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2021年4月18日 (日)

「旅情」に続いて,「リトル・ロマンス」をDVDで観て,ヴェニスを懐かしむ(笑)。

A-little-romance 「リトル・ロマンス("A Little Romance")」(’78,仏/米,Orion/Warner Brothers)

監督:George Roy Hill

出演:Laurence Olivier,Diane Lane,Thelonious Bernard, Arthur Hill, Sally Kellerman

先日「旅情」を観てヴェニスを懐かしむモードになってしまい,観たのがこの映画。「旅情」の記事にも書いたが,この映画は何と言ってもDiane Laneが可愛いくて,それだけでOKみたいなのだが,久しぶりに観ると何ともほのぼのしたいい映画であった。結局のところ,私は単純にこの映画が好きなのだ。 ヴェニスは後半にちょこっと出てくるだけだが,これぐらいでもヴェニスの風景は十分楽しめる。何てたって,ため息橋が重要な位置づけだしねぇ。

Daine Laneはもちろん可愛いのだが,Laurence Olivierが何とも味のある演技で,やはり名優は違うと思わされる。そして,何だかんだ言って,私はGeorge Roy Hillという監督が撮った映画が総じて好きだということを痛感させられる。この映画も,Thelonious Bernard演じるDanielが映画好きという設定ゆえに,Geroge Roy Hillが撮った「明日に向かって撃て!」やら「スティング」やらのシークェンスも出てくるところも楽しい。

とにかくこの映画は観ていて実に心地よいというか,気持ちのよい映画である。登場人物の造形も魅力的で,メリハリがついているの大いに結構である。本作で得している役なのが母の再婚相手,Richardを演じるArthur Hillだろう。母親役のSally Kellermanのダメダメぶりに比べると実に好人物に思えてしまうところがいいのだ。

他愛のないストーリーだと言ってしまえばその通りなのだが,その他愛のなさを愛でたいと思える私である。こういう映画をいつまでも好きでいられるおっさんでありたいと改めて思った。星★★★★☆。

2021年4月17日 (土)

これも久しぶりの「呪われた夜」。

One-of-these-nights"One of These Nights" Eagles(Asylum)

私はEaglesのアルバムは最近出たライブ盤は別にして,全て保有している(と言っても,ライブ盤も入れた当時のフル・ボックス・セットがその殆ど)ぐらいのファンと言ってもよいが,これまでこのブログで記事にしたのは"Long Road Out of Eden"を酷評したものぐらいである。Beatlesのことを書きにくいのと同様の「今更感」があるのは仕方がないところなのだ。しかし,今日は気まぐれで「呪われた夜」である。

このアルバムは次作にして最高傑作"Hotel California"への助走と言ってもよい作品だと思う。確実にそれまでのアルバムとは異なる雰囲気を冒頭のタイトル・トラックが醸し出しているからだが,このアルバムは私にとってはこの1曲が最も印象的であった。それまでのカントリー・ロック的なるものとは完全に一線を画したロック・フレイヴァーの強さが記憶に残っているし,この曲は本当にカッコいいと思った。

しかし,”Hotel California"に比べると,従来路線の感じも残っているのが特徴で,曲ごとの魅力には溢れるものの,ちょっとしたごった煮感も覚えるというのが正直なところなのが,このアルバムだろう。本作はBernie Leadonの最終作となったが,Leadonのバンジョーを活かした"Journey of the Sorcerer"なんて,全然雰囲気が違ってしまっていて,Bernie Leadonのやりたいことと,バンドの方向性が乖離していったことを明らかにしてしまっているとだって言えるのだ。"Lyin’ Eyes"も実にいい曲だと思うが,これだってタイトル・トラックとは異なる路線で,まだまだ一貫した方向性とはなっていなかったのである。

なので,今にして思えば,いいアルバムではあるのだが,言い換えればヴァラエティに富むとも言えるが,一方では何とも言えない中途半端さを感じる部分がある。もちろん,Eaglesにとって,本作がスタジアム級のバンドへの飛躍の原点になったことを思えば,重要なアルバムではあると思うが,"Hotel California"の完成度の高さに比べると,微妙な感じは残る。しかし,繰り返しになるが,曲は粒ぞろいであることは間違いない。Randy Meisnerにとっても,"Take It to the Limit"を生んだということで,意義はあったということで,半星オマケで星★★★★☆。

Personnel: Glenn Frey(vo, g, p. el-p, harmonium), Bernie Leadon(vo, g, banjo, mandolin), Don Felder(vo, g), Randy Meisner(vo, b), Don Henley(vo, ds, perc)

2021年4月16日 (金)

これを聞くのは何年ぶり?Kenny Rankinのスタンダード・アルバム。

_20210412 "A Song for You" Kenny Rankin(Verve)

Kenny Rankinが亡くなったのは2009年のことであったが,2002年リリースの本作が彼の遺作になるのだろうか。いずれにしても,私がこのアルバムをプレイバックするのはいつ以来のことか全く記憶にない。10年以上経過している可能性も否定できないぐらい,実に久しぶりにこのアルバムを聞いた。

このアルバムはTommy LiPumaとAl Schmittという強力コンビによりプロデュースされているが,実に穏やかなスタンダード集となっている。基本となるクァルテットが伴奏をつけ,ゲスト,ストリングス,ホーンが加わるという編成は結構豪華なものであるが,演奏や歌唱は力んだ部分が微塵も感じられない落ち着いた作品であり,これは完全に大人のためのアルバムと言ってよいだろう。

このアルバムで面白いのは"Round Midnight"と思うが,こういう感じの歌いっぷりってのは今までになかったって思える。思わず「へぇ~」となってしまうような,いい意味での「軽さ」がこのアルバムの特性だと言ってしまってもよいだろう。こういう音楽がバーで小音量でかかっていれば,絶対に耳をそばだてるだろうと思えるような洒脱さと言い換えてもよいかもしれない。更にBeatlesの”I’ve Just Seen a Face"やLeon Russellの"A Song for You"がこうなるか!?って思わせるのも実に面白い。崩しの美学って感じか。

本作は比較的取り出しやすい場所に置いてあるにもかかわらず,ちっともプレイバックしていない私も困ったものだが,久しぶりに聞いて,このアルバムの心地よい魅力を感じたのであった。刺激は全然ないと言ってもよいが,もっと知られてよいし,もっと聞かれてもよいと思えるアルバム。星★★★★。

Personnel: Kenny Rankin(vo, g), David Spinozza(g), Leon Perndervis(key), Christian McBride(b), Lewis Nash(ds), with John Beasley(synth, arr), Roy Hargrove(tp), Chris Potter(ts), Russell Malone(g), Alan Broadbent(arr) with strings and horns

2021年4月15日 (木)

Robbie Dupree:懐かしいねぇ。

_20210411-3 "Robbie Dupree" Robbie Dupree(Elektra)

「ふたりだけの夜」である(笑)。完全に気まぐれで取り出したアルバムだが,まだ私のCDラックでは一軍半ぐらいの位置づけには留まっているのだ。このアルバムが出たのが1980年,"Steal Away"と”Hot Rod Hearts"が結構ヒットして,前者はそのリズム・フィギュアがDoobie Brothersの"What a Fool Believes"みたいだと思わせたのももう40年以上前。時の流れを感じさせずにいられない。

その後もRobbie Dupreeはアルバムをリリースしているようだが,言ってしまえば「一発屋」である。このアルバムこそがRobbie Dupreeのイメージであり,彼の音楽と言えばこれになってしまうというのが一般人の捉え方だろう。だが,この典型的なAOR的な響きは,同時代を過ごした人間としては実に懐かしい。今でもこのアルバムの魅力というのは,私たちの年代の人間にとっては色褪せないってことだと思う。

バックを支えるメンツにはそれほどメジャーな人の名前は見当たらない。敢えて言えばこれまた「一発屋」と言ってもよいBill LaBountyが参加しているのが面白い。まぁそれでも,結構よく出来たアルバムだったなぁと思えるぐらいの曲のクォリティを確保しているところは,Robbie Dupreeの名誉のために言っておきたい。当時はこういう感じのアルバムがそれこそ雨後の筍のごとく結構あったなぁと思いつつ,本作が今でもカタログにちゃんと残っているところは,このアルバムのよさの裏返しだろう。星★★★★。

Personnel: Robbie Dupree(vo, hca, perc), Bill Elliott(key), Bill LaBounty(key, vo), Michael Boddicker(synth), Robert Palmer(g), Brian Ray(g), Dennis Herring(g), Bob Bordy(g), Kal David(el-sitar, vo), Rick Chudakoff(b, key), Peter Bunetto(ds, perc), Miguel Rivera(perc), Alan Estes(perc), Jerry Peterson(sax), Leslie Smith(vo), Arno Lucas(vo), Matthew Weiner(vo), Joe Turana(vo)

2021年4月14日 (水)

Iggy Popの参加が意外なDr. Lonnie Smithの新作が楽しい。

_20210411-2"Breathe" Dr. Lonnie Smith(Blue Note)

私がDr. Lonnie SmithのライブをBlue Note東京で観たのももう3年近く前のことであるが,リーダーよりのギターのJonathan Kreisbergへの注目度を更に高めたものと言ってもよかったが,自体は相応に楽しめるものだった。そんなDr. Lonnie Smithの新作がリリースされたのだが,こちらもJonatahn Kreisberg入りなので,それも大きな要素となっての購入となった。

前作"All in My Mind"もJazz Standardでのライブであったが,今回も8曲中6曲はJazz Standardでのライブ。そして,冒頭と最後の2曲がスタジオ録音であるが,何とその2曲におけるゲストがIggy Popである。Iggy Popは結構あっさり歌うというか,典型的なIggy Popの歌を期待して聞くとびっくりしてしまう感じの枯れたと言ってもよい歌いっぷりである。しかも,最後にやっているのはDonnovanの"Sunshine Superman"だしねぇ。また,それがDr. Lonnie Smithのトリオの演奏とフィットしているところに更にびっくりである。

そしてライブ音源の方にはトリオでの演奏が2曲に,トランペット,トロンボーン,テナー,バリトンの4管が加わった演奏が4 曲という構成になっているが,この4管入りの演奏が,スモール・バンド的なアンサンブルとソロ回しを聞かせてなかなか楽しい。オルガン・ジャズってこういう感じがいいねぇと思わせるものなのだ。こうした構成にはプロデューサーを務めるDon Wasの趣味が表れているようにも思えるが,ジャズ・ファンの心がわかっているねぇと言いたくなるような演奏である。

4管入りの曲においては,私の目当てと言ってよいJonathan Kreisbergの出番は控えめで,"Pilgrimage"を除けば伴奏に徹している感が強いが,トリオ演奏においてその分スポットライトを当てるってところか。そして,そこで聞かせるJonathan Kreisbergのフレージングにはやっぱり痺れる。まぁ,本作ではJonathan,Jonathanと言わずに,リーダーのオルガン・プレイを楽しむのが筋として,これは聞いていてかなり楽しいアルバムであり,この気持ちよくゆるめのグルーブに満ちた演奏をライブの場で観たら,絶対身体が揺れてしまっていただろうって演奏である。そういうところも評価して,ちょっと甘いと思いつつ,星★★★★☆。そして,前作に続いて1曲に客演するAlicia Olatujaの歌のうまさは相変わらず。彼女がCotton ClubにBilly Childsと来た時も実にうまいと思ったが,その感覚は不変。このゴスペル的感覚がたまらん。

それにしても,ここでのライブ演奏が収録されたNYCのJazz Standardの閉店は惜しいと思わせる。Dr. Lonnie SmithがライナーにJazz Standardへの謝辞を掲げているのもよくわかる。今やお店は閉店したが,配信ライブを行っているJazz Standardなので,いつの日か復活してくれるのではないかと考えたいが,そもそも私が次にNYCを訪れるチャンスはいつ来るのかってところなのが辛いところ。

Personnel: Dr. Lonnie Smith(org), Jonathan Kreisberg(g),Johnathan Blake(ds), Iggy Pop(vo), Alicia Olatuja(vo), Sean Jones(tp), Robin Eubanks(tb), John Ellis(ts), Jason Marshall(bs), Richard Bravo(perc)

2021年4月13日 (火)

「旅情」:この映画を観るのも45年ぶりぐらいか...。

Summertime 「旅情("Summertime")」(’55,英/米,United Artists)

監督:David Lean

出演:Katherine Hepburn,Rossano Brazzi,Isa Miranda, Darren McGavin, Mari Aldon

主題の通りである。私がこの映画を観るのは小学生の高学年か,中学生の時分以来のことになると思うが,ヴェニス(ヴェネツィア)が舞台であることはすっかり失念していた。今回,この映画を久しぶりにDVDで観て感心してしまったのが,ヴェニスの街は,私が訪れた2013年とこの映画のロケが行われた1950年代半ばとほぼ何も変わっていなかったということだろうか。もちろん,細かいところは近代化しているはずだが,街並そのものが不変であったことに何とも言えず感動してしまった私であった。そうした意味でも,ストーリー以前にヴェニスの観光映画として,まずは一級品なのだ。

それはさておき,本作は名匠David Leanが撮ったクラシックなラブ・ストーリーである。今の時代感覚からすれば,古臭いと思われても仕方がないようなお話ではあるが,それでもこういう心の機微ってあるよなぁって思ってしまうのが我々の年代ってところか。もちろん,ラストに向かった展開が唐突だとか,ケチをつけようと思えばいくらでもつけられる。だが,「旅情」という邦題がこれほどしっくりくる映画はないと思えるし,そういう時代だったのだ。

この映画は全編で展開されるヴェニスの美しい風景,Katherine Hepburnのうまさ,そしてRossano Brazziの美男ぶりを堪能すればいいのである。こういう映画を観ていると,古き佳き時代と思わざるをえない。現代のように直截的なエロティシズムには走らず,花火をメタファーにするところも何とも奥ゆかしい。そして,小道具として使われるクチナシ(Gardenia)の意味合いが,その花言葉を知れば知るほど,実に切ないのだ。小学生か中学生の私がこの映画を見てどう思ったかは記憶の彼方ではあるが,この歳になってこういう映画を観ると,当時とは全く別の感慨が生まれるということを感じさせられた映画であった。星★★★★。

この映画を観て,改めてヴェニスという街の魅力を感じてしまったので,次はDiane Laneが超可愛い「リトル・ロマンス」でも見るかなぁ(笑)。

2021年4月12日 (月)

今年のオスカー最有力,「ノマドランド」を観た。

Nomadland 「ノマドランド(”Nomadland”)」(’20,米/独,Fox Searchlight)

監督:Chloé Zhao

出演:Frances McDormand,David Strathairn,Linda May, Swankie,Bob Wells 

コロナ禍の影響を受けて,今年のオスカーのノミネーションはいつもと感じが違うのは仕方がないところだろう。しかし,下馬評で有力視されている映画が本作ということで,今回劇場で観てきた。既にヴェネツィア国際映画祭では最高賞の金獅子賞を獲っているが,確かに有力な作品だと思った。まさにロード・ムーヴィーと言うべき映画なのだが,この映画の凄いところは,出演するノマドが本物のノマドだってことなのだ。フィクションとノンフィクションの間を行くこの映画は,ストーリー的には極めて淡々としているのだが,ノマドの生活感を見事に活写しているってところだろう。素人と言ってよい多くの出演者でありながら,ドラマとして成立させること自体がチャレンジであったはずだが,こうして筋の通った映画に仕立てた監督,脚本,編集の三役をこなしたChloé Zhaoは称賛に値するだろう。

そして映し出される米国の風景が何とも言えない。雪の残る山間部とアリゾナの風景が交錯するところに米国の広大さを感じる訳だが,そこを移動しながら暮らすノマドはまさに自由な遊牧民って感じである。そうした風景をとらえた撮影に関しても評価されるであろうから,これもかなりオスカーは有力。

更に製作も兼ねたFrances McDormandは疑うことなき名女優である。3度目の主演女優賞もありだと思わせるノマドへのなりきりぶりである。

この映画が高く評価されるのは前述の通り,フィクションとノンフィクションを見事に融合させたことに加え,実在のノマドたちの貢献度の高さも見逃せない。演技と言うより彼らの人生観が反映していると言っても過言ではないと思えるのだ。そうした部分に感情移入できるかどうかがこの映画の評価につながるのではないだろうか。映画的なストーリーという点では先日観た「ミナリ」が勝っていると思うが,総体的な映画としてのパワーでは「ノマドランド」が上だと思う。ある意味「1917」同様の映画としてのチャレンジを楽々とクリアしているのが凄い。ただ,繰り返しになるが,これは観る人によって,相当評価が分かれると思えるが,私としてはちょっと甘いかもしれないものの星★★★★★。よくできましたって感じである。そして,”See You Down the Road."ってセリフが何とも印象深い映画。

2021年4月11日 (日)

才人,Vijay Iyerの新作がまたまた素晴らしい。

_20210410-2 "Uneasy" Vijay Iyer(ECM)

ACTレーベル時代から優れた作品をリリースしていたVijay Iyerだが,ECMに移籍してからの作品群はどれも文句のつけようのないものばかりで,私としても極めて高い評価を続けてきた。とにかく,どのような作品を取っても,失望させられることがないというのは実に見事。しかも弦楽クァルテットとの共演だろうが,Wadada Leo Smithとのデュオだろうが,Craig Tabornとのデュオだろうが,クォリティを維持しているのが凄いのだ。

そのVijay Iyerにとって,"Break Stuff"以来の久しぶりのピアノ・トリオによるアルバムであるが,長年のトリオからメンツを変えての第1作となる本作がこれまた素晴らしい出来である。基本的にVijay Iyerのオリジナルが中心であるが,そこに"Night And Day"が何の違和感もなく入り込んでくる。今は亡きGeri Allenの”Drummer’s Song"もミニマルな導入部から,反復フレーズは継続しながらも徐々に熱を帯びる展開も実に魅力的。とにかくどこを切っても実にレベルが高いのだ。

昨今のレコーディングにしては,ミキシング・レベルが抑制気味のような気がするが,音のバランスは取れていると思うので,気にすることはない。これが意図的なものかどうかはわからないが,このピアノ・トリオを聞くにはこれぐらいがいいのではないかと感じる。特にLinda May Han Ohのベースの音はベースってのはこういう感じで鳴るのが丁度いいと思わせるものだ。やたらに低音を強調しなくても,魅力的に響くベース音である。

相変わらずというか,このトリオの演奏はちょっとECMっぽくないようにも感じられるが,決してコンベンショナルなピアノ・トリオではなく,あくまでも現代のピアノ・トリオではある。しかし,以前にも書いたように,Manfred Eicherがこういう音楽をプロデュースしているのは,Vijay Iyerへの信頼の裏返しということになるのではないか。そして,その信頼を裏切ることのないVijay Iyer,さすがである。

まぁちょっとTyshawn Soreyは叩き過ぎって気がしないでもないが,実に優れたピアノ・トリオ・アルバムであることは間違いない。今回も実にいい作品であり,Vijay Iyer,本当に信頼に値するミュージシャンである。星★★★★☆。

Recorded in December, 2019

Personnel: Vijay Iyer(p), Linda May Han Oh(b), Tyshawn Sorey(ds)

2021年4月 9日 (金)

もはや懐メロ?Neil Larsenの”Jungle Fever”。

_20210408 "Jungle Fever" Neil Larsen(A&M)

いやはや懐かしいアルバムである。と言っても,私はこのアルバムをリアルタイムで聞いた訳ではなく,後付けで聞いたものだが,それでも何とも言えない「懐メロ」感があるのだ。思うにこのアルバム,結構はやったと思うのだが,リリースされた頃はまだ私はこの辺まではカヴァーできていない頃である。フュージョンで聞いていたのはナベサダとかLee Ritenourの"Gentle Thoughts"あたりどまり。だが,このアルバム,今聞いてもおそらく本国より日本で受けたはずだと思ってしまう。

なぜか。ここで奏でられるメロディ・ラインがマイナー・キーのものが多く,おそらくは日本人の琴線をくすぐるからだ。フュージョンもいろいろあるが,このメロディ・ラインには何とも言えない魅力を感じるリスナーが多かったであろうことは想像に難くない。本作に収められている"Wind Song"は私はGeorge Bensonの「メローなロスの週末」(笑)で聞いたのが最初だったのだが,こっちがオリジナルだったのねぇって知ったのは随分後になってからである。フュージョンと言えば,明るくカラっとした感じってのが「定説」みたいなところに,このマイナー・キーがある意味異質ながらも,日本人には魅力的に響いたのではないかと思えるのだ。しかも"Last Tango in Paris"なんてやっているし,そこでソロを取るのはMichael Breckerだしと,これはおそらく当時のリスナーには訴求力が高かったのではないかと想像させるに十分である。

今となっては40年以上前の音源であるから,当然時代を感じさせるが,今聞いても結構魅力的に響くのは,アルバム全体に溢れるマイナー調ゆえの哀愁感ってところではないかと思ってしまった。久しぶりに聞いたのだが,ついついはまってしまった私である。星★★★★。

Personell: Neil Larsen(p, key, org), Buzz Feiton(g), Willie Weeks(b), Andy Newmark(ds), Ralph McDonald(perc), Michael Brecker(ts), Larry Williams(as, a-fl), Jerry Hey(tp, fl-h)

2021年4月 8日 (木)

Crusadersのこのコンピレーションはよく出来ている。

_20210405-6"Groove Crusade" Crusaders(MCA)

私はCrusadersのファンってほどではないので,保有しているアルバムも限定的である。そんな中,結構気に入っているのがこのコンピレーション盤なのだ。

タイトルにある通り,このコンピレーションのテーマはグルーブなのだ。そして,ここで醸し出されるグルーブが何とも心地よい。実によく出来ていると思わせるのだが,その理由はこのアルバムをコンパイルし,曲順を決めたのがStewart Levineだということだろう。Stewart Levineは長きに渡ってCrusadersのプロデュースを手掛けてきただけあって,彼らの魅力なり,リスナーが彼らに何を求めるかなりをちゃんと理解していたと思わざるをえない。だからこそ,全編に渡ってCrusadersらしいグルーブが楽しめて,この一貫性が重要なのだと感じさせてくれるのだ。

このある意味ゆるいグルーブに身を任せることの心地よさゆえに,私はこのコンピレーションを手放すことができないのだろうと思う。こういうのからCrusadersに入ると,彼らの音楽の魅力を的確に理解することができると思う。実によく出来たコンピレーションとして,これまでCrusadersの音楽に触れたことがない人には丁度いいアルバムだし,Crusadersのファンにだってこの曲順は訴求力大だろう。これを聞いていると2枚組のベスト盤が冗長に聞こえてしまう,と言っては言い過ぎか。

2021年4月 7日 (水)

Gal Costaの新作が心地よいことこの上ない。

Gal-costa-nenhuma-dor"Nenhuma Dor" Gal Costa(Biscoito Fino)

Gal Costa,もう75歳だそうである。デビューから55年以上経過しているのだから,年齢を重ねるのは当然である。私は彼女のアルバムを全部追い掛けている訳ではないのだが,近年出たアルバムはピンと来ないなぁって感じだったのも事実なのだが,このアルバムはストリーミング,で聞いた瞬間,ストリングスを交えたそのサウンドのその心地よさに完全にまいってしまったアルバムである。これは買わざるをえないと即決した次第である。

過去の名曲を改めて取り上げるというのは人生の後期においてありがちな企画ではあるが,それをここでは息子と言ってよいようなミュージシャンたちとの共演で作り上げるというのが素晴らしい。私は自分自身の若さを保つためにはある意味チャラチャラした部分を残存させたいと思っているクチ(爆)だが,Gal Costaの場合は,「若いツバメ」の力も借りたってところだろうか。それが大成功だったと思えるアルバムである。

私はブラジル音楽への造詣が深い訳ではないが,ブラジル音楽に求めたくなるような要素,あるいは私が気持ちよいと感じるブラジル音楽の要素がこのアルバムには詰まっていると感じられるのである。ここに感じられる感覚こそが「サウダージ」だろうとさえ言いたくなってしまうのだ。こういう音楽をやられてしまっては文句のつけようもないし,当分このアルバムのプレイバック頻度は上がることは確実といいたくなる一品。たまりませんな。35分足らずのアルバムだが,これぐらいが丁度いいとも言えるし,何度でもリピートできるのが嬉しい。星★★★★★。北島康介ではないが,「気持ちいい,チョー気持ちいい」アルバム。

Personnel: Gal Costa(vo), Rodrigo Amarante(vo, g, b, mandolin, perc), Criolo(vo), Ze Ibarra(vo, p), Antonio Zumbujo(vo), Seu Jorge(vo, g), Tim Bernardez(vo, g), Rubel(vo, g), Jorge Drexler(vo, g), Zeca Veloso(vo, g), Felipe Pacheco Vnetura(g, b, vln, vla, sample), Marcus Ribeiro(cello), Pedro Coelbo(b), Gabriel Vaz(ds, perc), 

2021年4月 6日 (火)

これはもの凄い!「高橋アキの世界」。

Piano-space 「高橋アキの世界(”Piano Space”)」高橋アキ(EMI)

前々からこのブログにも書いているが,私は現代音楽のピアノ曲がかなり好きである。アブストラクトな音場に身を委ねると心地よいというのが一番の要因だが,それって変態だって言われても抗弁できないとは思う。しかし,好きなものは好きなのだ。

そうは言いながら,Peter Serkinは例外にして,ほぼECM New Seriesが私のそうした音楽の鑑賞の中心になってしまっていて,それ以外のフォローは決して十分とは言えない。そんな中で,たまたまオークション・サイトで見つけたこの3枚組のアルバムは,「おぉっ,これは...」と思わせるに十分なプログラムである。最初の2枚は日本人作曲家,3枚目が海外の作曲家というくくりになっているのだが,まさに「The 現代音楽」である。これは買わずにおれん,聞かずにおれんということで,オークションでゲットしたのだが,見本盤であることはさておき,今から50年近く前の古いレコードなので,ボックスも傷んでいた(死ぬまで売る気はないので,自分で補修した...)が,それでもレコードはほとんどプレイバックされた形跡がない綺麗なもので,全然文句なしである。こういうのは聞ければいいのである。

そして,私が期待した通りの「The 現代音楽」が全編にわたって展開されるという全くもって素晴らしいレコードである。2009年にはタワー・レコードでCD復刻されたようだが,そんなことには全然気づかずであった私が悪い,というかその頃はそこまで現代音楽にはまっていなかったとも言える訳で,今から考えれば買っておけばよかったと思わざるをえない。

しかし,今回,アナログで入手して,これは一枚,一枚ひっくり返しながら聞くという楽しみがあるなぁと思っていた私である。まじでこれははまる。いや,最高である。ここでの高橋アキのピアノの響きを聞いていれば,すぐにその世界に没入できる。クリアにして見事な粒立ちのピアノの音を聞いているだけで至福の時間が過ごせる。これはまさに私のツボにはまった音楽であり,サウンドであった。「明晰」とはこういうことなのかと思いたくなる。星★★★★★。最高である。大げさに言えば人生の宝ともなるな。

Recorded in 1972 and 1973

Personnel: 高橋アキ(p, el-p), 祖堅方正(tp)

2021年4月 5日 (月)

豪華なメンツが揃ったGary Burtonの落ち着いた「ほぼ」スタンダード集。

_20210331"Departure" Gary Burton(Concord)

このアルバムがリリースされたは1997年のはずだが,当時としてもかなり豪華なメンツが揃っていたと思わせる作品である。当時,この中で一番マイナーだったのがFred Herschであろうというのが信じがたいが,それほどのメンツである。

ではあるが,このアルバムは豪華なメンツが丁々発止の演奏を繰り広げる訳ではなく,実に落ち着いた演奏が展開されるほぼスタンダード集である。そもそもGary Burtonのスタンダード集ってのが珍しいと思うが,バックのメンツも楚々とした演奏で,Gary Burtonに応えている。

私がほぼスタンダードと書いたのは例外はChick Coreaの"Japanese Waltz"と,TVシリーズ"Frasier"の主題歌である”Tossed Salads And Scrambled Eggs"ゆえだが,前者は再編したAkoustic Bandのライブでもやっているのだが,初出が何だったのかよくわからない。このアルバムがレコーディングされた96年の段階で取り上げているので,その頃には既に認知されていたということか。後者は米国のTV番組だから,我々にあまり馴染みがないのもある意味当然である。

それ以外のスタンダード(あるいはジャズマン・オリジナル)も,ある程度は知られているものの,超有名な曲は少ないと言ってもよいのだが,その辺りがGary Burtonのセンスってところだと思う。最後のHorace Silverの"Ecaroh"とか言われても,何だっけ?って反応になってしまうし,Ellington/Strayhornの"Depk"は「極東組曲」からというチョイスは渋いのか,ひねっているのかって感じだろう。

だが,演奏はどれもがリラックスした感覚に富んだものであり,穏やかに時間が流れていく。刺激には乏しいし,このメンツならではの感じもあまり出ていないのだが,ソロのレベルは高く,相応のくつろぎ感を生み出していて,気楽に聞くには丁度いいわって感じである。ジョンスコも変態フレーズは抑制し,結構普通に弾いているのも微笑ましい。ちょいと甘めの星★★★★ってところ。

Recorded on September 20-22, 1996

Personnel: Gary Burton(vib), John Scofield(g), Fred Hersch(p), John Patitucci(b), Peter Erskine(ds)

2021年4月 4日 (日)

久しぶりに「アルカトラズからの脱出」をDVDで再鑑賞。

Escape-from-alcatraz 「アルカトラズからの脱出(”Escape from Alcatraz”)」(’79,米,Paramount)

監督:Donald Siegel

出演:Clint Eastwood,Patrick McGoohan,Roberts Blossom,Paul Benjamin,Frank Ronzio,Jack Thibeau,Fred Ward

この映画を観るのも久しぶりである。DVDを保有しているのはわかっていたのだが,実際に観たのがいつ以来かは全く覚えていない。前に観た時も結構地味だなぁと思っていたが,今回観てもやっぱり地味だった。それは決して悪い意味ではない。派手なアクションとかはないが,サスペンスフルな展開が実に面白く,見ごたえのある映画であった。

端的に言えば,脱獄映画なのだが,難攻不落,脱出不能と言われたアルカトラズ刑務所から,実際に脱獄してしまったというのも凄いが,その手口は実に単純で,そんなことあるのか?と思ってしまうが,「事実は小説より奇なり」である。

そして,この映画,Clint Eastwoodの監督業の師匠と言ってよいDon Seigelとコンビを組んだ最終作というのも思い出深い。彼らの最高傑作は「ダーティハリー」だということに異論を差し挟む余地はないだろうが,彼らの最終作として実に味わい深い作品を作ったものだと思う。Clint Eastwoodは相変わらずカッコよく描かれているが,この映画の味わいを増した要因は脇を固める役者陣だったと思える。それぞれのキャラクターが実に面白く,それがこの映画をより良いものにしたと感じる。もはや40年以上前の映画だが,妙なギミックがない分,今の時代でもリメイクできそうな感じである。久しぶりに観たが,面白かったことは間違いない。星★★★★。

Alkatraz-mosaic 今や,舞台となったアルカトラズ島は国立モニュメントみたいになっていて,観光で訪れることができる(今はコロナで閉鎖中だが...)。私も在米中,西海岸の友人を訪れた時に刑務所の監獄跡に入って写真を撮ったのも懐かしい。右が今から30年ぐらい前のアルカトラズ島での写真。顔にはモザイクを掛けているが,我ながらさすがに若いや(笑)。

2021年4月 3日 (土)

Nik Bärtschの新作はピアノ・ソロ:ファンク度は低いが,ミニマル感覚は強まる。

_20210327 "Entendre" Nik Bärtsch(ECM)

Nik Bärtschの音楽というのはファンクとミニマリズムをうまく融合させた音楽で,RoninやMobileでやっている音楽は私の嗜好に見事にはまっていると言ってよい。なので,Nik Bärtschの新譜がリリースされれば,無条件に購入している。今回もECMからリリースされたNik Bärtschの新作はピアノ・ソロである。

Nik BärtschにはECMと契約する前にリリースした"Hishiryo"というピアノ・ソロがあるのだが,ファンク度を重視するバンド名義のアルバムは買っていても,ソロについては購入しておらず,本作がピアノ・ソロに触れる初めての機会となった。ピアノ・ソロだとどういう感じなのかってのがやはり注目点となる。

それで以て今回のアルバムを聞いてみたのだが,やはりピアノ・ソロなので,ファンク度は抑制されるのだが,Nik Bärtschらしいミニマルな感覚は十分出ているし,随所にスリリングな感覚も感じさせるアルバムとなっている。彼のアルバムに収録された曲のタイトルは名は"Modul"に番号を付したものなのだが,本作には最後に"Déjà-Vu, Vienna"というタイトルが付いた曲が入っているのが珍しい。

その"Déjà-Vu, Vienna"はスローに展開されるミニマルな曲で,若干のメロディ・ラインも顔を出すが,”Modul XX"と言っても通じてしまうだろうと突っ込みたくなるのも事実。だが,全編を通じて,これが気持ちいいのである。

このミニマルな感覚,聞く人によっては何がいいのかさっぱりわからんという世界かもしれないが,こういうのがいいと思ってしまう私のような人間にとっては非常に心地よい時間が過ぎていく。決して難解ではないし,素直に身を委ねればいいという感じだろう。今回のアルバムも実に気持ちよく聞けてしまった。このグルーブ,特殊だとは思うのだが,好きだなぁ。星★★★★☆。

Recorded in September 2020

Personnel: Nik Bärtsch(p)

2021年4月 2日 (金)

L.A. Getaway: 豪華なゲストも魅力の何ともカッコいいロック・アルバムである。

_20210324 "L.A. Getaway" Joel Scott Hill / John Barbata / Chris Ethridge(Atco)

このアルバムを聞いたのも実に久しぶりのことであったのだが,これほどカッコいいアルバムだったのか...と感じざるをえない作品である。私はブリティッシュ・ロックよりもアメリカン・ロックにより強いシンパシーを感じてきたと言ってもよいのだが,そんな私のツボにはまったサウンドと言えばいいだろう。とにかく,メインを張るJoel Scott Hillの声に痺れる。

L.A.と名前が付いているからと言って,ウエスト・コースト・サウンドを期待すると,これが全く違う。どちらかと言えば,スワンプ・ロックという感じのアーシーな感覚が強い。私は所謂ウエスト・コースト・サウンドも好みではあるのだが,ここで展開されるロックを聞いていれば,更に痺れるとしか言いようがないのだ。

Joel Scott Hillという人の消息はCanned Heatにも参加したということぐらいしかわかっていなくて,はっきりしないのだが,この一枚を残しただけで好き者の心はつかんでしまうという感じである。こういうのをちゃんと一軍にしていなかったことも反省して星★★★★★としてしまおう。それにしても凄いメンツだよねぇ。

Personnel: Joel Scott Hill (vo, g), Chris Ethridge(b, p, vo), John Barbata(ds), Clarence White(g), Sneaky Pete(g), Mac Rebennack(p), Spooner Oldham(p), Leon Russell(p), Larry Knetchel(otg), Booker T. Jones(org), John Sebastian(hca), Bobbye Hall Porter(perc), Robert Guseus(perc), Clydie King(vo), The Blackberries(vo)

2021年4月 1日 (木)

これも久々。Marcus Miller~Michel Petruccianiらの"Dreyfus Night”の発掘ライブ盤 。

_20210320-3 "Dreyfus Night in Paris" Marcus Miller~Michel Petrucciani(Dreyfus)

これもクロゼットから引っ張り出してきたものである。このアルバムはリリースは2003年だが,レコーディングされたのは1994年に遡る。Michel Petruccianiが99年に亡くなっているので,その過去音源をリリースするという企画と考えていいだろう。90年代はMarcus MillerもDreyfus所属となっていたので,レーベルの人気者を共演させるというのはわかりやすい企画である。そこに加わるBiréli LagrèneもDreyfusからアルバムを出していたから,"Dreyfus Night"ってのはまぁその通りである。

その一方で,こういう企画は,一発セッションということになるので,そこでシナジーを生み出せるかはやってみないとわからないってところである。本作は"Tutu"で幕を開けるが,いきなりKenny Garrettがしくじっていてまず笑ってしまう。この辺にはリハーサルぐらいもうちょっとしろよと言いたくなってしまう。各人のソロはさておき,この演奏はアンサンブルにもかなり破綻が感じられて,出鼻をくじかれる。急造バンドの悲しさってところか。

2曲目は懐かしや"The King Is Gone"である。私はこの曲が収められた”The Sun Don’t Lie"も保有していたはずだが,どこに行ったか全く不明。もしかしたら売ったか?って感じである。"The King Is Gone"はMarcus Millerは最初バスクラを吹き,その後,ベース・ソロに移行するのだが,このベース・ソロはいい感じだし,その後に出てくるMichel Petruccianiのピアノ・ソロも魅力的。そうは言っても,5人のメンバーのソロ回しだけに終始するという言い方も可能で,この曲にはアンサンブルもへったくれもない。

そうした中では最後に収められたPetruccianiのオリジナル,”Looking Up"が一番まともとも言えるが,この曲にしても,このメンツが集まってやっているという意義が見出しにくいのは同様である。こういう感覚が重なるがゆえに,私はこのアルバムを評価することができず,クロゼットにしまい込んだって感じがする。繰り返しになるが,各人のソロはそれなりに聞きどころもあるが,演奏としてはお祭り感以外感じられない安直なつくりの凡作。ついでに言っておくと,Marcus Millerのスラッピングに合わせるかのような,高音が強調され過ぎな感じのミキシングも聞いていて疲れる。星★★★で十分だろう。ってことで,このアルバムはクロゼットへお戻り頂くこととしよう(笑)。

Recorded Live at Palais de Sportd Paris on July 7, 1994

Personnel: Michel Petrucciani(p), Marcus Miller(b, b-cl), kenny Garrett(as, ss), Biréli Lagrène(g), Lenny White(ds)

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