Terje Rypdalの新譜はアンビエントな響きが強い。
"Conspiracy" Terje Rypdal(ECM)
Terje RypdalはECMの初期からずっとレコーディングを続けていて,そういうミュージシャンの数も徐々に減ってきたとは言え,まだまだ現役で活躍中である。そうは言っても1947年生まれなので,既に古希を過ぎた大ベテランではある。そんなTerje Rypdalの新譜は結構久々って感じがするが,編成からすると,ロック的なアプローチを聞かせるのかと思わされるものであったが,結果としては主題の通り,かなりアンビエントな響きが強いものであった。
想定されたロック的な響きを聞かせるのはタイトル・トラックだけと言ってもよく,5曲目”Baby Beatiful”後半でも若干のリズム・フィギュアは登場するが,そのほかについては,ECMのサイトにおけるTerje Rypdalに関する表現の如く,”Tone Poet of the Fender Stratocaster"というのがぴったりな感じの,それこそ音のポエム的アンビエントな世界なのである。
この編成だけに,もう少し激しい音を期待したリスナーも多いのではないかと思えるが,これはこれでありである。Terje Rypdalの年齢を考えれば,ギンギンのロック・タッチばかり聞かせるとは思わないが,それでもやはり...って感じではないか。ECM的と言えばその通りなのだが,ECM好きはさておき,一般的にはさすがにもう少しメリハリをつけて欲しいってところだと思える。私のようなECM好きには問題ないとしても,40分弱のほぼアンビエント空間は結構厳しいのではないかと思う。ってことで,甘めの星★★★★ってところか。
まぁ,こういう音楽は,美術館とかで小音量でプレイバックすると結構合うかもしれないななんて,漠然と思っていた私である。
Recorded in February 2019
Personnel: Terje Rypdal(g), Ståle Storløkken(key), Endre Hareide Hallre(b), Pål Thowsen(ds,perc)
« Amazon Primeで”MOZU”を見ていた私。 | トップページ | 買っていながら大して聞いていないCDはいくらでも...ってことで,今日はBilly Harper。 »
「ECM」カテゴリの記事
- 今,ECMに求めうる理想の音と言ってもよい田中鮎美のトリオ作。(2026.09.25)
- 滋味溢れるとでも言うべきSteve Swallowの新作。(2026.07.02)
- 現物はこれからだが,ストリーミングで聞いたMick GoodrickとFred Herschのデュオ。この発掘は素晴らしい。(2026.06.23)
- Joe LovanoとJulian Lageの双頭作と呼びたい"Parmount Quartet"。(2026.06.02)
- Egberto Gismonti & Daniel Murray@渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール参戦記。(2026.05.28)
「新譜」カテゴリの記事
- Dave Hollandの未発表ライブ音源が早くもデリバリーされた。つくづく凄い人だ。(2026.10.11)
- Meshell Ndegeocelloの新作が最高だ。もはや完全にプロデューサーの世界。(2026.10.08)
- JD Allenの濃い~新作はリズム隊のドローン的な響きにテナーが乗ると言えばいいか。(2026.10.09)
- 先日のライブを受けて購入したToninho Hortaの新譜はアメリカン・スタンダード集だが...。(2026.10.06)
- アルバムを聞いて,彼らのライブへの期待値が異常に高まるMessthetics & James Brandon Lewis。(2026.10.05)
「ジャズ(2020年の記事)」カテゴリの記事
- やっぱりLookout Farmはえぐい。(2020.12.26)
- Marc Coplandの新作:これが今年最後の新譜だろう。(2020.12.23)
- 2020年の音楽を回顧する。(2020.12.30)
- Steve Kuhnの”Trance”を久しぶりに聞く。(2020.12.19)
- コロナ禍の産物と言ってもよいクリポタの新譜。(2020.12.18)
コメント
« Amazon Primeで”MOZU”を見ていた私。 | トップページ | 買っていながら大して聞いていないCDはいくらでも...ってことで,今日はBilly Harper。 »













































































こんばんは、
バンド編成からすると完全にロックの編成なんですけどねえ。でもこういうことができるのもECMならでは、なんてことを思ってしまいます。なんたって現代音楽的なことまで手を出した人なので、予想はつけがたいです。そんな中、タイトル曲はロックしていて、興味深かったでした。
当方のブログアドレスは下記のとおりです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2020/09/post-2c9c35.html
投稿: 910 | 2020年10月 5日 (月) 18時44分
910さん,こんばんは。リンクありがとうございます。
おっしゃる通り,Terje Rypdalも幅が広いので,予想がつかないところではありますから,どうこう言えた筋合いではないですね(笑)。
改めて棚を見てみると,私は結構彼のアルバムは持っていないってことがよくわかりましたが,本作を聞いて,"Chaser"の世界がいいなぁなんていうのはないものねだりですかね。
それでも結構こういうのは好きなんですけどね。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年10月 5日 (月) 22時00分