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2021年6月13日 (日)

豪華な共演者に囲まれたCharles FambroughのCTIレーベル作。

_20210610-3 "The Proper Angle" Charles Fambrough(CTI)

懐かしいアルバムである。これはCreed TaylorがCTIレーベルを80年代終盤に再立ち上げをした時にリリースされたものの一枚で,Charles Fambroughにとっての初リーダー作だが,多分これが出たのは私の在米中だったはずで,リリースされた時もそのメンツに驚いたものである。超豪華キャストと言ってもよいのだ。昔のCTIならありえる話だが,この時代,まさに旬と言ってよいミュージシャンを揃えたのは圧巻であった。その中でも私にとって重要だったのはKenny Kirklandだが,それに加えてMarsalis兄弟,Roy Hargroveまで参加しているのだから,ブイブイとした演奏をしてくれるだろうという期待は実に大きかった。

だが,こっちの思った通りにはいかない。冒頭はMilton Nascimentoの"Don Quixote"で幕を開けるが,これが結構あっさりした出来で,初めて聞いた時ももう少し飛ばしてもよかったのではないかと思った記憶がある。2曲目はいきなりラテン風味が強まるのだが,実はこのほかにもラテン・タッチの強い曲が何曲かあって,不思議な感覚を覚えてしまう。3曲目のWynton Marsalisオリジナルの"Uncle Pete"はミディアム・テンポで,どうも聞いている方が盛り上がらない。演奏が悪い訳ではないのだが,こっちの期待と違うって感じなのだ。

そうした若干のフラストレーションをようやく解消できるのが5曲目"Broski"では,「遅ぇ~よ!」と悪態の一つもつきたくなる(爆)。この曲はFambroughがJazz Messengers在団中に書いた曲らしいが,いかにもJMに合いそうな曲調で,正直言って私が期待していたのはこちら系の音だった。

今にして思えば,このアルバムはプロダクション重視だったのかなぁという気もするが,私としてはこのメンツを集めてこれではちょっともったいないのではないかという感覚がどうしてもぬぐえない。ほぼ半数でパーカッションを入れて,ラテン・フレイヴァーを打つ出すよりも,私はイケイケ・ハードバップ的な演奏の方がよかったと思ってしまう。演奏の質は相応に保っているが,その辺りが惜しいと感じるのは単なる私の趣味の問題かもしれない。まぁオマケしてでも星★★★☆ぐらいがいいところだろう。

Recorded on May 29-31, 1991

Personnel: Charles Fambrough(b), Kenny Kirkland(p), Jeff Watts(ds), Roy Hargrove(tp), Wynton Marsalis(tp), Branford Marsalis(ts), Joe Ford(as, ss), Steve Berrios(perc), Mino Cinelu(perc), Jerry Gonzalez(perc)

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