Keith Jarrettの新譜がリリース。今はこれを買ってKeithをサポートするって感じだ。
"Budapest Concert" Keith Jarrett(ECM)
Keith Jarrettが脳卒中により左半身に影響が出て,少なくとも左手はピアノを弾ける状態にないという報道は実にショッキングであった。New York Timesのインタビューに本人が答えてのことであるから,実際に今後の復帰は困難ということになってしまうのだろう。しかし,慢性疲労症候群を克服し,見事に復活したKeith Jarrettのことである。演奏活動は無理だとしても,その快復を祈らざるを得ない。
そんなKeith Jarrettの病状を知ってのことかどうかはわからないが,ECMからまたもライブ盤がリリースされた。今回は昨年リリースされたミュンヘンでのライブのほぼ2週間前の演奏である。これだけの短いインターバルでの演奏をリリースすることはECMでも珍しいことだろうし,ジャケもペーパー・スリーブになっている。こういうのはKenny Wheelerが亡くなった時に,彼の遺作"Songs for Quintet"が同じようにペーパー・スリーブでリリースされたのとかぶってしまい,ついつい深読みしたくなってしまう。そして,今回もアルバムに振られた番号はキリ番である。Keith JarrettはECMにとって特別な存在なのだと思わざるをえないが,レーベルへの貢献度を考えれば当然であろう。
それはさておき,ここでの音楽である。近年のKeith Jarrettはアブストラクト度が増し,特にコンサート前半ではかなり現代音楽的な響きを聞かせながら,後半においては美的なメロディを交えた演奏を展開するという「パターン」が出来上がっていたが,本作もほぼ同様の流れで演奏は構成されている。ただ,ディスク1のアブストラクト度はミュンヘン盤より控えめな感じがして,聞きやすさとしてはこちらの方が上だと思える。
そしてディスク2に入ると,想定通りずっと聞きやすい演奏が展開される。美的なメロディあり,ブルーズ・フィーリングありと,これは悪く言えば予定調和であり,驚きはない。私は正直言って,Keith Jarrettのソロ・ピアノのアルバムが今後出ても買うかどうか迷うなぁと思っていたのも事実なのだが,今回ばかりは例外としてもよいと思った。それはKeith Jarrettの闘病をサポートするための「印税」,言い換えれば微々たる額の寄付だと思えばいいからだが,私にそう思わせるミュージシャンはそれほど多くはいない。
私たちがKeith Jarrettの生演奏に触れる機会はもうないのかもしれないが,彼が残した業績は見事なものとして人々の記憶に残っていくはずである。今回の演奏もそう思わせるに十分。ただ,Keith Jarrettの病状を踏まえたセンティメントが,このアルバムをより高く評価させてしまうって感じがする。星★★★★☆。それでもリスナーが求めるのはCD2の音の方だろうな(きっぱり)。
Recorded Live at Bela Bartok Concert Hall, Budapest on July 2, 2016
Personnel: Keith Jarrett(p)
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本日、キース・ジャレット MOLDE 1973
ソロコンサート のCD、DVDの海賊盤が郵送されてきました。(You Tubeで聴けるんですが)
ケルンの数日後のブレーメンと武道館も最近購入しました。
キースには申し訳ないが、最近の演奏より、70年代の方が、好きですね。
75年のソロツアーをサンベアみたいにコンプリートで発売して欲しいなあ。
投稿: MRCP | 2020年11月 3日 (火) 00時03分
MRCPさん,こんにちは。
>
>本日、キース・ジャレット MOLDE 1973
>ソロコンサート のCD、DVDの海賊盤が郵送されてきました。(You Tubeで聴けるんですが)
>ケルンの数日後のブレーメンと武道館も最近購入しました。
ブレーメンは,1975年のやつですね,あれ,いいですよねぇ。武道館もいいですねぇ。私も近年のKeith Jarrettはライブでの演奏のパターンが明確化して,前半は現代音楽みたいになってしまうのはどうかなぁと思っていました。しかし,今やKeithもライブ復帰が難しい以上,それはそれで楽しみたいと思います。まぁ,おっしゃる通り,昔の方が私も好きですが。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月 3日 (火) 14時28分
今日は家に籠もって学会の教育講演を受講してました。Up-to-dateなCOVID-19 のCT画像診断の鑑別診断の中に、コロナを心配して服用した漢方薬による薬剤性肺炎がコロナにそっくりなCT像に。コロナ予防目的で次亜塩素酸を加湿器に入れたための肺傷害がまたコロナにそっくりな肺炎像に。お前ら、いいかげんにしろよ。
これから、夜の仕事に出かけます。(笑)
投稿: MRCP | 2020年11月 3日 (火) 19時43分
Live Jazz Lounge | Unreleased live jazz recordings で
Brad Mehldauのライブ 5本がダウンロード可能です。
ご存じかも知れませんが、お知らせを。
投稿: MRCP | 2020年11月 5日 (木) 00時26分
MRCPさん、おはようございます。
>
>今日は家に籠もって学会の教育講演を受講してました。Up-to-dateなCOVID-19 のCT画像診断の鑑別診断の中に、コロナを心配して服用した漢方薬による薬剤性肺炎がコロナにそっくりなCT像に。コロナ予防目的で次亜塩素酸を加湿器に入れたための肺傷害がまたコロナにそっくりな肺炎像に。お前ら、いいかげんにしろよ。
>これから、夜の仕事に出かけます。(笑)
お勤めご苦労さまです。不安の増幅がまた別の不安を生む負のスパイラルですねぇ。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月 5日 (木) 07時32分
MRCPさん,こんばんは。
>Live Jazz Lounge | Unreleased live jazz recordings
これは全然知りませんでした。なかなか凄いサイトですねぇ。活用させて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月 5日 (木) 17時37分
次亜塩素酸、加湿器の話 タクシーの運ちゃんにしたら、うちの会社でもやってました。ダメだったんですかと。
あのなあ。誰か止めるやついなかったのか?
イソジン吉村とか、大変なのが結構いるんだよなあ(笑)
それはともかく、
あのサイト、偶然見つけたんですけど
何かすごい時代になってきたなあ。
昔、ディランの雑音だらけの海賊盤レコードをありがたがって聴いてた時代は、遠い過去の話。
You Tubeに到底聴ききれない量のディランのライブ音源が。
あのサイトにも到底全部聴けるはずがない大量のデータが。
アーチストも演奏データも、1人のリスナーの手に負えないほどの量になってくると、好きなものを新しく見つけるのも難しく、それぞれのリスナーの好みが細分化されすぎて、拡散してしまって、まとめて滅びたりして(笑)
投稿: MRCP | 2020年11月 5日 (木) 20時31分
MRCPさん、こんばんは。
コロナの話はさておき、あのサイト、カバレッジが凄いですね。ダウンロードどうやるの?ってわかるまで大変でしたが(笑)。
まずはBen Monder聞いてみます!
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月 6日 (金) 19時51分
閣下、ありがとうございました。m(_ _)m
根がへそ曲がりなので、、なんで、過去の音源ばかりなんだ、、
と、ちょっと思っていたのですが、、この事情であれば致し方ありませんね。
>それでもリスナーが求めるのはCD2の音の方だろうな(きっぱり)。
御意。
でも、あの「儀式』も必要なんでしょうね。
少しでも、症状が改善しますように。
ブログのURLです。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-80d208.html
投稿: Suzuck | 2020年11月16日 (月) 18時09分
Suzuckさん,こんばんは。リンクありがとうございます。
>でも、あの「儀式』も必要なんでしょうね。
ある意味,近年のKeithのライブの前半はストイックと言いますか,非常に厳しい音楽だったと思いますが,後半に入って徐々にいい意味で弛緩していくのが,オーディエンスにとっては快感だったのではないかと思っています。私がライブに行った時も大概そういう感想になっていますしねぇ(苦笑)。
いずれにしても,Keithの快復を祈りつつ,彼の音源に耳を傾けたいと思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月16日 (月) 20時30分
個人的には、ECM初期の頃より、最近の方が好きなのですが、その先を見たかったのですけど、もはやかなわぬ夢になった可能性が強いですね。これからは過去の音源がけっこう出てきそうなんですが、そちらにも期待しています。今になってこれを出してきたのは、ニュース込みで、という気がしています。
当方のブログアドレスは以下の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2020/11/post-c67122.html
投稿: 910 | 2020年11月18日 (水) 04時17分
910さん,こんばんは。リンクありがとうございます。
>個人的には、ECM初期の頃より、最近の方が好きなのですが、その先を見たかった
以前のスタイルがいいか,最近のスタイルがいいかは好みの問題だと思いますが,一度病気をしてから,ライブの前半,後半を1曲ずつで通すというスタイルは取らなくなりましたよね。私はどっちがいいとは言い切れませんが,現代音楽的なアプローチはライブの場ではよくても,CDになるときついなぁって思っていたのも事実です。
前作が同じ年のミュンヘンで,本作っていうのは,おっしゃる通り「ニュース込み」ということのように思えますし,スリーブが紙なのも気になるところですね。
それはさておき,Keithはライブの演奏を独自でレコーディングしていた可能性が高いですが,それを続々出すってのはManfred Eicherの美学としてどうかなって気もしますが,どうなんでしょう?
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月18日 (水) 18時52分