”Tarzana Kid”:全く売れなかったらしいが,この軽渋さがいいのだ。
"Tarzana Kid" John Sebastian(Reprise)
私が長年聞いているアルバムである。何せ,このアルバムにはLittle Featの"Dixie Chicken"が収録されているが,私は本家よりこっちの方を先に聞いていたのだ。私はアナログもCDも保有しているが,アナログの方は確か従兄からもらったもの。売れなかったことを象徴するようなカット盤(笑)。だが,参加しているミュージシャンや,やっている音楽を考えれば,もう少し売れてもよかったのではないかと思わせる軽くて,渋くて,味わいのあるアルバムだと思う。まぁ,クレジットではA-4とB-4の曲が間違って記載されているが,何とも適当だが,そんなことは一切気にならない。
アルバムで言えば,A/B面双方味わいがあって楽しめるのだが,私は大概の場合,A面を聞いていたような気がする。B面には2曲のインスト曲があるってこともあったかもしれないが,やはりA面の5曲のJohn Sebastianの声の響きが何とも心地よかった記憶がある。だが,今回聞き直してみて,B面もそれなりによかったねぇなんて思っていた。
いずれにしても,アメリカ音楽好きが見たら,これはっと思うに違いないメンツが魅力的。こういうメンツが集まれば,こういう音になるだろうって感じになっているのが素晴らしく,期待が裏切られることはない。Lowell George然り,Ry Cooder然り。何年経ってもいいものはいいのである。ラストの"Harpoon"の,後のフュージョンの走りみたいなファンクっぽさには違和感がない訳ではないが,このアルバムはやっぱり好きだなぁ。星★★★★☆。
Personnel: John Sebastian(vo, g, banjo, dulcimar, hca, autoharp, marimba), Amos Garrett(g), Lowerll George(g, vo), Ry Cooder(g, mandolin), Russell Dashiell(g), Jerry McKuen(g), Ron Koss(g), Buddy Emmons(steel-g), Kenny Altman(b), Milt Holland(ds), Jim Gordon(ds), Bobby Hall(perc), David Grisman(mandolin), David Lindley(fiddle), Richie Olsen(cl), Pointer Sisters(vo), Emmylou Harris(vo), Phill Everly(vo)
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