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2021年2月10日 (水)

Dino Saluzziのピアノ曲集:現代音楽的なところは感じられない,純粋に美的なピアノ音楽。

_20210206 "Imágenes - Music For Piano" Dino Saluzzi / Horacio Lavandera (ECM New Series)

Dino SaluzziはECMでもお馴染みのバンドネオン奏者だが,彼が書いたピアノ曲を集めたアルバムがこれである。弾いているのはDino Saluzziと同郷のHoracio Lavandera。このピアニストについては,よく知らないが,日本でのライブ盤も残しているようなので,それなりに知られた人なのかもしれない。ティーンエイジャーにしてデビュー作を録音しているから,相当早熟のプレイヤーと言ってもよいかもしれない。

ECM New Seriesは,古楽と現代音楽を並存させたりして,実にユニークなアルバムを多数生み出しているが,これは「現代ピアノ曲」としての位置づけのものと思われる。しかし,現代音楽にありがちなアブストラクトな感覚はここにはなく,実に美しいピアノ音楽になっている。私は古楽も現代音楽もどっちも好んで聞いているが,こういうのもいいねぇと思ってしまう。ある種のロマンティシズムさえ感じさせる曲が並んでいるが,それをECMらしい音で聞かされたら,大体まいってしまうと思うのだ。

しかし,その一方で,このアルバムがどういう層のリスナーに訴求力があるのかと考えると,若干微妙なところがある。現代音楽として突き抜けた感覚はないし,ラテンの土着性を感じさせるかと言えば,そういうこともない。純粋に美しいピアノ音楽と言えば聞こえはいい訳だが,その一方で,中途半端ではないのかという指摘も成り立ってしまうのが辛いところである。もちろん,それをDino Saluzziの音楽の多様性/多面性と捉えることももちろんできるが,人それぞれに捉え方は変わることは仕方がない。

私としては演奏には文句はないが,そのあたりがこのアルバムの評価の難しいところだと思う。それでも星★★★★にはしてしまうのだが...(笑)。

それにしても,ライナーに写るDino Saluzziは強面のおっさんであるが,こういう人がこういう美しい音楽を書いてしまうところが実に面白いねぇ。

Recorded in October 2013

Personnel: Horacio Lavandera(p), Dino Saluzzi(composer)

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