これを聞くのは何年ぶり?Kenny Rankinのスタンダード・アルバム。
"A Song for You" Kenny Rankin(Verve)
Kenny Rankinが亡くなったのは2009年のことであったが,2002年リリースの本作が彼の遺作になるのだろうか。いずれにしても,私がこのアルバムをプレイバックするのはいつ以来のことか全く記憶にない。10年以上経過している可能性も否定できないぐらい,実に久しぶりにこのアルバムを聞いた。
このアルバムはTommy LiPumaとAl Schmittという強力コンビによりプロデュースされているが,実に穏やかなスタンダード集となっている。基本となるクァルテットが伴奏をつけ,ゲスト,ストリングス,ホーンが加わるという編成は結構豪華なものであるが,演奏や歌唱は力んだ部分が微塵も感じられない落ち着いた作品であり,これは完全に大人のためのアルバムと言ってよいだろう。
このアルバムで面白いのは"Round Midnight"と思うが,こういう感じの歌いっぷりってのは今までになかったって思える。思わず「へぇ~」となってしまうような,いい意味での「軽さ」がこのアルバムの特性だと言ってしまってもよいだろう。こういう音楽がバーで小音量でかかっていれば,絶対に耳をそばだてるだろうと思えるような洒脱さと言い換えてもよいかもしれない。更にBeatlesの”I’ve Just Seen a Face"やLeon Russellの"A Song for You"がこうなるか!?って思わせるのも実に面白い。崩しの美学って感じか。
本作は比較的取り出しやすい場所に置いてあるにもかかわらず,ちっともプレイバックしていない私も困ったものだが,久しぶりに聞いて,このアルバムの心地よい魅力を感じたのであった。刺激は全然ないと言ってもよいが,もっと知られてよいし,もっと聞かれてもよいと思えるアルバム。星★★★★。
Personnel: Kenny Rankin(vo, g), David Spinozza(g), Leon Perndervis(key), Christian McBride(b), Lewis Nash(ds), with John Beasley(synth, arr), Roy Hargrove(tp), Chris Potter(ts), Russell Malone(g), Alan Broadbent(arr) with strings and horns
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お久しぶりです。ケニー・ランキン、2004年6月にNYCのイリジウムで見ました。ベースのデビッド・フィンクとパーカッショニストの3人組で彼はギターだけ弾いてました。歌った曲はこのアルバムからが多かったですね。ラウンドミッドナイトも歌いましたが、出だしを少し歌って、what a disgusting songだったかwhat a depressing songだったか呟いて観衆の笑いを取っていました。ランキンはどの曲も凄く崩したアレンジで歌いますね。その2年後ぐらいにコットンクラブに来たのを見たのが最後です。While my guitar gently weepsを崩して歌っていました。私が聞いた中でも一位二位を争う歌の上手い人だと思います。ギターもピアノも上手かった。
投稿: カビゴン | 2021年4月19日 (月) 20時19分
カビゴンさん、こんにちは。お久しぶりです。
>
>お久しぶりです。ケニー・ランキン、2004年6月にNYCのイリジウムで見ました。
Iridiumですか。あそこもどうなってしまうのか心配ですね。
ラウンドミッドナイトも歌いましたが、出だしを少し歌って、what a disgusting songだったかwhat a depressing songだったか呟いて観衆の笑いを取っていました。ランキンはどの曲も凄く崩したアレンジで歌いますね。
はい。この崩しはびっくりしますね。
>その2年後ぐらいにコットンクラブに来たのを見たのが最後です。While my guitar gently weepsを崩して歌っていました。私が聞いた中でも一位二位を争う歌の上手い人だと思います。ギターもピアノも上手かった。
確かに歌が上手くないと崩すのが怖いような曲ですもんねぇ。生で観られたのは実に羨ましいです。
投稿: 中年音楽狂 | 2021年4月20日 (火) 14時03分