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2020年7月15日 (水)

Stanley Cowellの「幻想組曲」:これを聞くのは何年ぶりか?(苦笑)

"_20200713Illusion Suite" Stanley Cowell Trio(ECM)

在宅勤務のいいところは,本当はよくないのだろうが,「ながら仕事」ができることである。音楽をプレイバックしながら作業をしていると,結構捗るのだ。音楽は生産性を上げると言い張りたくなるようにも思えるが,ここ数カ月の在宅勤務で,滅多に聞かないアルバムを聞くチャンスに恵まれることが多くなった。それにより私は温故知新であったり,「こんなのも持っていたか?」なんて自分の記憶の曖昧さに驚いたりと様々な感情に襲われるのだ。

それでもって,今日はStanley Cowellの唯一のECMでのアルバムである本作なのだが,このアルバムを保有していることは認識していても,正直言ってなかなかプレイバックのチャンスはなかった。本作のCDがリリースされたのは日本だけらしいが,私の保有盤の帯を見るとECM30周年なんて書いてあるではないか。即ち20年以上前である。買ってすぐには聞いたはずだが,それ以来何度プレイバックしたのかと聞かれると,答えに窮してしまう。だからいつも家人に「死ぬまでに一回も聞かないCDだらけじゃないの?」なんて言われ続けるのだが,日頃聞いていなかった音源に触れるチャンスを与えてくれた在宅勤務には感謝しなければならない(笑)。

そんな本作であるが,レコーディングされた1972年という時代を反映していると言ってもいいかもしれないが,フリー的なものあり,ファンク的なものあり,美的なものもあるという若干とっ散らかった印象はあるものの,なかなか楽しめるアルバムである。そしてエレピを使っている"Ibun Mukhtarr Mustapha"なんて全くECMらしくないサウンドと言ってもよい。

Stanley Cowellは後に結構コンベンショナルな演奏も聞かせるようにはなるが,この頃はStrata-Eastレーベルの主宰者の一人としての活動もしていたことを考えると,やっぱりECMはカラーが違うのではないかと思わせつつ,このアルバムはECMというレーベルにフィットしているように結局は思わせるところが実に面白い。

このアルバムが異色に感じさせるところがあるとすれば,それはStanley Clarkeによるところが大きいが,それは一部でエレクトリック・ベースを弾いていることも影響していると思える。まぁ,"Return to Forever"だってStanley Clarkeのプレイぶりは変わらないのだが,現在のECMレーベルからは考えにくい音だとは思う。それでも,こういう時代のこういう音を経て,ECMはレーベル・カラーを確立したと言える訳で,こういうアルバムを聞いて,「へぇ~」ってなるのも必要なことなんだと思う。

超久々に聞いたはずのこのアルバムだが,なかなか面白かった。ということで星★★★★。

Recorded on Novemver 29, 1972

Personnel: Stanley Cowell(p, el-p), Stanley Clarke(b, el-b), Jimmy Hopps(ds)

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