2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

2018年おすすめ作

無料ブログはココログ

« 2020年4月 | トップページ | 2020年6月 »

2020年5月31日 (日)

懐かしついでに「ドラゴン危機一発」ってなんでやねん?

Big-boss 「ドラゴン危機一発(”唐山大兄”)」(’71,香港)

監督:Wei Lo

出演:Bruce Lee, Maria Yi, James Tien, Ying-Chie Han, Tony Liu, Nora Miao

「日本沈没」で懐かしがっていたら,Amazon Primeにはこんなものまでありましたってことで,ついつい見てしまった。これも私は劇場で見たはずだ,あれは確か梅田にあったニューOS劇場辺りだったはずだが,「燃えよ!ドラゴン」は見てないのに,それに次いで日本で公開されたのがこれのはずで,Bruce Leeってどんな感じ?と思って見に行ったのだから,私も子供の頃から天邪鬼だったのがバレバレになる。

細かいところは全然覚えてなかったのだが,Bruce Leeに蹴られた敵役が,そのままの人間のかたちで,壁を蹴破られるところだけは完璧に覚えていた。そんなはずある訳ないやんと子供心に思った訳だが,あとは私が見た時はこの映画は確か英語音声で,Bruce Leeの怪鳥音はまだこの作品ではなかったはずなのだが,今回見た中国語版ではその怪鳥音が入っていて,そうだったっけ?なんて思っていた。これは後に広東語ヴァージョンを作るときにアドオンされたものらしいのだが,年は取ってもしょうもないことはよく覚えているものだと我ながら感心してしまった。

それこそ,この映画はBruce Leeをカッコよく見せるために作られているようなものだが,筋書きとしては何ともおおらかな展開である。だが,一体何人死ぬのかみたいなストーリーとのギャップは無茶苦茶でかい。とにかく無茶苦茶なのだ。それが香港映画って話もあるが,更に笑ってしまったのが,BGMにKing Crimsonの「太陽と戦慄Part II」が出てきたことだ。著作権コントロールは大丈夫だったのかと今更ながら思ってしまうが,まぁ適当だったのか見たいな感じである。ついでに言うと,後に「ドラゴン怒りの鉄拳」に出るNora Miaoが可愛いちょい役で出ているのも微笑ましいねぇ。でもよくよく見ると「怒りの鉄拳」と本作,ほとんどキャストが一緒じゃんって気もするが,それもAmazon Primeで見られるから,今度暇なときにでも見てみるか(笑)。

いずれにしても,今から約50年前の懐かしの映画だが,こんなの見てる暇があるんだったら,もっといい映画を見ろよとも思うが,まぁ昔を懐かしむってことで。それにしても,この映画のタイトル・ロールは笑える。皆さんもお暇ならどうぞ(爆)。星★★★。

2020年5月30日 (土)

1973年版の「日本沈没」をAmazon Primeで見た。

Photo_20200529132301 「日本沈没」('73,東宝)

監督:森谷司郎

出演:小林桂樹,丹波哲郎,藤岡弘,いしだあゆみ,二谷英明,島田正吾

Amazon Primeでこの映画が見られるようになっていたので,懐かしくてついつい見てしまった。この映画が公開された頃って,私はまだ小学生だったので,確か父と見に行ったように記憶しているが,いずれにしても劇場に見に行ったことは間違いない。まぁそれぐらい話題にはなっていた。その後,TV放映された時も見ているかもしれないが,いずれにしても,真っ当にこの映画を見るのは40年以上ぶりであろう。

先日も小松左京原作の「復活の日」をAmazon Primeで見たところだが,続けてこういう映画を見るとは思わなかったが,やはり懐かしいのである。今見ると,なんでやねん?と言いたくなるようなところもあるし,特撮も今の水準からすればしょぼいものだが,それでもそこそこちゃんと作ってあったということを改めて認識した私である。その後,2006年にリメイクされたバージョンも見ているが,今度はNetflixでアニメが放映されるそうだから,日本人ってこういう話が好きなのかと思ってしまう。「シン・ゴジラ」にしてもそうだったが,この映画を見ていると,何だか東京の街が壊滅的打撃を受けるフィクション映像に,「壊す」快感を覚えてるって気がしないでもない。

だが,小松左京が描きたかったのは,日本が沈没するというSF的な要素だけでなく,国土を失い,難民と化したその後の日本人の姿ではないかと思われるが,ここではほとんどスペクタクル的な方に力点が置かれるのは,まぁ映画的に言えば当然である。いずれにしても,みんな若いなぁと思ってしまうが,小林桂樹がキャスティングのトップだったっていうのは,今となっては意外な気もする。藤岡弘は仮面ライダーで人気が出た後だが,相当に脂っこい(爆)。

藤岡弘はさておきとして,それ以外のキャスティングは結構渋いのが特徴って気もする。こういう映画はついついオールスター・キャストにしたくなるのがプロデューサーの常だが,今にして見れば,やっぱり渋い。渋さの極致はフィクサー,渡老人を演じる島田正吾だが,滝田裕介扮する幸長助教授の出番も多いし,こういうキャスティングがむしろよかったって気もする。

ってことで,懐かしさ半分で見ていたのだが,結局最後まで続けて見てしまったってのが,私の加齢を如実に示しているな(苦笑)。星★★★☆。

2020年5月29日 (金)

Bobby Shew,いいラッパである。

Bobby-shew ”You And the Night And the Music" Bobby Shew (Atlas)

Bobby Shewは穐吉敏子~Lew Tabackinビッグバンドでの活動により,日本でも知名度は高い人だと思う。だが,このバンドの全盛期を支えたプレイヤーたちは,ビッグバンドという枠だけで捉えるのはもったいない気がしている。それはBobby Shewもそうだし,Gary Fosterもそうだと思う。Gary Fosterについては,Concordに”Make Your Own Fun"という素晴らしいアルバムを残しているし,そのほかにもいいアルバムはある。かたやラッパをリードしたBobby Shewもいろいろなアルバムがあるのだが,Tom Harrellとの”Playing with Fire"のようなナイスなアルバムもあるものの,全体的にはやっぱり地味かなぁって思えてしまう。

だが,日本制作のこのアルバムを久々に聞いてみて,実に軽快で,ワクワクするような演奏だと思ってしまった。そもそもこのアルバムはレコーディングされたのが1981年だが,私が入手したのは結構後になってからのことである。それは後年になって,"Playing with Fire"もあって,この人はいけているラッパなのではないかと思ったからにほかならない。それと同じ理由で,Bobby Shewの穐吉敏子プロデュースによる初リーダー作,"Debut"を探し回ったのも懐かしい。

全編に渡って,実に軽快な演奏が繰り広げられるが,笑ってしまうのがこのLPの帯の文言である。「ボビーに首ったけ!口あたりはビールのライム・ジュース割り。西海岸ジャズに爽やかな風を吹き込むボビー・シューの最新リーダー!」ってこっちが赤面してしまうような惹句ではないか。何を考えているのかって感じだが,それはそれとしても,結構良質な演奏を収めた佳作という評価には値するだろう。星★★★★。

Recorded on July 6 & 7, 1981

Personnel: Bobby Shew(tp, fl-h), Bud Shank(as, fl), Mike Wofford(p), Bob Magnussen(b),Roy McCurdy(ds)

2020年5月28日 (木)

Jimmy Cobbを追悼しつつ,こういうマイキーもいいねって感じである。

_20200527 "4 Generations of Miles" George Coleman / Mike Stern / Ron Carter / Jimmy Cobb(Chesky)

ブログのお知り合いのKさんがアップされていて,そう言えばこれって聞いたことないなぁってことで慌てて発注してしまったアルバムである。Jimmy Cobbが亡くなったのは惜しいが,私の今回の興味は正直言ってマイキーである(爆)。

このブログでも何度も書いてきたが,私はかなりのマイキーことMike Sternのファンである。来日すれば,ほぼ確実にライブに足を運んでいると言ってもいいぐらいだが,マイキーが全面参加しているこのアルバムに長年どうして手を出さなかったかと言えば,それは偏にRon Carterのせいである。私はリーダーとして活動するようになってからのRon Carterのベースの音が生理的に受け入れられないレベルで嫌いなのだ。なので,このアルバムもマイキーが全面的に入っていても,Ron Carterアレルギーから手を出すこともなかったのだ。ある意味それも極端に聞こえるかもしれないが,それぐらい私はRon Carterのベースの音が嫌いなのである。

しかし,今回聞いてびっくりである。さすがCheskyレーベルと言うべきか,あの下品なRon Carterのベースが極めてまともに聞こえるではないか,さすがにMilesトリビュートということもあり,遠慮したのかとも言えるし,更なるベテラン,Jimmy Cobbの前でおとなしくしたかって感じで,全然違和感がなかったのがまず大きい。

そしてここではピアノレスということもあり,マイキーの出番が多いということも私にとってはポイントは高いが,加えてGeorge Colemanが年は取ってもかなりいけているし,Jimmy Cobbの安定感もあって,Milesゆかりのナンバーばかり演奏するという,まぁありがちなプロダクションにしては,大いに楽しめるアルバムとなっていた。こういうセッティングなので,マイキーはコーラス効かせまくりというパターンで通していて,ディストーションの踏み込みはない(当たり前か?)が,それはそれでいいのである。Atlanticレーベルでの"Standards"同様の感覚でギターを弾いている。

昨今,私がテレキャスを弾く機会も減っているし,今やエフェクター・ボードなんて機能するのかさえわからないが,マイキーの音を真似て,コーラス効かせまくりで弾けば,腕はさておきそれっぽく聞こえるかもなぁと思いつつ,やっぱりこういうマイキーは魅力的だと思ってしまった。

この時のライブでは圧倒的にマイキーが若輩者ということになるが,それでもちゃんとMilesだけでなく,この時のメンツにも敬意を払ったプレイぶりってのは好感度が高かった。そういう風に楽しめたのも,Cheskyならでは音作りというか,Ron Carterを抑え込んだレコーディング技術によってもたらされたものと思う。星★★★★。いずれにしても,マイキー・ファンは必聴と言ってよいアルバムだろうな。これに続いて,私がコーラス効きまくりの"Standards"を聞いてしまったことは言うまでもない(笑)。

しかし,このアルバムが録音された"Makor"ってヴェニューは知らなかったなぁ...。

Recorded Live at Makor on May 12, 2002

Personnel: George Coleman(ts), Mike Stern(g), Ron Carter(b), Jimmy Cobb(ds)

 

2020年5月27日 (水)

追悼,Jimmy Cobb

Jimmy-cobb

Jimmy Cobbが亡くなった。Jimmy Cobbと言えば,いの一番に"Kind of Blue"となってしまうとは思うが,その後のMiles Davisのアルバムや,Wes Montgomeryとの共演盤等,記憶に残る人であった。ついこの間もWesとの"Smokin' at the Half Note"や,Sarah Vaughanの"Live in Japan,更には酷評はしたものの,Nat Adderleyの"Work Song Live at Sweet Basil"を立て続けに聞いていたのは単なる偶然か。

今年91歳になり,Roy Haynesに次ぐ高齢現役ドラマーとして活躍していただけに,この訃報は急だったが,歴史的なレコーディングだけでなく,まだNew Schoolの学生だった(かつJimmy Cobbの教え子だったらしい)Brad Mehldauを,Jimmy Cobb's Mobのメンバーとして迎え入れ活動したということだけでも私にとっては ポイントが高い。Jimmy Cobbはその後,2014年に"Original Mob"というアルバムで,久々にBrad Mehldauとの共演を果たすが,今回の訃報を受けて,Brad MehldauもFacebookに追悼のコメント(”The joy he has given me as a listener for decades and playing with him a short while, is a treasure I hold in my heart.”)を寄せている。

正直言って派手さはないのだが,Jimmy Cobbの持っていた堅実さと,的確にして適切なスイング感ってのは実は貴重だったのだと思える。

R.I.P.

2020年5月25日 (月)

わかっているPaul DesmondとわかっていないDave Brubeck。

主題を見れば,何のこっちゃとなるかもしれないが,Paul Desmondの音源を聞き直していて思ったことである。Paul DesmondはDave Brubeck Quartetのメンバーだったんだから,矛盾していると思えるかもしれない。しかし,これは私がDave Brubeckの"Bossa Nova USA"とPaul Desmondの"Bossa Antigua"を聞いていて,両者のボサノバに関する理解度に関して感じたことなのだ。

_20200524

Dave Brubeck盤を聞いていると,それっぽい曲が並んではいるものの,ボサノバに不可欠な所謂「サウダージ」を全く感じない。それは偏にDave Brubeckのピアノによるところが大きく,加えてバンドのリズムを支えたJoe Morelloのドラムスも明らかに合っていないのである。はっきり言ってしまえば,わかってない人が取り組んでみましたみたいな,居心地の悪さすら感じてしまう。そして,もう一つの決定的なミスはこのアルバムに”Trolly Song"のような曲を入れてしまうところだ。結局のところ,私にとってはこのアルバムは違和感だらけだったのである。なので,このアルバムは,いくらPaul Desmondが好きだと言っても,最後まで聞き通すことが難しいものなのだ。

Bossa-antigua その一方,Paul Desmondの"Bossa Antigua"は全然違う。やっている曲はPaul Desmondのオリジナルがほとんどなのだが,ボサノバの持つ情緒みたいなものが非常に強く感じられる。この2枚のアルバム,ベースはEugene Wrightで一緒なのだが,"Bossa Antigua"でのドラムスはConnie Kayである。Joe Morelloは合っていないと感じたのに対し,ここでのConnie Kayは実にいい感じなのだ。かつ,Paul Desmondのオリジナル曲もボサノバの本質を理解した上での曲って感じで,何の違和感もなく,実に素晴らしい。加えてJim Hallがやっぱり効いているよなぁと思うのは私だけではあるまい。

私はDave Brubeckの音楽を否定する訳ではないが,この2枚を聞くと,少なくともブラジル音楽,あるいはボサノバに対する敬意や理解という点では,Paul Desmondに全く及んでいないことが明らかになると思えた。私がPaul Desmondファンということもあるとしても,"Bossa Nova USA"は名ばかりのボサノバだとしか思えない。よって,少なくともボサノバという点では,わかっているPaul Desmondと,わかっていないDave Brubeckで明らかに勝負ありである。

2020年5月23日 (土)

Paul DesmondとMJQのノーブルな響き。

_20200521 "At Town Hall" Paul Desmond & Modern Jazz Quartet (DRG/Stet)

先日,Paul Desmondのトロント・ボックスの記事をアップしたところで,それがデリバリーされるまでにも,もう一度Paul Desmondを聞いてみようということで,久しぶりに取り出したのがこのアルバムである。

Paul Desmondにしても,Modern Jazz Quartetにしても,ジャズの一方での魅力とも言える「ゴリゴリ感」とは全く無縁な人たちである(きっぱり)。そんな彼らの唯一の共演盤が本作である。ライナーによれば,MJQは毎年,クリスマスの日にNYCでコンサートを開催していたらしいのだが,1971年,そのライブにPaul Desmondをゲストに迎えた時の実況盤がこれってことらしい。実際のライブではPaul Desmondがゲストとして登場したらしいが,演奏曲についてはPaul Desmondが選んだものだそうだ。時代を反映してか,"Jesus Christ Superstar"のような実に珍しい曲が入っている。もちろん,クリスマスのイベントということを反映したものとしても,こういう曲がジャズ界で演奏されることは稀なはずだ。

それにしても,主題に書いた通り,ノーブルな響きとなっている訳だが,そうなることは誰が考えても容易に想像できる。MJQがやっていた音楽,そしてPaul Desmondがやっていた音楽は,どう考えても「品がいい」わけで,一部のジャズ・ファンには全然受けないところもあるだろう。それでも,こういう音楽を認めれられないとすれば,それは不幸なことだと私は声を大にして言いたい。それこそ「一期一会」の演奏であったこの時のパフォーマンスだが,誰しもが期待するであろう成果を生み出しているところが素晴らしいのだ。

もちろん,先述の"Jesus Christ Superstar"やその前の"Blue Dove"とかをやるぐらいなら,ほかの曲のようなスタンダードで統一してもよかったのではないかと思えるが,そこは人気のある人たちであったから,ポピュラリティを曲の一部にも求めていたのかもしれない。"Greensleeves"はHeathとKayが参加した"First Place Again"でもやっていたから,その再演って意味もあったのだろうが,それこそ予定調和で驚きがないと言われれば返す言葉はない。だが,この演奏を聞けば,「リラクゼーション」とは何か?なんて質問に答えたくなってしまうような逸品。星★★★★☆。

Recorded Live at Town Hall, NYC on December 25, 1971

Personnel: Paul Desmond(as), Milt Jackson(vib), John Lewis(p),Percy Heath(b), Connie Kay(ds)

 

 

2020年5月21日 (木)

感涙必至! Paul Desmondのトロント音源ボックス,Mosaicよりリリース!

Paul-desmond-toronto-box 私はMosaicレーベルのメーリング・リストに登録しているはずなのだが,完全にこれを見逃していた!某日本のショップ・サイトでこのアルバム情報を知り,慌てて発注である。いろいろ考えてMosaicに直接発注したが,今は運送状況がよくないんだよなぁ...。

それはさておきである。トロントでのPaul Desmondとカナダ人トリオによる音源は,既に3種のCDでリリースされている。即ち,Horizonから出た"The Paul Desmond Quartet Live",Artist Houseから出た”Paul Desmond"(CDリリースはAISなるレーベルから),そしてTelarcから出た"Like Someone in Love"である。それらに加えて,約5時間の未発表音源を加えた7枚組ボックスがMosaicからリリースされるというのだ。この時の演奏は,私のPaul Desmond好きに加え,伴奏を務めるEd Bickertを贔屓にしていることもあり,無茶苦茶好きなのだ。これまでの3種のCDだけでも幸福感に浸れると思っていたが,何とまだまだあったということで,これを買わずに何を買う!って感じである。

私の新譜購入のペースが落ちているということは何度もこのブログにも書いているが,私にとっての天からの授かりものとでも言いたくなるような,今年最大のニュースである。Mosaicによれば,5月末には発送ということだが,高い送料を払っているので,遅滞なくデリバリーして欲しい。心底そう思えるボックス・セットである。首を長くして待つことにしよう。

2020年5月20日 (水)

Max RoachとArchie Sheppのデュオ盤:よくぞこんなものを国内盤でリリースしたものだ。

Force"Force" Max Roach and Archie Shepp(Uniteledis→Victor)

今や,海外のジャズ系のアルバムが国内盤としてリリースされるのは,よほどの売れ筋(あるいは旧譜の廉価盤としてのリリース)以外に考えられなくなってしまったように思うが,昔(LP時代)はこんなものまで出ていたのか~と思うようなアルバムまで国内盤としてリリースされていたものだ。今日取り上げるこのMax RoachとArchie Sheppのデュオ・アルバムなんて,今だったら国内盤をリリースしようなんて考える奇特なレコード会社なんてないだろう。そもそも,LP2枚組の4面中3面は"Sweet Mao"だもんなぁ。ライナーによれば,本作はフランス社会党の依頼によって,おそらく毛沢東の逝去を受けて制作されたって背景も凄いが,まだまだこの頃はMax Roachも"We Insist"的な闘士だったってことか。

Force-original さすがにビクター音楽産業もオリジナル・ジャケットでのリリースはできなかったと見えて,国内盤のアルバムのジャケは上のような渋いものになっているが,元々は右のようなデザインだったんだから,さすがにこれでは出せまいと思ってしまう。そもそも,国内盤とて,一体何枚売れたんだって言いたくなるが,それでもリリースされて,ライナーまでついて,そして私の保有盤は中古でゲットしたものなので帯なしだが,発売時は帯までついていたんだから,いい時代なのか,凄い時代なのかよくわからんという気がしないでもない(笑)。

それにしても激しい。テナー・サックスとドラムスのデュオということであれば,ついついJohn Coltraneの「惑星空間」となってしまうが,あっちのRashied Aliのドラムスはもっとパルス的だったと思うが,こっちは巨匠Max Roachである。冒頭のドラムスなんて,いかにもMax Roach的なというか,"Live in Tokyo"での"Calvery"と同様の感覚を覚えてしまうようなポリリズミックに叩きっぷりである。Archie Sheppもそれに呼応しているとは思うが,John Coltraneと比べるのは可哀想だとしても,Max Roachの方がパワーで勝ってしまっているように感じられる。それでも4曲目の""Suid Africa '76"なんて双方やり合っているて,バトル・モード炸裂である。

まぁ,それでもやっぱりこれはMax Roachの勝ちだな(笑)。ってことで,実家から持ってきて5年ぶり(!)ぐらいに聞いたが,それなりに燃えさせてもらった。星★★★★。

Personnel: Max Roach(ds), Archie Shepp(ts)

2020年5月19日 (火)

超ソリッドだった”As If..."。

As-if ”As If..." 佐藤允彦(Interface)

今や枚数も限られているレコードの棚を見ていて,おぉ,こんなんもあったなぁということで取り出したのが本作である。本作がレコーディングされたのは1985年ということで,私が会社に入った年だから,随分昔のこととなってしまったが,入手したのは中古でだったと記憶している。レーベル名がInterfaceなんてのが懐かしいが,まだInterfaceという単語が当たり前に使われるようになる前のことだよなぁなんて思ってしまう。

そもそも最近はLPをプレイバックする機会は激減しているが,このLPをプレイバックしたのも実に久しぶりで,最後に聞いたのはいつかすらも思い出せない(苦笑)。だが,久しぶりに聞いて思ったのが,この演奏,無茶苦茶ソリッドだなぁという印象である。それは冒頭の”Cajuput Trip",それもSteve Gaddのドラミングによるところが大きい。本作は佐藤允彦のライナーによると「Bill Evansに捧げる」ことが目的だったそうだが,確かにBill Evansのレパートリーは7曲中4曲やっているものの,佐藤允彦のオリジナルはBill Evans的なものからは大きく乖離したものに聞こえる。特に"Cajuput Trip"なんてそういう印象が顕著である。そして,Bill Evansのレパートリーも,ひねりが加えられていて実に面白く聞けてしまった。

一方,デジタル録音のせいかもしれないが,Steve Gaddの音は結構硬い音だなぁと思ってしまうが,比較的近い時期に制作された懐かしのManhattan Jazz Quintetでもそういう感じだったなぁ(もはやそれは保有すらしていないが...)なんて,ついつい遠い目になってしまう。しかし,いかにもSteve Gaddらしい音って気もするし,時代がこういう音を作らせたのかもしれない。Eddie GomezのベースもいかにもEddie Gomezなんで笑ってしまうが,Ron Carter同様,この人のベースの音は好きになれないのだが,このトリオならこれぐらいでもいいかと思ってしまうのが意外であった。星★★★★。

そう言えば同じ編成の"Double Exposure"ってのもCDで保有していたはずだが,どこに行ったかなぁ...。探してみるか(爆)。

Recorded in February and March, 1985

Personnel: 佐藤允彦(p),Eddie Gomez(b), Steve Gadd(ds) 

2020年5月18日 (月)

LPのプレイバックついでに,Miles Davisの12インチシングルでも。

Miles-davis-time-after-time-single"Time after Time" Miles Davis(Columbia)

LPのプレイバック環境を整えたついでに,こんなものもってことで,久しぶりに手に取ったのがこれである。なんで購入する気になったのかはよく覚えていないが,多分,このジャケって持っていてもいいだろうってことぐらいで買ったはずである。ずっと実家に置いてあったものを持ち帰ったのが去年の夏ぐらいだと思うが,それ以来放置していたもの(爆)。右の写真はネットから拝借したものだが,私が持っているものも,シュリンク・ラップにCyndi Lauperのメッセージが掛かれたステッカーを貼ったままになっている。基本的にシュリンク・ラップはすぐに破って捨てる私としては珍しいことである。

まぁ,それはさておき,A面が"Time after Time"で,B面が"Katia"である。どちらの曲も"You're under Arrest"で公開されているが,レーベルのA面が若干アルバム・ヴァージョンより長く,B面は逆に短い。正確に計測した訳ではないので,ヴァージョン違いってことで,その筋のコレクターにとっては貴重なのかもなぁってところ。「マイルスを聴け!」によれば,コンピレーション"This Is Miles! Vol. 2"に長い方の"Time after Time"が入っているようだから,稀少度は大したことはないので,やはりこのシングルはこのジャケにこそ価値があるように思えるなぁ。

演奏は既に有名なものなので,どうこう言うまでもないが,こういうシングルがリリースされていたって,なかなか面白い時代だったと改めて思った次第。収録時間も短いんだから,どうせなら45RPMにするとか,あるいはリミックス曲を入れるって考えもあるだろうが,Milesにとってはそんなことは必要なしだったってことで(笑)。

2020年5月17日 (日)

保有していることすら忘れていた”A Concert in Jazz”。

Mulligan-presents-a-concert-in-jazz "Gerry Mulligan Presents a Concert in Jazz” Gerry Mulligun(Verve)

先日,この人たちのVanguardでのライブ盤を取り上げたが,久しぶりにレコードでも聞くかってことで,プレイヤーの上にうず高く積まれたCDを片付けて,プレイバックすべく,今となっては数少なくなったLPの置き場を見て,見つけたのがこのアルバムである。あれ~,こんなの持ってた?みたいな感じだったのだが,デスクの足元に無造作に置いてあった一枚なので,そりゃ見逃しても仕方ないが,保有していることをすっかり失念していたのは実に情けない。

それでもって聞いてみたのだが,雰囲気そのものはVanguardのライブと変わらない感じだが,よりリラックスしたムードが漂っているというところだろうか。1曲目の"All About Rosie"はGeorge Russellの作編曲による組曲。こっちが勝手に思っているのだが,George Russellと聞くとついつい身構えてしまう(笑)。しかし,ここは全然難しさを感じさせない曲となっていて,大いに結構。Russellに加えて,Gary McFarland,Bob Brookmeyer,Johnny Carrisiが編曲を担当しているが,Mulliganが2曲提供しているものの,その編曲はBob Brookmeyerに任せているのは面白い。どちらかというと,リーダー業とバリトンに注力したって感じだろうか。

いずれにしても,このアルバムはゆったりした感じで,休日の午後にプレイバックするには丁度よかったってところである。逆に言うと刺激には乏しいのだが,たまにはこういうのもいいねぇってことだ。星★★★★。しかし,保有していることを忘れていては,いいとか悪いとか言う資格ないよなぁ(爆)。反省,反省。

Recorded on July 10 & 11, 1961

Personnel: Gerry Mulligan(bs, p), Nick Travis(tp), Doc Severinsen(tp), Don Ferrara(tp), Bob Brookmeyer(v-tb), Willie Dennis(tb), Alan Ralph(b-tb), Gene Quill(as, cl), Bob Donovan(as, fl), Jim Reider(ts), Gene Allen(bs, b-cl), Bill Crow(b), Mel Lewis(ds)

2020年5月16日 (土)

先日のVincent Herringつながりで,Nat Adderleyのライブ盤でも。

_20200510-4”Work Song" Nat Adderley Sextet(Sweet Basil)

先日,Vincent Herringの初リーダー作,"Scene One"を取り上げたが,その記事を書いている時に,彼がNat Adderleyのバンドにいた時の音源はなかったかなと考えていた。私の記憶にあったのが本作なのだが,これは私が買ったものではないはずだ。おそらくは私の亡き父の遺品だと思うが,父のCD棚を整理していて,我が家に持ってきたものと記憶する。そんなアルバムを久しぶりに聞いてみた。

このアルバムがリリースされたのは1990年,まだバブルがはじけていない頃である。世の中はやれメセナ(死語!)とか言って,企業が文化活動のスポンサーになったり,日本のレコード会社が海外録音を連発したりという時代であった。かく言う私がNYCに渡ったのも1990年であり,渡米できたのもバブルのおかげみたいなところもあったので,文句を言えた筋合いではないのだが,まぁそういう時代だったのだ。

本作もSweet Basilレーベルなんてのを,当時はまだバリバリで営業していたライブ・スポット,Swett Basilと日本のAlfaレコードが提携してできたレーベルだったはずで,そこからリリースされたアルバムである。プロデューサーはSweet BasilのオーナーであったHorst Liepoltと,キング・レコード出身の川島重行が共同で行っているが,ところもSweet Basilでのライブ・レコーディングである。

Sweet Basilは私が初めてNYCを訪れた1983年の段階でも人気のクラブだったが,私が在米中の90年~92年にかけても随分通ったし,Nat Adderleyのバンドのライブもそこで見たのは先日のVincent Herringの記事でも書いた通りである。NYC在住中はクラブ通いを頻繁にしていたので,何度行ったかもわからないぐらいになっているが,ストリートからはガラス張りで店の中の演奏風景が結構見えるという珍しいクラブではあった。

そんなSweet Basilでレコーディングされたこのアルバムを久々に聞いたが,ライブの様子を切り取ったと言えば聞こえはいいが,今となっては粗っぽさが目立つものと思える。特に私が気になったのはSonny Fortuneのアルトである。この時のバンドはVincent HerringとSonny Fortuneの2アルト体制なのだが,この時のSonny Fortuneのアルトは力み過ぎというか,全然コクが感じられない。はっきり言ってしまえばやかましいだけの印象しかないのである。これでは若手のVincent Herringの方がはるかに味があると言われても仕方ないような出来で,こういう演奏をリリースしてしまうのはちょっとなぁと思ってしまう。2日に渡って録音していれば,もう少しいい演奏が残っていそうなものだと思うが,これがベスト・テイクだったとすれば,バンドとしての評価は下がるとさえ言いたくなるものだ。

言ってみれば,この頃は出せば売れると思っていたのかもしれないが,今となっては黙殺してよいとさえ言いたくなってしまう駄盤であった。ライブ・ハウスで聞くならまだしも,CDという媒体で聞けば,途中で嫌気がさすほど実につまらないアルバム。亡き父には悪いが,こんなCD買っても,何回も聞いてないよねぇってところだろう。星★★。やっぱりノリがバブリーなんだよね。

Recorded Live at Sweet Basil on May 12 & 13, 1990

Personnel: Nat Adderley(cor), Sonny Fortune(as), Vincent Herring(as), Rob Bargad(p), Walter Booker(b), Jimmy Cobb(ds)

2020年5月15日 (金)

Joanne Brackeenのパワフルなピアノ。

_20200510 "Special Identitiy" Joanne Brackeen(Antilles)

久しぶりにこのアルバムを聞いたなぁと思う。実にパワフルなピアノである。今の時代,女性ピアニストだからどうこうと言うのは憚られるが,それにしてもここに収められた音楽は力感が強烈である。まぁ,バックを支えるのがEddie GomezにJack DeJohnetteなので,当然と言えば当然という気もするが,彼らも無遠慮にJoanne Brackeenに対峙したって感じである。

まぁ,Joanne Brackeenのキャリアからすれば,この人がやわな音楽をやるはずがないと考えて然るべきなのだが,半ばフリー・ジャズのような展開さえ示す部分もあり,やはりこのパワーは半端ではない。Joanne Brackeenは,あのBob JamesのTappan Zeeレーベルにおいても,”Keyed In"というアルバムを同じ編成で吹き込んでいるし,更には,私は聞いたことがないが,このトリオにJoe Hendersonを迎えた"Ancient Dynasty"なんてアルバムもあるのだから,こういう路線は彼女にとっての既定路線ということであったのだろう。但し,Tappan Zeeというレーベルのカラーからすれば,かなり異色であって,それでもBob Jamesがチャンスを与えたことには相応の意義があったと思う。

だが,Joanne Brackeenのやっている音楽としては,ややハイブラウなアルバムをリリースしていたAntillesの方がフィットしているってところだろう。しかもこのアルバムはAntillesレーベルの第1作だったところにはそれなりの意味があったはずだし,Joanne Brackeenもその期待に応えたってところだと思う。いずれにしてもしょっちゅう聞きたいと思うアルバムではないが,たまに聞くとそのスリリングな展開にはびっくりさせられるそんな一枚。星★★★★。

Recorded on December 8 & 9, 1981

Personnel: Joanne Brackeen(p), Eddie Gomez(b), Jack DeJohnette(ds)

2020年5月14日 (木)

Laura Marlingの新作が実に素晴らしい。

Laura-marling-song-for-our-daughter "Song for Our Daughter" Laura Marling

このアルバムは現物は秋口のリリースが予定されているようなのだが,コロナウイルス禍の中,逸早くストリーミングで既に公開されていて,これが実に素晴らしい。近年聞いた女性シンガー・ソングライターのアルバムでは間違いなく最高の出来と思えた。現物が出たら間違いなく購入するが,まずは皆さんに紹介しておきたい。アコースティックな感じで演じられる演奏,歌ともに最高である。間違いなく本年のベスト作候補。それぐらいいいのだ!

この人,前からいいのはわかっていたし,このブログでも既に記事をアップしているが,やはり只者ではない。

2020年5月13日 (水)

何を今更なのだが,買ってしまったTOTOのボックス。

Toto-all-in "All In" TOTO(Columbia)

私はこのブログでも何度か書いたが,TOTOというバンドの決して熱心なファンだとは言えない人間である。基本はベスト盤でいいやなんて思っていたので,保有しているアルバムは限定的なものであった。そうは言いながら2014年に来日した時のライブは非常にいい印象があったのも事実。結局好きなのだ。そんな私がネット・サーフィンをしていて,こんなボックスが出ているのかぁってことで,最近,飲みに行く機会もなく,小遣いを使う機会もない(爆)し,諸般の事情によりストレスも相当溜まっているので,まぁ無駄遣いもよかろうってことで,買ってしまったボックスである。

このボックスはColumbiaレーベル所属時のスタジオ・アルバムに東京のライブEPと,リリース当時は未発表だった”Old And New"を入れた13枚組だが,大体の音源はストリーミングでも聞けるんだから,別に買わなくたっていいじゃん!と言われたら返す言葉はない。しかし,たまにはいいのだ,こういう無駄遣いも。無駄遣いついでにeBayでとあるLPも発注してしまったのだが,それはデリバリーされたら記事にすることにしよう(笑)。

今,デビュー・アルバムから聞いているが,このバンドの持つ「ソリッド感」ってのはやっぱり貴重だったなぁと思ってしまう。聞いていて,ついついボリュームを上げたくなるって感じなのだ。正直なところ,私が音源としてある程度馴染みがあるのは1枚目,2枚目,4枚目ぐらいなのだが,それ以外のアルバムも初めて,もしくはそれに準ずるかたちで,ゆっくり聞かせてもらうことにしよう。

2020年5月12日 (火)

東京録音でもECMらしさが横溢するWolfgang Muthspielのトリオ・アルバム。

_20200510-3 "Angular Blues" Wolfgang Muthspiel(ECM)

このアルバムがリリースされて結構時間が経過しているが,なかなか記事にできていなかったものをようやくアップである。私はライナーを見るまで,このアルバムが東京で録音されたものだとは認識していなかったのだが,同じメンツで来日し,Cotton Clubに出演した際に録音されたものである。このメンツがライブをやるのであれば,私は見に行ってもよさそうなものだったのだが,当時の記事を見返してみると,丁度バングラデシュに出張していた時期とかぶっていたのであった。よって,彼らのライブには参戦していないが,ここでやっているような音楽をやっていたのであれば,見に行っておけばよかったと思っても後の祭りである( ノД`)。

冒頭から3曲はアコースティック・ギターによる演奏,その後がエレクトリックに転じるが,序盤の印象としては静謐で穏やかな響きである。ライブでこういう演奏をしていたとすれば,心地よい睡魔に襲われたかもしれないが,それは退屈を意味するのではなく,あくまでも心地よいいのである。エレクトリックに転じても印象は大きく変わらないが,5曲目の"Ride"でこれぞジャズ・ギターって響きを聞かせて,私をワクワクさせてくれた。先日,私はKurt Rosenwinkelの新譜におけるギターの音に違和感をおぼえたと書いたが,私がギターに期待する音ってのはどちらかと言えばこっちの方なのだ。今はトータルなミュージシャンとしての実力はKurt Rosenwinkelの方が上かもしれないが,私にとっては,アルバムとしてはこのWolfgang Muthspielの方が魅力的に響くのだ。これはあくまでも好みの問題であるが,結局は最後はリスナーとしての私の好みに行きつく(きっぱり)。

全体を通じて,刺激的ではないとしても,奏者3人が一体となった実にレベルの高い演奏で,久しぶりにインタープレイなんて言葉を使いたくなるような演奏を大いに楽しんでしまった。多分ライブでもこんな感じだったんだろうと思うと,ますます行けなかったのが残念である。最後の"I'll Remember April"なんかは,策を弄し過ぎというか,アンコール・ピース的に,もう少しストレートにやってもよかったのではないかと思えるところもあって,星★★★★とするが,なかなかの味わい深い佳作だと思う。おそらくはCotton Clubでの演奏が満足感が高かったため,急遽なのか計画的かはわからないとしても,ライブの熱気が冷めぬうちにレコーディングし,それをECMに持ち込んだものということだろうが,それが東京で起こったことは実にめでたいということにしておこう。

Recorded in August, 2019

Personnel: Wolfgang Muthspiel(g), Scott Colley(b), Brian Blade(ds)

2020年5月11日 (月)

今更ながらではあるが,Vic Jurisを偲んで。

_20200504-4 "Double Play" Marc Copland & Vic Juris(SteepleChase)

Vic Jurisが亡くなったのは昨年の大晦日のことであった。それから時間は経過しているので,今更ながらという感はあるが,生前の音源を聞いて,Vic Jurisを偲ぶこととしたい。

Vic Jurisの名前を知ったのは,彼がMuseレーベルにおいて,Richie Coleと共演したアルバムを,大昔にジャズ喫茶で聞いた頃ではないかと思うが,それ以降では基本的にDave Liebmanつながりって感じが強い。Vic JurisがDave LiebmanとパリのSunsideに出演しているときに,たまたま出張中だった私は彼らの演奏を楽しむことができたとともに,Vic Jurisともちらっと話をして,サインをもらったのも懐かしい。

そのほかで言うと,Bireli Lagreneと丁々発止の演奏を繰り広げるライブ盤ってのもあるが,今日のテーマである「偲ぶ」ってことからすれば,このMarc Coplandとのデュオ盤が適切だろう。Marc CoplandもDave Liebmanとの共演もあるし,そういう人脈ってところだろうが,正直言って私が愛するMarc Coplandの音楽と,Vic Jurisのやっている音楽のイメージには乖離があったのも事実であった。しかし,このアルバムは実に穏やかなギターとピアノの対話となっていて,こちらも穏やかな気分になれるという,何ともピースフルな感覚に溢れたデュオ・アルバムである。

曲はスタンダード,ジャズマン・オリジナル,ビートルズに彼らのオリジナルを加えた全10曲であるが,全編を通じて丁々発止というのとは全く別の世界の,親密度に満ちた対話が展開されていて,これはいいと思ってしまう。こういう演奏を眼前で繰り広げられたら,穏やかであるが,その美感に私は悶絶してしまうだろうという音楽なのだ。私は常々,Marc Coplandのファンとして,彼に合うのはソロ,デュオ,もしくはトリオまでの編成だと言い張っているが,ここでもデュオというフォーマットが実に美しく機能している。これでジャケがもう少しまともなら,このアルバムはもっと多くの人に認知され,愛されていたに違いないと思ってしまうが,これだけのクォリティであれば,私にとっては何の問題もない。ジャケに関して言えば,それがSteepleChaseの限界というか,ECMとの違いって気もするが,やっぱりこれは惜しいなぁ。

_20200504-5 しかし,ここに収められた音楽は本当に美しく,選曲も素晴らしい。ここでやっているMarc Coplandのオリジナル,"Dark Territory"は彼のアルバムでも度々演奏されているが,このヴァージョンにもほかの演奏と異なった魅力があった。そして全編に渡って,私の中でのVic Jurisのイメージとは異なりながら,実にいい演奏を残していたと思わせるに十分である。こんなことなら,もっとプレイバックする頻度を上げておけばよかったと,今頃になって反省し,改めて惜しい人を亡くしたと思う。パリでの思い出として,Vic JurisにもサインをもらったLiebmanのアルバム・ジャケをアップしておこう。それにしても何とも朴訥なサインだよなぁ。

甚だ遅ればせながらではあるが,R.I.P.

Recorded ㏌ March 2001

Personnel: Marc Copland(p),Vic Juris(g)

2020年5月10日 (日)

買った時の記憶が曖昧なLew Tabackinのバラッド集。渋いねえ。

_20200504-2 "My Old Flame" Lew Tabackin(Atlas→Dan)

主題の通りである。大概の場合,私はどういう状況でCDを購入したかを結構覚えているのだが,このアルバムについては,どこでどうやって買ったのか覚えていない。おそらくはまとめ買いセールの1枚にまぎれ込ませたって感じだろうと想像しているが,そういう買い方をして失礼しました!と言いたくなるような渋いバラッド・アルバムである。

私が保有しているのはCD再発盤であるが,もともとはAtlasレーベルから出ていたもの。このAtlasレーベル,Art Pepperが主役に据えたいのだが,当時のPepperの契約上リーダー作を作れず,共演者として迎えてアルバムをリリースするというのが結構あった。Sonny Stitt然り,Bill Watrous然り,Lee Konitz然りって感じである。だが,Art Pepper絡みでなくても,Bobby Shewとかのアルバムもあったが,本作も元々はそのAtlasレーベルから出ていたものが,後年CDとして再発されたもの。

改めて聞いてみると,繰り返しになるが,実に渋い。もうちょっといくと下世話になりそうな感じがない訳でもないが,このアルバムは「渋い」ところで踏み留まっていて,結構好感度が高い。驚きはないとしても,熟達のフレージングって感じだろうか。特に"More Than You Know"とか”The Man I Love"にそういうところを感じてしまう。典型的とも形容したくなるようなテナー・サックスの音が聞けるということでも,こういうのもたまに聞くにはいいかもしれないなんて思ってしまった。星★★★★。

My-old-flane 尚,このアルバムのオリジナル・ジャケットは右のようなものだが,写真の構図は一緒でも色がついているかどうかで,随分雰囲気が違うものだと思ってしまう。ジャケのセンスはどっちもどっちって気もするが,あとは好みの問題ってことで(笑)。それにしても,こういうアルバムにJoey Baronの名前を見出すのは,ある意味驚いた私であった。

Recorded on June, 1982

Personnel: Lew Tabackin(ts), Bill Mays(p), Monty Budwig(b), Joey Baron(ds)

2020年5月 9日 (土)

Vincent Herringの初リーダー作:こんなのも持っていたねぇ。

_20200504 "Scene One" Vincent Herring (Somethin' Else)

Vincent Herringが日本においてその名を知られるようになったのは,Nat Adderleyのクインテットに参加してからのことだったと思うが,元々はストリート・ミュージシャンだった彼の出世物語みたいに言われていたし,何かと言えばCannonballの再来みたいに言われていたのも懐かしい。

今から4年ほど前になるが,私は小林陽一のGood Fellowsのライブを新宿Pit Innで見たのが久々のVincent Herring体験だったのだが,彼のバップ・フレイヴァー溢れるアルトは健在だという印象が非常に強かった。よくよく思い返してみれば,彼のライブと言えば,私が在米中には今はなきSweet BasilにNat Adderleyとともによく出ていたので,何度か見に行ったような気がする。特に思い出深いのは,あれは1990年の年越しライブだっただろうか?記憶が曖昧だが,もしかすると91年だったかもしれないが,いずれにしても強烈にチャージが高かった記憶があるが,演奏はいつもながらのNat Adderley Quintetって感じだったと思う。今にしてみれば,結構いいメンツが揃っていたなぁって感じである。

昔話が長くなってしまったが,本作はそのVincent Herringの初リーダー作。吹き込んだのは日本のSomethin' Elseレーベルである。このアルバムを聞いていると,Vincent HerringがCannonball一辺倒でないということがわかる。もちろん,それはJack DeJohnetteの煽りってのもあったとは思うが,モーダルな感じでもなかなかいけていると思わせるに十分である。そして,このアルバムがNat Adderleyとの活動が本格的になるかならないかぐらいで吹き込まれているってのが,ある意味凄いことだと思える。日本での知名度を考えれば,先物買いみたいな感じってところだろうか。しかし,それに対してなかなか初リーダー作にしては健闘したってところだろう。録音当時,まだ24歳だったVincent Herringであるが,堂々たるものである。星★★★★。

今にして思えば,期待の新人って感じだったはずのVincent Herringも今や50代半ばとなったが,その後の活動は,アルバムは出しているものの,決して目立つって感じでもなかったように思える。しかし,ライブの演奏でも明らかな通り,その実力は決して侮ってはならないミュージシャンであり,これからもう一花咲かせてくれるといいなぁと思ってしまう私である。

Recorded on December 20 & 21, 1988

Personnel: Vincent Herring(as,ss), Darrell Grant(p), Bob Hurst(b), Jack DeJohnette(ds), Kris Defoort(synth)

2020年5月 8日 (金)

Kurt Rosenwinkelの新譜:演奏には文句ないのだが,ギターの音がなぁ...。

_20200503 "Angels Around" Kurt Rosenwinkel Trio(Heartcore)

Kurt Rosenwinkelがスタンダードに取り組むのは,2009年にリリースされた"Reflections"以来のことらしい。但し,ここに収めれらているのはジャズマン・オリジナルと呼ぶべきものであって,決してスタンダードと言えるほどではないかなり渋い選曲と言ってよいだろう。 それでも,一昨年にCotton Clubでトリオで演奏した時にも,本作に収められている"Panjab"や”Self Portrait in Three Colors"はやっていたから,Kurt Rosenwinkelとしては,時間を掛けて,こうした曲の演奏を熟成させていったという感じだろうか。

世の中において,Kurt Rosenwinkelへの評価が非常に高いのは承知しているのだが,実は私は彼のアルバムを手放しで絶賛って感じにはなってこなかった。例えばビッグバンドと共演した”Our Secret World"のように,演奏のレベルは高いのだが,制作姿勢に疑問を提示したりしたこともある。演奏の技術には文句のつけようがないのに,ほかに問題を感じてしまうってところなのだ。実は本作においても全く同じで,演奏には文句はないのだが,別の問題を私は感じてしまったのである。

私としても,この演奏のレベルの高さ,フレージングの見事さは納得できるのだが,私がどうしてもこのアルバムに没入できないのはKurt Rosenwinkelのギターの音ゆえである。このアタック感をそぎ落としたような音は,まるでギター・シンセサイザーを聞いているかのような感覚を生じさせてしまう。一聴して,Allan Holdsworthみたいな音だと思ったが,Allan Holdsworthは彼のやっている音楽だからこそ,あれでいいと思う。その一方で,私はジャズ・ギターの魅力は,ピッキングやフィンガリングによって生まれるギターの音そのものにもあると思っているので,こういう音はイメージが違うのだ。それは私がKurt Rosenwinkelの全面的な支持者でないということもあるが,どうもこの音は曲に合っていると思えないし,はっきり言って好かん(きっぱり)。

トリオとしては優れた演奏だと思えるが,ギターのサウンドだけで,少なくとも私にとっては魅力が下がってしまったというところであり,私はこれを聞くなら,同じトリオ演奏でも,"East Coast Love Affair"や"Reflections"を聞く方がいいのではないかと思っている。演奏のレベルとサウンドを合算して星★★★☆ってところとだが,どうも私にとってはKurt Rosenwinkelって相性イマイチなのかなぁと思ってしまう。正直言ってしまうと私にとってのジャズ・ギタリストとしての魅力は,Jonathan Kreisbergの方が上だと感じられ,それが相性ってものだと思う。

Personnel: Kurt Rosenwinkel(g),Dario Deidda(b), Greg Hutchinson(ds)

2020年5月 6日 (水)

ついに「パルプ・フィクション」を見た。

Pulp-fiction「パルプ・フィクション(”Pulp Fiction")」(’94,米,Miramax)

監督:Quentin Tarantino

出演:John Travolta, Samuel L. Jackson, Bruce Willis,Uma Thurman, Ving Rhames, Harvey Keitel, Chrsitopher Walken

私はQuentin Tarantinoの映画は完全に後追いになっていて,初めて見たのが何と「ジャンゴ 繋がれし者」を劇場で見た時という体たらくであるが,その後の映画は劇場に見に行っているものの,「キル・ビル」を見たのも最近のことだ。しかし,Tarantinoの最高傑作と言われている「パルプ・フィクション」はなぜかDVDもBlu-rayも廃盤のようで,中古でDVDをようやくゲットして初めて見たのである。

この映画がカンヌでパルム・ドールを取ってしまうってのも凄いなぁと思うようなストーリー(批判もあったようだ)だが,時間の流れをシャッフルしながら,起承転結を作り出した脚本ゆえってところが感じられる。

見ていて,エンタテインメント性もあれば,Tarantinoらしいエグい表現も出てくるが,エグさはそれほどでもないし,かなり笑える。そして登場してくるキャラが,どうすればこんな個性的なキャラを考えられるのかのようなものとなっているのが,実に愉快であった。これはやっぱり星★★★★★だろうな。こういうストーリーを作り出せるQuentin Tarantinoのイマジネーションの勝利ってところ。

2020年5月 5日 (火)

元祖ヘタウマ? Nick DeCaroの”Italian Graffiti”。

_20200501-2"Italian Graffiti" Nick DeCaro(Blue Thumb→MCA)

私が初めてNick DeCaroの名前を見たのは,おそらくDoobie Brothersの"Stampede"を買った時なので,私が高校生の頃ではないかと思う。そこで確かNick DeCaroはアレンジャーとしての参加だったはずだが,そのNick DeCaroがアルバムを吹き込んでいるということを知ったのもおそらくその前後か,あるいはずっと後になってからであったと思う。

しかし,このジャケットである。よく出来たアルバムという評価は聞いていても,なかなか購入意欲が高まらないこと甚だしい訳だが,ようやく中古でゲットしたのがいつだったかは覚えていない。多分,町田在住時代に当時町田に大規模店舗を構えていたレコファンで購入したと思う。それはさておきであるが,このアルバム,最初に聞いた時はあまりピンと来ていなかった,何だかヘタウマだよなぁってぼ~っとしながら聞いていた記憶があって,プレイバックするのも久しぶりであった。

今回,久しぶりに聞いてみて,改めてプロデュースがTommy LiPumaだったことに気づく私であったが,なるほど,Michael Franksの源流はこの辺りだったかもと思ってしまった。今となっては元祖AORみたいな言い方もされるとしても,1974年にはこういう音楽は新鮮だったのかもしれないという感じである。

それにしても,この風貌からは想像もできないような声で歌うNick DeCaroであるが,バックの演奏とも相まって,今の耳で聞く分にはほとんど違和感はない。ただ,繰り返しになるが,歌は決してうまいとは言えないので,やはりヘタウマの世界である。その一方でこのアルバムのキモは選曲ではないかと改めて思ったのだが,Joni Mitchellの”All I Want"をやっているなんて全然認識していなかったのだから,私がいかにいい加減な聞き方をしているかがバレバレではないか(苦笑)。しかし,基本カヴァー曲で構成されているこのアルバムにおいて,どんな曲でも一貫してAORライクに仕立てるところはある種の哲学を感じると言ってもよい。それが世評につながっていると思えた。星★★★★。

ついでながら,このアルバムのバックの面々は派手さはなく,結構渋いなぁと思った私である。

Personnel: Nick DeCaro(vo, key, arr), Arthur Adams(g), David T. Walker(g), Wilton Felder(b), Max Bennett(b), Paul Humphrey(ds), Harvey Mason(ds), Bud Shank(fl, as), Plas Johnson(as) 

 

2020年5月 4日 (月)

”Backstreet”でレイドバックする。

_20200501 "Backstreet" David Sanborn(Warner Brothers)

コロナウイルス禍により,今年のゴールデン・ウィークは全くいつもと違う感じになってしまっている中で,久々に取り出したのがこのアルバムである。思い返せば,David Sanbornのアルバムが一番売れていたのがこの前後って感じだと思うが,本作とて,リリースからもう35年以上経ってしまったというのが信じられない。まさに"Time Flies."と思ってしまうのは,私の加齢ゆえか(苦笑)。

私にとってのDavid Sanbornの最高傑作はライブ盤,"Straight to the Heart"であることは,今も昔も変わりないのだが,それに先立つのが本作で,この前がヴォーカルやソプラノをフィーチャーした,David Sanbornとしてはやや異色とも思えた”As We Speak(ささやくシルエット)"だが,実は私の中では前後の2作に比べると,このアルバムは打ち込み感が強くて,イマイチ思い入れが少なかったものなのだ。だから,結構プレイバック回数は少なかったというのが実態である。ただ,私の中では,David Sanbornのアルト・サックスの歌心が表れる曲調が多いのではないかと思うアンビバレントな感覚もあったのも事実である。

久しぶりに聞いてみて思ったのは,曲調については今まで思っていた感覚と違いはなく,Sanborn節とでも言うべきフレーズ満載であった。そして私が感じていた「打ち込み感」はやはり相応に感じられたものの,これってよくよく振り返ってみれば,Miles Davisの"Tutu"とプロダクションが似ているってことである。私はもっとMichael Colina感が強かったと思っていた(単なる思い込み)のだが,バック・トラックはかなりの部分をMarcus Millerが作り込んでいるからだ。

そして,大半を占めるミディアムもしくはミディアム・スローでの演奏は,ついついレイドバック感が高まってしまい,休日をまったり過ごすにはぴったりであった。私ならアップ・テンポの曲は排してもよかったのではないかとさえ思ってしまうそんな作品である。売れて当然と思えるし,時間が経過しても,そんなに古臭さを感じさせないのは立派。星★★★★。

それにしても,最後に収められたGladys Knight & the Pipsの"Neither One of Us"はたまりまへんなぁ。これぞDavid Sanbornの真骨頂である。

Personnel: David Sanborn(as, ss), Marcus Miller(b, el-p, p, synth, g, perc, vo, vocoder), Michael Colina(synth, p, vocoder), Huram Bullock(g, el-p, synth-b), Steve Gadd(ds), Ralph McDonald(perc), Buzz Feiton(g), Luther Vandross(vo), Tawatha Agee(vo), Yvonne Lewis(vo), Barry Johnson(vo)

2020年5月 3日 (日)

これも私にしては珍しいアルバム:Chris ConnorとMaynard Fergusonの共演盤。

Double-exposure "Double Exposure" Chris Connor & Maynard Ferguson(Atlantic)

これまでもこのブログには書いている通り,私はジャズ・ヴォーカルとビッグバンドに関しては,一部の例外を除いて大して聞いてきた訳ではない。今日取り上げるのは,ビッグバンドをバックにしたヴォーカル・アルバムということで,このブログには滅多に登場しないタイプの音楽である。こういう音楽がアップされるのも,私の単なる気まぐれということもあるが,コロナウイルス禍に伴う閉塞状況による音楽鑑賞環境の変化による部分によるところが大きい。

それはさておきである。Maynerd Fergusonと言えば,後の「アメリカ横断ウルトラクイズ」で使われた"Theme fron the Star Trek"でもお馴染みの「成層圏トランぺッター」である。ハイノートばかりが言われることが多いMaynerd Fergusonではあるが,私はEmarcyレーベルの彼のアルバム”Around the Horn with Maynard Ferguson”とか結構好きなのだ。まぁ,ちょっとハイノートについてはやり過ぎの部分はあるのだが,醸し出されるスイング感は楽しかった。

そのMaynard Fergusonが歌の伴奏をやるとどうなるのかってところに興味が湧くが,やっぱりやり過ぎである(苦笑)。Chris Connorというスター歌手と,一方で人気者であったMaynard Fergusonのコラボ・アルバムということであるから,対等に目立つ(それこそ"Double Exposure"である)必要はあるというのはわかるとしても,やはりここはもう少し控えめでもよかったのとちゃうんかい!とも言いたくなる。

まぁ,それでもChirs Connorもまだまだ絶頂期と言える時期の共演だけにそれ相応に楽しめるアルバムとはなっている。Chris Connorは極めて真っ当に歌っているし,バックもアンサンブルで盛り上げる分にはいいと思うが,やはりMaynard Fergusonのやり過ぎ感が過剰で,そこが評価の分かれ目って気がする。私にとってはやはりやり過ぎなので,全面的に評価しにくいアルバムと言ってよいだろう。まぁ,Peggy Leeの十八番,"Black Coffee"のChris Connor版が聞けるとかのポイントはあるが,星★★★☆程度ってのが妥当だろうと思う。

Recorded on December 5 & 14,1960 and on January 23, 1961

Personnel: Chris Connor(vo), Maynard Ferguson(tp, tb, fr-h), Chet Ferretti(tp), Eolf Ericson(tp), Rick Kiefer(tp), Bill Berry(tp), Ray Winslow(tb), Kenny Rupp(tb), Joe Farrell(reeds), Willie Maiden(reeds, arr), Frank Hittner(reeds), Lenny Morgan(reeds), Jacky Byard(p), Charlie Sanders(b), Rufus Jones(ds), Don Sebesky(arr)

2020年5月 2日 (土)

これは凄い! Steve Grossmanの完全ディスコグラフィ。

Grossman-discography

昨年惜しまれつつ閉店したテナーの聖地ことBar D2には,大変長きに渡ってお世話になった私である。Bar D2の閉店後の私の生活パターンは,ある意味拠り所(寄り所? 寄り道所?)を失ったようなもので,すっかり変わってしまったと言ってもよい。だが,マスターの河上さんのテナー・サックスに関する見識にはいつも感心させられ,何枚ものCDをお店から発注した私としては感謝の念しかない。とにかくSteve Grossman,Dave Liebman,Jerry Bergonziの品揃えは凄かったのも懐かしい。

そんな河上さんが,Steve Grossmanのディスコグラフィをまとめられて,Webにアップされているのだが,これがその網羅性からして完璧と言ってよい素晴らしいものとなっている。これは多くの人に知らしめなければならないということで,本日のご紹介である。ここまで来たら,一枚一枚コメントをつけて頂いて,「グロスマンを聴け!」として書籍化,出版して頂きたいと思うのは私だけではないだろう。但し,何部売れるかは保証できないが...(爆)。

ご関心のある方,ない方に関わりなく,このサイトを拝見するのはまさに眼福である(https://takej2019.amebaownd.com/)。マジで凄いでっせ。

« 2020年4月 | トップページ | 2020年6月 »

Amazon検索ツール

2019年おすすめ作