この作品こそオスカーに値すると思った「1917 命をかけた伝令」。
「1917 命をかけた伝令("1917")」('19,米/英/印/西/加,Universal)
監督:Sam Mendes
出演:George MacKay,Dean-Charles Chapman,Mark Strong,Colin Firth,Benedict Cumberbutch,Richard Madden,Claire Duburcq
久しぶりに映画館に映画を見に行った。今年のオスカー・レースでは本命に推す声も強かった映画であり,上映が終わる前にそれを確かめる意味もあったが,これが実に素晴らしい映画であった。
この映画は,全編の各パーツをワンカットで撮影という実にチャレンジングな映画である。こうしたチャレンジを行ったのはあのAlfred Hitchcockの「ロープ」ぐらいしか私には思い浮かばないが,そうした「映画的」な試みに加えて,ドラマ性も十分であり,私にとっては「パラサイト 半地下の住人」よりこっちを圧倒的に支持したくなってしまったのであった。そして,主役のGeorge MacKayとDean-Charles Chapman以外の役者は出番は少ないにもかかわらず,その各々が記憶に残ってしまうという演技陣も立派なのだ。
また,どうやって撮影したのかと思わせるに十分なRoger Deakinsは,オスカーの撮影賞を獲って当然と思わせる。この人,「ブレードランナー 2049」も凄かったが,今回は更に輪をかけて凄い技術力である。これには誰も文句も出まい。撮影技術だけでなく,私にとってはこれこそ映画の真髄みたいなところを感じさせ,オスカーの作品賞はこの作品に与えられるべきだったと,映画を見ながらずっと思っていた。
もちろん,これっておかしくない?と思わせるシナリオにはちょっとした穴もある。だが,それを上回る感動や緊張感,そして戦争の虚しさを感じさせるところがこの映画にはあった。実に優れた映画として星★★★★★。これぞ映画を見る至福であると感じさせた傑作。
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