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2020年10月24日 (土)

幾星霜を経て,"Hi-Fly"を改めて聴いた。

_20201020"Hi-Fly" Karin Krog & Archie Shepp(Compendium/Baybridge)

私がこのアルバムを初めて購入したのは,おそらく1978年ぐらいのことだと記憶している。当時の私はジャズを聞き始めて日が浅い状態であり,正直言ってまだ何もわかっていない状態に近かったと言ってよい。そんなガキがこのアルバムを聞いても,その魅力がわかる訳はないと今更ながら思う。まさにその通りで,当時は何回聞いてもピンと来なくて,結構売ってしまったのも早かったような気がする。

だが,不思議なもので,年を取ってくると,このアルバムが猛烈に聞きたくなってしまい,中古でゲットである。それも私は国内盤のジャケット(上)がいいと思っているので国内盤にしたが,音楽が同じならどっちでもいいと言ってしまえばその通りだが,雰囲気ってのも大事だと思うのだ,このいかにもArchie Sheppの音が聞こえてきそうなジャケの方が,訳のわからないオリジナルのジャケ(下)よりもずっといいと思える。

Hifly そして,何十年かぶりにこのアルバムを聞いて,冒頭の"Sing Me Softly of the Blues"とか"Steam"は今でもちゃんと記憶に残っていた。当時は買えるアルバム数も限りがあったから,何度も聞いたことは間違いないだろう。だが,LPで言えばB面に当たる後半3曲はあまり記憶になかったのだが,この後半3曲も実に味わい深いのだ,特にKarin KrogとArchie Sheppのデュオで演じられる"Solitude"の渋いこと。高校生がこれを聞いて受けていたら,それはそれでおかしいだろうとさえ思ってしまう(笑)が,私も年齢を重ねてこのよさを改めて実感したのである。逆に言えば,そういう年齢になり,そして相応に音楽を聞いてきたからこその反応だと思いたい。今でもKarin Krogの声や歌いっぷりにはやや抵抗がない訳ではないが,それでも本作は私はArchie Sheppのテナーの音とフレージングを聞くためにあるとさえ思ってしまった。

そして,今更ながらクレジットを見ると,ピアノはJon Balke,ベースはArild AndersenというECM人脈だったのねぇと思ってしまう。まぁ,当時はまだジャズ・ミュージシャンもメジャーどころしか知らない頃だし,それも仕方ないところであるが,それにしてもこれは実に渋いアルバムであることを再認識し,その魅力に触れる喜びを感じてしまった。これは星★★★★★しかない。こういう「温故知新」は実に大事だと思うし,素晴らしい体験であった。

Recorded on June 23, 1976

Personnel: Karin Krog(vo), Archie Shepp(ts), Charles Greenlee(tb), Jon Balke(p), Arild Andersen(b), Beaver Harris(ds), Cameron Brown(b)

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