スイスのジャズのレベルの高さを実証するThierry Lang入りのライブ盤
”Live at the Dolder Grand Hotel, Zurich" The Winners(TCB)
ジャズ誌の読者投票結果によって結成されるってのは昔,Poll Winnersってのがあったが,これは時間は大幅に経過しているが,そのスイス版ってところである。スイスのジャズ誌(?),"Jazz ’n’ more"ってのがあるらしいのだが,おそらくその読者か,評価家投票によって選ばれた現地のミュージシャンによるライブ盤である。
まぁ欧州系のジャズにそこそこ通じている人ならばピアノのThierry Langも,ラッパのFranco Ambrozettiも知っているはずだが,日ごろならオリジナルをやりそうな彼らが,ここに並んでいるような大スタンダードを演奏したらどうなるのかってところに興味は集まるだろうと思う。特にThierry Langは"Private Garden"等のアルバムを通じて,美的な感覚でリスナーを痺れさせた人だから,尚更である。
私がこのアルバムを購入したのもおそらくはThierry Langの名前につられてだったと思うが,その時の記憶ははるか彼方に飛んでいる(爆)。久しぶりにこのアルバムを引っ張り出して聞いてみたのだが,やっているのが"Autumn Leaves", "Invitation","In Your Own Sweet Way","My Foolish Heart","Summertime","The Days of Wine And Roses",そして"If I Should Lose You"だったとは全く記憶になかった。しかし,これが実にいい感じなのである。
そもそも私はラッパのワン・ホーンの演奏を好むところがあるのも影響しているとは思うが,時にリリカルに,時にスリリングに演奏するこのクァルテットの演奏はスイスという,ジャズ界においてはマイナーと言ってよい国のミュージシャンのレベルの高さを実証している。まぁ,実力のあるミュージシャンからすれば,ここに並んでいるような曲は一丁上がりみたいに演奏できてしまうのかも知れないと思いつつも,ちゃんとメリハリをつけているところに感心してしまった私である。
Thierry Langはリリシズムみたいな先入観を持って聞くと,いい意味で裏切られる。結局のところ,何でもできてしまうのだ。そういう発見をするには最適なアルバムだと言ってよいと思うが,こういうのをクロゼットの奥にしまっておく私もいかがなものかと反省したのであった。味わいもあって,格別な感覚を与えてくれたこともあり,反省も込めて星★★★★★としてしまおう。こういうのを聞くと,改めてThierry Langのアルバムを聞きたくなるという副次的な効果もあることは間違いないな。
Recorded Live at the Dolder Grand Hotel, Zurich, on April 20, 2000
Franco Ambrosetti(tp, fl-h), Thierry Lang(p), Heiri Känzig(b), Peter Schmidlin(ds)































































































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