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2020年10月23日 (金)

"Wind on the Water":タイトル・トラックの意義はさておき,このアルバムはよい。

_20201017 "Wind on the Water" Crosby & Nash(ABC→MCA)

私をアメリカ音楽へ誘ったのはCSN&Yの”4 Way Street"であることは何度かこのブログに書いたことがある。なので,彼らがソロであろうが,コンビネーションを変えようが,その音源を私がそこそこ聞いてきたことは間違いない。そうは言いながら,全部が全部いいとは思っていないし,このコンビによる"Live"もピンとこないと約10年前に記事にしている(記事はこちら)。

このアルバムはそのライブ盤に先立ってリリースされたスタジオ録音であるが,久しぶりに聞いて,私はライブ盤よりもこっちの方が魅力的に感じた。ライブ盤ではハーモニーが薄く感じると書いているが,こっちはゲストを迎えたりして,そうした弱みを感じさせないところがいいし,曲そのものも魅力的である。まぁ,最後に収められた"To the Last Whale..."の一部としてのタイトル・トラックは反捕鯨のメッセージ・ソングであり,それに関してはいろいろな考え方がある。しかし,詞やメッセージを無視して音楽だけ聞いていれば,問題ない。意図的かどうかはさておき,ここに日本語に訳した手書きの詞を載せてしまうところには何だかなぁとは思いつつ,私はそういうところは無視することにしよう。

まさにここで聞けるのは,安定したバックに乗ったCrosby & Nashらしいメロディの数々と言える。そういうところを楽しめばいいアルバムとして私は評価したい。星★★★★。

Personnel: David Crosby(vo, g, p), Graham Nash(vo, p, g, perc), Danny Kortchmar(g), David Lindley(slide, fiddle), Joel Bernstein(g), James Taylor(g, vo), Ben Keith(slide), Craig Doerge(p, el-p, org), Carole King(org, vo), Stan Celeste(el-p), Leland Sklar(b), Tim Drummond(b), Russ Kunkel(ds), Levon Helm(ds), Jackson Browne(vo)

2020年10月22日 (木)

筒美京平の"History" 聞き,Vol.1の最後はCD4枚目で完全同時代(笑)。

1_20201018112601 筒美京平の業績を振り返るということで,"History" Vol.1を聞いてきたが,今日はその4枚目ということで,まずはここで一段落。

ここに入っている曲になると,私は中学生になっており,既に洋楽に目覚めている時期になるが,それでも深夜放送は結構聞いていたから,実に馴染みの曲が多い。私が聴いていたのがもっぱら「ABCヤングリクエスト」で,その番組では,邦楽と洋楽が交互にかかるという方式だったはずで,そこで当時のヒット歌謡も聞いていた訳である。

それはさておき,この年代になると,完璧同時代感をおぼえるが,このCD4においては岩崎宏美と太田裕美が非常に重要な位置づけにあることがわかる。私にとっては太田裕美では「木綿のハンカチーフ」が究極ではあるが,デビュー曲「雨だれ」も実に懐かしい。また,岩崎宏美の曲もどれもよくて,ついつい歌いたくなるものばかりである(爆)。

更にこのディスクはスリー・ディグリーズの「にがい涙」とか,Dr. ドラゴン&オリエンタル・エクスプレスの「セクシー・バスストップ」が入っていて,おぉっ,フィリー・ソウル!って感じで,この辺が私の洋楽心を刺激したはずである。

そしてもう1曲,桑名正博の「哀愁トゥナイト」である。桑名正博と言えばVol.2収録の「セクシャルバイレットNo.1」になりがちだが,私は曲としては圧倒的に「哀愁トゥナイト」の方がいいと思っている。ロックとソウルを感じさせるのである。この曲は現代においては認知度は決して高くないだろうが,私はカラオケでついつい歌ってしまうのだ(爆)。

結局,こうして聞き続けてくると,筒美京平の歌は歌いたくなるものである。「にがい涙」ですら,巻き舌交えたカタコトの日本語を真似て歌ってしまう私である(笑)。そうした衝動を生んでしまう,それが筒美京平の曲だということだと思う。本当に惜しい人を亡くした。

近いうちにVol.2も聞くことにしよう。

2020年10月21日 (水)

そしてまた筒美京平に戻るってことで,今日は”History Vol.1” の3枚目。

1_20201016223901 コンピレーション”History Volume 1"の3枚目となると,完全に同時代感が増してくる私である。スタートは南沙織の「17才」であるが,その後に野口五郎,西城秀樹,郷ひろみの御三家が出てくる。

それはそれで私にとっての同時代感には満ちているのだが,このCD3枚目で私がたまらんと思ったのは麻丘めぐみなのだ。彼女の「姫カット」と言われた髪形は今でも覚えているが,それよりも彼女は脚が奇麗だったというのが子供心にも感じていた私である。ここに入っているのはデビュー曲「芽ばえ」,「女の子なんだもん」,そして「私の彼は左きき」の3曲だが,どれを聞いても「萌え~」っとなってしまうオヤジなのだ。アイドルとはこうあって欲しいなんて今さらながら思える王道である。

そしてこの3枚目で印象的だったのは岡崎友紀の「私は忘れない」だ。岡崎友紀と言えば,私にとっては「おくさまは18歳」と「なんたって18歳」,そして「ママはライバル」辺りになるが,彼女の絶頂期と言っていい,それらのドラマの時期にリリースされたこの曲は,何ともいい曲なのである。確かにこのメロディ・ラインは聞き覚えがあったが,これほどの曲だとは思っていなかった。

このディスクになると,私は小学校の4~5年ぐらいで,徐々にテレビから深夜放送に移行し始める年頃だったかもしれない。だからこそ,ここに入っている曲は当時のテレビ番組で放送されたり,AM放送でエアプレイされていたがゆえに記憶が結構ヴィヴィッドなんだろうと思う。

Photo_20201016224501でもやはりこのCD3は麻丘めぐみなのだ(きっぱり)。私より彼女は年上だが,小学生の私でさえマジで可愛いと思っていたよなぁ。その頃は天地真理押しの私だったが,今だったら絶対麻丘めぐみを取るな(爆)。後の森高千里と言い,麻丘めぐみといい,脚の綺麗な人に弱いのである。

この3枚目のディスクには南沙織の曲が結構入っているのだが,それはそれで捨てがたいものではあるのだが,私にとっては麻丘めぐみにつきると思わせた1枚であった。あまりに懐かしいので,彼女の写真もアップしてしまおう(笑)。これで萌えない奴とは友だちになれない(アホか?)。

2020年10月20日 (火)

Jukkis UotilaのLP持ってたなぁ。ずっと実家にあったものを久々に聞く。

Avenida"Avenida" Jukkis Uotila (Stunt)

ちょっと筒美京平はお休みして...(笑)。

私の生涯の愛聴盤と言ってよいのが,Jukkis Uotila Bandのライブ盤である。Bob BergとMike Sternが参加したそのアルバムは,私にとって何度聞いても飽きない,そして何度聞いても燃えるアルバムである。なので,このブログを始めた年に,そのアルバムは記事にしている(記事はこちら)し,私が通い続けた今はなきテナーの聖地,新橋のBar D2でも,帰る前の1曲に,最後の"The Individualist"を毎度毎度掛けてもらっていたことも,何度かこのブログには書いたはずである。

そのライブ盤は,実のところ,このアルバムのプロモーション・ツアーでのライブだったということらしい。なので,ライブ盤に入っている"The Individualist"と”Out in Left Fields"がこのアルバムには収録されている。私は多分ライブ盤を買ったのが先で,このアルバムは後付けで買ったはずだ。しかし,なんでLPで保有しているのかは記憶が定かではないが,きっと安かったのだろう(苦笑)。

そして,このアルバムも,ライブ盤同様,メンツを見れば音が聞こえてきそうな面々が顔を揃えていている。一言で言えば,いいメンツである。出てくる音は,ライブ盤のサウンドをちょっと軽くしたような感じだが,十分ハードなフュージョンである。それでもって,このアルバムで面白いと思ったのが,Marc Cohenがクレジットされていることである。つまり,現在のMarc Coplandであるが,その後のMarc Coplandの音楽とは全く接点がないと思わせるようなアルバムへの参加ってのが面白い。まぁ,ライブ盤でキーボード弾いていたのもLars Janssonだし,ベースはLars Danielssonってのも意外と言えば,これほど意外なメンツもない訳だが,Marc Coplandも相当の意外さである。ただ,そんなには目立っていない(笑)。

それでもって,このアルバムもかなり久しぶりに聞いた訳だが,Marc Coplandの意外さとともに,ライブ盤収録の"Out in Left Fields"にはジョンスコがゲストでソロを取っているのだが,ライブ盤のMike Sternのソロと全然違うなぁって感じで実に面白かった。むしろ,この曲にはジョンスコの方が合っているとさえ思ってしまった。でもやっぱり"The Individualist"はマイキーでなければならないってのもわかる。

という感じで適材適所というところだが,日頃私が苦手とするBob Mintzerがここでは違和感なく収まっていたのも意外な発見であった。でもやっぱりBob Bergの方が好き(笑)。ということ,私にとってはこれがなければ,あのライブ盤もなかったってことで,相応の存在意義を持つアルバムとして星★★★★。

Personnel: Jukkis Uotila(ds, perc, key), Bob Mintzer(ts), Randy Brecker(tp), Mike Stern(g), John Scofield(g), Marc Cohen(p, key), Robby Kilgore(key, prog), Jeff Andrews(b), Manolo Badrena(perc)

2020年10月19日 (月)

続けて筒美京平の"History"を聞く。今日はVol.1のCD2。

1_20201015190401 筒美京平が亡くなったことを受けて,改めて彼の業績を振り返るべく,”History"を聞く2回目。Vol.1のCDの2枚目を聞くと,その冒頭の3曲でまいったとしか言えなくなってしまった。だって,「また逢う日まで」~「真夏の出来事」~「さらば恋人」である。私の自我が明確なものとなった昭和46年のこれらの曲は強烈な印象を残したものばかりであり,明確な記憶として私の脳内に存在している。

そしてCD2の面白いところは,その最後にザリバの「或る日」が入っていることである。ザリバと言えば,知っている人は知っているが,知らない人にとっては何それ?って感じだろう。そのザリバには若き日の矢野顕子が参加していることを知ったのは,私も随分後になってから(って言うより,このコンピレーションを買ってようやく知った)のことなのだが,こういうところに才能の集積というか,類は友を呼ぶって感覚を覚えざるをえない。

それはさておき,このCD2で印象深いのは欧陽菲菲だろうか。「恋の追跡」なんてタイトルがついているが,明らかにChaseの「黒い炎」のようなブラス・ロック的なノリには笑ってしまう。これを聞いて,私がカラオケでこの曲に挑んだことは言うまでもない(爆)。それとかチェリッシュとかは実に懐かしかったが,それよりも渚ゆう子の「さいはて慕情」とか,朝倉理恵の「あの場所から」とか無茶苦茶いい曲じゃないかと思ってしまうことの方が印象深い。

小学校の中学年ぐらいの,まだ洋楽に目覚める前の私にとってはとにかく懐かしい曲ばかりだが,実のところ筒美京平が書いた曲から,私の洋楽志向が芽生えるきっかけになったのかもしれないなぁなんて聞いていて思った私である。

2020年10月18日 (日)

改めて筒美京平を偲んで”History”を聞く。今日はまずはVol.1のCD1枚目。

1 筒美京平が亡くなったということは,私のような年代のリスナーにとっては,ある時代の終焉を象徴する出来事となっているはずである。彼の追悼記事を書いた時にも触れたが,私はかなりの数の彼の曲をカラオケで歌えてしまう。それは同時代だったこともあるが,その魅力的なメロディ・ラインは,現代でこそまた光ると思っている部分もあるから,カラオケでがなっていたのだ(最近は全然行っていないというよりも,行けないが...)。

改めて彼の業績を偲ぶためには,CD4枚組×2でリリースされた”History"以外の手立てが私にはない。"History"はiPhoneに突っ込んであるが,CDで聞くのは無茶苦茶久しぶりである。追悼するために改めて取り出すとは思わなかったが,やはり聞きたくなってしまった。

CD1だけを聞いても,いきなり「ブルーライト・ヨコハマ」でスタートし,2曲目もいしだあゆみ,そして弘田三枝子からグループサウンズに突入する流れを聞いているだけでたまらん。だってヴィレッジ・シンガーズの「バラ色の雲」やオックス(「スワンの涙」とか懐かしかった。)とかから,改めていしだあゆみの「あなたならどうする」を経て最後は「サザエさん」ってどういう頭の構造なのかと言われても仕方のない多様さである。

まだCDの1枚目は私の自我がちょうど目覚めた時期と重なっている(「ブルーライト・ヨコハマ」は私が小学校1年)とも言えるが,全部が全部知っている訳ではない。それでも既視感いっぱいな感覚を覚えるのはやはり同時代ゆえって感じである。このディスクで言えば,黒沢明とロス・プリモスの「ヘッド・ライト」なんて10年以上前に記事にしているのだ(記事はこちら)。やっぱり好きだったのねぇなんて改めて思ってしまうが,とにかく子供にとっても印象に残る曲を書いていたのだと思わざるをえない。朝丘雪路の「雨がやんだら」なんて今でも完全にメロディ・ラインを覚えているしねぇ。それがこのディスクに入っているどの曲にも当てはまる訳ではないが,何らかのかたちで確実に私の脳内に記憶されているのである。例えば橋幸夫の「京都・神戸・銀座」における「しのびあ~い,めぐりあ~い」のフレーズとか,おぉ~,覚えてるぞ~って感じなのだ。

懐かしさとともに,筒美京平の偉大さを感じた1枚。しばらくはこのシリーズが続く(笑)。

2020年10月17日 (土)

Brad Mehldauファンなら絶対見逃せないブートレッグ登場。

_20201016”Live in Paris 2020: Brad Mehldau Jour the Beatles" Brad Mehldau (Bootleg)

これは強烈なブートの登場である。コロナ禍が発生してから,Brad Mehldauはオランダに滞在していたはずで,"Suite: April 2020"も現地で録音されたものであった。その後もBrad Mehldauは欧州に滞在していたのかもしれないが,そのBrad Mehldauが今年9月にパリで演奏した時の模様を収めたブートレッグがリリースされた。

このブートが注目に値するのは,タイトルを見て頂けばお分かりになるように,Beatlesの曲を中心に演奏したってことである。以前からBrad MehldauはBeatlesナンバーを吹き込んでいるし,ロック畑のミュージシャンの曲を結構演奏してきているから,ライブにおいてもこういう企画があること自体は不思議ではない。しかし,こうしてブートとは言え,ここでの演奏を聞けることには大きな感慨を覚える。

ここではBeatlesナンバーに加えて,Paul McCartneyの”Maybe I'm Amazed”,更にはZombies,Beach Boys,David Bowieまでやってしまうのだからこれはたまらん。そしてアンコールは"New York State of Mind"から始まる5曲の大盤振る舞いである。パリの聴衆の熱狂ぶりがわかるが,それもまぁ当然かなと思える演奏。正直言って演奏自体にそれほどの驚きはないのだが,それでもこれは実によい。特にアンコールの味わいと言ったら半端ではない。

面白いことに,この日の音源は宇田川町の迷宮ではDVDとして売られているが,私は映像よりも音に浸りたいので,CDでリリースした名古屋から取り寄せたものである。宇田川は前日のオーディエンス録音とプロショットのDVDの3枚組,名古屋はおそらくその映像をソースとするCD2枚組としてリリースし,先着50名で初日のオーディエンス録音の2枚組をつけるというかたちで競争を仕掛けている。ブート業界も競争が激しいのだ(笑)。

いずれにしても,この音源は私としては告知を見た瞬間から避けて通れないと思って,即発注したものだが,その甲斐あっていいものを聞かせてもらったと思っている。さぁ,初日のオーディエンス録音もさっさと聞かねば。私がパリの聴衆に嫉妬したことは言うまでもない。

Recorded at Philharmonie de Paris on September 20, 2020

Personnel: Brad Mehdau(p)

2020年10月16日 (金)

Dominik Wania:さすがショパンの国のピアニストってところか。

_20201014 "Lonely Shadows" Dominik Wania(ECM)

ECMからリリースされたDominik Waniaの美しいピアノ・ソロ・アルバム。こういう演奏を聞いていると,ポーランドのピアニストっていうのはほかの国のピアニストと一線を画しているように感じてしまう。さすがフレデリック・ショパンを生んだ国である(因みにワルシャワの国際空港はフレデリック・ショパン空港)。

ここで弾いているのはフォルテピアノのようだが,楽器に関わりなく,紡ぎだされるメロディ・ラインは実に清冽にして美的。こういうアルバムはそうした音に身を委ねていればいいって感じの音楽であるが,若干アブストラクトなところも交えながら,あっという間に時間が過ぎていくってところである。

だが若干の不満もない訳ではなく,決定的な個性ってところまではいかないのはちょっと惜しい気がする。私としてはいいアルバムだとは思うが,私の心を捉えて離さないってところまではいかなかったって感じなのだ。明らかにクラシックの素養も身につけてはいて,音は美しいことに間違いないのだが,奏でられる音に確たる個性を感じないのである。換言すれば「痺れない」のだ。美しいだけの音ではなく,ちゃんと毒も仕込んであるってことはわかってもそうなのだから,これは私との相性の問題かもしれない。

それでも,この記事をアップするために,何回もリピートしていたのだから,絶対に悪いアルバムではない。本当にダメなら,リピートする気にもならないのが私の常だが,このアルバムはそうではなかった。ということで,非常にどっちつかずの評価になってしまったが,星★★★★には値する佳作。

ところで,このアルバムのライナーはみんなポーランド語で書かれている。ECMとしては実に珍しいと思うのだが,それって一体なんでやねん?

Recorded in November 2019

Personnel: Dominik Wania(p)

2020年10月15日 (木)

Michael Landau参加のBlue Hornのアルバム:まじでカッコいいギターである。

_20201011 "Nose for Neighbors" Blue Horn (Sun Soul)

私が初めてMichael Landauに注目したのは,彼がBoz Scaggsと来日した1983年の代々木体育館のことだったと思う。アルバムであればSteve Lukatherが弾いていたパートを見事にこなし,実にソリッドな感覚を覚えさせてくれて,あいつは何者だ?と思ったのも懐かしい。その後,いろいろなアルバムでMichael Landauのプレイに接する機会は増え,更には彼のリーダー・アルバムも何枚か買うことにはなったのだが,その中で印象に残っているのが,Joni Mitchellのライブ・ビデオ,"Refuge of the Road"であった。それについてはこのブログを初めてすぐぐらいに記事にしている(記事はこちら)。そこでも,Michael Landauのプレイぶりには目が点になった私であった。

そんなMichael Landauであるが,これもブログには書いているが,彼は自身のリーダー作よりもほかのミュージシャンのバックの方が光るように感じているのも事実である。そうは言いながら,このアルバムもやっぱりMichael Landauが聞きたくて買ったようなものだが,結果的にはどうだったか?

私の感覚では,このアルバムはBlue Hornというバンド名義ながら,そのメインは曲のほとんどを書いているリード・ヴォーカル兼キーボードのJeff Youngなのであって,Michael Landauは本質的に助演である。そういう意味では,私にとってはMichael Landauの魅力が炸裂する環境である。そしてその通りになっているから,ファンとしてはこれは嬉しいアルバムである。

だが,このアルバム,R&B的と言えばその通りだし,ロック的だと言えばその通りだが,Michael Landauのギターだけで成立するものではない。だからもう少しMichael Landauの更なる露出を求めたくなってもそれは不思議ではない。しかし,ミュージシャンとしてのMichael Landauは,彼には悪いが,主役よりも脇で光る人なのだ。それを考えれば,これぐらいが適切って感じのプレイぶりに喜ぶ人は喜んでいればいいってところである。

ってことで,別に歴史に残るアルバムでも何でもないのだが,その筋の人は知っていてよいアルバムである。Michael Landauゆえの星★★★★(絶対甘いけど...)。

ネット・サーフィンをしていたら,上述の1983年のライブの映像があったので,貼り付けておこう。主役はあくまでBoz Scaggsなので,映像にはMichael Landauは大して出てこないが,どうして私がこの人のことが気になったかは分かってもらえるような音ではある。

Personnel: Jeff Young(vo, org, key), Michael Landau(g, vo), Anastasios Panos(ds, perc)

2020年10月14日 (水)

サックスにDonny McCaslinが入ったSteps Aheadのアルバム。

_20201010 "Vibe" Steps Ahead (NYC)

Steps Aheadのアルバムは,彼らがStepsと名乗っていた時代から非常に安定したクォリティを保っていると思っている。メンツの入れ替えは結構あっても,Mike Mainieriのやることがしっかりしていれば,おかしなことにはならないという感じのバンドである。私がNYC在住中だか出張中に,現地Blue Noteで見た時はBendik,Rachel Z,Steve Smith,それにJimi Tunnellなんかがいた頃だから,アルバム"Ying Yang"ぐらいの時代だろうが,メンツが変われば,それなりに音楽性にも変化をつけながら活動を続けてきたって感じだろう。

私は結構Steps Aheadのアルバムも保有しているが,このアルバムはメンツ的には一番流動的だった時期と言ってもよいかもしれない。そもそもサックスにDonny McCaslinが全面参加ってのもすっかり失念していたし,ドラムスはClarence Pennであるから,これはSteps Aheadのアルバムではほかにはない組合せのはずである。そして一部の曲にはECMにもリーダー作を残すMichael Cainが参加しているから,やっぱり異色のメンツである。

アルバム前半ではやや緩いグルーブ感を打ち出していて,例えば,"On Green Dolphin Street"をこうやるかって感じの演奏となっているが,これはこれでありだと思える。例えば,この曲のポイントはJames Genusのベースのスラッピングの音だと思うが,この適度なファンク・フレイヴァーが心地よい。ただ,このバンドのデビュー・アルバムである六本木ピットインでのライブ盤と同じバンドと思うと,失望するリスナーもいるはずだ。何を求めるかの違いってことではあるが,私は抵抗なく受け入れられる。結局のところ,Mike Mainieriの音楽が私の趣味にフィットするってことなんだろうと感じる。

ライナーを見ると,”This album is dedicated to the memory and the collaboration of Miles Davis and ’The Gentle Giant' Bill Evans."なんて書いてあるが,まぁ,こうした記述は共同プロデューサーとしてAdam Holzmanがクレジットされているからってところもあるだろう。確かに"Miles Away"というバラッドが2回演奏されているのは,彼らを偲んでって感じもあろうが,アルバムの全体的なトーンを支配してはいない。加えて"Rendevouz"のようなムーディな曲もありつつも,このアルバムは私にとっては特に前半の心地よいグルーブを楽しめばいいアルバムと思える。

アルバムの後半は,前半とややムードが変わってダークな感じが強まるので,その辺をどう評価するかにもよるが,久々に取り出して聞いてみて,へぇ~,こんなメンツだったのかいってことも面白かったアルバム。眠らせておいたことを反省して,ちょいと甘いと思いつつ,星★★★★としよう。

Personnel: Mike Mainieri(vib, p), Donny McCaslin(ts, ss), Michael Cain(p, synth), Rachel Z(p, synth), Adam Holzman(org, key), Victor Bailey(b), James Genus(b), Reggie Washington(b), Clarence Penn(ds), Tim Hagens(tp), Aaron Heick(as)

2020年10月13日 (火)

追悼,筒美京平。

Photo_20201012224801

筒美京平が亡くなったというニュースを聞いて,本来別の記事をアップする予定だったのをずらし,これを書いている。

メディアでは「昭和歌謡」という言い方をしているものもあったが,筒美京平の活動は,確かに昭和の時代が黄金期であったとしても,その後も素晴らしい活動を続けていた。私は筒美京平作曲と聞くと,ついついシングルも買ってしまったりするのが通例となっていたぐらいだ。例えばTOKIOの"Ambitious Japan"は言うまでもなく,中川翔子の「綺麗ア・ラモード」とかもCDを持っているのだ。それぐらい,彼は私の心をくすぐる作曲家だったのである。

私の親しい人は,私が「木綿のハンカチーフ」という曲を聞くと,いかなる反応を示すかをご存じのはずだが,それは松本隆の詞が影響している部分は否定できないとしても,筒美京平のあのメロディがあるからこそ,私に劇的な反応をもたらすのだ,と言いたい。

とにかく,筒美京平の書いた曲が私の心をとらえるということを象徴的に示すのが,私がカラオケで歌う曲がかなりの確率で筒美京平の書いた曲であるってことなのだ。ここ数年は「哀愁トゥナイト」にはまっていたが,メジャーなところから,マイナーなところまで,かなりの曲を歌えてしまう私だ。

そして,悪く言えば「パクリ」になるのだが,同時代の洋楽のいいところを活かす術にも長けていた。例えば,野口五郎の「19:00の街」なんかは当時のはやりのBee Gees,もしくはBarry GibbプロデュースのBarbra Streisandの”Woman in Love“的なところなどは,それ,まんまやん?って言いたくなるようなアレンジである。しかし,それはあくまでもアレンジメントであって,曲のパクリではない。しかし,そうした既視感を楽しんでいたリスナーも実は多いのではないだろうか。

私は筒美京平の才能は,Burt Bacharachに匹敵すると思っていたし,彼が生み出した曲の数々は,エヴァーグリーンとして歌い継がれていくはずである。筒美京平が日本の音楽界にもたらした功績は,私の表現力を越えて余りある。まさに日本歌謡界の「巨人」であるが,そのキラ星のごとき楽曲の数々を聞いて,近々,改めて筒美京平の業績を振り返ることとしたい。

R.I.P.

2020年10月12日 (月)

週末に見た「テネット」。いやぁ,これは難しい。しかし,後になって考えさせてくれるという意味で実に面白い。

Tenet 「テネット("Tenet")」('20,米,Warner Brothers)

監督:Christopher Nolan

出演:John David Washington, Robert Pattinson, Elizabeth Debicki, Kenneth Branaugh, Aaron Taylor-Johnson, Michael Caine

映画館に行く機会も減っている中,この映画はどうしても見たいと思っていたもの。Christopher Nolanの撮る映画は,映画的な面白さの一方で,実に「あのシーンの意味は何だったのか?」って考えさせられて,ついつい何度も見てしまうというもので,完全に私なんかはNolanの術中にはまっているって感じである。そして「時間」の概念はいつもChristopher Nolanの映画の重要なテーマになっているが,それが行きつくところまで行きついたって感じである。これに比べれば,「ダンケルク」なんて超わかりやすい(笑)。

この映画,とにかくわかりにくいのは,時系列で整理をしないと何が何だかわからないということが大きな要因だろう。だが,映画的なビジュアルに気を取られていると,そうした時系列での整理までつかない状態で見ることになるから,理解不足のまま,映画が終わってしまうという問題が発生してしまうように思う。

今回,映画を見た後,ストーリーの流れを自分なりに再構築してみると,腑に落ちる部分も出てくるのだが,それでもまだまだ咀嚼できていない部分がかなり残っている。こういう状態なので,もう一度劇場に足を運ぶか,あるいはDVDやBlu-rayが出た段階で購入みたいな感じにならざるをえないのだ。

そういうことで,この映画を評価するには私はまだまだ消化不良ではあるが,ストーリーは抜きにしてもその映像の強烈さだけで評価してもよいと思わせるものであった。今度はiMAXで見てみるかなぁ。

それにしても,Kenneth Branaughの演技には今回も感心させられた。上映前の予告で「ナイル殺人事件」でのエルキュール・ポワロを演じるのもKenneth Branaughだが,喋っているセリフの「訛り」の違いが凄まじい。やっぱこの人凄いわ。

2020年10月11日 (日)

20歳のBarney Wilen。若年寄みたいな吹きっぷりである。

Barney-wilen"Barney Wilen Quintet" Barney Wilen(Jazztone→Fresh Sound)

Fresh Soundってレーベルは,昔はよくもまぁこんなものをって感じのアルバムをリイシューしまくっていて,結構それが安価で手に入るので,世話になった人は多いのではないか。その後はNew Talentシリーズとかで若手にもチャンスを与え,Brad Mehldauもアルバムをリリースしているから,私にとっても実に重要なレーベルってことになる。

そんなFresh SoundからリリースされたBarney Wilenのアルバムであるが,オリジナル盤は無茶苦茶高額だそうである。このアルバムが吹き込まれたのが1957年,Barney Wilenはまだ20歳の頃であるが,ここでのプレイぶりを聞くと,とてもそんな年齢とは思えない吹きっぷりである。私の保有するCDでは明確なクレジットはないが,曲もBarney Wilenのオリジナルだとすると,これは凄い才能だったのだなと思わせる。曲がBarney Wilenのオリジナルでなかったとしても,サックス奏者としては極めて高いレベルに達していたことを確信させる演奏となっている。

このアルバムを聞いたのも実に久しぶりのことではあったが,今更ながら往時のBarney Wilenの才能を再認識した。星★★★★☆。こうなったら,次はBarney WilenのRCA盤も久々に聞いてみるか(笑)。

Recorded in 1957

Personnel: Barney Wilen(ts), Hubert Fol(as), Nico Buninck(p), Lloyd Thompson(b), Al Levitt(ds) 

2020年10月10日 (土)

アップしていなかった豪華メンツのAlex Sipiagin盤

From-reality-and-back "From Reality and Back" Alex Sipiagin(5 Passion)

この強烈なメンツによるアルバムがリリースされてから6年ぐらい経過しているはずだが,これまで記事にしていなかったのはなぜなんだろうと,久々にこのアルバムを聞いて思っていた。

このメンツを見れば,誰しもが期待値が上がるのは間違いないし,結構いい作品の多いAlex Sipiaginであるから,多分私も相当の期待を持って聞いていたはずなのだが...。だって,Sipiaginを支えるのがSeamus Blake, Gonzalo Rubalcaba, Dave Holland, そしてAntonio Sanchezなんだもの。

私はAlex Sipiaginというラッパのフレージングは常々素晴らしいと思っていたし,Criss Crossからのアルバムも"Generations"を筆頭に結構好きだった。現代のジャズという観点では実に信用のおけるミュージシャンだと思う。だからこそ,たまたまNYCに出張中にSmallsに彼が出ているのを知った時は,当然喜び勇んで店に駆けつけたし,その時の演奏は実によかった(その時の記事はこちら)。

そんなAlex Sipiaginであるから,このアルバムも悪くはない。一言で言えば,昔の新主流派的な響きと,現代のジャズをハイブリッドにした感じと言っていいだろう。それはそれでいいのだが,このメンツならもう少し行けた(換言すれば私をもっと燃えさせてくれた)のではないかと思わせるとともに,ちょっと一本調子かなぁと感じるのだ。相変わらず平均点は高いと思う。だが,もう少し突き抜けたところをAlex Sipiaginには求めたいのだ。そこが惜しい。

もちろん演奏のレベルは十分に高いので星★★★☆ぐらいには評価できるが,Alex Sipiaginは「もっとできる子」って表現しか思い浮かばないと言っては言い過ぎか。そんなことを考えながら,だから記事をアップしないでいたのかなと改めて思っていた私である。そういう意味ではSeamus Blakeは『更に』「もっとできる子」だったはずなのだが...。イケイケ感をもっと出してくれよって思う私には微妙であった。正直言ってSeamus Blakeにはもっと期待していたのだが,どんどん違う方向へ行ってしまったっていうのが実感。まぁ,クリポタがいるからいいんだけど(爆)。

Recorded in February, 2013

Personnel: Alex Sipiagin(tp), Seamus Blake(ts), Gonzalo Rubalcaba(p, el-p), Dave Holland(b), Antonio Sanchez(ds, perc)

2020年10月 9日 (金)

どこの国にもオタクはいるなって思った"John Herald"盤。でもこの徹底ぶりは見習いたい。

_20201005 "John Herald" John Herald(Paramount→Beatball)

私のような年寄りのリスナーにとって,シンガー・ソングライター系のアルバムを買う際,明確な指標となるのが「ブラックホークの99枚」であることは前にも書いたことがあると思うが,それでも十分であるとは思いつつ,そこから洩れるアルバムに関しては,自身の名前を冠したアルバムには注目するという正しいか正しくないかはわからないかはよくわからないとしても,結構当たる場合が多い「法則」がある。

このJohn Heraldのアルバムは「ブラックホークの99枚」にも選ばれているし,しかも自身の名前をタイトルにしているということで,間違いないのはわかっている。こういうアルバムをCD化するのは,普通ならばまずは日本だろうと思っているのだが,このアルバムに関しては国内盤CDはリリースされたことはないと思う。それがお隣,韓国から出てきたこと自体,このCDを購入した当時は驚きだったのだが,世界にはこういう音楽を偏愛するオタクがいるってことがわかって,実に興味深かったおぼえがある。オタクがどこにでも存在することは当たり前と言えば当たり前だなのだが,本当に驚いたのは,このリイシューされたCDに関する仕事の丁寧さがまさに見事だったことなのだ。もしこのCDを手に取るチャンスがあるならば,私が言っていることはすぐにわかる。そのレベルである(きっぱり)。

音に関しては,私のようなSSW好きが聞けば一発ではまること必定のような音楽と言ってもよいのだが,正直なところ,John Heraldの声質が若干私の好みよりも細いのも事実である。それでもここに収められた音楽にはどうしても惹かれてしまうというのは,私のこの手の音楽に対する私の原体験を反映していると言っても過言ではないと思う。。だって,John Heraldを初めて聞いたのはMud Acresだったはずだからねぇ。Mud Acresの方はこの手の音楽にはまったかなりの初期に入手したものであったのだ。その魅力に本当に気づくには結構時間が掛かったのも事実だが,原体験はどうしても拭い去れないのだ。

このアルバムが奇跡的に韓国でリイシューされたのももう15年以上前のはずだが,本盤を入手した頃は,聞けただけでも幸せだとさえ思っていた私なのだ。そして,久しぶりにこのアルバムを取り出して聞いてみたのだが,やっぱりこういう世界ははまるねぇ。私は昔ブラックホークに行ったこともあるのだが,もはやその折はこういう音楽に限らない店に変わってしまっていた(当時はレゲエが多かったような...)。それでもあの空間でこういう音楽が掛かっていたのだなぁという今更ながらの感慨を覚えてしまうのだ。まさにそれは現代においてはオタクの世界かもしれないが,それでいいのである。

ってことで余談だらけの記事になってしまったが,この手の音楽好きが聴けば,間違いなく気に入ること必定の傑作。星★★★★★。

Personnel: John Herald(vo, g, perc), Bob Tanner(g, b, mandolin, vln, vo), Allan Stowell(g, vln, vo), David Kapell(b, cello, vo), Steven Soles(g, org, vo), Richard Crooks(ds), Amos Garrett(g), Howie Wyett(p, org), Tom Danaher(g), Paul Caruso(hca, vo), Maria Maldaur(vo), Ellen Kearney(vo), Joanne Vent(vo), Tali Jackson(ds), Eric Weissberg(mandolin), Richard Davis(b), Ned Albright(vo), Susanna De Maria(harp), Romeo Pinquay(fl, recorder)

2020年10月 8日 (木)

追悼,Eddie Van Halen。

Evh

Eddie Van Halenっていうより,私にはEdward Van Halenという方が馴染みがあるような気がするが,そのEddie Van Halenが亡くなったという記事を見て,茫然としてしまった。情報によれば癌で闘病中だったそうだが,65歳ってのはまだまだ若いのにって気がする。

誤解を恐れずに言えば,彼のロック界での位置づけは,ジャズ界のWes Montgomeryみたいなものではないかと思う。彼のタッピング(所謂ライト・ハンド奏法)は,Wesのオクターブ奏法に匹敵すると言っても過言ではないと思えるのだ。そして二人とも楽理には疎いところも一緒なのだ。しかし,それでも実にレベルの高い音楽を作り出してしまうところに,私は共通項を見出してしまうのである。

バンドとしてのVan Halenがデビューしたのが1978年のはずだが,それ以来の活躍はご承知の通りってところだろうが,私が彼らのアルバムを初めて買ったのは"1984",現在保有しているのはベスト盤とライブ盤”Live: Right Here, Right Now"だけであるが,実はストリーミングでは結構デビュー・アルバムを聞くことも多かった。特にジョギングなんかして,ばててきた時にはエネルギーを充填してくれるような音楽と言ってよいだろう。今でもデビュー・アルバムの"Eruption"を聞くと,何じゃこれは?と思ってしまうぐらいの技である。

それに加えてMichael Jacksonの"Beat It"への客演なんて,その場を完全にかっさらう演奏だった。記憶に残る人なのである。

そんなEddie Van Halenがこの世を去ったというのは,ほぼ同時代人として実に寂しい。しかし,彼の残したアルバムはこれからも世の中のギタリストを刺激していくだろうし,私にもエネルギーを与え続けると思う。

R.I.P.

2020年10月 7日 (水)

"MOZU" Season 2も見たんだが...。

Mozu-season2_20201004223001

先日,私がこのドラマのSeason 1をAmazon Primeで見たという記事をアップしたが,続けてSeason 2を見たのだが,逢坂剛の原作はこんな無茶苦茶な話だったかと首をひねらざるを得ないドラマになってしまっていた。

私はSeason 1についてはそんなに悪い印象は持っていなかったのだが,このSeason 2は明らかにシナリオがおかしい。西島秀俊演じる主人公倉木が陰謀により指名手配となった後,そんな自由に動き回れる訳ないだろうっていう突っ込みが最たる事例であるが,あまりにもリアリティに乏しい。そもそも,逢坂剛が描いた小説の世界を,5回で描こうとするところに無理がある。Season 1は10回だったが,あっちはあっちで長過ぎるという批判があるのも承知しているが,このSeason 2の描き方にはやはり無理があり過ぎたと思える。

これは明らかに脚色の失敗だと思うが,それよりもそもそも原作はこんな話ではなかったと思うのだが...って感じていた私である。まぁ,メディアとしての忖度が必要なのは仕方がないとは言え,この展開には失望した。前回も述べたミスキャスト問題もあるが,最後に突っ込んでおきたいのは,それで長谷川博己はどうなった?ってことである。そもそも無茶苦茶なキャラ設定であるが,ストーリーとしても全然落とし前がついていないようでは,ドラマのシナリオとして失敗のそしりは免れない。

ってことで,見終わって何とも言えないフラストレーションがたまった私である。私としては,Season 1は許せるとしても,このSeason 2は作らなかった方がよかったといいたくなるようなものだ。あ~あ。

2020年10月 6日 (火)

買っていながら大して聞いていないCDはいくらでも...ってことで,今日はBilly Harper。

Capra-black "Capra Black" Billy Harper (Strata East)

購入していながら,ちゃんと聞けていないCDなんて実のところいくらでもあるというのが正直なところである。その典型的なものがボックス・セットの未発表音源部分ではないかと思っているのだが,それがボックス・セットの難しいところである。しかし,ボックスではなくても,全然聞いてないアルバムも実はある訳で,これなんか,多分中古でゲットしてから,ほぼプレイバックした記憶がない(爆)。

その理由としては,若干言い訳がましいが,Billy Harperの音楽は聞かなくてもどういう音がするかは大体想像がつくってところが大きいと思う。基本的に暑苦しいのである。だからこそ,どういうタイミングで聞けばいいのかってのが難しいと思える部分があって,なかなか手が伸びないのだ。このアルバムは紙ジャケ盤を買っているから,比較的取り出しやすい位置に置かれているにもかかわらずである。

そんなアルバムを,家人が出掛けたすきに(笑)ヴォリュームを若干上げて聞いたのだが,やっぱり暑苦しい。例えばフリー・ジャズに感じる暑苦しさ(熱量)とは違う感じの暑苦しさを言葉で表現するのは難しいのだが,曲とかユニゾンの具合とかが何ともBilly Harper的な音なのだ。このアルバムがリリースされたが1973年であるから,もはや半世紀近く前ということを考えても,現代のリスナーがこういう音楽をどう捉えるのかってのは私としても興味深いところである。

こういうのを「スピリチュアル・ジャズ」って言ってしまうのは簡単だが,そもそも「スピリチュアル・ジャズ」って何よ?って聞かれても,私にはちゃんと答えようもない訳だが,4曲目なんてそもそも"Soulfully, I Love You / Black Spiritual of Love"なんてタイトルが付いている上に,そこに被るヴォイスがいかにもなのだ。まぁ,世の中には能天気なジャズってのもあるのだが,"Cry of Hunger"にBilly Harperが添えたコメントなんかは,それと対極にあるようなセリフである。"Contrary to that condition that most men describe as obligati, or desire or exigency, when in fact, it is really greed, Iam speaking of a hynger justified by true and honest need."って一体あなた,何言うてますねんって感じではないか。

そういう時代感だったのかなぁなんて思いつつ,今この時代にフィットしているとは思えないとしても,これはこれで面白いなぁと思えたアルバムであった。星★★★★。たまにはこういうのもちゃんと聞かないといけないと,またまた反省。尚,Elvin Jonesは特別ゲスト扱いで,別格となっているのはなるほどねって感じである。

ところで,ここで歌っているGene McDanielsって,Roberta Flackが歌った"Feel Like Makin' Love"を書いたあのEugene McDanielsと同一人物なのかなぁ。まぁ,黒人意識の高い人のはずだから,多分そうなんだろう。そういう意外な発見もあった。

Personnel: Billy Harper(ts, vo),  Jimmy Owens(tp), Dick Griffin(tb), Julian Priester(tb), George Cables(p), Reggie Workman(b), Billy Cobham(ds), Elvin Jones(ds), Warren Smith(ds), Barbara Grant(vo), Gene McDaniels(vo), Laveda Johnson(vo), Pat Robinson(vo)

2020年10月 5日 (月)

Terje Rypdalの新譜はアンビエントな響きが強い。

_20201004 "Conspiracy" Terje Rypdal(ECM)

Terje RypdalはECMの初期からずっとレコーディングを続けていて,そういうミュージシャンの数も徐々に減ってきたとは言え,まだまだ現役で活躍中である。そうは言っても1947年生まれなので,既に古希を過ぎた大ベテランではある。そんなTerje Rypdalの新譜は結構久々って感じがするが,編成からすると,ロック的なアプローチを聞かせるのかと思わされるものであったが,結果としては主題の通り,かなりアンビエントな響きが強いものであった。

想定されたロック的な響きを聞かせるのはタイトル・トラックだけと言ってもよく,5曲目”Baby Beatiful”後半でも若干のリズム・フィギュアは登場するが,そのほかについては,ECMのサイトにおけるTerje Rypdalに関する表現の如く,”Tone Poet of the Fender Stratocaster"というのがぴったりな感じの,それこそ音のポエム的アンビエントな世界なのである。

この編成だけに,もう少し激しい音を期待したリスナーも多いのではないかと思えるが,これはこれでありである。Terje Rypdalの年齢を考えれば,ギンギンのロック・タッチばかり聞かせるとは思わないが,それでもやはり...って感じではないか。ECM的と言えばその通りなのだが,ECM好きはさておき,一般的にはさすがにもう少しメリハリをつけて欲しいってところだと思える。私のようなECM好きには問題ないとしても,40分弱のほぼアンビエント空間は結構厳しいのではないかと思う。ってことで,甘めの星★★★★ってところか。

まぁ,こういう音楽は,美術館とかで小音量でプレイバックすると結構合うかもしれないななんて,漠然と思っていた私である。

Recorded in February 2019

Personnel: Terje Rypdal(g), Ståle Storløkken(key), Endre Hareide Hallre(b), Pål Thowsen(ds,perc)

2020年10月 4日 (日)

Amazon Primeで”MOZU”を見ていた私。

Mozu-seazin-1

日頃ドラマをあまり見ない私である。今年は例外的に「麒麟がくる」やら「半沢直樹」やらを見ているが,これは実に珍しいことである。ドラマを見続ける根気がないというか,時間が合わないというか,ってところもあるが,そんな私がAmazon Primeで"MOZU"のシーズン1「百舌の叫ぶ夜」を続けて見たのにはそれなりの理由がある。

私は何だかんだ言って逢坂剛の本が好きで,時代物を除くありとあらゆるシリーズものを呼んでいる。「イベリア・シリーズ」然り,「岡坂神策シリーズ」然り,「禿鷹シリーズ」然り,そしてこのドラマの原作である「百舌」シリーズ然りである。このブログにも逢坂剛の本のことは結構取り上げていて,「百舌」シリーズの完結編「百舌落とし」も記事にした。長年に渡って続いたシリーズなので,懐かしさもあってついつい見てしまった訳だ。

正直言って,劇場版は最悪の出来だったが,ドラマ版はどうだったのかってことで,まずはシーズン1を見たのだが,これが結構面白かった。逢坂剛の描いた世界は,正直現実離れしたものと言ってもよいのだが,それでもサスペンスフルに描いたドラマは,それなりに面白かったと思う。

ただ,主人公の倉木尚武,大杉良太,明星美希を演じるのがそれぞれ西島秀俊,香川照之,真木よう子ってのはどうも原作のイメージと違うんだよなぁ。大杉はもっと巨漢のイメージがあるし,倉木に関しても,スーツをびしっと着こなす男臭さ,渋さのようなものがあったように思えるのだ。明星美希については,後にシリーズの主役のようになってしまうキャラであることを考えると,真木よう子のような一本調子のせりふ回しよりも,より演技のうまい女優を配するべきではなかったと思えるのだ。真木よう子は魅力的な女優だが,イメージと乖離しているって感じは否めない。

じゃあ,誰をキャスティングすればいいのかと聞かれると答えに窮するのだが,私にはミスキャスト感が強いってのが正直なところである。それに比べると,池松壮亮の狂った感じ,長谷川博己のいやらしさなんて,ビシッとはまっているのだから,その辺は惜しいなぁと思う。

それでもシーズン1を見てしまった以上,続けてシーズン2も見ようと思わせるのは,まさに逢坂剛の原作の成せる業ってことにしないといけないな。

最後にこのドラマを見ていて,私はつくづく石田ゆり子が好きなんだなぁって思ってしまった。これには明確な理由があるのだが,それは内緒ってことで(爆)。

2020年10月 3日 (土)

買ってしまったBrand Xのオフィシャル・ブートレッグ・ボックス。

Livevox”Livevox: The Official Bootleg" Brand X (Wasabi)

私はBrand Xについては長年聞いてきたと言ってよい。特に"Livestock"は実に素晴らしいライブ・アルバムだと今でも思っているし,結構好きなので,彼らのCharisma/Virginレーベルでの作品を集成した4枚組だって保有している。そんな彼らのオフィシャル・ブートレッグが出るとあってはやはり気になる。しかも6枚組である。

録音された場所はロンドン,シカゴ,NY州ロチェスター,SF,スウェーデンのイェーテボリ,LAと多岐に渡る。録音された時期も76年から79年に渡っているが,このバンドの音楽は時間が経過しても,大して変わらないというのが私の感覚である。

ってことで,購入したこのボックスであるが,音はブートに毛の生えたようなものであり,Brand Xの本質を体感するには今一つって感じである。演奏自体は彼ららしい緊張感に満ちた演奏なので文句はないのだが,いかんせんもう少し24ビット・リマスターなら手の施しようもあったのではないかと思う。しかし,これが限界というものなのかもしれない。その程度の音である。

6枚目は既にリリースされたことのあるLAのRoxyでの音源だが,これは以前出ていたものに比べれば,音は改善はしているように感じられるものの,Phil Collinsのドラムスの技を100%堪能できるかと言えば,そんなことはないって感じである。そもそもPhil Collins目当てで買う人もいるだろうが,彼はCD1の冒頭3曲とCD6全曲の参加に留まる。しかし,このバンドはPhil Collinsのバンドというよりも,John GoodthallとPercy Jonesのバンドなのだから,そういうものとして聞くべきである。それでも昨今はキーボードレスのギター・トリオでの演奏が多いBrand Xだが,私はキーボードが入っている頃の方が好きだなぁ。

結局はこのボックスはそれなりに楽しめるものではあるものの,あくまでコアなファン向けであって,一般的なリスナーは"Livestock"を聞いていればいいってところだろう。まぁ私としては結構お腹一杯って感じだが,やっぱりもう少し音はいい方がいいよねぇ。ってことで星★★★☆。

2020年10月 2日 (金)

Patti Smithの“Trampin’”にライブ音源を追加した2枚組をゲット。

_20201001”Trampin' / Live aux Vicilles Charrues"  Patti Smith (Columbia)

私がPatti Smithのかなりの,それも遅れてきたファンであることはこのブログにも何度か書いている。彼女の歌は私に信仰にすら近いものさえ感じさせるものなので,「Patti Smith教信者」なんてふざけたことも書いているが,実際に彼女の歌のメッセージ性は強烈なものであり,まさに私にとっては極めて重要な位置づけにある人の一人である。

そんなPatti Smithについてネット・サーフィンをしていたら,2004年のアルバム"Trampin'"にはライブ音源を追加した2枚組ヴァージョンがあることを発見してしまい,どうしても欲しくなったので,eBayでゲットした私である。

とにかく今は入手できたことを喜びたいが,このライブ音源そのものはDVDやImmortalなるレーベルからブートまがいのリリースがされていて,別に珍しいものではないし,ストリーミングでも聞くことはできる。しかし,私のような年寄りは,やはり現物でないとダメなのである。しかも正規リリースでないと納得がいかないということで,英国から飛ばしたものが到着である。

私がPatti Smithの魅力に気がついたのは”Gone Again"以降と言ってもよいし,"Trampin'"だって保有している訳だが,心底彼女に惚れたのはライブを見てからである。オーチャード・ホールで見た彼女のバンドのライブは,まさに私の心に火をつけたのだったが,この2枚組に収められたライブも,いかにもPatti Smithのバンドらしい演奏である。最後はきっちり"Gloria"で締めてくれるしねぇ。やっぱりPatti Smithは素晴らしいのだ。

Amazon等ではこの2枚組にとんでもない値段がついているが,私はまぁ許せる金額でのゲットだったので,実に嬉しい。先日ゲットした彼女の本で詞を吟味しながら,改めて"Trampin'"を聞くとともに,このライブ音源を,家人の留守中に極力ヴォリュームを上げて楽しむこととしたい(爆)。

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