リリースから40年を経過しても鮮烈なArgerichのバッハ。
"J.S. Bach: Toccata In C Minor BWV 911; Partita No.2 In C Minor, BWV 826; English Suite No.2 In A Minor, BWV 807” Martha Argerich(Deutsche Grammophon)
私がクラシック音楽を聴き始めたのは高校に入ってからだと思うが,このアルバムが出たのは1980年だから私の浪人中のことである。実際に買ったのは大学に入ってからかもしれないが,今でもこのアルバムは私の中で,数あるMartha Argerichのアルバムの中でも屈指のものと思っている。
一方で,彼女の弾くバッハは聞く人によってはこんなのはバッハじゃないと思われるかもしれない。確かにこの躍動感はバッハの一般的な響きとはちょっと印象が異なるかもしれないのだが,それでもこの鮮烈さにまいったと思ったことは,それからどれだけの年月が流れようとも,私の中では変わらない。私はGlenn GouldやSviatoslav Richter,あるいはAndrás Schiff の弾くバッハだって好んで聞いている訳だが,彼らとは明らかに違う個性を打ち出しているところを感じてしまうと,これはやはり強烈な演奏だったのだと思う。
躍動的で完璧なアーティキュレーションという意味で,こんなバッハは二度と出てこないのではないかとさえ思ってしまえる傑作。今聞いても実に素晴らしい。星★★★★★。昔,私はこれをドイツ盤のアナログで保有していたのだが,今はCDである。しかし,改めてアナログで聞いてみたくなってしまった私である(無駄遣いの予感:爆)。
Recorded in February, 1979
Personnel: Martha Argerich(p)
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