追悼,Gary Peacock

Gary Peacockの訃報がネット上を飛び交いながら,ガセネタ説も流れ,その真偽が疑われていたのだが,ECMから訃報がアナウンスされ,総帥Manfred Eicherからも追悼の辞が寄せられるに及び,その死は確実なものとなってしまった。
Gary Peacockは日本に滞在したこともあるし,その期間には多くのレコーディングを日本人プレイヤーとも残しているが,その活動の中で,最も重要なのはKeith Jarrett,Jack DeJohnetteとのトリオによる活動であることに異論はないところだろう。私も何度か彼らのライブを見る機会には恵まれたが,つくづく素晴らしいトリオであった。特に印象深いのは,よみうりランドのオープンシアターEASTで,結構な悪天候の中,行われたライブである。雨除けのテントみたいなのをステージ上に配置していたのは,何とも違和感があるものだったが,今となっては懐かしい。だが,このトリオもよくよく考えれば,Gary Peacockが"Tales of Another"を吹き込まなければ,生まれていなかったのかもしれないと思うと,実に感慨深い。
トリオ・レコードからの国内盤初出時には"ECM"なんてタイトルがついていたこのアルバムを,訃報に接して久々に聞いてみたのだが,実にスリリングなアルバムであった。この時の相性のよさのようなものが,後のStandardsトリオにつながったのだとすれば,Gary Peacockはトリオの生みの親みたいなものなのだ。そうした点からもGary Peacockには感謝してもし足りないところがあるが,私としてはそれだけでなく,Gary PeacockがECMに残したアルバム群,中でもRalph Townerのデュオについては長年愛聴してきただけに,Ralph Townerとの共演ももはやかなわぬ夢となってしまったのは誠に残念である。
今回の訃報を受けて,ここ暫くはGary Peacockの音源を聞いて過ごす日が続きそうである。本当に惜しい人を亡くした。
R.I.P.
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