Dave Hollandの恐るべき創造力。
”Another Land” Dave Holland(Edition)
ジャズ界には年齢を感じさせない活動を続ける化け物のような人がいる。私にとってはCharles Lloydがその代表みたいな感じだが,今年の10月には75歳になるDave Hollandももはや化け物レベルだと感じさせるような新作が届いた。
このアルバムはクリポタことChris Potterの新作も出すEdition Recordsからのリリースだが,告知された段階では発注していなかった。だがDave Hollandの近年のアルバムはどれを取っても出来がよく,"Prism"も”Good Hope”も年間ベストに選んでいるのだ。その間に出た"Aziza"だって星★★★★☆なのだ。そういうDave Hollandなので,無条件に発注してもよかったのだが,ちょっと逡巡していたもの。しかし,ストリーミングで公開されたこの音源のカッコよさを知って即Editionに発注したものである。
Edition Recordsは結構発注対応が迅速で,実にいい会社である。ついでにいつもオマケがついてくる。今回はDave Hollandサイン入りのカードが同封されていたので,ついでにその写真もアップしておこう。今回も発注から短いスパンでデリバリーされた現物で演奏を聞いているのだが,昨今聞いた典型的ギター・トリオ編成のアルバムの中でも突出した出来と聞いた。思うに,Dave HollandがKevin Eubanksと共演すると,実に優れた演奏を聞かせてくれると今回も感じさせる。彼らの共演歴は長く,古くは1990年のECMの"Extensions"まで遡る。直近では"Prism"があった訳だが,この二人が揃うとハイブラウでカッコいい演奏を聞かせてくれると期待してしまう。そして,今回もその期待は裏切られることがなかった。この二人には確実に何かを生み出すシナジーが働いていると思うしかない。
ドラムスのOved Calvaireは1982年生まれなので,若干下の世代になるが,Kevin Eubanksとて既に還暦過ぎであることを考えれば結構な世代間ギャップは存在する。しかし,Dave Hollandにしても,Kevin Eubanksにしても,加齢による「よいよい感」等皆無。Oved Calvaireぐらいのいきのいいドラマーが相手で十分って感じである。ある意味,Gatewayの頃と変わらぬ創造力だと言ってもよいだろう。
バラッドも交えたアルバムではあるが,全編を通じて甘さなど微塵も感じさせない強烈な作品。古希を過ぎてこんなアルバムを作っているDave Holland,まさにこの人も化け物である。そして,これからもこうした創造力を発揮し続けるのだろうと思ってしまうような快作。この老いとは無縁のアルバムに敬意を表して星★★★★★としてしまおう。間もなく還暦を迎える私もかくありたい(笑)。
Recorded on November 10 & 11, 2019
Personnel: Dave Holland(b), Kevin Eubanks(g), Oved Calvaire(ds)
« ”Mission: Impossible III”:噴飯ものの2作目に対し,3作目やいかに? | トップページ | 豪華な共演者に囲まれたCharles FambroughのCTIレーベル作。 »
「新譜」カテゴリの記事
- 今年最初の新譜はEnrico Pieranunzi。あの"Live in Paris"と同じメンツで悪いはずなし。(2026.01.05)
- 2025年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2025.12.28)
- 年末に届いた豪華メンツによるライブ盤。(2025.12.21)
- Dino Saluzziの新作は哀愁度高く心に沁みるアルバムであった。(2025.12.17)
- "The Köln Concert: 50th Anniversary Special Edition"を入手。無駄遣いと言われればその通りだが。(2025.12.14)
「ジャズ(2021年の記事)」カテゴリの記事
- 2021年の回顧:音楽編(2021.12.30)
- Alan Broadbent:実に趣味のよいトリオだ。(2021.12.25)
- ホリデイ・シーズンに取り出したアルバム。(2021.12.24)
- Art Blakey & the Jazz Messengers初来日時の記録:悪いはずがない。(2021.12.23)
- Johnathan Blake:やはりこの人ただ者ではない。(2021.12.22)
コメント
« ”Mission: Impossible III”:噴飯ものの2作目に対し,3作目やいかに? | トップページ | 豪華な共演者に囲まれたCharles FambroughのCTIレーベル作。 »































































わたしも、サイン付きカードににんまりしました。笑
やっぱり、ホランド閣下が指揮をとったアルバムはカッコいいな。
ユーバンクスは、相変わらず達者だし、カルヴェールのドラムもまったく隙がないし。。
還暦過ぎもこうあらねばなりませんね。
リンクを貼っておきます。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2021/06/post-1ac45b.html
投稿: Suzuck | 2021年6月12日 (土) 11時14分
Suzuckさん、こんにちは。リンクありがとうございます。
>わたしも、サイン付きカードににんまりしました。笑
そうですよねぇ。
>やっぱり、ホランド閣下が指揮をとったアルバムはカッコいいな。
>ユーバンクスは、相変わらず達者だし、カルヴェールのドラムもまったく隙がないし。
全くその通りです。リーダーとして睨みをきかせるHolland凄いです。
>還暦過ぎもこうあらねばなりませんね。
全くです。
投稿: 中年音楽狂 | 2021年6月12日 (土) 13時57分
こんばんは。
さすが、歳を取っても、オリジナル一直線の硬派な路線ですね。まあ、74分のトリオ作なので、リラックスしつつの硬派なやり取り、という感じのところもありますけど。やはり彼はこうでなければ、と思いますが、万人受けするかどうか、ちょっと気になるところではあります。
当方のリンクアドレスは下記の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2021/06/post-b07702.html
投稿: 910 | 2021年6月13日 (日) 20時07分
910さん,こんばんは。リンクありがとうございます。
>さすが、歳を取っても、オリジナル一直線の硬派な路線ですね。
本当に硬派というのが言い得て妙です。
>やはり彼はこうでなければ、と思いますが、万人受けするかどうか、ちょっと気になるところではあります。
Dave Hollandは受けるとか受けないとか全然気にしてないと思います(笑)。この年齢不詳具合,いつまでも続けて欲しいものです。
投稿: 中年音楽狂 | 2021年6月13日 (日) 21時00分
すいません。収録時間は74分ではなくて67分でした。訂正いたします。
投稿: 910 | 2021年6月14日 (月) 09時06分
910さん,ご丁寧にありがとうございます。
投稿: 中年音楽狂 | 2021年6月16日 (水) 21時23分