的であり,ジャズであればバップからフュージョン,更にはフリーまで何でもござれである。まぁ,トラディショナル系,ディキシーランド系はほとんど聞かないが,それでも幅広く聞いている方だろう。そんな中で,ジャズにおける著名レーベルも一通り聞いているものの,今,数は少なくなったが,アナログで手許に残っているアルバムには実は結構Pacific Jazzのものが多いのだ。まぁ,これはBlue NoteやらRiversideやらがCDに置き換わる一方,Pacificはそうならなかったということの裏返しなのだが,そうは言いつつ,Pacific Jazzのアルバムには段々愛着が湧いてくるってところである。そんな中で,先日”Chet Baker Sings And Plays"を取り上げたところだが,今日はBill Perkinsである。因みに本作もPacificでは少数派(笑)のCDで保有しているもの。

日本ではウエスト・コースト・ジャズの人気は正直言って低いと思う。やれアンサンブル重視だ,白人中心だとかいう論調が多いが,何もゴリゴリやるのだけがジャズではなかろうという気がする。人気という点ではArt Pepperが例外って気がするが,それもArt Pepperのインプロヴァイザーとしての評価ゆえってところがあることは間違いのないところだろう。しかし,たまにこういうウエスト・コーストのサウンドを聞いていると,実に和む。スリルとか疾走感とかとは違う世界ではあるが,結構和めるのだ。まぁ,私がEmArcyのHerb GellerやMaynard Fargusonのアルバムが好きなところもあって,そういう嗜好は以前からあったのかもしれないが,こういうのもたまにはいいと思う。

このアルバムは2種類のセッションから構成されていて,一つがRichie Kamucaとの2テナー基本のクインテット,もう一つがArt Pepperを加えたクインテットで,ドラムスのMel Lewisを除いて,リズムは異なる。ピアノはHampton HawesとJimmy Rowlesが分け合うという魅力的なメンツである。

まぁ,ちょっとアレンジに凝り過ぎたかなぁって曲もあるのだが,夜に小音量で流すには最適な音楽と言ってよい。最近は蕎麦屋に行ってもBlue Noteが掛かっていたりするのには笑ってしまうが,こういう音源をBGMとして選んでくれれば,趣味がいいねぇとか思うはずなのだが...。それはさておき,アルバムを通じて,いかにもソフトな音が続き,Richie Kamucaとの2テナーもいいのだが,ついついArt Pepperのアルトに耳が行ってしまうのは仕方がないところか。それでもBill Perkinsのテナーはフレージングも悪くないし,聞いていて非常に楽しめるアルバムだと思う。ボートラで入る最後の"Angel Eyes"はBill Perkinsのワンホーンで演じられるが,こういう最後を締めるボートラなら大いに歓迎するものだ。

いずれにしても,ウエスト・コーストらしい趣味のよさが出たアルバム。星★★★★。

Recorded on October 29 and December 11, 1956

Personnel: Bill Perkins(ts, b-cl, fl), Richie Kamuca(ts), Art Pepper(as), Hampton Hawes(p), Jimmy Rowles(p), Red Mitchell(b), Ben Tucker(b), Mel Lewis(ds)

2021年8月20日 (金)

Brad Mehldau Trioの最新音源がブートで届く。

_20210819 ”Sweet And Lovely:Live at Jazz in Marciac Festival 2021" Brad Mehldau Trio(Bootleg)

昨今のブートレッグは実に音源のデリバリーが早いのが特徴になっていて,コロナ禍による音楽への渇望感を癒す効果というのは確実にあるなと思ってしまう。 この音源は去る7/27に行われたトリオによるライブの模様を収録したもの。元ネタはビデオ・ストリーミングではないかと思えるが,ついつい買ってしまった。だって,トリオの演奏は久しぶりだもんねぇ。この前にニースでのライブもブートが出ていたが,こちらは2枚組ということもあり,またブログのお知り合いである風呂井戸さんもご紹介されており,どうしようか迷っていたが,結局購入である。

コロナ禍でライブ活動が制約を受ける中,Brad Mehldauは欧州中心での活動をしていたが,先日はNYCのMezzrowにソロで出ていたので,ついにNYCに戻ったようである。これまでソロ中心の活動であったが,ようやくトリオでの活動が復活というのは喜ばしいが,またデルタ株の感染拡大により,ライブには影響も出てくるかもしれないのが懸念される。

それはさておき,このトリオは長年の活動をしているので,多少のインターバルがあろうが,そのコンビネーションには影響が出ていないことは明らかだ。しかし,この時の演奏では比較的コンベンショナルな感じの曲,演奏をしていることから,まだまだ助走期間という感じで取り組んだのかもしれないと感じる。Disc 2では"In the Still of the Night"や”Here’s That Rainy Day"のようなスタンダードも演奏しているが,これらの曲を演奏しているのは聞いた記憶がない。Disc 1の"Sweet And Lovely"にしても,Grant Stewart盤でやって以来,レコーディングはないはずだ。逆に言えば,最近のトリオでは珍しいレパートリーで臨んだということになる。まぁ,ニースでも同じような曲をやっているから,今回はそういう取り組みだったってことだろう。

どんな曲をやっても,やはりこの人たちは魅力的な演奏をするってのを改めて感じてしまったが,私が心配してしまうのは,次に彼らのライブを観られるのがいつになるかってことである。日本は今や感染拡大のピークみたいになっているため,2年ぐらいは無理なのではないかと思ってしまうが,その間はブートレッグや出るかわからない公式盤で我慢するしかなかろう。いずれにしても,多少の渇望感は癒せても,ライブに全然行けていないというフラストレーションが消えることはない。改めてライブに行ける日が来ることを祈るのみである。

尚,本盤と同時にBranford Marsalisの89年のVanguardでのライブ・ブート(4枚組!)も仕入れたのだが,それについての紹介は別の機会に譲るとして,これがまたマジでエグい(もちろんいい意味でである)ものであったことだけご報告しておく。

Recorded Live at Jazz Marciac on July 27, 2021

Personnel: Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

2021年8月19日 (木)

こんなのも持ってましたってことでLowell Georgeへのトリビュート・アルバム。

_20210812-2 "Rock and Roll Doctor" Various Artists(Kaigan)

このブログにコメントを下さるMRCPさんが触れられていたアルバム。MRCPさんによれば,このアルバム,豪華なメンツを集めている割に「流通に問題があったため,ほぼ誰にも聴かれず終わった。」,「ローウェルの呪いってやつさ」ってことらしい。そう言えば,このアルバム,私も保有していたなぁと思いつつ,印象が定かではない。昔,町田にあったレコファン(私が町田在住していた時には本当に世話になった...)で中古で買ったはずのアルバムであるが,買ってから何回聞いたかは疑問である。このアルバムもクロゼットの肥しになっていたところを引っ張り出して聞いてみた。

冒頭のBonnie Raittからしていいねぇと思わせる演奏で,私のこのアルバムに対する印象はどこから生まれたのかよくわからなくなってしまった。まぁ,こういうアルバムにはよくあるヴァラエティに富むメンツが揃っていて,演奏ごとの魅力にはバラつきがあるようには思えるが,今にして思えば,なかなかよく出来たトリビュート・アルバムであった。最後を娘のInara Georgeが歌う"Trouble"で締めるという演出もなかなか魅力的であった。ただ,Phil Perryがシャウトする"Spanish Moon"はソウルフルなサウンドではあるが,Phil Perryの力んだ歌唱がどうもこのアルバムでは浮いているし,曲にもフィットしていると思えないところに違和感は残る。

このアルバムが日本国内で注目される理由としては,桑田佳祐が"Long Distance Love"を歌っていることがあるだろうが,桑田らしさを封印して,結構あっさりとした表現でLowell Georgeへのトリビュート感を打ち出しているのは好感が持てるのだが,メンツとしての異色感は否めない。

それでも,アルバム全体を通じて,Lowell Georgeへのトリビュート・アルバムらしくスライド・ギターを効かせている曲も結構あって,その辺も楽しいし,私がこのアルバムに持っていた印象は好転したと言ってもよい。Randy NewmanとValerie Carterの組合せで"Sailin’ Shoes"ってのも変わっているなぁと思いつつ,なかなか面白かった。自分の不明も恥じて星★★★★としよう。

尚,メンツは多岐に渡るので,メインのパフォーマーのみ記載しておく。

Personnel: Bonnie Raitt and Little Feat, Taj Mahal, J.D. Souther, The Bottle Rockets and David Lindley, Randy Newman and Valerie Carter, Jackson Browne, Allen Toussant and Leo Nocentelli, 桑田佳祐,Eddie Money and Buddaheads, Chris Hillmand and Jennifer Warnes, Little Feat, Phil Perry, Merry Clayton and Ricky Lawson, Inara George

2021年8月18日 (水)

”Casino Lights”:もう40年前かぁ...。

_20210812 "Casino Lights" Various Artists(Warner Brothers)

Aristaレーベルがオールスターを揃えてモントルーに出演したのが1978年。それに対抗するかのようにその3年後,今度はWarner Brothersが強力なメンツを集めてモントルーに出演した記録がこのアルバム。時は1981年だから今からもう40年も前の音源である(リリースは82年)。それから長い時間が経過して,多少時代を感じさせる音だと思わせる部分もありながら,今でも十分楽しめるアルバムだと思う。それはやはり私が同時代人であるということもあるが,音楽の質が保たれていることも大きい要素だと思える。アルバムを仕切っているのがTommy LiPumaということもあり,一本筋が通っているのだ。

私がこのCDを購入したのは随分前のことになるが,ぞれ以前はアナログを保有していた訳ではない。しかし,CD化された折,4曲の追加トラックがあり,お買い得感もあっての購入だったと記憶しているが,それまでもジャズ喫茶等では耳にしていたこのアルバムが,ちゃんと聞いたら凄くよかったって思ったはずである。

アナログであれば,ラストをタイトル・トラック"Casino Lights"でしっとり締めるってのもよかったと思うが,実はその後に追加されたボートラもなかなかに捨てがたいのだ。王道フュージョンとでも言うべきYellowjacketsの"Tee Time for Eric",本編では"Your Precious Love"でギター・ソロを聞かせただけのLarry Carltonにスポットを当てた"Last Nite",Neil Larsenらしい哀愁メロが炸裂する"E Minor Song",そしてこの年には"Wonderlust"をWarnerから出していたMike MainieriがMike Brecker入りで"Sara’s Touch"を聞かせるって具合で,こういうボートラはリスナーのニーズをわかっている。

情報によれば,オリジナルのLPはもともと2枚組で出すはずだったものを1枚にしたというのが真相で,ここに収められたボートラを含めた12曲が本来リリースされるべきものだったらしい。まぁ,これだけのメンツを集めているのだからオリジナルのように1枚のLPに収めるのは結構無理があったはずなので,77分以上に及ぶ演奏を収めたこのCD版は,オリジナル以上に楽しめるものとなったと思う。

もちろん,オリジナル本編だけでもAOR的Al JarreauとRandy Crawfordの歌唱は実にいいし,ほかの演奏も楽しめる。バック・ヴォーカルにはPages,あるいはMr. MisterのRichard PageにSteve Grorgeはいるし,Bill Champlinもいるってのは相当豪華だ。そうした中で一番時代を感じさせる音がDavid Sanbornって気もするが,それはアレンジのせいもあるかもしれないなぁなんて思ってしまった。

いずれにしても,私にとっては懐かしさもあるが,やはりこの時代の音が好きなんだろうと思わせるアルバムであった。甘いの承知で星★★★★☆。

Personnel: Al Jarreau(vo), Randy Crawford(vo), David Sanborn(as), Mike Brecker(ts), Neil Larsen(key), Russell Ferrante(key), Warren Bernhardt(key), Mike Mainieri(vib), Buzz Feiton(g), Robben Ford(g), Larry Carlton(g), Jimmy Haslip(b), Marcus Miller(b), Ricky Lawson(ds), Art Rodriguez(ds), Lenny Castro(perc), Richard Page(vo), Bill Champlin(vo), Steve George(vo), Larry Williams(ts, fl), Kim Hutchcroft(as, ts, bs), Jim Horn(bs), Bill Reichenbach(tb, b-tb, fl-h), Chuck Findley(tp, Fl-h), Jerry Hey(tp, fl-h)

2021年8月17日 (火)

「裏ブルー・モントルー」的Ben Sidranのライブ盤。

Ben-sidran "Live at Montreux" Ben Sidran(Arista)

1978年のMontreux Jazz FestivalにおけるArista All Starsによる演奏は,"Blue Montreux I &II"の2枚を残したことで多くの人の記憶に残るイベントであった。この年にはほかにも音源が残っていて,これもその一枚。Ben SidranをArista All Starsがバックアップするというかたちである。

主役がBen Sidranということもあって,"Blue Montreux"とは趣が違うが,メンツ的には「裏ブルー・モントルー」と呼んでよいものだ。ただ,この趣の違いってのが結構大きいので,それによってフィットするリスナーと,そうでないリスナーにわかれるのではないかと思える。更に言ってしまえば,Ben Sidranのピアニストとしての技量はどうなのか,ってところも気になりだすとどうしようもなくなる部分がある。

私としては歌手としてのBen Sidranはさておき,中盤にインスト2曲を並べたところに実は違和感を覚えている。Randy Breckerとのデュオで演じる"I Remember Clifford"はRandyのソロが実に味わい深いのに対し,硬質なBen Sidranのピアノがこの曲にはうるさい感じがする。また,8ビートで演じられる"Someday My Prince Will Come"は完全に策に溺れたってところだろう。Michael Breckerのテナー・ソロはいいと思うが,全体的には何とも緩い感じになってしまっていて,8ビートにする意味が感じられないし,曲が持つ美的な感覚にも,このメンバーならではの感覚にも乏しい。

一方,歌入りの曲については相応に聞けるものとはなっているが,急造セッションの感覚からは抜け出すことができない。逆にセッション・アルバムとして"Blue Montreux"が破格の出来だったということになるだろうが,あのレベルを本作に期待してはいけないのだ。思うにこのセッション全体をMike Mainieriが統括していたら,もう少しレベルは上がったのではないかと思うが,私にはどうしても中途半端な出来に聞こえてしまうのだ。

tBen Sidranのピアノはさておき,各々のソロイストのソロには聞きどころはある。しかし,それだけではアルバムとしては成立しないという事例。ソロイストに免じて星★★★とするが,これを聞くぐらいなら私は"Blue Montreux"を聴く(きっぱり)。

Recorded Live at Montreux Jazz Festival on July 23, 1978

Personnel: Ben Sidran(vo, p), Tony Levin(b), Steve Jordan(ds), Randy Brecker(tp), Michael Brecker(ts), Mike Mainieri(vib), Steve Khan(g)

2021年8月16日 (月)

テクニシャン,Phineas Newborn,Jr.を久しぶりに聞く。

A-world-of-piano_20210809161101 "A World of Piano!" Phineas Newborn, Jr.(Contemporary)

これもあまり聞くことがなく,CDラックの肥しのようになっているアルバムである(苦笑)。買ってもあんまり聞いていないアルバムはこれだけではないとしても,棚を眺めていると,あぁ,こんなものもあったねぇと思うことが多くなった今日この頃。一方,私が保有しているPhineas Newborn, Jr.のアルバムはこれ一枚ということからして,私の趣味嗜好と合致している人ではないとも言える。好きだったらもっと買っている(笑)。

Phineas Newborn, Jr.と言えば,そのテクニックについて語られることが多いと思うが,このアルバムでもハード・ドライビングなピアノを聞かせる一方,"Lush Life"のような曲では歌心もあることを実証していて,単なるテクニシャンで片付けるべきではない。急速調であろうが,ミディアム・テンポだろうが,バラッドだろうが,それこそ何でもござれのオールラウンド・プレイヤーであるが,やはりついついその技量に耳が行ってしまうのは仕方ないところ。だから,うまいねぇと思っても,それ以上の感慨には結びつかない場合が出てきてしまうという,テクニシャンに対してありがちな反応をこちらも示してしまう訳だ。

しかし,これだけのテクニックを持ったPhineas Newborn, Jr.が精神疾患により,活動時期が限定されてしまったのはもったいないことであった。Bud Powellが晩年の"In Paris"で示したような境地をPhineas Newborn, Jr.が示せたのかどうかは私には知る由もないが,遺作は日本のレーベルに残していたというのは何となくわかるような気がする。

いずれにしても,聞いていてうまいねぇと感じる瞬間多数であり,ハード・ドライビングな演奏にはやはり惹きつけられてしまうというのが正直なところである。星★★★★。

Recorded on October 16 & November 21, 1961

Personnel: Phineas Newborn, Jr.(p), Paul Chambers(b), Sam Jones(b), Philly Joe Jones(ds), Louis Hayes(ds)

2021年8月15日 (日)

懐かしのSteve Winwoodの初ソロ・アルバム。

Steve-winwood"Steve Winwood" Steve Winwood (Island)

私が初めて意識的にSteve Winwoodの音楽を聞いたのはアルバム,"Arc of a Diver"が最初だった。TrafficやらSpencer Davis Group等の音にもラジオ放送等を通じて触れていた可能性はあるが,それは自分の意思で聞いたものではなかったから,原初的体験はあくまでも"Arc of a Diver"である。それ以来,全部ではないが,Steve Winwoodのアルバムは結構マメに購入してきて,今や結構なファンとなった私だが,この初のソロ・アルバムを聞くチャンスはなかなかやってこなかった。私が現在保有しているアルバムは,2008年に出た紙ジャケ盤であるが,ようやくその段階になってこの音楽に触れたはずである。

そんな本作も,それ以来大して回数はプレイバックしていないが,"Arc of a Diver"に比べると,ソウル風味が強く,曲は若干地味に聞こえるというのが正直なところである。それは初のソロ・アルバムだからと言って余計な力が入っていないって感じもして,レイドバックした感覚さえ覚えてしまう。この落ち着いたサウンドがいいと思えるかどうかが評価の分かれ目のような気もするが,私としては"Arc of a Diver"に軍配を上げざるをえないというところだ。

もちろん,全6曲中4曲でリズムを支えるWillie WeeksとAndy Newmarkという鉄壁のコンビにより,ボトムはしっかりしているので,実にサウンドは安定しているし,演奏の質は実に高いと思える。"Arc of a Diver"と何が違うかと言えば,曲のクォリティ,あるいは魅力度ということになるのではないかと感じる。決して悪いアルバムとは思わないが,私としては"Arc of a Diver"への助走と捉えておきたい。それでも最後に収められた"Let Me Make Something in Your Life"なんて,結構いい曲だ。星★★★★。

Personnel: Steve Winwood(vo, p, key, synth, g, b, ds), Julian Marvin(g), Willie Weeks(b), Alan Spenner(b), Andy Newmark(ds), John Susswell(ds), Brother James(perc), Jim Capaldi(perc, vo), Reebop Kwaku Baah(congas), Nicole(vo)

2021年8月14日 (土)

Laura Marlingの12インチ限定ライブEPが到着。

Laura-marling-union-chapel "Live from Union Chapel" Laura Marling(Chrysalis)

先日,Laura Marlingが参加したLumpのアルバムを取り上げたところであるが,あれはあれでいいとして,やはりLaura Marlingの魅力はSSW的な歌唱にあると思っている私である。そんな私がネット・サーフィンをしていて見つけたのがこのアルバムである。これはLaura Marlingが昨年6月にUnion Chapelで行ったソロ・ライブの模様を収めたものだが,もともとはストリーミングでのライブだったようである。その時の映像は一部公開されているが,この音源はその時の演奏を一部12インチEP化したものと思われる。

Laura MarlingのWebサイトを見ていても,このアルバムについての情報は全く出てこないので,危うく見逃すところであったが,こうして入手できたのは実にめでたい。昨今のアナログはカラー・ヴァイナル流行りであるが,このアルバムも白いヴァイナルである。真っ白けなので,ほこりがついているのかどうかもわからないというもの。それはそれとして,私にとって問題なのは音楽の方である。

完全弾き語りというフォーマットで演じられる歌が実に味わい深く,かつLaura Marlingのギターの腕が確かということを実感できる素晴らしい音源となっていて,彼女のファンを自認する私でなくても,実に嬉しくなってしまうものであろう。彼女の歌の味わい深さというのはいつもながらという感じがするが,年齢をいうのは失礼ながら,三十路を過ぎてその魅力はますます増していると言ってもよい。最高である。星★★★★★。コロナ禍が落ち着いたら是非来日して欲しい人である。

YouTubeで公開されている曲はこのEPには収録されていないが,当日の雰囲気はこうだったのかと知るには映像が最適ということで,そちらを貼り付けておこう。

Recorded Live at Union Chapel on June 6, 2020

Personnel: Laura Marling(vo,g)

2021年8月13日 (金)

なぜこのような良盤が入手困難なのか理解に苦しむThierry LangとHeiri Känzigのデュオ・アルバム。

_20210811 "Celebration" Thierry Lang / Heiri Känzig(Universal)

FBのお知り合いのMさんがご紹介されていたアルバムなのだが,本作は昨年のリリースなのに,もはや入手が困難らしい。しかもレーベルはメジャーのUniversalにもかかわらずである。だが,そのような状態にしておくのがもったいないと思わせるに十分な,美的な感覚と詩情に溢れた素晴らしいアルバムであった。

確かにネット・サーフィンをしても,このアルバムの現物にはなかなかお目にかからない。私は幸いにして某セラーのサイトで発見してすかさず発注したのだが,それが無事到着して聞いてみたところ,思わず「くぅ~っ」となってしまったのである。それぐらい私の趣味嗜好にばっちりフィットしているし,美的でリリカルなサウンドを好むリスナーにはずっぽしはまること必定である。そんなアルバムをより幅広い人々に知らしめなければ,私の気が済まない(きっぱり)。

私は冒頭の"Tender Waltz"が流れてきた瞬間に,「おぉっ,これは...」という反応をしてしまったのだが,聞いてもらえばその気持ちはお分かり頂けるはずだ。それぐらいの確信度をもって,このアルバムは私に訴求してきた。Thierry LangとHeiri Känzigは長年トリオで活動しているから,あうんの呼吸と言ってもよいぐらいの親密度を示し,美的なフレージングが全編に渡って流れ出てくる。間違いないのである。それが,昨今はECMでもエンジニアを務めるGerard De Haroの手によって,実に落ち着いたトーンでレコーディングされていて,それもまた心地よいことこの上ない。

まぁ,このアルバム,ストリーミングでは聞けるので,ご関心のある方はそちらで聞いて頂ければよい。なぜ本作の流通がよくないのかは,そもそもデジタル・リリースが中心で,現物は限定的だったのかと思わざるをえない。だが,日本には私も含めて現物主義のリスナーは数多く存在するはずなので,是非もう少し入手しやすくして欲しいと思ってしまうような佳品。あまりにも趣味にずっぽしはまってしまったこともあり,星★★★★★としてしまおう。でも探せばちゃんと見つかるので念のため。

Recorded on December 21 and 22, 2018

Personnel: Thierry Lang(p), Heiri Känzig(b)

2021年8月12日 (木)

久しぶりにChet Bakerでも。

_20210808-3 "Chet Baker Sing and Plays" Chet Baker(Pacific)

晩年に至るまで,Chet Bakerは歌って吹き続けた訳だが,歌という観点では"Chet Baker Sings"が決定的なアルバムとして存在していると思う。しかし,同じPacificレーベルから出たこのアルバムだって十分に楽しめることはわかっている。だが,このアルバムを聞くのも実に久しぶりであり,何年寝かしていたかわからないぐらいである。アナログで保有している"Sings"の方はもっと聞いていないかもしれないが...(苦笑)。

久しぶりにこのアルバムを聞いて,冒頭の"Let’s Get Lost"からたまりませんなぁってなってしまう。有名曲に混ざって,比較的知られていない"This Is Always"や"Grey December"みたいな曲も入っているが,まぁどんな曲をやっても,Chet Bakerの個性全開みたいになってしまうのは,当然と言えば当然。それだけのスタイリストであったってことである。

Chet Bakerの演奏や歌唱には文句はないのだが,このアルバム,2/28と3/7の2つのセッションから構成されていて,ストリングスが入る前者のセッションでの曲については,若干甘さに流れ過ぎるところが,ちょっとなぁって感じがする。はっきり言ってしまえば,オーバー・プロデュース。Chet Bakerの声をもってすれば,ストリングスなんて入れなくても十分魅力的に響くはずなのだ。ここはクァルテット編成で統一した方が魅力的だったように思えるし,そこがもったいないような気がした私であった。そうは言いながら,プロデューサーのRichard Bockとしては"Chet Baker Sings"との違いを出すために敢えてそうしたところもあるだろうが,私にとってはストリングスは不要だった。それでも星★★★★には値する佳作。いずれにしても,こういう作品を嫌いだっていう人はあまりいないだろうな(笑)。

Recorded on February 28 & March 7, 1955

Personnel: Chet Baker(tp, vo), Russ Freeman(p), Red Mitchell(b), Carson Smith(b), Bob Neel(ds), Bud Shank(fl), Corky Hale(harp) with Strings

2021年8月11日 (水)

どんどん無茶苦茶になっていく「ワイルド・スピード」シリーズ最新作。実にくだらない。

F9「ワイルド・スピード/ジェットブレイク("F9: The Fast Saga")」 ('21,米/加/タイ,Universal)

監督:Justin Lin

出演:Vin Diesel,Michell Rodriguez,Jordana Brewster, Tyrese Gibson, Ludacris, Natalie Emmanuel, Sung Kang, Lucas Black, Charliz Theron, John Cena, Helen Mirren, Kurt Russell

夏休みに映画館に行ってこの映画を観てきた。延々と続くこのシリーズであるが,どんどん荒唐無稽になっていって,前半のシーンなどはほとんど「エクスペンダブルズ」みたいな世界になっている。そして,シリーズを進めるごとに,更にキャラクターを増やしていき,本作でもシリーズに出たキャラが多数出てきて,その分ストーリーにはまとまりがなくなってしまう。

今回の新キャラはJohn Cena演じるDomの弟,Jakobであるが,またの登場の機会を残していて,次作も出てくるのか?と思わせる。しかし,本作での最大の驚きは死んだと思われていたHanの復活である。しかし,こんなことをやっていたらどんなストーリーだって作り出せるだろうと言いたくもなる。本当に復活できないのは実際に亡くなってしまったPaul Walker演じるBrianだけではないか。あまりのご都合主義には失笑を禁じえなかった。一方,エンド・クレジット前にはJason Statham(今回は本編には登場せずだったが...)とSung Kangが対峙するシーンが収められているので,次作ではこの二人の遺恨も描かれるのかと思ってしまう。

映画としてはど派手なアクションと,何台車壊すのよ?ってな感じのシーンが続くが,それはまぁ置いておいて,この映画のストーリーはあまりに無茶苦茶で,もはやコメディか?と言いたくなっていた私であった。こうなるとリアリティがどうのこうのと言うこと自体が馬鹿げているが,この映画はちょっと行き過ぎであった。詳しくは書かないが,なんでそうなるの?ってシーンが一つや二つではない。疑問に思いだしたら,もうどうしようもなく,私は逆に笑っているしかなかったのであった。

これこそ金を掛けること自体が無駄と言いたくなる駄作であり,私がこのシリーズを見るのも,これが最後になるかもしれないとさえ思った。でもあと2作で終わりらしいから,最後まで付き合うかもしれないが,どんどん映画としての質が下がっていることは間違いのない事実である。これでどう落とし前をつけるつもりなのか...。適当なシナリオだけは勘弁して欲しいと思うのは私だけではあるまい。星★。いずれにしても,私が劇場でこのシリーズを見るようになってから(多分5作目以降)の最低作であることは疑いようがない。

余談だが,劇中にMichell RodriguezとJordana Brewsterが東京を訪れるシーンが出てくるが,そこで彼女たちはラーメンと一緒にホッピーらしきものをそのまま飲んでいるのにも笑ってしまった。焼酎足してよって思っていた私である。別にいいんだけど。

2021年8月10日 (火)

エレクトリック・ポップ的なLaura Marlingもまたよしってことで。

_20210808-2"Animal" Lump(Chrysalis)

私がLaura Marlingを初めて聞いたのが"A Creature I Don’t Know"の時で,今から約10年前に遡る。それ以来,私は彼女の音楽に惹かれるところ大で,今やリーダー作は全て保有(ひっそり出たライブ盤は未入手だが,それは現在取り寄せ中)しているほどである。彼女のシンガー・ソングライター的な魅力は本当に私の嗜好にぴったりで,アルバムが出れば買うモードになっている。

そんなLaura MarlingがプロデューサーのMike Lindsayと組んだバンドがLumpであるが,その存在には不勉強で気づいていなかった。しかし,今回,彼らの第2作がリリースされるということで,ロゴ入りTシャツ付きのバンドルでCDを入手した。おまけにサイン入りのプリントも付いていたが,こういうのを買ってしまう私は,既にバレバレではあるが,ミーハーと言えばミーハーである。

それはさておき,ここに収められている音楽は,いつものLaura Marlingとはちょっと違う。声や歌はLaura Marlingそのものだが,バックがエレクリック・ポップ的なのだ。アメリカならばThe Bird and the Bee的な感じだが,こっちの音楽はずっとウェットな感じがするのがイギリス的。私は聞いていてへぇ~と思ってしまったのだが,これはこれで面白い。

もちろん,私としてはいつものLaura Marlingの音楽の方が好みではあるのだが,スタジオに入って歌詞を載せたという即興性のようなものも感じられて,本当に才能あるねぇと感心してしまった。このバンドの1stも聞いてみたくさせるには十分な出来。星★★★★。しかし,これってカテゴリーが難しいところだが,ポップスなんだろうなぁ。

Personnel: Laura Marling(vo, b-cl), Mike Lindsay(key, p, g, b), Laura J. Martin(fl), Matt Ingram(ds)  

2021年8月 9日 (月)

意外と聞いていないMilesのアルバムもあるってことで。

_20210808 "Miles Smiles" Miles Davis(Columbia)

昔からジャズを聞いていれば,Miles Davisの公式にリリースされたアルバムは大概のものは聞いていると思いがちである。だが,レコードやCDを保有していたものであれば,聞く頻度は高いだろうが,全部保有している訳ではなかったから,意外と聞いていなかったものもあって不思議ではない。

今や,Columbiaレーベル時代の音源はコンプリート・ボックスが手許にあるので,いつでも聞けるようになって,そう言えばこのアルバムってあんまり聞いていないなぁということで,改めて聞いてみた。実を言うと,ボックス入手以前は,本作はLPでもCDでも保有していたことがないのだ。であるから,これを聞いたとしても,ジャズ喫茶で聞いていたぐらいのものなのだ。だから改めて聞くと実に新鮮に響く。

まぁ,60年代最強と言ってよいクインテットによる演奏であるから,悪いはずはないし,当時のモダン・ジャズの典型みたいな演奏と言ってもよいかもしれない。このアルバムがリリースされた時代を牽引していたのはJohn Coltraneだったかもしれないが,徐々にフリーに傾斜していくJohn Coltraneに抵抗を感じるリスナーはこっちに流れる感じではなかったのかと思える。そして,レコーディングから55年近く経過しても,魅力的に響く音楽であるというのが素晴らしい。

本作に先立つ"E.S.P"や,本作の後の"Sorcerer"ともども,本作に収められたナンバーはライブのレパートリーとなっていくが,それらのライブ音源もちゃんと聞き直さないと思いつつ,こういう感じでまだまだちゃんと聞けていない音源もあるのだということがわかると,新譜をガンガン買うよりも,温故知新で手持ちの音源を聞き込むことも必要だと改めて思ってしまう。

いずれにしても,本作ではWayne Shorterの3曲と,Milesオリジナルの"Circle"はさておき,Eddie Harrisの"Freedom Jazz Dance"やJimmy Heathの"Ginger Bread Boy"が演奏されていることが異色に響くって気がするが,このクインテットによる演奏には一切の違和感を発生させていないことにも驚かされる。結局のところ,何をやっても凄いのだってことを痛感させられた。やはりこれも星★★★★★とせざるをえないって感じである。

長年ジャズを聞いていながら,こういうことって実はほかにも結構あるんだよなぁ...(苦笑)。

Recorded on October 24 & 25,1966

Personnel: Miles Davis(tp), Wayne Shorter(ts), Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)

2021年8月 7日 (土)

オリンピック雑感。

オリンピックのいろいろな競技を見ていて,サッカーについてはこれまでにも書いたが,3位決定戦でのU-24の敗戦はやはり残念だった。私は諸事情あり,試合をライブでは見逃したのだが,失点がPK,FK,CKからだったっていうのが象徴的だったかもしれない。

Photo_20210807170501 その一方,嬉しい驚きとなったのが女子バスケットボールである。そもそも準々決勝におけるベルギー戦の劇的勝利も凄かったが,準決勝でのフランス戦での完勝ぶりには心底驚かされたと言ってよい。そもそも一次リーグでもフランスには勝っているので,勝利そのものは驚きではないが,勝ち方が驚きであった。日本の強みとしての3ポイントを決めたというのもあるが,PG,町田のアシストが決まりまくって,2Q以降のフランスはついてこれない状態が続いたと言ってもよい。

決勝はアメリカが相手だが,一次リーグでは17点差をつけられて敗れている。しかし,日本代表の勢いは予選リーグの時より間違いなく増してきているので,明日の決勝戦はよりいい試合を期待したい。そのためにはフランス戦同様,3ポイントの成功率と,町田の的確なパス出しが決め手になると思うが,王者アメリカに臆することなく戦って欲しい。いずれにしても明日の決勝戦はワクワクしながら観戦することにしよう。

ゴルフの稲見萌寧の銀メダルも快挙だ。本戦の18番のボギーはつくづく惜しかったが,元世界#1のLydia Koをプレーオフで破っての勝利は実に素晴らしい。また,Lydia Koに限らず,多くのアスリートが見せたスポーツマンシップには大いに感動させられたと言ってよい。金メダルの数だけが目標の,勝利至上のどこかの国の関係者からは感じることがない清々しさであった。

2021年8月 6日 (金)

オリンピック観戦で,音楽鑑賞が滞る...。

昨今はオリンピックの観戦続きで,音楽を聴いている時間があまりない。そうした中で,ネットで仕入れた情報に基づいて発注はいろいろしていて,オリンピックが終われば夏休みにもなるので,ぼちぼちアップできるだろう。まずは既に届いているScritti Polittiのアナログについて書かねば。

2021年8月 5日 (木)

John Mayerの新譜は80年代がテーマだそうだ。

_20210803"Sob Rock" John Mayer(Columbia)

最近のJohn Mayerのアルバムは,カントリー的な響きが強かったりして,かなり渋い,あるいは地味な印象を与えていたと思うところに,新譜の登場である。題して"Sob Rock",巷の情報によれば,テーマは80年代音楽,そしてこのジャケである。ジャケを見るまでもなく,ストリーミングで先行公開されていた曲を聞けば,ポップな世界への回帰は明らかであったが,まさにポップな響き,あるいは時に甘美なメロディ・ラインが聞こえてくる。

John-mayer このアルバムをプロデュースしたのがJohn Mayer本人と,今やBlue Noteレーベルの社長となっているDon Wasってのは正直意外な気がしないでもないが,80年代というテーマを決めて,その方向性の確かさをサポートしたのがDon Wasってことなのかもしれない。80年代を意識したってのはファクトリー・シールに貼られた懐かしのNice Priceのステッカーからも明らかであるが,私がアメリカに在住していた頃は$8.99とか$9.99のColumbiaレーベルのCDには貼られていたもので,実に懐かしい。

そんな凝ったことをしつつ,出てくる音も何ともソフトなロックという感じである。私としてはギタリストとしてのJohn Mayerがもっと聞きたいという思いにも駆られるが,まぁこれはこれでありかなとも思う。昨今はこういう音楽をヨット・ロックとも呼ぶようだが,我々の世代からすれば,AOR的と呼べばいいとも言える。訳のわからんジャンルを作らなくてもいいのになぁと思うのは年寄りの感覚なのかもしれない。

いずれにしても,私はJohn Mayerは渋い路線よりも,こういう路線の方が合っていると思うので,甘いの承知で星★★★★とするが,AORの名曲群に比べると曲のクォリティはもっと上げて欲しいと感じるのは,きっと私だけではないだろう。その辺りは実に微妙。

Personnel: John Mayer(vo, g, b, p, key), Greg Leisz(pedal steel), Greg Phillingaines(key, synth), Larry Goldings(key), Jamie Muhoberac(key), Jeff Babko(key), Sean Hurley(b), Pino Palladino(b), Aaron Sterling(ds, perc), Lenny Castro(perc), Maren Morris(vo)

2021年8月 4日 (水)

ようやくゲットしたOrnette Colemanの”Of Human Feelings”。

_20210802-3"Of Human Feelings" Ornette Coleman(Antilles)

このアルバムは前々から欲しいと思っていたのだが,なかなか中古CDにもお目にかからない。それをようやくゲットしたものであるが,これが実に強烈なファンク・アルバムであった。

本作はIslandレーベルがジャズ系音源をリリースすべく立ち上げたAntillesレーベルからのものだが,このレーベルで私にとって最も印象深いものはGil Evansの"Priestess"であることは今も昔も変わらない。一方,どうしても同じAntillesから出たこのアルバムが気になっていたのだが,とにかく中古が出てこない。ネットで売っているものもあったが,値段がアホみたいに高いということもあって,いつかなんとかなるだろうとDUのWant Listに登録して出品を待っていたところに,通知が来た!当然即発注である。

そして,聞いてみたら上述の通り,強烈なファンクを感じさせるものであった。歴代Prime Timeバンドの演奏でも屈指のファンク度と言ってもよいのではないかと思えるほどだが,正直言ってしまうと,今まで聞いたPrime Timeのアルバムではこれが一番好きだと言ってもいいと思えるものだった。調べてみれば,ストリーミングでも聞けるようになっている(知らなかったので本作は聞いていなかった)が,現物派の私としてはこれを入手できたのは実に嬉しい。

このアルバムを聞いていて面白いと思ったのがJamaladeen Tacumaの自由過ぎる(笑)ベース・ライン。単なるリズムの一部とは異なるアプローチが強く感じられた。おそらくはこれがハーモロディクスの神髄なんだろうなぁって今更ながら思ってしまった。ギターもカッティングでリズムを刻む部分もあるが,やっぱり自由度が高い。それでも目立っているのがJamaaladeen Tacumaなのだ。Ornette Colemaneのアルトがこのバックに乗った演奏によって,フリー・ジャズとファンクの融合ってのを体感できると言えばいいだろうか。そんなことは"Dancing in Your Head"の時からわかってることだと言われれば返す言葉もないが,このファンク度の高さはまさに快感としか言いようがない。

買ってよかった,買えてよかったと思えるアルバム。当然星★★★★★である。カッコよ過ぎ。最高だ。

Recorded on April 25, 1979

Personnel: Ornette Coleman(as), Denardo Coleman(ds), Charlie Ellerbee(g), Bern Nix(g), Jamaaladeen Tacuma(b), Calvin Weston(ds)

2021年8月 3日 (火)

リリースされたのを全然知らなかったJeff Lorber Fusionの新作。

_20210802 "Space-Time" Jeff Lorber Fusion(Shanachie)

昨今はショップに行くこともあまりないし,新譜に関する情報はショップのWeb情報やら,ブログのお知り合いの情報に依存しているというのが実態だ。特にジャズ系情報は専門誌を読む訳でもないので,情報は結構限定的になっていると言っても過言ではない。そんなこともあって,Jeff Lorber Fusionが新譜をリリースしたのも全然知らなかった訳だが,今回たまたまWeb上で知って,慌てて発注したのであった。こういうのって彼らには多くて,前の"Impact"の時もリリースには唐突感があったが,今回も似たようなものである。

今回,ジャケに写っているのは3人である。Jeff Lorberと相方のJimmy Haslipはわかるが,一番右は?と思ったらGary Novakであった。以前,ジャケにも写っていたAndy Snitzerはクレジットからも完全に消えているが,Gary Novakの場合,5年前の来日公演にも同行していたし,"Prototype","Impact"にも全面参加だったから,レギュラー化するのは時間の問題だったのかもしれない。

それでもって出てくる音楽は安定のJeff Lorber Fusionである。ある意味,車の運転にこれほどフィットする音楽はないのではないかと思える爽快感は今回も健在。この決して突出したことはしないが,一定以上のクォリティを保つのがこのバンドの特長であるが,今回も全く破綻がない。私のようなファンが聞いても,彼らの音楽に初めて接するリスナーが聞いても,決して悪い感情が芽生えないだろうなぁというところである。逆に言えば,絶対的な傑作とはならないのだが,これだけのレベルが保たれていれば,文句も出ない。

今回のアルバムにおいては,亡くなったChick Coreaに捧げたその名も"Chick"という曲があるが,Hubert Lawsが客演して,いかにものフルートを聞かせているものの,Chick Corea的なところは感じられず,どうやってもJeff Lorber Fusion的サウンドになっているのはむしろ微笑ましい。

ということで,いつもながらの安定感ではあるが,もう少しちゃんとプロモーションすればいいのにと思うのは私だけか?商売っ気たっぷりの音楽のようなのに,商売っ気があまりないのは実に面白いねぇ。ほかの彼らのアルバム同様,評価はいつも通り星★★★★。好きなんだからしょうがないね(笑)。

Personnel: Jeff Lorber(key, synth-b, g), Jimmy Haslip(b), Gary Novak(ds), Bob Mintzer(ts), David Mann(horn), Hubert Laws(fl), Gary Meek(ss), Michael Landau(g), Paul Jackson, Jr.(g), Robben Ford(g), Gerald Albright(b)

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