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2020年6月 8日 (月)

コレクターはつらいよ (26):Nonesuchの企画アルバムで2曲演奏するBrad Mehldau。

I-still-play ”I / Still / Play" Various Artists(Nonesuch)

これは長年,Nonesuchレーベルの社長を務めたBob Hurwitzの業績へのトリビュートのために,11人の作曲家が作曲したピアノ曲を収めた企画アルバムである。John Adams,Steve Reich,Philip Glass,Laurie Anderson,更にはPat Metheny,Brad Mehldau,そしてRandy Newman等,よく知られた人もいれば,Louis Andriesson,Donnacha Dennehy, Nico Muhlyのようなそうでもない人(私が知らないだけ?) の作品を収めたものだが,弾いているピアニストは4人。11曲中7曲は自身も1曲提供したTimo Andresが弾き,残りの4曲のうち,Brad Mehldauが2曲,Jeremy Denkが1曲,そしてRandy Newmanが1曲という構成である。

私がこのアルバムを購入したのは偏にBrad Mehldauゆえであるが,このアルバムは,現代音楽的なアプローチのアルバムであり,ジャズ・ピアニストとしてのBrad Mehldauを期待すべきものではない。まぁ,私は現代音楽のピアノ曲もかなり好きな方なので,こういうアルバムはBrad Mehldauが参加していなくても買ったかもしれない。やっぱり買ってないか...(苦笑)。

比較的短い曲が多くて,最長はPat Methenyが作曲し,Brad Mehldauが演奏した”42 Years"で6分36秒,最後のRandy Newmanの"Recessional"なんて1分に満たないし,2分台の曲も5曲あるから,まぁ小曲集の趣である。そうした中で,Brad Mehldauの弾く2曲だが,Timo Andresとは明らかにタッチが違うとわかるのが面白い。ここで演奏されているほかの曲をBrad Mehldauが弾いたら,また別の感覚が生まれたかもしれないと思いつつ,様々な曲想を楽しめるという点で面白かった。

曲としては,Philip Glassが書いた"Evening Song No.2"が実に美しいと思ったが,ほかの曲についても聞きどころが多数あると思えた。Pat Methenyの”42 Years"は序盤はややアブストラクトな響きを醸し出しながら,いかにもPat Metheny的なメロディ・ラインに移行していくところが面白かった。

まぁ,企画アルバムだし,現代音楽的なところもあり,万人には勧めにくいのも事実なのだが,これはこれでありだと思えた。だが,一般的な感覚からすれば,やはり「コレクターはつらいよ」と言いたくなるような作品であることも事実。私としてはこの作品を支持したいが,一点だけ言っておくべきことがあるとすれば,最後のRandy Newmanは必要だったのかということである。ほかの曲とのトーンが違い過ぎて,バランスを崩しているような感じるのは私だけだろうか?

Personnel: Timo Andres(p), Brad Mehldau(p), Jeremy Denk(p), Randy Newman(p)

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