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2020年7月31日 (金)

Amazon Primeで見た超クラシック映画「上海特急」。

Shanghai-express 「上海特急("Shanghai Express")」('32,米,Paramount)

監督:Josef von Sternberg

出演:Marlene Dietrich,Clive Brook, Anna May Wong, Warner Oland, Eugene Pallette

昨今はAmazon Primeで結構古い映画が見られるようになって,CG全盛の時代に古き良き時代の映画を見直せるのは実にありがたい。まぁそうは言ってもチョイスは限られているが,今まで見たことのないようなクラシックな映画を見る機会ができたことは嬉しい限りである。こうなったら,著作権切れの映画は全部アップして欲しいものだが,そうもいかないか...。

この映画,制作されたのは1932年。トーキー初期と言っても過言ではないが,北京発上海行きの特急を舞台にしながら,一筋縄ではいかないラブ・ストーリーになっているのが実に面白かった。画質についてはどうこう言えるものではないが,60インチ近い液晶で見ると,さすがに画像が厳しいので,むしろPCの画面で見た方が粗が目立たないってところは何だかなぁって気がする。なぜならば,この映画の一番のポイントはMarlene Dietrichの美貌だからである。いやいやそれにしても実に美しい女優である。

1932年という時代を考えると,中国を舞台にすれば,エキゾチックな感じになってもしょうがないが,この映画はあまりそういう感じがしないのは列車内が中心のストーリーゆえというところであるが,プロットはさておき,ついて,離れて,またくっついてみたいな恋愛映画ってのがある意味微笑ましい。そこにちょいとサスペンス風味を入れているってのがこの時代においては新鮮だったのではないかと想像する。

それにしてもMarlene Dietrichである。私は往年の美女と言えば,Ingrid Bergmanこそ最高だと思っているが,Marlene Dietrichについては「モロッコ」とか,後年の「黒い罠」ぐらいしか記憶にないというか,その記憶も飛んでいるが,まさに別嬪というのはこういう人のためにあったと思ってしまう。彼女の美貌を拝むだけでも価値があった87分。星★★★★。

さて,次は何を見るかなぁ...(笑)。

2020年7月30日 (木)

”Morning Rise”:この暑苦しさがたまりまへん(笑)

_20200729-2”Morning Rise" Alan Skidmore / Gerd Dudek / Aderhard Roidinger / Lala Kovachev(EGO)

今年は長梅雨で,本格的夏の到来はこれからってところだが,夏場になると私には暑苦しい音楽を聞きたくなる性癖があるようである。夏場に辛いカレーを食してひぃひぃ言ってしまうのと同じ感覚と言ってもよいが,まぁ物好きというか,アホというか...(苦笑)。このアルバムも取り出したのは久しぶりであるが,この暑苦しさがたまらないのだ。

このアルバムは”The EGO Recordings of Leszek Zadlo Alan Skidmore"という濃い~ボックス・セットの中の1枚であるが,このボックス・セットの中身は全部こんな感じみたいな暑苦しさを感じさせてくれるのだ。まさに夏にこそこのボックスである(爆)。

そもそもこのアルバム,ただでさえ熱いAlan Skidmoreに,ドイツからGlobe Unityでも活躍したGerd Dudekが加わるのだから,更に暑苦しいに決まっているのだが,聞いてみれば全くその予想は裏切られることはない。

まぁサウンドはそんな感じなのだが,このアルバム,全4曲なのだが,各々のミュージシャンが曲を提供しており,対等な立場のバンドであるということになるが,曲の感じも必ずしもゴリゴリ一直線でもなく,結構バラエティに富んでおり,なかなか面白い。こういうのは大音量で聞くに限るのだが,在宅勤務で家人の不在を大いに活用させてもらった私であった(笑)。

当然のことながら,そんなしょっちゅうプレイバックしたいタイプの音楽ではないが,久しぶりにこういう音を浴びたって感じである。星★★★★。こんな音源ばかり作っていては,カタログ22枚でレーベルがクローズしても仕方ないって気がするが,これはこれで欧州ジャズの遺産としてこれからも楽しみたいと思わせるアルバムであった。

Recorded in September 1977

Personnel: Ala Skidmore(ts, ss), Gerd Dudek(ts, ss), Aderhard Roidinger(b), Lala Kovachev(ds)

2020年7月29日 (水)

John ScofieldのSteve Swallow集:これがECMから出ることが実に意外。

_20200726-3 "Swallow Tales" John Scofield(ECM)

昨日,Steve SwallowとJohn Taylorのデュオを取り上げたからという訳ではないが,このアルバムの記事をアップしていなかったってことで,遅くなったが本作を取り上げよう。

正直言って,ジョンスコとECMってイメージ的にはあまり結びつかない。私の記憶ではJack DeJohnetteとやったTrio Beyondと,Marc JohnsonのBass Desiresぐらいって感じだが,どっちもECMっぽくないと言えばその通りだと思う。しかし,Bass Desiresのカッコよさは永久に不滅だと思うし,結局は「結びつかない」と言ったって,私のイメージだけの問題である。

それでもって,本作のメンツはジョンスコにSteve Swallow,そしてビルスチュなので,Verveの"EnRoute"と同じである。この3人はこの編成に加えて,別の組み合わせでもことあるごとに共演しているから,勝手知ったるトリオってことになるが,今回のキモはSteve Swallow曲集ってことになる。だが,このアルバム,録音されたのがニューヨーク大学のSteinhardt School of Culture, Education and Human Developmentにあるスタジオでの録音,かつエンジニアリングもECMとは縁のないであろうTyler McDiarmidということで,これは明らかに(そしておそらくはSteve Swallowによる)持ち込み音源ってことだろう。そういうことなので,ECMからでなくても出て不思議はないアルバムであり,ECM的な感覚は実は薄い。なので,これはECMレーベルのアルバムとして聞くことにはあまり意味はないように思う。

なので,このアルバムを評価するためには,企画としてのSteve Swallow集をどう捉えるかというところになる。Steve Swallowが優れたメロディ・メイカーであることは,John Taylorとのデュオ作のところでも書いた通りだが,ここでは素材としてSwallowの曲を使いつつ,ジョンスコが気持ちよさそうにソロを展開しているのが聞きものって気がする。ジョンスコも来年は古希を迎えるってことを考えると,ガンガン引き倒すって感じではなくなっているが,むしろ枯れた味わいを感じさせるというところか。もちろん,ジョンスコのことであるから,「枯れた」と言っても,デニチェンとやっているのとかと比べると随分おとなしくなったということだが,フレージングのアウト具合は不変である。

そして,付き合いの長いSteve Swallowの曲を,きっちりプレイしているところにジョンスコのSteve Swallowに対するリスペクトなり,友情なりが感じられる。正直言って,刺激には乏しいと思えなくもないが,優れたミュージシャン同士によるレベルの高い対話であり,かつ丁寧な演奏っぷりが実にいいと思う。そうした取り組み姿勢も評価し,ちょいと甘いと思いつつも星★★★★☆としよう。

それにしても,大学の中にレコーディング・スタジオを持っていることがまさにNYUらしい。

Recorded in March 2019

Personnel: John Scofield(g), Steve Swallow(b), Bill Stewart(ds)

2020年7月28日 (火)

昨日に続いてのJohn Taylor:今日はSteve Swallowとのデュオ・アルバム。

_20200726-2 "Parlance" Steve Swallow and John Taylor (Instant Present)

昨日,John Taylorの”Decipher"を取り上げたところで,今日はこのSteve Swallowとのデュオ・アルバムである。"Decipher"がアグレッシブな感覚に溢れたものだとすれば,本作はJohn Taylorの静謐で抒情的なタッチが出たものとなっている。

そもそもこのアルバム,どういう経緯で購入したのかは全く記憶にない。年は取りたくないが,ショップで買ったであろうことはわかっているのだが,それがどこだったのかも記憶がないのだ。しかし,Steve SwallowとJohn Taylorのデュオということで,メンツ買いをしたのは間違いないところである。本作が1995年リリースだったことを考えると,私の銀行出向時代なので,だとすると,秋葉原にあったディスクマップ辺りでの新譜購入だった可能性もあるが,それも自信がない。まぁ,経緯はさておき,このアルバム,相当マイナーなものと言ってよいので,巷で話題になったという話はあまり聞いたことがない。

Steve SwallowとJohn Taylorのデュオとなれば,大体音は想像がつくし,本作の演奏もこちらの想定通りという感じである。若干アブストラクトな感覚も残しながら,非常に淡々と演奏が進んでいく。こういう地味さがこのアルバムの特性ゆえ,あまり話題にならないのも仕方がないのかもしれない。そして,ここでの演奏は小音量でのプレイバックに適したものであって,決してハイ・ヴォリュームで聞くべきものとは思わない。ゴリゴリのジャズが好みの向きには全然フィットしない音楽だと言ってよいのだ。そもそもそういうリスナーがこうしたアルバムに関心を示すとも思えないが...。

ここでは全9曲中Steve Swallowのオリジナルが5曲(タイトル・トラック1曲はJohn Taylorとの共作だが,これはかなりブルージーなので,即興的なものかもしれない)を占めるが,お馴染みの"Hullo Bolinas"のような曲に加えて,"Carnation"という曲が実に可憐なメロディであり,実にいいメロディ・ラインを紡ぐ人だと思わざるをえない。それをJohn Taylorが楚々としたタッチでプレイすれば,それでOKという気がする。アルバム・タイトルとなっている"Parlance"という言葉は,「話しっぷり」って感じの訳が適当だろうが,古くは「議論」という意味も持つ。しかし,ここでは議論というよりも,静かな対話としか思えない演奏であり,まさに追ういう感覚で捉えればよい音楽である。

このアルバム,世間でもあまり見たことがないし,滅多にプレイバックされないが,今にして思えば買っておいて損はなかった。だが,やっぱり地味だなぁ(苦笑)。星★★★★。

Recorded in March 1995

Personnel: Steve Swallow(b), John Taylor

2020年7月27日 (月)

スリリングに押すJohn Taylorもまたよし。

_20200726 "Decipher" John Taylor Trio(MPS)

早いもので,John Taylorが亡くなってもう5年になる。彼の命日はJohn Coltraneと同じ7/17だったのねぇと今更のように思ってしまう。私にとって,John Taylorと言えば,Peter Erskineとの欧州トリオが思い出深いが,本作に比べると後のJohn Taylorは抒情的な響きを醸し出すピアノとなったと感じる。しかし,彼の2枚目のリーダー作である本作においては,かなり硬派のサウンドを聞かせている。

後の抒情的な響きも魅力的ではあるが,キャリアの比較的初期に当たるこうした時期の演奏においては,よりアグレッシブなピアノ・スタイルで,スリリングなピアノ・トリオ演奏に仕立てているのが実に素晴らしい。やはりこういう演奏を聞いても十分に実力を感じさせるところが,このアルバムの価値を高めていると思える。こんなアルバムが長らく廃盤状態だったというのが信じがたいが,海外で再発はされているものの,国内盤は暫く絶版状態のはずだ。しかし,聞けばわかるが,当時の英国ジャズのレベルの高さを認識させる,実によくできたピアノ・トリオ・アルバムだと思う。星★★★★☆。

いずれにしても,久しぶりに彼の音源をいろいろ聞いてみるかと思わせるに十分であった。

Recorded in 1972 and 1973

Personnel: John Taylor(p),Chris Lawrence(b), Tony Levin(ds)

2020年7月26日 (日)

久しぶりに聞いたら実によかったChick Coreaの”Rhumba Flamenco"

_20200725-2"Rhumba Flamenco" Chick Corea & Touchstone (自主制作盤)

このアルバムを聞くのは実に久しぶりな気がする。本作はChick Coreaが2005年にWebサイト上でリリースしたライブ・アルバム。これまで公式に発売されたことはなく,あくまでもChick CoreaのWebサイト上でのみ販売されてきたものである。日本においてはDU等が独自に輸入して発売していたこともあるが,私は出た当時直販で購入したもの。でももうそれから15年も経ってしまったのかと思うと,「光陰矢の如し」である。

Chick Coreaのスペイン風味は既にいろいろなところで感じられるのは皆さんご承知の通りである。曲としての"Spain"然り,アルバムとしての"My Spanish Heart"然りである。直近では私はストリーミングでしか聞いていないが,"My Spanish Heart Band"なんてアルバムも出していたしねぇ。そのChick CoreaがグループとしてのTouchstone名義で発表したアルバムはこれだけだと思うが,その源流はWarnerで出した"Touchstone"にあると言ってよいだろう。そのアルバム"Touchstone"は結構バラエティに富んだ作りでありながら,そのハイライトがPaco De Luciaとの共演にあったことは間違いない。だからこそ,このライブもグループ名はTouchstoneとしたであろうし,件のアルバムのタイトル・トラックも再演している。しかもPaco De Luciaとの共演に限らず,私はあのアルバムが結構好きなのだ(記事はこちら)。

私が"My Spanish Heart Band"を聞いた時,そのラテン・フレイヴァーの強さがちょっとなぁと感じたように記憶しているのだが,このアルバムはスペイン風味ではあるものの,それが前面に押し出されるというより,いい塩梅なのが私には丁度良い感じである。まさにいい感じのフュージョン具合なのである。

そうした訳で,私がこのアルバムを聞くのは実に久しぶりであったにもかかわらず,このバンドのライブはレコーディングされた欧州の聴衆にとっても楽しめるものだったはずだと思えてしまう。ジャズ的な快感とスパニッシュ風味の適切な混ざり具合が実に楽しい,ライブ音源とは言え,これだけいい感じの出来なんだから,公式リリースすればいいと思うのは私だけではないと思うが,間違いなくもっと聞かれてよい音源である。まぁ,約2時間にも及ぶ演奏なので,聞き通すとお腹一杯になることは確実だが(苦笑)。ついでに言っておけば,奥方Gayle Moranの声はどうしても好きになれないこともあって星★★★★☆。

尚,本作は今でもChick CoreaのWebサイトで購入可能なので,ご関心のある方はこちらへどうぞ。2枚組$20なら,確実に元は取れる(きっぱり)。

Recorded Live in Austria, Germany and Belgium

Personnel: Chick Corea(p), Tom Brechtlein(ds), Carles Benavent(b), Jorge Pardo(sax, fl), Rubem Dantes(perc), Gayle Moran Corea(vo)

2020年7月25日 (土)

それはないだろうと言いたくなった「ミスト」

Mist「ミスト(”The Mist")」(’07, 米)

監督:Frank Darabont

出演:Thomas Jane, Marcia Gay Harden, Laurie Holden, Andre Braugher, Toby Jones, William Sadler

この映画,先日「王様のブランチ」で紹介されていたものがAmazon Primeで見られるってことで見てみたのだが,これほど後味の悪い映画はなかなかないとしか言いようがない映画であった。なので,知らずに見る人にはそれを承知した上で見るようにとしか言えない。

突然,謎の霧に包まれて,訳のわからない恐怖に襲われる人たちを描いたホラーと言えばその通りだが,その原因は明確にされずとも,示唆は与えられるって感じなのだが,それはそれでいいものを,この作品は徹底的に後味を悪く作ってしまったところに問題を感じてしまう。あまり書き過ぎるとネタバレになるのでこれ以上は書かないが,とにかく後味が悪い(きっぱり)。原作を書いたStephen Kingはこの原作とは異なる結末を絶賛したらしいが,これは一般人が見る限りは,それはないだろうって思うはずだ。

しかもこの映画を取ったFrank Darabontは「ショーシャンクの空に」の監督である。同じStephen Kingの原作とは言え,あの映画のエンディングのすっきり感と真逆だろうと言われれば,Frank Darabontも抗弁できないはずだ。とにかく見終わってこれほど胸糞悪い映画はない。もちろんこういうエンディングもありなのだが,映画館であれば,何とも言えない殺伐とした感覚で席を立たねばならないってのはいかがなものかと思う。

まぁ,極限状況の中で,人間がある意味洗脳されていく様は認められるとしても,この映画は絶対好きになれない。星★★。

2020年7月23日 (木)

実家から持ってきたアルバム:今日はGil Evans。

Synthetic-evans "Synthetic Evans" Gil Evans (Poljazz)

実家にはこういうのも置いてあったってことで,今回久しぶりに聞いたのがこれである。一時期,私は相当Gil Evansに入れ込んでいて,いろいろな音源を集めたものであるが,結構これはポーランド盤という希少性もあって,実は結構入手には手間取った記憶がある。これを店頭で見つけた時は小躍りしたものだが,このジャケのペラペラ加減にこれは本物なのかと思ったのも事実である。それほどペラペラである。しかも家に帰ってプレバックしようとすると,センター・ホールが小さ過ぎて,プレイヤーにセットできない。逆に言うと,これは一度もプレイバックされたことがないのではと思えるものであった。私は力業でセンター・ホールを広げてプレイバックを可能にしたのも懐かしい。

Gil Evansの音楽は,結局のところ似たようなレパートリーを似たようなメンツで演奏するので,晩年のパターン化はちょっとなぁという感じだったが,83年に私が初めてNYCを訪れて,Sweet Basilで聞いた演奏は強烈だった。私はGil Evansの最高傑作はパブリック・シアターでのライブ盤だと思っていて,一番好きなアルバムが"Priestess"なのだが,80年代半ばぐらいまでは相応の勢いがあったと思う。そんなGil Evansの音源はいろいろあるのだが,これは1976年の音源なので,アルバム "Priestess"の前年である。ここで聞かれる"Priestess"のアレンジはアルバム"Priestess"のものに近い。って言うか基本線は変わらないのである。Gil Evans Orchestraの演奏はいつもこんなものだろうって感じだが,まぁこれはこれでってところ。

但し,このアルバムのクレジットは結構怪しいところがあり,"Gone"で聞かれるソプラノ・ソロは一体誰なんだって疑問もあるし。トランペットのうちの一人は明らかにJon Faddisである。また,映像を見るとギタリストがいるので,正しくはロシアのサイトに上がっているような下記のメンツではないかと思う。世の中では本作をブートレッグ扱いしているところもあるので,この怪しさも仕方ないところかもしれないが,ここでのソプラノをGeorge Adamsが吹いているとは到底思えないのである。しかし,Poljazzはれっきとしたレコード会社なので,ブートではないはずだ。

Gil Evans(p, el-p), Lew Soloff(tp), Jon Faddis(tp), Bob Stewart(tuba), John Clark(fr-h), Janice Robinson(tb), George Adams(ts), Pete Levin(key, synth, fr-h), Van Manakas(g), Mike Richmond(b), Sue Evans(ds)

Synthetic-evans-front ついでに言っておくと,このアルバムのジャケはレコードの取り出し口から考えると,Gil Evansの写真が4枚写っている方が裏ってことになってしまうが,だったら表は下に掲示した側ってことで,それはさすがにないよねぇ。それにしても,貼り付けた映像のGeorge AdamsのキレっぷりはまさにこれこそGeorge Adamsって感じだな。

Recorded Live at Jazz Jamboree in Warsaw on October 23, 1976

2020年7月22日 (水)

実家から持ってきたアルバム:今日はJimmy Rushing。

Jimmy-rushing ”The You and Me That Used to Be" Jimmy Rushing (RCA)

これなんて,私にしては実に珍しいと思われるであろうアルバムである。しかし,Jimmy Rushingについては結構前から知っていた私である。Jimmy Rushingの歌唱を初めて聞いたのは,Eddie Condonの日本でのライブが発掘された時,父がそのアルバムを買ってきたのを聞かせてもらった時に遡る。その最終面に収められたJimmy Rushingの歌が実にブルージーかつ魅力的な声で,これっていいなぁなんて感じていたおかしな高校生であった。そのアルバムは後に自分でも購入するぐらい好きだったが,それが縁でこのアルバムも買ったはずである。

これはJimmy Rushingが生前吹き込んだ最後のアルバムで,傑作としての評価が確立していると思うが,聞く人によってはどこがよいかわからないと言われるかもしれないし,ある意味,古臭い音だと言ってしまえばその通りである。しかし,スイング・スタイルの軽快な伴奏に乗って聞かせるJimmy Rushingの声は実に魅力的である。昔は「素敵なあなた」が入っているB面ばかり聞いていたような気がするが,今回改めて聞いてみると,全編を通してJimmy Rushingの魅力が感じられるものだった。それでもやっぱり私にとっては「素敵なあなた」が一番好きだってことには何年経っても変わりはないが,どこを切ってもブルーズを感じさせてくれるアルバム。星★★★★★。

こういうアルバムを実家に置きっぱなしにしておいた私もアホだとつくづく思ってしまった。

Personnel: Jimmy Rushing(vo), Ray Nance(cor, vln), Zoot Sims(ts), Al Cohn(ts), Budd Johnson(ts, ss), Dave Frishberg(p), Milt Hinton(b), Mel Lewis(ds)

2020年7月21日 (火)

実家から持ってきたアルバム:今日はConrad Herwig。

Conrad-herwig ”With Every Breath" Conrad Herwig (Sea Breeze)

実家に長年放置していたアルバムの中から,今日はConrad Herwigである。一時期,私は国内盤で発売されるアルバムでは飽き足らず,新しいミュージシャンや面白そうなアルバムを見つけるべく,輸入盤屋に通っていたことがある。多分,このアルバムもメンツ買いしたものだと思えるが,当時20代後半だったConrad Herwihgの初リーダー作である。裏ジャケにはサックスのBill Evansと元のバンマス,Clark Terryがコメントを寄せているところが,初リーダー作を盛り上げようって感じが出ていて微笑ましい。

そのメンツ買いの理由がリズム・セクションだったことは間違いなく,Richie Beirach,Ron McClure,そしてAdam Nussbaumの面々なので,まぁ期待できると思ったのだろう。初リーダー作ということもあり,本作は"Alone Together"を除く5曲がConrad Herwigのオリジナルで占められている。そして急速調の"Quasi-Modal"のような曲を聞くとわかる通り,この人,なかなかのテクニシャンであるとともに,盛り上げ方をよくわかっていると思える。そうしたところが,後になってDown Beatの批評家投票でトロンボーン部門の1位に推された理由だと感じる。

だが,これは我が家のオーディオ・セットがしょぼいせいもあると思うのだが,どうも音が軽く聞こえるのがちょっと残念な感じだろうか。オリジナル曲はそこそこ魅力あるものだし,演奏についてもこれだけのメンツゆえに破綻はないのだが,この軽さがせっかくの演奏の魅力をそいでいるように思えてならない。

とここまで書いて,実は私は本作に関する記事を2008年にアップしていることに気づいてしまった(その時の記事はこちら)。10年以上経っても印象があまり変わらないってのが笑える。評価も変わらず星★★★,あるいは歳のせいか評価も甘くなり,半星オマケして★★★☆ってところ。

Personnel: Conrad Herwig(tb), Jim Snidero(as, ss, fl), Richie Beirach(p), Ron McClure(b), Adam Nussbaum(ds)

2020年7月20日 (月)

実家に置いてあったLPから,今日はJoanne Brackeen。

Keyed-in "Keyed In" Joanne Brackeen(Tappan Zee)

先日,父の遺品のレコードを処分するために実家に帰った際に,実家に置いておいた自分のLPは我が家に送ることにしたものが届いたので,順番に聞いていくことにしたいと思う。と言っても,結構な数のLPは最早CDに入れ替わっていて,既に処分済みであり,残っていたのは70~80枚ってところだと思うから,大した枚数ではない。しかし,実家に放置したままだったので,保存状態が心配された訳だが,多少ジャケにカビが出ているものもあるが,まぁ大した問題ではなかったのはよかった。

これらのLPは若い頃に買ったものが多いのだが,何でこんなものまでみたいなものもあるのだが,またそれは後日ってことにしたいが,今日はJoanne Brackeenである。Joanne Brackeenについては5月に"Special Indentity"について記事をアップしている(記事はこちら)が,そこでもちらっと触れたアルバムがこの"Keyed In"である。メンツは"Special Identity"と同じEddie GomezとJack DeJohnetteである。本作はBob Jamesが主催するTappan Zeeレーベルから出たものであるが,同レーベルがフュージョン系を中心にしたリリースだったことを考えれば,レーベルとしてはかなり異色と言ってもよいアルバムである。"Special Identity"同様,ゴリゴリのピアノ・トリオ・アルバムであり,ここでもJoanne Brackeenはパワー全開と言ってもよいサウンドを聞かせる。やっぱり硬派なのだ(笑)。

こういう音だけに,売れたって話もあまり聞いたことがないし,本作はCD化もされていないようではあるが,埋もれさせるにはもったいないと思えるようなアルバムであり,"Special Identity"同様の評価はしてよいと思える。星★★★★。それにしてもやはりTappan Zeeのジャケット・デザインは面白い。デザインをしたPaula Scherのセンス爆発だよなぁ。

Personnel: Joanne Brackeen(p), Eddie Gomez(b),Jack DeJohnette(ds)

2020年7月19日 (日)

久々に劇場で映画を見た:「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」

Little-women「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語("Little Women")」('19,米,Columbia)

監督:Greta Gerwig

出演:Saoirise Ronan, Emma Watson, Florence Pugh, Eliza Scanlen, Timothée Chalamet, Laura Dern, Meryl Streep

新型コロナウイルス禍もあり,映画館にも久しく行っていなかったのだが,久しぶりに休みに映画を見に行った。劇場に行くのは3月の「1917」以来であるから,4カ月近くぶりってことになる。こういうご時世なので,ヒット間違いなしと思われるような超大作が続々公開延期となり,今はどちらかと言えば地味な小品や,日本ではあまり当たりそうにない作品が陽の目を見るチャンスなのかもしれない。そうしたところで,今回チョイスしたのがこの映画である。

私は不勉強ゆえ,原作となる「若草物語」シリーズは読んだことがないが,調べてみると,回想を交えながら,「若草物語」と「続若草物語」をミックスさせる構成というところで,特に続編の方に比重が置かれているってところだろう。こういう時代にこういう物語が受けるのかってところはあるのだが,何度も映画化やTVシリーズ化もされている原作は,米国人にとっては国民的ストーリーってところなのかもしれない。

南北戦争の時代の話なので,コスチュームが気になってくるところで,本作がオスカーで衣装デザイン賞を獲ったのはまぁうなずける話である。いずれにしても,時間軸を入れ替えながら,ストーリーとしてうまくまとめた脚色も兼ねたGreta Gerwig監督の手腕によるところが大きい。私には前半は牧歌的過ぎて,やや間延びした感覚を覚えていたのも事実であるが,後半になって持ち直したって感じである。

いずれにしても,演出,脚色もいいが,この映画は4姉妹を演じた役者陣の好演が成功の要因だと思えた。特に主演のSaoirise Ronanは近い将来,オスカーを間違いなく獲るに違いないと確信する。もう少し尺を短くしてもよかったかなと思えるのはちょっと惜しいが,なかなかよく出来た映画である。こういうご時世でなければ,見に行っていなかったかもしれない作品を見られたってことで,それはそれでよかった。星★★★★。

2020年7月18日 (土)

先日紹介のクリポタのブートのソースはこれだったのか...。

先日,クリポタのブートをご紹介した(記事はこちら)が,その時のライブの映像がYouTubeに上がっていた。これって完全なプロショットだが,こういう演奏の映像を残しておいてくれるのは大変ありがたい。ジャズ界を除く世の中の一般的な知名度で言えば,クリポタは必ずしも高いとは思わないが,イベントの映像とは言え,こうしたかたちでフォローアップが可能というのはいい時代である。

映像をずっと見るってのは必ずしも楽ではないので,私は音だけでも十分だが,こういう風にやっていたのねぇというかたちで後追いするのもまた楽しい。ということで,フル映像を貼り付けておこう。とにかくクリポタのブリブリ感が凄いわ。

2020年7月17日 (金)

Coltraneの命日には当然Coltraneである。

_20200717"Selflessness" John Coltrane(Impulse)

今日,7月17日はJohn Coltraneの命日である。そして7月17日は私がまた齢を重ねる日なので,毎年,恒例として会社を休むことにしている。ということで,家には私しかいないということで,通常よりもボリュームを上げて音楽を聞くことができる数少ない日なのだ。と言っても,昨今の在宅勤務により,日中の音楽のボリュームはこれまでより上がっているが...。

そんな日は,まさしくJohn Coltraneを「浴びる」ためにある訳で,今日,私が取り出したのが本作である。このアルバム,私の浪人中に高田馬場の「イントロ」でコーヒー一杯で粘りに粘って,読書に励んでいた時に,やたらに掛かっていた記憶がある。しかも当然のようにA面しか聞いたことがない(きっぱり)。今や「イントロ」もジャム・セッションの場と化しているので,ジャズ喫茶としての役割は終えてしまっているようだが,それにしてもそれが今から40年前のことである。

この"Selflessness"というアルバムがリリースされたのはColtraneの死後である1969年のことであるが,当時のリスナーがここでの"My Favorite Things"を聞いてぶっ飛んだことは想像に難くない。実にインパクトの強い演奏であり,この曲の演奏の中でも代表的なものに数えられることは疑問の余地がない。そして,Roy Haynesである。Conltrane Quartetと言えばElvin Jonesであるが,ここでのRoy Haynesのドラミングは,彼のキャリアの中でも最も有名なものの一つになったのではないかと思えるほど,貢献度が高い。

これに続く"I Want to Talk About You"も素晴らしい演奏であるが,このアルバムにおいて,タイトル・トラックだけが「感じ」が違い過ぎて何とも微妙と思えてしまうのが惜しいと言えば惜しい。とにかくPharoah Sandersが浮き過ぎである(笑)。かつJuno Lewisのパーカッションがうるさい(爆)。そういうことで言えば,ライブ音源を集成した"Coltrane at Newport"を聞く方がずっと正しいって気もする。そもそも"Coltrane at Newport"には同じ63年の"Impressions"も入っているしねぇ。しかし,ここはもともと出たフォーマットで聞くということを優先した私であったが,このあと"Coltrane at Newport"も浴びることにしよう。

Recorded on July 7, 1963 and October 14, 1965

Personnel: John Coltrane(ts, ss), McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Roy Haynes(ds), Pharoah Sanders(ts), Donald Garrett(cl, b), Elvin Jones(ds), Frank Butler(ds), Juno Lewis(vo, perc)

 

2020年7月15日 (水)

Stanley Cowellの「幻想組曲」:これを聞くのは何年ぶりか?(苦笑)

"_20200713Illusion Suite" Stanley Cowell Trio(ECM)

在宅勤務のいいところは,本当はよくないのだろうが,「ながら仕事」ができることである。音楽をプレイバックしながら作業をしていると,結構捗るのだ。音楽は生産性を上げると言い張りたくなるようにも思えるが,ここ数カ月の在宅勤務で,滅多に聞かないアルバムを聞くチャンスに恵まれることが多くなった。それにより私は温故知新であったり,「こんなのも持っていたか?」なんて自分の記憶の曖昧さに驚いたりと様々な感情に襲われるのだ。

それでもって,今日はStanley Cowellの唯一のECMでのアルバムである本作なのだが,このアルバムを保有していることは認識していても,正直言ってなかなかプレイバックのチャンスはなかった。本作のCDがリリースされたのは日本だけらしいが,私の保有盤の帯を見るとECM30周年なんて書いてあるではないか。即ち20年以上前である。買ってすぐには聞いたはずだが,それ以来何度プレイバックしたのかと聞かれると,答えに窮してしまう。だからいつも家人に「死ぬまでに一回も聞かないCDだらけじゃないの?」なんて言われ続けるのだが,日頃聞いていなかった音源に触れるチャンスを与えてくれた在宅勤務には感謝しなければならない(笑)。

そんな本作であるが,レコーディングされた1972年という時代を反映していると言ってもいいかもしれないが,フリー的なものあり,ファンク的なものあり,美的なものもあるという若干とっ散らかった印象はあるものの,なかなか楽しめるアルバムである。そしてエレピを使っている"Ibun Mukhtarr Mustapha"なんて全くECMらしくないサウンドと言ってもよい。

Stanley Cowellは後に結構コンベンショナルな演奏も聞かせるようにはなるが,この頃はStrata-Eastレーベルの主宰者の一人としての活動もしていたことを考えると,やっぱりECMはカラーが違うのではないかと思わせつつ,このアルバムはECMというレーベルにフィットしているように結局は思わせるところが実に面白い。

このアルバムが異色に感じさせるところがあるとすれば,それはStanley Clarkeによるところが大きいが,それは一部でエレクトリック・ベースを弾いていることも影響していると思える。まぁ,"Return to Forever"だってStanley Clarkeのプレイぶりは変わらないのだが,現在のECMレーベルからは考えにくい音だとは思う。それでも,こういう時代のこういう音を経て,ECMはレーベル・カラーを確立したと言える訳で,こういうアルバムを聞いて,「へぇ~」ってなるのも必要なことなんだと思う。

超久々に聞いたはずのこのアルバムだが,なかなか面白かった。ということで星★★★★。

Recorded on Novemver 29, 1972

Personnel: Stanley Cowell(p, el-p), Stanley Clarke(b, el-b), Jimmy Hopps(ds)

2020年7月14日 (火)

Lee Ritenour版AORって感じの"Rit/2"。

_20200712"Rit/2" Lee Ritenour (Elektra→Collectibles)

私が結構Lee Ritenour好きなのはこのブログにも書いているが,この人の高度なテクニックと何でもできてしまうってところは凄いと思うし,リーダー・アルバムもはずれがほとんどないのは立派と思っている。

これだけの実力者なので,「売る」,あるいは「売れる」ということを考えてアルバムを作っていた時期もある訳で,Eric Taggとのコラボレーションによって,AORに傾斜した”Rit"とその続編である本作"Rit/2"辺りがそのピークと言ってもいいかもしれない。

それをよしとするかどうかは受け手が決めればいいと思うが,私としてはこれもありだなと思ってしまう。Eric Taggに華を持たせている部分もあるので,ギターの出番が少ないように感じる部分もあるが,AORだと思えば全然問題ないってところだろう。それでもこのアルバムが結構廃盤状態が長く続いているのは,やっぱりLee Ritenourに求める音との乖離ゆえかもしれない。

本作も今や"Rit"との2in1で入手できるようだが,私が保有しているのもCollectiblesレーベルからのもので,やはりRitenourの楽歴においては主流ではないってことの表れだろうが,このアルバム,全10曲中,インストが4曲なのだが,どうもこのインスト曲が弱体なのが痛い。どう聞いてもゆるい感じが強くて,もう少しタイトなLee Ritenourを期待すると,この辺で失望感が生まれるってところだろう。こんな感じにするのだったら,全部Eric Taggを入れて,全面的にAORでやればよかったのではないかと思ってしまう。"Rit"も久しく聞いていないので,どうだったか記憶が曖昧だが,この辺りはやはりフラストレーションがたまるってところかもしれない。

ってことで,決して悪いアルバムとは思わないが,星★★★ってところ。”Rit"をそのうち聞き直すことにしよう。それにしてもキラ星のごときミュージシャンがクレジットされているなぁ。

Personnel: Lee Ritenour(g, key), Eric Tagg(vo), Greg Mathieso(el-p), Don Grusin(key, synth), Michael Boddicker(synth), David Foster(GSI), Greg Philingaines(key), Nathan East(b), Abe Laboriel(b), Neil Stubenhaus(b), John Robinsin(ds), Harvey Mason(ds, perc), Carlos Vega(ds), Jeff Porcaro(ds), Alex Acuna(ds), Paulinho Da Costa(perc), Bill Champlin(vo), Ricahrd Page(vo), Steve George(vo), John Farrar(vo), Tom Scott(ts), Jerry Hey(tp, fl-h)), , Larry Hall(tp, fl-h), Gary Grant(tp), Bill Rechenbach(tb), Lou McCreary(tb), Charles Loper(tb), Gary Herbig(fl), Larry Williams(fl)

2020年7月13日 (月)

ブート購入のオマケでもらったブート(笑):Cecil Taylor Unitのベルリン・ライブ。

_20200711 今回久々にブートレッグを購入したのは,結構名の通った名古屋のブート・ショップの通販を通じてなのだが,このお店では2枚買うとオマケで特定のブートCDもしくはDVDがもらえるという特典がある。実は今回4枚のブートを購入したので,2枚オマケをもらったのだが,そのうちの1枚がCecil Taylor Unitの1969年のライブである。

1969年のCecil Taylorには"The Great Concert of Cecil Taylor"というアルバムがある(私は未聴)が,そこでのメンツと同じで,お馴染みJimmy Lyons,Andrew CyrilleにSam Riversが加わるという魅力的なものだったのが,オマケとして選んだ理由だが,ついでに言うと,ブートにしてはまともな音だったのが大きい。そもそもがこれも放送音源だからだろうが,ネット・サーフィンをしていると,これがラジオで2009年に再放送されたものらしいという情報があった。こういうのを再放送してしまうってのも凄いことだとおもうが,あらゆる音楽が文化として認識されているドイツらしいと思うし,50年以上前の音源にしては実に状態がよく保存されていたものだと思いたくなる。

MCのアナウンスに続いて,60分以上の演奏が"Fragment of a f A Dedication to Duke Ellington"と題される1曲が収められているが,当たり前ではあるが,Duke Ellingtonに捧げられたからと言って,サウンド的な共通項は皆無の完全フリー・ジャズである(笑)。

途中でフルートを吹くのはおそらくSam Riversだと思うが,その後のピアノ・ソロとかでCecil Taylorの絶叫も収められていて,まさにフリー・ジャズってこうだよねぇと思わせる音楽となっている。いつものことなのだが,私は夏場になるとフリー・ジャズのプレイバック頻度が高まる傾向があり,そういう時期と今回のブートの注文が重なったということもあるが,これはなかなかいい代物であった。この暑苦しさが最高なのである。暑い時期に辛いものを食べたくなるのと同じ感覚だな(爆)。

尚,この音源は,YouTubeにもアップされているので,ご関心のある方はそちらでどうぞ。”Cecil Taylor Berlin 1969"でググればすぐ見つかるはずである。

Recorded Live at Philharmonie Berlin on Novermber 6, 1969

Personnel: Cecul Taylor(p), Sam Rivers(ts, fl), Jimmy Lyons(as), Andrew Cyrille(ds)

2020年7月12日 (日)

Ennio Morriconeを偲んで「荒野の用心棒」を見た。

Photo_20200710222501 「荒野の用心棒("A Fistfull of Dollars")」(’64,伊)

監督:Sergio Leone

出演:Clint Eastwood,Gian Maria Volontè,Marianne Koch, José Calvo

先日亡くなったEnnio Morriconeを偲んで,「荒野の用心棒」をDVDで再見した。この映画自体は黒澤明の「用心棒」の無許可リメイク(笑)だが,Sergio Leoneとしては東宝に打診をしたが,返事がなかったので"OK"と見なしたというような話を聞いたことがあるが,まぁそれはさておき,元々の「用心棒」もよく出来た映画だったが,この映画も実にうまく翻案しているってところである。Clint Eastwoodがカッコいいしねぇ。前にも書いたかもしれないが,私は高校の頃まで,部屋ににClint Eastwoodのポスターを貼っていたのである(笑)。

映画自体はよく知られているところなので,ここはEnnio Morriconeの音楽についてである。この映画のテーマ,「さすらいの口笛」と邦題がついていたが,今回映画を見直して懐かしいなぁと思う一方,イメージが違ったのがこの曲が流れるタイトル・ロールのバックで銃声がバンバン入っていることによるものだと感じた。まぁ,それでも「夕陽のガンマン」もそうだが,口笛を使った哀愁のメロディだよなぁってところである。この曲は銃声の効果音なしで聞いた方が感じが出るってことで,音源を貼り付けておこう。

「夕陽のガンマン」とかは敢えて同じ作風にしていると思うが,それだけではないEnnio Morriconeのこのほかの音楽についてもそのうち聞いてみることにしよう。いずれにしても惜しい人を亡くした。

改めてR.I.P.

2020年7月11日 (土)

ブートで聞いたBrad Mehldauのピアノ・コンチェルトやいかに...。

Brad-mehldau-piano-concerto

今回,ブート屋に久しぶりに注文したのはBrad Mehdauのピアノ協奏曲が聞きたかったからである。Brad Mehldauは"After Bach"は言うに及ばず,Renée FlemingやAnne Sofie von Otterと歌曲のアルバムも作っているし,アルバム化はされていないが,テノール歌手,Ian Bostridgeとツアーも行っており,クラシック寄りの活動もこなしている。そんな越境型の活動をするBrad Mehldauゆえ,彼がピアノ協奏曲を書くと聞いてもそんなに驚きはなかったし,そのうちやるだろうぐらいに思っていた。

_20200710

この曲を演奏するために,来日する予定もあるようには聞いている。しかし,現在の新型コロナウイルス禍が収まらない限り,ライブでの来日は難しそうなので,果たしてどうなるのかというところだが,でもやっぱりどういう感じなのかは聞いてみたい。ブログのお知り合いの風呂井戸さんが,この演奏を収めたブートレッグを取り上げられて,その欲求が猛烈に増してしまった私である。ということで,昨日紹介したクリポタのブートとともに発注したのだが,ほかにも発注したものがあるものの,それはまた後日ということで,今日はそのBrad Mehldauのブートレッグである。

冒頭はストラヴィンスキーがアレンジしたバッハの「平均律」第1巻10番であるが,これが実に穏やかな出だしである。まぁこれはピアノ協奏曲へのプレリュードみたいな感じだと思えばいいだろう。それでもってメインのピアノ協奏曲はどうかというと,ここでも演奏が実に穏やかに推移するという感じがする。ちょっと聞いた感じ,まず私が連想したのがMichael Nymanの音楽であったが,聞いていくとガーシュウィン的なところもそこはかとなく感じられないでもない。あるいは聞き進めていくと,ドビュッシー的と言ってもよいかもしれないと思っていた私である。

はっきり言ってしまうと,クラシックのピアノ協奏曲というよりも,私には映画音楽的,あるいはそれが言い過ぎならばオーケストラを伴ったピアノ音楽という感じなのだ。それはここでの音楽が劇的な展開を示さないというところに起因すると思うのだが,私としてはコンチェルトとするならば,楽章ごとにもう少しメリハリをつけてもよかったかなと思う。そうした観点で,決して悪い出来とは思わないのだが,だからと言って,こりゃあ凄いやとは言えないところがある。私としては,これからのBrad Mehldauの活動の上での習作という気がするが,注目を浴びる中,本人にとっても結構プレッシャーのかかる仕事ではなかったかと思える。生で聞けば,また別の感慨もあると思うが,ブートを聞く限りは私としては上述のような感覚であった。

ライブではほかの曲もやったようだから,どうせなら完全版で出せばいいだろうとも思うのだが,放送されたのがこれだけだったってことなのかもしれないな。まぁ聞けたからいいんだけど。

尚,トップの写真はロンドンのバービカンでコンチェルトを初演した時の写真をネットから拝借したもの。

Recorded Live in Hannover on January 31, 2020

Personnel: Brad Mehldau(p), Clark Rundell(cond), ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

2020年7月10日 (金)

ブートレッグを聞いて,クリポタの本質はライブに出ると感じる...。

_20200709 久々にブートレッグを買ってしまった私である。そのうちそれらは紹介しようと思うが,今日取り上げるのはクリポタことChirs Potterのブートである。クリポタの直近の作品は"Circuits"であるが,そのアルバムのリリースを受けたツアー時の音源。最近ブートから距離を置いていた私が,なぜこれを購入に至ったかについては2つポイントがある。

実はBrad Mehldauのピアノ・コンチェルトのブート音源が聞きたかったのだが,2枚買うと無料ギフト音源がゲットできることもあり,もう1枚と思ったのがひとつ,そして,このブートのメンバーが興味深かったのがもうひとつのポイントである。クリポタにCraig Taborn,そしてWayne Krantzの盟友と言ってよいTim Lefebvre,そしてThundercat, Gerald Clayton, Christian McBride, Stefon Harris, Kenny Garrett, Esperanza Spalding, Vijay Iyerらとの共演歴のあるJustin Brownというメンツである。特にCraig TabornはUndergroundのオリジナル・メンバーであるから,彼らがどういう演奏を展開するのか興味深かった。

そして結論は主題の通りとなるのだが,これが実に強烈であった。クリポタの魅力が十二分に感じられる演奏であり,やっぱりクリポタはライブだと思ってしまう。クリポタのフレージングは実に刺激的であり,それをバックのメンツも大いに煽るという感じである。Justin Brownについては,当ブログではMarko Churnchetzのアルバムで取り上げたことがあるだけなので,ほぼ認識していなかったってところだが,ここでの演奏を聞いていると,これまたかなり優秀なドラマーであり,叩きっぷりも相当激しいところがクリポタにフィットしていた。おそらくソースは放送音源なので,音がいいのもよかった。

昨今はストリーミングで大概のアルバムが聞けてしまうので,CDの購買意欲ってのは必ずしも上がってこないが,ブート音源はなかなか聞けないセッティングとかが魅力で,ついつい手を出してしまう。だからと言って,しょっちゅう買う訳でもないが,今回はついでの一枚とは言え,これが実によかった。こういうところから地獄にはまっていくんだよなぁ...。

Recorded Live at Vaulz Jazz on March 27, 2019

Personnel: Chris Potter(ts, fl), Craig Taborn(p, key), Tim Lefebvre(b), Justin Brown(ds)

2020年7月 8日 (水)

45年ぶり(!)にAmazon Primeで見たが,全く面白くなかった「エアポート ’75」。

Airport-1975 「エアポート ’75(”Airport 1975")」(’74,米,Universal)

監督:Jack Smight

出演:Charlton Heston,Karen Black,George Kennedy,Efrem Zimbalist, Jr.,Gloria Swanson

この映画,劇場で見たのは私がまだ中学生の頃である。それをAmazon Primeで45年ぶりで見た。当時の私と比べれば,映画に対する審美眼も随分向上しているはずだが,それにしても実に出来が悪い映画である。オールスター映画として当時は宣伝されていたように思うが,今にして思えば,かなりキャストも地味。大スターはCharlton Hestonぐらいで,これをオールスターと言ってはいかんという感じだ。

もともとの「大空港」の「グランドホテル形式」は引き継ぎながら,どうも出てくる役者陣の役割が全然いけていないというか,かなり適当。正直なところ,これは脚本が悪いというのが結論になってしまうのだが,設定もかなり無茶苦茶である。詳しく書くとネタバレになってしまうので,その愚は避けるが,アクシデントに襲われた後の飛行機の乗客の反応にしても,コックピットの描き方にしても,更には救出方法もそんなはずないだろうとしか言えない。

とにかく問題は一向に盛り上がらないサスペンスってところである。全然ハラハラドキドキ(死語!)しないのだ。言ってしまえば,こんなものは子供だましに過ぎない,実につまらない映画であった。こんな愚作を金を払って劇場に見に行くべきではなかったが,私もまだ子供だったってことで...。星★☆。

それにしても,「エクソシスト」のヒットを受けて,Linda Blairを出演させるというところが,何ともあざといよねぇ。更に輪を掛けるのが,Helen Reddyを出演させて歌わせてしまうところ(苦笑)。う~む...。

2020年7月 7日 (火)

追悼,Ennio Morricone。

Ennio Morrioneが亡くなった。私は子供の頃,関光夫が司会のNHK FMの映画音楽の番組をよく聞いていて,ロックやポピュラー音楽に目覚める以前に映画音楽に親しんでいたような気がする。そうした番組を聞いていて,Ennio Morriconeと言えば,マカロニ・ウエスタンという感じで,「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」を筆頭に,その手の音楽によく触れていた記憶が原初的な体験であった。

その後,いろいろな映画音楽を手掛けながら,「天国の日々」あたりから評価が高まって,「ミッション」以降は大物映画音楽作曲家としての評価が固まったっていう感じだろうか。先日見た「遊星からの物体X」とかも担当して,ある意味,何でもやってしまう人であったが,ついに2016年「ヘイトフル・エイト」でオスカーの作曲賞を受賞するに至った。

_20200706-2 そんなMorriconeを追悼するに,私が今保有しているのはEnrico Pieranunziが吹き込んだMorrikcone集ぐらいしかないわけだが,これがまたあまり知られていないであろうイタリア映画音楽ばかりをやっているところに,むしろEnrico Pieranunziの美学を感じてしまった私である。ここで取り上げられた映画は,おそらく私は1本も見たことがないはずだが,ここで聞かれる音楽は古い時代から,Ennio Morriconeの音楽が美的なセンスに富んでいたことを実証するに余りある出来である。もちろん,Pieranunziのトリオの美学があってこそって気もするが,メロディの本質的な部分に美しさが存在していたことが本作を聞くとよくわかる。ここに収録されている最も古い映画は1962年の「狂ったバカンス」なので,「荒野の用心棒」より前である。その時代からそうした美学を表出させていたことに今更ながら気づかされた私であった。

91歳という長命ではあったが,また一人,映画界は大御所を失ったというところである。Enrico Pieranunziを聞き終わったら,DVDで「荒野の用心棒」を見て追悼することにしよう。

R.I.P.

2020年7月 6日 (月)

Brad Mehldauのベネフィット・アルバムが届いた。

Suite-april-2020-front "Suite: April 2020" Brad Mehldau(Nonesuch)

このアルバムについてはその意図については既に記事にした(記事はこちら)ので詳しくは書かないが,そのアルバムが先日届いた。ストリーミングでは既に聞いていたものの,改めてLPで聞くと,新たな感慨が生まれるものである。

ここに収められた音楽はコロナウイルス禍による厳しい現実を表すと言うよりも,癒しのための音楽である。ジャケットにもあるように"lullaby" is for everyone who might find it hard to sleep now.というのがそれを如実に示し,組曲に続いて演じられる"Don't Let It Bring You Down"や"New York State of Mind",そして”Look for the Silver Lining"はBrad Mehldauの現在の心象を反映したものだろう。

Suite-april-2020-innerこういう音楽はその制作意図を含めて評価すべきであることは言うまでもなく,前にも書いた通り,私はその心意気を買う。当然星★★★★★である。この1,000枚限定のベネフィット盤は逸早くリリースされたが,通常盤は9月にリリースされるようである。そして,CDの国内盤にはボートラ収録の告知がなされているが,それが事実ならばBrad Mehldauのコンプリートを目指す私としてはそっちも買わねば...(爆)。

因みに私のところに届いたアルバムに振られたシリアル・ナンバーは#214であった。そしてBrad Mehldauのサインは中のスリーブに施されていた。

Recorded on April 23 & 24, 2020

Personnel: Brad Mehldau(p)

2020年7月 5日 (日)

Amazon Primeで見た「宇宙戦争」1953年版。

Mv5bytvinjlmm2itmmrhzc00zdhklwe2ntqtnzvi「宇宙戦争(”War of the Worlds")」(’53,米,Paramount)

監督:Byron Haskin

出演:Gene Barry, Ann Robinson, Les Tremayne, Rob Cornthwaite, Cedrick Hardwicke (narrator)

Amazon Primeで古い映画を見続ける私である。この映画は後にSteven Spielbergが監督し,Tom Cruise主演でリメイクされているが,視覚的効果は全然違うんだろうなぁと思いつつ,1953年当時の特撮技術ってのはこんなもんだったんだろうなぁと思ってしまった。

この映画,多分以前見たことはあると思うのだが,細部は全然覚えていないし,そもそもこの結末を覚えていなかったのだから,単なる記憶の彼方ではなく,実際に見たことがなかったのかもしれない。まぁ,ストーリーははっきり言って無茶苦茶と言ってもいい訳だが,映画のかなりのシーンが人間がボコボコにやられていて,一体どうなるのかってところで大団円を迎えるというストーリーには思わず苦笑してしまった。

まぁ,お決まりのような暴動(パニック)シーンもあるし,人間の無力さってのも感じさせるところが,ある意味厭戦気分の裏返しではないのかとさえ思ってしまう。それは原作者H.G. Wellsの気分ではなく,この当時の映画人の気分ってことではないかと勝手に想像していた私である。何てたって,敵は原爆を打ち込んでもびくともしないのだが,それをサングラスはしているとは言え,あんな近い距離で爆発するところを見て,爆風浴びたらどうなるねん?って考えろよと言いたくなってしまう。こういうところに,原爆を日本に落としておきながら,アメリカ人の当時の核兵器に対する無知を感じてしまったが,こういうのは今だったら絶対批判を浴びて,自主規制かなとも思うが,まだまだ何でも許される時代だったってことである。

今にしてみれば,微笑ましくなるような特撮のレベルではあるが,それでも当時は結構頑張ったんだろうねぇと思っていたが,こういうものの積み重ねがあって,今の映画があると思えばそれはそれで感慨深い。

それにしても,学者であるはずのGene Barry演じる主人公がいきなりセスナを操縦して逃げるってのはさすがにやり過ぎ。そして,どうしてそこにセスナがあったのよ?と突っ込みどころ満載ではあるが,まぁ固いことは言うまい。星★★★。

2020年7月 4日 (土)

Amazon Primeで見た「三つ数えろ」。ここでもBogieはカッコいいが,Lauren Bacallが素敵💓。

Mv5bmjdim2iyzmqtodjiyy00ndnkltllymitmmfj 「三つ数えろ("The Big Sleep")」(’46,米,Warner Brothers)

監督:Howard Hawks

出演: Humphrey Bogart,Lauren Bacall,John Ridgely,Martha Vickers,Dorothy Malone

先日の「マルタの鷹」に続いてHumphrey Bogart主演映画として本作を見た。Raymond Chandlerの「大いなる眠り」を原作とする本作,実に複雑なストーリーである。ストーリーを追うのもいいのだが,私の場合,ストーリーそのものよりも。Bogieの立ち居振る舞いや,Lauren Bacallのクールな美貌にまいっていたというのが正直なところである。

映画スターってのはこういうものだろうと思わせるのがこの二人だとつくづく思っていた私である。しかし,ストーリーが正直言って訳が分からない部分があるので,そっちの方は頭に入ってこないのは困ったものだったが,それでもいいのである。この映画の頃には既に結婚していたのかもしれないこの二人の姿を拝めるだけでもいいのである。しかもLauren Bacallはこの映画の頃はまだ二十歳そこそこのはずだが,絶対そうは思えない強烈な色香を感じさせて,凄いとしか言いようがないのだ。

映画としては「マルタの鷹」の方が上かなとも思うが,Lauren Bacallに免じて「マルタの鷹」同様,星★★★★☆としてしまおう。

2020年7月 3日 (金)

来た!Paul Desmondのトロント・レコーディング・ボックス!

Paul-desmond-toronto-box_20200702182501 "The Complete 1975 Toronto Recordings" Paul Desmond(Mosaic)

5月にこのブログでも紹介したボックス・セット(記事はこちら)がようやく到着した。7枚組CDを全部聞いてから記事にすべきだとは思うが,このボックスは聞かなくても魅力的なのは,既発音源に痺れまくっている私からすれば,言わずもがなの世界である。いろいろな手違いがあって,国内に到着してからなかなかデリバリーされないのにはイライラさせられたが,まずは入手できたことを喜びたい。私にとっては家宝とすべき音源である。じっくり楽しませてもらうことにしよう。まだ2枚聞いただけだが,それだけでも星★★★★★。

尚,一部の音源に,Rob McConnellがゲストで入っているのが,やっぱりトロントっぽい(笑)。

2020年7月 2日 (木)

部屋の片づけついでに聞いたHelen Merrill & Gordon Beckのデュオ盤。いいねぇ。

No-tears-no-goodbyes ”No Tears...No Goodbyes" Helen Merrill & Gordon Beck(Owl)

暫く部屋が撮っ散らかった状態にあったので,週末にちょっとした片づけをしたのだが,そのついでにと言ってはなんだが,今となっては数も少なくなったLPでも聞くかということで,取り出したのがこの1枚。これは今はなき高田馬場のマイルストーンで売りに出ていたのを購入したはずである。今やマイルストーンも閉店してしまったが,学生時代から長きに渡って世話になった店であった。

そんあマイルストーンが古物商として,古本や中古レコードを店頭で販売するようになったのは何年前だっただろうか?私が店を訪れる頻度は下がっていたが,行くたびにLPをゲットしていた私である。Wayne ShorterやBooker Ervin,Gary Fosterとかを入手させてもらったが,これはそうした1枚なのである。

このブログにも何度か書いている通り,私はジャズ・ヴォーカルの熱心な聞き手ではないので,保有しているCDもLPも大した枚数ではない。だが,このアルバム,Helen Merrillはもとより,Gordon Beckとのデュオってのがいいに違いないと思って購入したはずだが,久々に聞いて,おぉっ,こんなによかったかと思ってしまった。アナログ・ディスクを再生できる環境は整っているが,プレイヤーの上にCDをうず高く積み上げる悪癖ゆえに,アナログの再生はあまりしていない,というよりできない状態が続くことが多いのだが,ここ暫くはプレイヤーの上には物を置かないことを徹底していてよかったと思ったが,本作は実に味わい深い。

何よりも,私の部屋の大したことのないオーディオ・セットで聞いても間違いなく音が素晴らしい。久々に聞いたので意識していなかったのだが,デュオのはずなのに"I Got It Bad"ではベース音らしい音が聞こえる。よくよくクレジットを見たら,Gordon Beckはオルガンもプレイしているので,ペダルでベース音を刻んでいたってことだ。そんなことも覚えていないのだから,本当に私の聞き方もいい加減なものだ。まぁそれはさておきなのだが,このアルバムにおけるHelen Merrillの声は「ニューヨークのため息」と呼ばれるあの声は健在なのだが,それを支えるGordon Beckの伴奏が実に素晴らしい。こういうデュオだと,アコースティック・ピアノに専念しそうだが,ここでは先述の通り,オルガンに加えて,かなりの部分でエレピを演奏していて,これがまたいいのである。多重録音の可能性もあるが,左手でエレピを弾いて,右手でピアノを奏でる瞬間の何と魅力的なことよ。

こういうアルバムを寝かしておくだけにしておいたことを激しく後悔したことは言うまでもない。ということで,反省も込めて星★★★★★としてしまおう。実にいいアルバムである。尚,このアルバム,Sunnysideのカタログには残っているので,CDの入手は難しくないはずである。こういうのをちゃんとカタログに残しておくってのは実にいいレーベルであることの証左だな。

Recorded on November 1~3,1984

Personnel: Helen Merrill(vo), Gordon Beck(p, el-p, org)

2020年7月 1日 (水)

これも凄い!Jerry Bergonzi完全ディスコグラフィ。

Jerry-bergonzi-discography1

昨年惜しまれつつ閉店した新橋のテナーの聖地,Bar D2のマスター,河上さんが既にSteve Grossmanの物凄いディスコグラフィを作られたことは,既にこのブログでもお知らせした(記事はこちら)。その河上さんが今度作り上げたのがJerry Bergonziのディスコグラフィである。

お店にも多数のJerry Bergonziのアルバムがあって,聞かせて頂くたびにお店でポチっていた私だが,このディスコグラフィを拝見すると,まだまだ全然知らないアルバムがあることを改めて認識した私である。いずれにしても,この河上さんの情熱と情報収集能力には頭が下がる。私もJerry Bergonziの音源はそこそこ聞いている方だとは思うが,レベルが違うのである。

Grossmanの時にも書いたが,河上さん,やっぱりコメント添えて本にしましょうよ。売れる保証はしませんが...(爆)。

少しでもご関心のある方はhttps://takej2019-jb.amebaownd.com/をご覧下さい。これも凄いでっせ。

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