John Legendの新譜:さすがの曲のクォリティなのだが,このサウンド・プロダクションは...。
"Bigger Love" John Legend(Columbia)
John Legendは素晴らしい歌手である。私は彼のアルバムをほぼ好意的に捉えてきた。例外は"Evolver"ぐらいか。この人の声,歌は実に魅力的であり,その魅力は幅広い層に訴求するものと思うが,今回はジャケも含めて,こういう時代における「ポジティブな感覚」や「愛」の重要性を打ち出している感じがして,相変わらずなかなかの佳曲揃いなのだが,私がどうも気に入らないのはそのサウンド・プロダクションである。
かなりの曲で打ち込みが使われていて,そこが私のような年寄りのリスナーにはそもそも向かないし,過剰な低音強調も気持ち悪い。そして,John Legendの声はもっと装飾を排しても魅力的なはずなのだが,このミキシングはどうにも馴染めない。聞いていて,どうしても違和感がぬぐえないし,もったいないと思ってしまうってのが正直なところなのだ。
これが今の時代の音だと言われてしまえば,私がそれについていけないだけなのだが,私はこれならJohn Legendの初期のアルバムを聞くと言いたくなる。音楽の質とサウンドの質が少なくとも私にとってはアンマッチなのが減点材料となり,星★★★★が精一杯。後半なんて曲が実にいい(最後の"Never Break"なんてたまらん)ので,やっぱりもったいないと思う私である。尚,登場ミュージシャン多数なので,Personnelは省略。
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