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2021年7月 2日 (金)

Johnny Griffinの緩急自在。

_20210629 "Hush-a-Bye" Johnny Griffin(Black Lion)

これはJohnny GriffinがBlack Lionからリリースした3枚のアルバムを2CDに集成したもの。私が保有しているのは以前リリースされたもので,最新のリリースには更に"Masquarade Is Over"が追加されているようだ。

本作はコペンハーゲンの"Cafe Montmartre"でのライブ音源だが,Johnny Griffinという人の実力が十二分に表れていると言ってよいと思う。テンポなんて関係なく,紡ぎだされるアドリブ・フレーズの見事さを聞けば,主題の通り「緩急自在」という表現しか思い浮かばないのだ。冒頭の"The Man I Love"からびっくりするような急速調なのだが,そこで繰り出されるフレージングは淀みなく,かつ印象的というのが素晴らしい。十八番のタイトル・トラックをはじめ,急造バンドでも対応OKみたいなスタンダードやブルーズが並んでいても,ここにおけるミュージシャンのレベルの高さは尋常ではない。急速調だろうが,ミディアムだろうが,バラッドであろうが,何でもござれ。優秀な人たちならではと言ってもよいような素晴らしい演奏である。

本作にケチをつけようと思えば,ライブで一丁上がりみたいではないかというようなところもあるかもしれない。しかし,これだけの演奏を聞かせてもらえば,現場にいたオーディエンスも,後付けで聞いている私たちも,誰も文句は言うまいと思えるナイスなライブ音源である。Johnny Griffinという人は,テナー・サックスと言えば必ずしもいの一番で出てくる人ではないとも言えるが,ある程度ジャズを聞いた人間に対する訴求力は無茶苦茶高い人だと思えたアルバムである。やや曲によりばらつきが感じられるところもあるが,甘いの承知で星★★★★☆としてしまおう。いやぁ,ええですわぁ(笑)。

Recorded Live at the Cafe Montmarter on March 30 & 31, 1967

Personnel: Johnny Griffin(ts), Kenny Drew(p), Niels-Henning Ørsted Pedersen(b), Albert Heath(ds)

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