心地よく時が流れていくDiana Krall
"When I Look in Your Eyes" Diana Krall(Verve)
このブログには何度も書いているが,私はあまりジャズ・ヴォーカルを聞かない。なので,Diana Krallがいくら人気があるからと言って,彼女のアルバムが出ても,必ず買うということはしていない。だが,現代において,誰しもが納得するような歌唱を聞かせるジャズ・ヴォーカリストはDiana Krallをおいてほかにないと私は思っている。とにかくこの人の声も魅力的なら,歌唱も心地よいのである。本作はリリースから20年以上経過しているものの,その間に私が何度プレイバックしたかは疑問なのだが,久しぶりに聞いてもこのアルバムはいいと思えた。
その要因は,ほぼ半数の曲で入るJohnny Mandelがアレンジしたストリングスが実に素晴らしいのと,コンボだけで演奏したものはそういう曲だと思えるように,実にうまくプロデュースされているのだ。グラミー賞ってのはどういう選出基準?って思わせることもあるのだが,ここでの演奏,歌唱を聞けば,ベスト・ジャズ・ヴォーカルに選出されるのはうなずける話である。主題にも書いたように,このアルバムをプレイバックしていれば,心地よく時間は流れていくこと必定。"I've Got You under My Skin"のような曲におけるDiana Krallの歌唱と,Johnny Mandelのストリングスの混ざり具合なんて,極上のイージー・リスニングと呼んでもよいかもしれない。それに続く"I Can't Give You Anything But Love"の小粋さなんて実に大したものである。このバランス感覚がいいのである。そしてボートラとして最後に入っている映画"True Crime"の主題歌,"Why Should I Care"が全く違和感ないのも凄いことである。
Diana Krallのような歌い方は,本当に実力がないとできないだろうと思うが,彼女にはギミックなんて一切不要だとつくづく思ってしまった。あまりにも心地よかったので,今後はプレイバック頻度が上がるかもなぁ。こういうアルバムを日頃放置していることへの反省も込めて,星★★★★★としてしまおう。
Personnel: Diana Krall(vo, p), Russell Malone(g), John Clayton(b), Ben Wolfe(b), Jeff Hamilton(ds), Lewis Nash(ds), Larry Bunker(vib), Peter Christlieb(ts), Alan Broadbent(p), Chuck Berghoffer(b)
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コメント
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申し訳ないが、僕は納得していない(笑)
ドスの利いた歌声は万人向けじゃないと。
このところ、今世紀になっての女性ヴォーカルを探していくと、まあ多種多様にたくさんいること。
ティスベ・ウォス(オランダ) リヒア・ピロ(アルゼンチン)みたいに、名前だけ聞くと際物みたいだけれど、きれいな声でジャズを普通に歌う人がいいなあ。
まあヴォーカルなんて、結局のところ声の好き嫌いで、山口百恵と松田聖子のどっちが好きかと同レベルの話だよね。(笑)
投稿: MRCP | 2020年11月26日 (木) 01時11分
Diana Krallの登場ですね。
結論的に、彼女のジャズ・ヴォーカルはそれほど上手いとは思っていません。でもどこか魅力があるんですね。
そこでよく聴くと、やっぱりJazzy not Jazzなんですね。魅力はロックをJazzyにこなすところに惹かれるのかも・・・・。明らかにイーグルスを歌ったのが最も人気がありますところからもネ・・。
といったところで、私は彼女のニュー・アルバムは必ず買っている人間です。^^)
TBさせてください・・→http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2020/10/post-63e576.html
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2020年11月26日 (木) 11時13分
MRCPさん,こんばんは。
>
>申し訳ないが、僕は納得していない(笑)
と言われましても...(笑)。
>まあヴォーカルなんて、結局のところ声の好き嫌いで、山口百恵と松田聖子のどっちが好きかと同レベルの話だよね。(笑)
はい。その通りです。ですが,私は綺麗な声はダメですね。雰囲気出ません(きっぱり)。Diana Krallは丁度いいです。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月26日 (木) 23時17分
様々なブログ→You Tubeで好きな歌手を探していくと、
こぶしを効かせたりしない、わめき散らしたりしない、しわがれたりドスが利いたりしない、
普通の綺麗な声で、ビリー・ホリデイのような嫌らしい歌い方しない、普通の歌い方の人が美しいメロディを歌う。そんな白人女性。
例えばベース弾き語りのNicki Parrottとか。
アメリカじゃそんな人は注目されなくて、ヨーロッパ、カナダで普通のジャズヴォーカルは生き延びているらしい。
ジャズはもはやヨーロッパの白人の音楽になったという人もいるくらい(笑)
変異拡散して、多種多様の進化してるけど。
投稿: MRCP | 2020年11月27日 (金) 09時04分
何言ってんだって感じもしますから
実例を
You Tubeで
Ligia Piro my one で検索していただけると
my one and only love 887回試聴(笑)というのが。
アルゼンチンでは有名な人らしい(笑)
投稿: MRCP | 2020年11月27日 (金) 11時29分
photofloyd(風呂井戸)さん,こんばんは。リンクありがとうございます。
>そこでよく聴くと、やっぱりJazzy not Jazzなんですね。魅力はロックをJazzyにこなすところに惹かれるのかも・・・・。明らかにイーグルスを歌ったのが最も人気がありますところからもネ・・。
確かに"Wallflower"はよかったですよねぇ。"Jazzy not Jazz"ってのは面白い表現だと思いましたが,一般人受けするにはこれぐらいがよいってところでしょうか。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月27日 (金) 18時53分
MRCPさん,こんばんは。
>例えばベース弾き語りのNicki Parrottとか。
>アメリカじゃそんな人は注目されなくて、ヨーロッパ、カナダで普通のジャズヴォーカルは生き延びているらしい。
Nicki Parrottですか。聞いたことないです~。私の場合,ジャズ・ヴォーカル聞くよりも,Everything But the Grilとか聞いている方がずっといいと思っていますので,幅が広がりませんねぇ(苦笑)。今度ストリーミングで聞いてみます。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月27日 (金) 18時56分
MRCPさん,続けてこんばんは。
>You Tubeで
>Ligia Piro my one で検索していただけると
>my one and only love 887回試聴(笑)というのが。
>アルゼンチンでは有名な人らしい(笑)
今度見てみますが,887回では有名とは言えないですねぇ。後ろに000が付けば,ほぉ~って感じでしょうが。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月27日 (金) 18時58分
スペインのCarme Canelaのジャズボーカルを聴きながら、12時過ぎてやっと仕事が終了。
スペインのジャズと聞くといかにもゲテモノな感じがしますが、普通のしっかりしたジャズです。
今世紀のジャズヴォーカルを次々漁っていくと、アメリカ以外では、カナダ、アルゼンチン、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデン、ノルウェー 世界音楽巡りみたい。(ロシアはないんか)
色んな国で、正統派のジャズ目指す人がいるんだなあ。
Americanaな音楽を作ったザ・バンドの5分の4がカナダ人だったみたいな(笑)
ところで
エルトン・ジョンのJewel Box
若い頃のあふれ出る才能がすごい。
多作すぎて発表できなかった残り物がこれか!
ビートルズは残り物をあさってもカスしかでてこないのにね。(笑)
投稿: MRCP | 2020年11月28日 (土) 00時40分
MRCPさん,おはようございます。
ジャズ・ヴォーカルの話はさておき...(爆)
>エルトン・ジョンのJewel Box
>若い頃のあふれ出る才能がすごい。
これは猛烈に気になりますねぇ。ストリーミングで聞いてみることにしましょう。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月28日 (土) 10時17分
Desperadeは後世に残る名曲ですね。
Ringo Starr All-Stars でやって来たJoe WalshのDesperadeを昔聴きました。
後ろの若いカップルが、あの曲何ていう曲か、初めて聴いた曲だけど良い曲だねと言ってたのを思い出しました。
I Can't Tell You Whyもカバーされたりしているので残りそうな感じが。
Hotel Californiaは完成されすぎてて、誰も手を出せないんじゃないのかな?(笑)
投稿: MRCP | 2020年11月28日 (土) 20時05分
MRCPさん,こんばんは。返信が遅くなりました。
>
>Desperadeは後世に残る名曲ですね。
はい。そう思います。カヴァーもしやすい部分はありますね。"I Can't Tell You Why"も同じだと思います。
>Hotel Californiaは完成されすぎてて、誰も手を出せないんじゃないのかな?(笑)
これもおっしゃる通りです。本家Don Henleyがライブでラテン・タッチを入れた演奏をして失敗したのも仕方ないですね。Eaglesのライブにおいてだって再現不能なレベルというか,違和感が生まれてしまうのが罪作りなところですね。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年11月30日 (月) 17時30分