Steve Kuhnの”Trance”を久しぶりに聞く。
Steve Kuhnの昨今の動静は伝わってきていないが,既にSteve Kuhnも80歳を越えているので,このコロナ禍においては,活動に制約が生じるのもまぁ仕方がないところかもしれない。しかし,長きに渡って,レベルの高い演奏を続けてきたことは間違いないピアニストである。そんなSteve Kuhnには結構な数のリーダー作があるが,その中でもECMでのSteve Kuhnというのは一種独特というか,レーベル・カラーにびしっと収めてくると感じるのは私だけだろうか。
そんなSteve KuhnがECMから最初にアルバムをリリースしたのが1975年で,本作と"Ecstasy"とどっちが先かはよくわからないとしても,どっちにしてもなんちゅうタイトルをつけるのかねぇなんて思ってしまう。こんなタイトルをつけるから「耽美的」みたいに思われてしまうのだ(笑)。
しかし,このアルバムは,Steve Kuhnの抒情的な側面と,リズミックにはねるアプローチが共存したアルバムとなっていて,実によい。後者はエレピを弾いたときに顕著な感じであるが,私はSteve Kuhnのエレピ使いは結構うまいと思っていたが,それを更に強く感じさせる演奏と言ってもよいだろう。そしてそれを支えるのがJack DeJohnetteなのだから,そのノリの強烈さは通常以上という気がするし,ベースのSreve Swallowがここまでアグレッシブな感じを出すというのも,DeJohnetteとの相乗効果のように思える。更にはSue Evansがパーカッションで加わることで,リズムの力強さを増す。
そうした意味では,このアルバムは1枚で2度美味しいという感じであるが,聞いてみれば,やっぱりECMって感じの音に収斂されるところがECMのECMたる所以であり,Steve KuhnとECMの親和性を示していると言ってもよいと思う。既にリリースから45年を経過しているが,全く古びたところを感じさせないのは実に見事。星★★★★★としてしまおう。尚,タイトル・トラックは後のECMのアルバム,"Promioses Kept"で実に美しく再演しているが,そっちもいいねぇ。
いずれにしても,久しぶりにSteve Kuhnのエレピを聞くべく,"In New York"のLP(カット盤<死語!>である)でも取り出してみるか(笑)。
Recorded in November 1974
Personnel: Steve Kuhn(p, el-p, voice), Steve Swallow(el-b), Jack DeJohnette(ds), Sue Evans(perc)
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