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2021年2月14日 (日)

私が初めて買ったChick Coreaのアルバム。

Rtf "Return to Forever" Chick Corea(ECM)

Chick Coreaの突然の訃報に接し,自分がChick Coreaとどのように接してきたかを考えてみると,最初に買ったChick Coreaのアルバムが本作のはずだ。ジャズを聞き始めて,何から聞けばいいのかわからないという中で,当時参考にしていたのが,スウィング・ジャーナル主催の「ジャズ・ディスク大賞」の歴代の金賞受賞作であったり,その当時の上位選出作であった。私がSJ誌を買い始めたのは77年だったはずで,その年の金賞は”V.S.O.P”,銀賞は同点で3作,それもGJTのVanguardでのライブ,"Heavy Weather","Tales of Another"だったのも今にしてみれば,実に懐かしい限り。

そんなジャズ・ディスク大賞の過去の受賞作を眺めて,まずは聞いてみようと思うアルバムを買っていたのが高校時代であった。まだジャズの好みも確立せず,審美眼なんてありもしない,若干背伸びをしながらジャズを聞いていたあの頃って感じだ。そんな私だから「スピリチュアル・ネイチャー」なんて当時は全く理解不能な世界であった(爆)。今でもかなりハードルは高いものの,趣旨は理解可能な作品となった「スピリチュアル・ネイチャー」によって,当時の私はジャズに対してその段階で挫折していたかもしれないと言ってもよい。それに対して,1972年度の金賞受賞作である本作は,実にわかりやすいというか,初心者の私にも受け入れやすい作品であったこともあり,ジャズという音楽のみならず,Chick Coreaというミュージシャンに対しての関心を高めるきっかけになったと言ってもよい。しかもこのジャケである。とっつきやすいのだ。

当時よく言われていたのは,Chick Coreaがこのアルバムのような音楽に転じたのは,Circleのようなフリーのアプローチから,聴衆とのコミュニケーションを重視するためだったというようなことだったと記憶している。おそらくそれは”Piano Improvisation Volume 1”の裏ジャケにある”This Music Was Created Out of the Desire to Communicate and Share the Dream of a Better Life with People Everywhere."という一文に基づくものだったと考えられるが,それをCircleの「失敗」と当時のSJ誌では評していたように思う。だが,CircleはCircleで狙いはあったはずであるから,Chick Coreaがどう思っていたかはよくわからないが...。

それはさておき,このアルバムの素晴らしさは既に語りつくされているところであり,私が今更どうこう書くのもなぁって気がする。いずれにしても,親しみやすいメロディ・ラインを持ちながらも,タイトル・トラックや"La Fiesta"に代表されるスリリングな展開を並存させ,誰しもが受け入れやすい音楽を作り出したことの意義が大きく,そうした意味では”This Music Was Created Out of the Desire to Communicate and Share the Dream of a Better Life with People Everywhere."という言葉は,このアルバムにこそ当てはまると言ってもよいのではないかと思えるし,そういう価値を持っていた。

そして,私にとってこのアルバムが影響したのは,私のエレピ好きはこのアルバムから始まったのだろうということである。振り返れば,ストレート・アヘッドな演奏にさえエレピが使われる時代ではあったが,私がジャズにおいて,これだけのエレピに接したのはこのアルバムが初めてだったと思う。そうした意味でも,私の音楽的な嗜好に大きな影響を与えたものであった。

本作を端緒として,Chick Coreaのアルバムを入手していく私であったが,高校時代の小遣いで買えるアルバムは限界があった。その頃に買ったのは"Crystal Silence"ぐらいで,本格的に買い始めたのは大学に入ってからのことになるが,深みにはまっていくのは結構早かったなぁって気がする。そこに至る道筋としては,浪人中に授業にも出ず,ジャズ喫茶で本を読みながら,音楽を浴びて,様々なジャズのスタイルを理解しつつ,過去のChick Coreaのアルバムもリクエストして,買うか買わないかの判断をしていたのも懐かしい。繰り返しになるが,私のこれまでの音楽鑑賞生活においても,今にして思えば重要な役割を果たしていたアルバムということになる。そして,本作がリリースされてほぼ半世紀になるという恐るべき事実。Airtoのドラムスがやや時代感を帯びているとは言え,今でも全然問題なしに聞けてしまうところが素晴らしい。星★★★★★。

Recorded in February, 1972

Personnel: Chick Corea(el-p), Joe Farrell(ss, fl), Flora Purim(vo, perc), Stanley Clarke(b), Airto Moreira(ds, perc)

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コメント

カモメのチックと言われてますけど
実はミズナギドリだともカツオドリだとも。
鳥撮影しているジャズファンって、実は結構いるんじゃないかと思うんだが、誰か詳しい人いないかな。
ちょっと気になる。

昨日、公園でカワセミを撮る老人を横目に、新しく出会った女子大生を撮ってました(笑)
フィールドワークを。

ところで、岡山駅近辺で通勤電車をせっせと撮ってる人達って、一体何がうれしくて撮ってるんだろうと訝しげに思ってましたが、
都会で引退した車両がJR西日本へ流れてきて、多種多様な車両が見られるとのこと。
へー、そうなの(笑)

SLE 全身性紅斑性狼瘡 という膠原病に狼が出て来るのは?と、50年近くぼんやりと思ってました。
狼にかまれた跡のような皮膚症状が。
知らないことがたくさんあるなあ(笑)
ちなみにサクラ(ゴールデンレトリーバー)に咬まれた跡ならあります。

MRCPさん,こんばんは。

>カモメのチックと言われてますけど
>実はミズナギドリだともカツオドリだとも。

ネットで,誰か同じようなことをつぶやいていたような気が...。

>昨日、公園でカワセミを撮る老人を横目に、新しく出会った女子大生を撮ってました(笑)

相変わらずのご交友ぶりですね(笑)。

>ところで、岡山駅近辺で通勤電車をせっせと撮ってる人達って、一体何がうれしくて撮ってるんだろうと訝しげに思ってましたが、
>都会で引退した車両がJR西日本へ流れてきて、多種多様な車両が見られるとのこと。

鉄ちゃんのことはよくわかりませんが,人それぞれですね。

>SLE 全身性紅斑性狼瘡 という膠原病に狼が出て来るのは?と、50年近くぼんやりと思ってました。
>狼にかまれた跡のような皮膚症状が。
>知らないことがたくさんあるなあ(笑)

人生,永遠に勉強ですね。私も見習わねば。

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