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2020年8月 5日 (水)

温故知新は続く:今日は"Jazz at Massey Hall"のDefinitive Editionだ。

_20200803 "Complete Jazz at Massey Hall" Charlie Parker (Jazz Factory)

多くのジャズ・ファンにとってMassey Hallという場所は,行ったことはないとしても,名前は聞いたことがあるという場所ではないだろうか。Venueという意味では,ヴァンガードとか,カフェ・ボヘミアとか,ファイヴ・スポットというクラブ名称の方が響きとしてはいいのは間違いないが,なぜこのMassey Hall,しかもカナダはトロントという場所にあるこのコンサート・ホールがこれほど多くのジャズ・ファンに知られているかと言えば,この音源が録音されたからにほかなるまい。

ジャズに関する古い音源,特にバップを語る場合,本作とかCharlie ChristianのMinton's Playhouseでの音源が出てくるのが当然と思われていた。ただ,Charlie Christian盤なんてのは,現代人にとっては音がひど過ぎて,その価値を理解できるのかと言えば,実は疑問を感じている。なぜならば,40年近く前にその音源を聞いた私でさえ,音のひどさに辟易としてしまった方が勝ちなのだ。歴史的,音楽的な価値はあるかもしれないが,それを受け入れられるほど,約40年前ですら,現代人(私だけ?)は寛容ではなかった思うのだ。あるいはわかっていなかっただけかもしれんが...。

しかし,温故知新と言うのであれば,Charlie Parker入りのこのライブ盤は避けて通れないよなぁってことで,今日はこれである。"Jazz at Massey Hall"は言わずと知れたバップの巨人が集結したライブ盤であるが,Charles Mingusが訳のわからないオーバーダビングを施したことによって,雰囲気が変わってしまうという不思議な印象を残したことはその筋では知られた話である。

本作はそのオーバーダビングを排し,演奏当日の曲の並びを極力再現するという高い志で作られた「決定盤」と言ってよいと思うが,こういう音源を作る会社が長続きはしていなさそうなのは実に残念である。このアルバム,ライナーもしっかり作られていて,リリースしたスペインの会社のCharlie Parker愛が感じられるのだ。今でも入手は難しくないが,あくまでも売っているのは「在庫処分品」ということだろう。

ライナーによれば,この決定盤とは言っても,音源が残っていない演奏がまだあるそうである。しかし,ここで聞けるものがほぼその日の全貌ってことになるが,The Quintetによる演奏には新発見はない。しかし,Mingusのオーバーダビングを排しただけでなく,Parker,Gillespie抜きのBud Powellトリオ,それにMax Roachのドラム・ソロまで入っているのだから,芸が細かいのである。ラテン系は雑なイメージがある(爆)が,何ともしっかりした仕事ぶりってところだろう。

この演奏が行われたのは1953年なので,Charlie ParkerにとってもBud Powellにとっても全盛期は過ぎていると言ってよい時期だが,それでもここまでくると名人芸の領域である。音は決していいとは言えないが,聞くには問題ないレベルだし,ライブの熱気が伝わるという点では,実に貴重なアルバムだと言える。

_20200803-2 私はこのアルバムをLP時代から保有していたが,現在保有しているCDは今日ご紹介の「決定盤」と,国内盤で出たそちらもオーバーダビングなし版である。しかし,この2枚,曲の並びが違うのだ。私としては情熱具合からして,「決定盤」の方の並びが正しいと思うが,真相は?である。しかし,そんなことは無視しても,この演奏は強烈。バップの巨人の最後の輝きと言ってはいかんが,ここでの強烈なアドリブを聞いて燃えない人間がいるのか?と言いたくなってしまう。

Charlie Parkerを聞くなら,SavoyやDialを聞くのが正しいとは思うが,音がねぇって思った時に,本作はまだまともに聞けるレベルだと思っていたのが私の若い頃。今となってはこういう演奏が聞けることに感謝したくなるのが,老境に達しつつある私。もちろんこれもしょっちゅう聞こうとは思わないが,歴史的な観点からすればやっぱり星★★★★★だよなぁ。

甚だ余談ではあるが,初めてトロントに行った時,Massey Hallの前を通って,おぉ,これがあのMassey Hallかと思ったのも懐かしい。

Recorded Live at Massey Hall, Toronto on May 15, 1953

Personnel: Charlie Parker(as), Dizzy Gillespie(tp), Bud Powell(p), Charles Mingus(b), Max Roach(ds)

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コメント

脳のMRI画像の雑音をAIの力で排除して、見違えるような美しい画像を作り出すように、
最新録音と間違えるようにならないのかなあ(笑)
何十年か前にこのLPを買って、あまりにひどい音でうんざりしたのを思い出しました。
これ聴いて、パーカーきらいになった人、多いんじゃないかなあ。
Art Pepperにもとてつもなく酷いのがありました。

今日は、サンタナのAbraxasのSACDがアマゾンから届きました。
全ての音源がこんな音で聴けたら良いのになあ。

MRCPさん,こんばんは。

私も昔は何でこれほど音がひどいのかと思う音源もありましたが,これなんかあまり気にしないで聞いていた方かもしれません。テクノロジーの力を以てしてもいかんともしがたいところはあると思います。それでも,SavoyやDial音源は昔に比べれば結構改善しているようにも思いますが,今のレベルからするとそれでもだめでしょうね。

それにしてもSantanaのSACDですか。SACDを再生する環境にないので,私には縁がないですが,Santanaならば,"Caravanserai"のモービル・フィデリティ盤で我慢ってところですかねぇ。もちろん,"Abraxas"も持ってますが。

十数年使ったデノンの10万円クラスのCDプレーヤーの左チャンネルがもこもこした音になっちゃって、いかんともし難いので、SACD対応で一番安い10万円以下のCDプレーヤーを買ってみましたら、格段の差で、音が良くなって、CDを買いまくり、一日中仕事しながら楽しく聴いてます。
別の部屋用にもう一台買いました。
30万円越えのマランツより良かった。(笑)
十数年前のMacからの進化を考えると、CDプレーヤーも進化して当たり前か。
SACDは普及に失敗したメディアなので、お勧めはしませんが、自転車とオートバイはどちらが速いのかという話で、CDの歴史がSACDからはじまっていたら良かったのにね。
過去の名盤が細々出てます。
Simon & Garfunkelなら、パセリ・セージ・ローズマリー&タイムのみ。
カーペンターズや吉田拓郎はベスト盤各1枚。
人の声はさすがに違います。
ディランは何故かかなり枚数が出てます。

MRCPさん,こんばんは。

テクノロジーの進化はコスト・パフォーマンスの向上にもつながったということですね。私はオーディオにはあまり費用をかけていませんんが,今の住環境では今ぐらいで十分と思ってます。

ジャズのブログを辿っていくと、すごい価格の装置を次々買って自慢する人がいたりして、楽しそうだなとうらやましくもなりますが、僕には無理だよなと思ったりも。
僕はオーディオファンというわけではないので、
仕事で聞き流すのは10万円くらいのデノンのCDプレイヤー、アンプで、JBLの25cmウーファーが何故か上下に2つ配置された、何というのかわからないスピーカーで聴いてます。
十数年間その組み合わせで、そんなものだよねと聴いてましたが、CDプレーヤーが壊れちゃったから仕方なく買い換えたら、思いの外、進化してました。(笑)
30万円越えのデノンなら、おそらくもっといいんだろうけど、死ぬまで、もうこれでいいかと思ってます(笑)
今持ってるCDを死ぬまでにもう一度全部聴けそうにない状態で、ネットオーディオに突入するヒマはないしね。
オーディオはこの程度にしておいて、CD買う方がいいなあ。
Chris Conner買いました。

都会のマンションと田舎の一軒家じゃ、出せる音量は違いますよね。

MRCPさん,こんばんは。

私はオーディオ・マニアではなく音楽マニアなんで,そこそこの装置で十分ですが,AVアンプは失敗だったと思っています。音が軽いんですよね〜。もし買い換えるなら今のところアンプですね。でも当面は今のままですかね。

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