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2020年3月30日 (月)

久々に聞いたDon Randi。

_20200327 "Where Do We Go from Here" Don Randi Trio(Verve)

新型コロナウィルス感染拡大を受けて,仕事は在宅勤務,週末は不要不急の外出は自粛なんて生活を送っていると,休日は音楽でも聴きながら読書に励むって感じだ。そういう時に何を聴こうかって考えると,日頃あまりプレイバックしていないアルバムについつい手が伸びる。このアルバムを聴くのも実はいつ以来か?みたいな感じだが,それでもこのアルバムはしぶとく一軍半の棚には残っているからまだましなのだ。

それでもってこのアルバムだが,読書しながら聞き流すには結構よかった。刺激的ではないが,軽くバウンスするピアノ・トリオは軽快なので,読書の邪魔にならないのである。収録時間も37分弱って尺も何ともいい感じだが,こんな曲をやっているのかぁなんて思わせる展開も結構面白く聞けた。"Waltzing Matilda"をワルツにしない演出とか,ラテン・タッチの"I Love Paris"とか,何ともユニークである。ただ"I Love Paris"はCole Porterの曲ではジャズ化されることが比較的少ないのは,この曲調によるところ大だろうなぁとついつい思ってしまうのも事実だが...。「枯葉」もここでのアレンジは私の琴線に触れるものではないところは惜しい。一言で言えば陰影に乏しい。

だが,軽快なピアノ・トリオであることは前述の通りであり,アルバムを聴いていて,この軽快さを支えているのはLeroy Vinnegarのベースではないかと思っていた私である。このボトムがあってこそのこのサウンドというのは多分間違いないところだと思う。もちろん,Don Randiのピアノもなかなかいい感じであることはもちろんだが,この人はどちらかと言えば,後にLAにBaked Potatoをオープンしたことの方が,実は現代の音楽シーンへの貢献としては大きいのかなぁってのが正直なところである。

私が保有しているCDは,今はなきスウィング・ジャーナルによって,名盤蒐集クラブの1枚として再発されたものだが,名盤ってほどのものではなく,秘かに愛すればいいというアルバムの方が適切と思える。ってことで,星★★★★ってところ。

Recorded on January 31 and February 1, 1962

Personnel: Don Randi(p), Leroy Vinnegar(b), Mel Lewis(ds)

2020年3月29日 (日)

超アンビエント!Fripp & Enoの"Evening Star"。

_20200326-2 "Evening Star" Fripp and Eno (Island→Opal/DGM)

このアルバムがリリースされた当時,King CrimsonのRobert Frippと元Roxy MusicのEnoが一緒に音楽をやったらどうなるのかと思うのが人情ってものだろう。当時でなくても,この音楽を聞いたことがないリスナーはそう思うはずである。だが,出てくる音楽は二つのバンドの音楽とは全く異なる完全なアンビエント・ミュージックである。

後のEnoの活動を考えれば,こうした音楽をやること自体には,今にしてみれば違和感はない。しかし,Robert FrippのKing Crimsonでの音楽を考えると,もはや対極とでも言うべきこの音楽は,King Crimsonファンにとっても,一般のリスナーにとってもかなりハードルが高いだろう。いつもであれば,よりメカニカルな響きを持つRobert Frippのギターがエフェクト的なサウンドとなっているのだから,これは普通驚くよねぇ。それでも聞いていれば,これはやっぱりFrippの「音」だと思ってしまうところが,Robert Frippたる所以なのだが(笑)。

ここでの音楽をどう評価するかというのは実に難しく,私としても実は星のつけようがないというのが実感である。なぜならば,これはアンビエント・ミュージックであって,環境と同化してこそのアンビエントだ。よって,音楽を意識しないことこそが重要なのではないかと思えるのだ。そうは言っても,後半の"An Index of Metals"には不穏な響きも感じ取れるので,完全環境同化って感じでもないので,その辺はちょっと微妙。

尚,冒頭のno"Wind on Water"の一部にはライブ音源が使われているが,眼前で彼らの演奏を見た聴衆はどのような反応を示したのか実に興味深い。私だったら何も知らずに観に行っていたら,松田優作ではないが,「なんじゃこりゃ~!」と叫んでいたかもしれない(爆)。

ということで,このアルバムについては悪い意味でなく,採点不能というのが正直なところである。しかし,このジャケは素敵だよねぇ。

Personnel: Robert Fripp(g), Eno(loops, synth)

2020年3月28日 (土)

成熟度が高まっていたEmily RemlerのConcordレーベル最終作。

_20200326"East to Wes" Emily Remler(Concord)

昨日,Concordレーベルでの第1作"Firefly"を取り上げたEmily Remlerだが,本日は一緒に入手した彼女のConcordレーベル最終作"East to Wes"である。タイトルからもわかる通り,Wes Montgomeryを意識していることは間違いないが,これまた正統的ジャズ・ギター・アルバムとして大いに楽しめるが,ここで感じられるのはギタリストとしての成熟具合である。

一聴して,"Firefly"よりも音楽がこなれているというか,ややコンテンポラリーな味付けも施した部分もあり,幅の広がり,あるいはギタリストとしての成長を感じさせる。"Firefly"からは7年程度しか経過していないが,Emily Remlerは確実に深化していたことを考えると,このアルバムからの2年後の早逝は惜しまれるところである。

タイトル・トラック“East to Wes"はまさにVerve後期,もしくはCTI時代のWes的な曲調と言ってもよいかもしれないが,そのほかの曲も含めて全面的にWes的かというとそうでもない。アルバムには"Blues for Herb"という曲もあり,それは彼女をシーンに紹介したと言われるHerb Ellisに捧げられている訳で,いろいろなタイプのギタリストのテイストを受け継いでいるとも言える。だが,このアルバムにおいて,非常に魅力的に響くのは,彼女のフレージングはもちろんなのだが,様々な曲を彼女の色に染めるそのアレンジメント能力が光っている。

例えば,モダン・ジャズにおける超有名曲"Softly as in a Morning Sunrise"をちょっと変わったアレンジでやっているところに,彼女のセンスが感じられる。奇をてらった訳ではないのだが,一瞬面くらいながら,これもありだと思わせる展開なのだ。Nat Hentoffのライナーによれば,より「ギタリスト的な」感じを狙ったとあるが,ちょいとそれはわかりにくいとしても,ピアノでやっているのとは結構違いがあるのは確かだ。そうした個性も発露しながらの演奏は実にレベルが高く,"Firefly"より更に楽しめるというのが実感。星★★★★☆。

Recorded in May, 1988

Personnel: Emily Remler(g), Hank Jones(p), Buster Williams(b), Marvin "Smitty" Smith(ds)

2020年3月27日 (金)

久しく入手困難だったはずのEmily Remler盤を結構あっさり入手(笑)。

_20200325 "Firefly" Emily Remler(Concord)

中古盤屋等でも結構高値がついていたはずのEmily Remlerのアルバムなのだが,なぜかConcordレーベルでのデビュー作である本作と,レーベル最終作の"East to Wes"が新品であっさり手に入ってしまった。日頃手に入りにくいことがなければ,手を出していたかは微妙なのだが,ここで買っておかないと,今度はいつお目に掛かれるかわからんということで発注したもの。でも,多分再発されたってことなんだろうなぁと勝手に想像している私であるが,もしかするとデッドストック品かもしれない。

この人が出てきた時は,女性ギタリストということもあって,相当注目されていた記憶もあるのだが,1990年に32歳という若さで亡くなってしまったのは惜しかったと思う。早死にはどうもオーバードーズが原因らしいが,その辺でジャズ・ミュージシャンの王道を歩まなくてもよいものをと思ってしまう。1985年にはDownBeatの国際批評家投票で,ギタリスト部門のウィナーになっていたようなので,将来を嘱望されていたことは間違いないだけに尚更惜しいのだ。

ジャケの写真を見てもらえばわかるが,このアルバムリリースされた当時は23~4歳ぐらいってことで,キュートな感じのする女性である。だが,出てくる音は完全な正統派ジャズ・ギターである。そのギャップが面白いって言えば面白いが,ここでは実にうまいオクターブ奏法も交え,まさに堂々と王道を行っているのは大したものである。実に王道を行っているものだから,驚きというのはないかもしれないが,非常によくできたデビュー・アルバムだったと言ってよい。Jonathan Kreisbergがいかにもコンテンポラリーな感覚だったのに比べると,実にコンベンショナルな感じだが,こういうジャズ・ギターの音って和むよねぇ。ってことで星★★★★。

Recorded in April, 1981

Personnel: Emily Remler(g), Hank Jones(p), Bob Maize(b), Jake Hanna(ds)

2020年3月26日 (木)

実にスリリングな出来のJonathan Kreisbergのライブ盤。

_20200323 ”Capturing Spirits - JKQ Live!" Jonathan Kreisberg(New from Now)

Jonathan Kreisbergは一昨年にDr. Dr. Lonnie Smithのバンドと,自身のバンドでのライブを見ているが,そのテクニックの確かさには驚かされたものである。だからと言って,彼のアルバムを追っかけている訳でもないのだが,それでも私の中では注目に値する人の一人であることは間違いない。そのJonathan Kreisbergの自己のクァルテットによるライブ盤がリリースされたのだが,ストリーミングで音を聞いていて,そのカッコよさに思わず媒体も発注してしまった私である。アルバムとしては昨年リリースされていたようだが,ここでは新譜扱いとさせて頂こう。

ここでは全7曲中,最後の"Body And Soul"を除く6曲がJonathan Kreisbergのオリジナルであるが,そのどれもがリーダーのテクニシャンぶりと相まって,私を興奮させたと言ってよい。とにかくうまいよねぇと思ってしまうが,ライブの場でも普通にプレイしているようで,なんなんだこれは?と思わせるようなフレージングを繰り出してくるのだ。私もギタリストの端くれ(とか言いながら,最近は全然弾いていない)であるが,ギタリスト的な観点で聞いても,これは実にいいのではないかと思わせるのである。

特に冒頭の"The Lift"からしてそうした感覚が強いが,Jonathan Kreisbergの書くオリジナルがいろいろな曲調を持っていて,作曲能力も侮れないと思わせる。だが,それよりもやはりこの人のフレージングこそがキモだと言いたい。やっぱりうまいわ。

バックのメンツで唯一馴染みの薄いのがピアノのMartin Bejeranoだが,この人もRoy HaynesやRussell Maloneとやってきたというキャリアが実証する通り,かなりの実力者と聞いた。こうした共演者の好演とも相まって,実にスリルに満ちたライブ・アルバムが生まれたと評価したい。そうした中で,最後に収められた"Body And Soul"が,何とも言えぬ歌心を感じさせてまたこれがよいのである。実力が十分に発揮されたというのはこういうことだろう。星★★★★☆。今後にますますの期待を掛けたくなるJonathan Kreisbergである。

Recorded Live at Jazz Schmiede, Dusseldorf, Germay on March 15, 2019

Personnel: Jonathan Kreisberg(g), Martin Bejerano(p), Matt Clohesy(b), Colin Stanahan(ds)

2020年3月25日 (水)

Charles Lloyd,やはりこの人は化け物だ。

Charles-lloyd-8 "8" Charles Lloyd(Blue Note)

昨年9月の来日時に私を落涙させたCharles LloydのKindred Spiritsであるが,彼らによるライブ・アルバムがCD+DVDのフォーマットでリリースされた。ここ数年のCharles Lloydは,優れたメンツを従えて,アルバムを出すたびに私はそのその年のベスト・アルバムの1枚に選んでいるような気がする。それほど気力も創造力も充実していると感じさせるが,この人が既に82歳だとは全く信じられない。主題の通り,まさに化け物である。

Kindred Spiritsというバンドにおけるポイントは,私はライブにおいてはGerald Claytonだったと思っているのだが,このアルバムではそのクレジットを記載漏れするというとんでもないミスをしている。写真も掲載されているし,"Appears Courtesy of ..."の記述もあるから,本当に単なるミスである。こういうのも珍しいと思うが,Blue Noteレーベルらしからぬミスではある。

このアルバムにおいてはJulian Lageの活躍が目立っているが,それでもGerald Claytonの存在感が薄いということではなく,いい仕事をしている。"La Llorona"のピアノなんて,実にいいと思う。しかし,それ以上にCharles Lloyd御大の充実度が素晴らしい。メンツに恵まれているって話もあるが,全く音楽に「老い」というものを感じさせないのだ。音色はいつものCharles Lloydだが,このフレージング,まさに見事としか言いようがない。まぁ,このどう見ても購買意欲の高まらないジャケはどうなのよってのはさておき,この音楽の質を聞かされては何の文句も出ない。息子,あるいは孫と言ってよいような年代のバックのメンツから,精気を吸い取っているのではないかと思いたくもなるような演奏なのだ。まさに驚くべき老人である。

こんな演奏をされたら,星★★★★★以外つけようがないではないかと言いたくなるようなアルバムである。DVDは未見だが,そのうち見ようと思う。だが,音だけで満足できることは言うまでもない。

Recorded Live at the Lobero Theater on March 15, 2018

Personnel: Charles Lloyd(ts, fl), Julian Lage(g), Gerald Clayton(p), Reuben Rogers(ds)

2020年3月24日 (火)

追悼,Peter Serkin。

Peter-serkin-bw

昨日のAnna Gourariの記事にも書いたのだが,私を本当の意味で,現代音楽,特にピアノ音楽に誘ったのはPeter Serkinだったと言ってよい。もちろん,現代音楽に限らず,Peter Serkinはバッハの音楽においても優れたアルバムを残しているし,それも私は長年愛聴してきた。2017年にはすみだトリフォニー・ホールで「ゴルトベルク変奏曲」を聴いている(その時の記事はこちら)。

そんなPeter Serkinの訃報(2/1逝去だったらしい)を知ったのはつい最近のことであった。昨年の来日公演がキャンセルされたのはよほど体調が悪かったが故と思われるが,本当に惜しい人を亡くしたという思いである。そうは言っても,Peter Serkinも既に72歳となっていて,いつまでも若いイメージを持っているのはこっちだけだよなぁというのは,すみだトリフォニーでも思っていたことである。

遅ればせながら,彼を追悼するには何がいいだろうと思って,取り出したのがメシアンの「アーメンの幻影」であった。高橋悠治とのデュオによるこの演奏をレコーディングしたのがほぼ半世紀前。当時から才気に溢れたピアニストであったと想像させるに十分な演奏である。また,そこに追加されている「鳥のカタログ」からの第7曲,「ヨーロッパヨシキリ」も実に素晴らしい演奏で,ますます惜しい人を亡くしたと思ってしまった私である。

現代音楽は難しいと思わせる面があるのも事実だが,そうしたイメージを払拭し,心に響く音楽,あるいは純粋に身を委ねればいい音楽なのだとわからせてくれたPeter Serkinには改めて感謝したい。

R.I.P.

2020年3月23日 (月)

Anna Gourari:ECM New Series得意のパターンだが,こういうのにはまるのだ。

_20200321"Elusive Affinity" Anna Gourari(ECM New Series)

以前にも書いたように,私はECMの結構なファンだが,ECM New Seriesまではなかなか全面的にフォローできていない。ReichやSchiffのアルバムは例外として,そのほかで買うのは若干の例外はありつつも,ほぼ現代音楽系のピアノ音楽に限定と言ってもよい。私はPeter Serkinのピアノを通じて,現代音楽のピアノに目覚めさせられたと言ってもよいが,ECM New Seriesからリリースされるピアノ音楽は,ストレートに私に訴求してくるのだ。なので,このアルバムも後追いで買ったものだが,やっぱりはまってしまう魅力があった。

ECM New Seriesではこのブログにおいては,最近ではAlexei Lubimovの"Der Bote"を取り上げた(記事はこちら)が,そこでもバロックと現代音楽が混在するプログラムであった。まさにこういうプログラムは,リサイタルのプログラムならありえようが,レコーディングとしてはECM New Series以外ではありえないものだと思っている。本作においても同様で,冒頭と最後にバッハ編曲によるヴィヴァルディとマルチェッロを配置し,その間に現代音楽曲を挟み込むというものなのだが,これが実に心地よい。結局のところ,私は現代音楽のピアノの響きが好きな訳だが,そうした私の嗜好にストレートにフィットしてしまった。

なかなかこういう音源まで追い切れないのは歯がゆいが,それでもちゃんと聞くことができてよかったし,春先のまったりした気分の中で,涼やかな気分さえ味合わせてくれたと言っては言い過ぎか。おそらくこれからもこうしたアルバムはリリースされ続けると思うが,それを見逃さないようにしたいものである。反省も込めて星★★★★★としてしまおう。いやぁ,ええですわ。

Recorded in January 2018

Personnel: Anna Gourari(p)

2020年3月22日 (日)

この作品こそオスカーに値すると思った「1917 命をかけた伝令」。

1917 「1917 命をかけた伝令("1917")」('19,米/英/印/西/加,Universal)

監督:Sam Mendes

出演:George MacKay,Dean-Charles Chapman,Mark Strong,Colin Firth,Benedict Cumberbutch,Richard Madden,Claire Duburcq

久しぶりに映画館に映画を見に行った。今年のオスカー・レースでは本命に推す声も強かった映画であり,上映が終わる前にそれを確かめる意味もあったが,これが実に素晴らしい映画であった。

この映画は,全編の各パーツをワンカットで撮影という実にチャレンジングな映画である。こうしたチャレンジを行ったのはあのAlfred Hitchcockの「ロープ」ぐらいしか私には思い浮かばないが,そうした「映画的」な試みに加えて,ドラマ性も十分であり,私にとっては「パラサイト 半地下の住人」よりこっちを圧倒的に支持したくなってしまったのであった。そして,主役のGeorge MacKayとDean-Charles Chapman以外の役者は出番は少ないにもかかわらず,その各々が記憶に残ってしまうという演技陣も立派なのだ。

また,どうやって撮影したのかと思わせるに十分なRoger Deakinsは,オスカーの撮影賞を獲って当然と思わせる。この人,「ブレードランナー 2049」も凄かったが,今回は更に輪をかけて凄い技術力である。これには誰も文句も出まい。撮影技術だけでなく,私にとってはこれこそ映画の真髄みたいなところを感じさせ,オスカーの作品賞はこの作品に与えられるべきだったと,映画を見ながらずっと思っていた。

もちろん,これっておかしくない?と思わせるシナリオにはちょっとした穴もある。だが,それを上回る感動や緊張感,そして戦争の虚しさを感じさせるところがこの映画にはあった。実に優れた映画として星★★★★★。これぞ映画を見る至福であると感じさせた傑作。

2020年3月21日 (土)

休日にZoot Simsでなごむ。

_20200320"Zoot Sims in Paris" Zoot Sims (Ducretet-Thomson)

世の中はコロナウィルス感染拡大が世界的に問題になっているが,季節は移り,まさに春本番というような気候になってきた。こういう時に何でも自粛ってのもどうかと思うが,家でくつろぐのもまたよしということで,こういう時に何を聞こうかなということで取り出したのがこのアルバムである。

Zoot Simsには"In Paris"ってアルバムがもう1枚United Artists盤があるが,稀少度ではおそらくこっちが圧倒的。かつ私が保有しているのは4曲ボートラ入りのCDだが,これも結構手に入りにくい(はず)。そしてこのアルバム,人気を裏付けるようなかたちで,澤野商会から10インチLPもリリースされた(なぜか私も保有している。あぁ,無駄遣い...)。Zoot Simsのいいところは,大体は洒脱なスイング感に溢れた演奏をしてくれるところで,安心して聞けてしまうところだと思う。まさに肩ひじ張らずに聞けるという点では,実にポイントが高い。私はZoot Simsのアルバムをそれほど保有している訳ではないが,どれを取っても同じような感覚を与えてくれる。

まぁ,ここでの演奏は突然フェードアウトされる曲もあったりして,なんでやねん?とつっこみたくなるのだが,それでも演奏の質は保証できると言ってよい。そして,このジャケである。雰囲気あるよねぇと一人ニヤニヤしながら聞いていた私であった。歴史に残るとかそういうアルバムではないとしても,身体がこういう音楽を欲する時もあるのだ。星★★★★。

Recorded on March 15 & 16, 1956

Personnel: Zoot Sims(ts), Jon Eardley(tp), Henri Renaud(p), Eddie de Haas(b), Charles Saudrais(ds)

2020年3月19日 (木)

McCoy Tynerを偲んで,今日は”Sahara”。

_20200317-2"Sahara" McCoy Tyner(Milestone)

先日,McCoy Tynerの訃報に接した際,私は米国出張中ということもあり,記事をアップしていなかったので,遅きに失した感もあるが,改めて彼のアルバムを聞いて追悼しようということで取り出したのが本作である。

私にとってはMcCoy Tynerの音楽は,ジャズ喫茶と深く結びついていると言ってもよい。私が本当の意味で,ジャズに目覚めたのは,浪人中,本を読みながらジャズ喫茶で過ごした時間だったと言っても過言ではない。今からもはや40年近く前のこととなるが,その時代によくプレイバックされていたなぁと思うのが本作であったり,"Fly with the Wind"であった。

その当時思っていたのはMcCoy Tyner=暑苦しい(笑)という感覚であったが,それが徐々に快感に変わってくるまで,それほど時間は要しなかった。だが,私にとってはMcCoy Tynerがレーダー・スクリーンの中心にあるということは決してなかったとは言え,やはり時代を象徴していたと思える人であった。もちろん,John Coltrane Quartetの音楽だってジャズ喫茶では聞いていたとしても,McCoy Tynerの私にとっては初期体験は,Milestoneレーベルにおける,それも初期の作品であったと思う。今にして思えば,本作なんてスピリチュアルな響きさえ感じるが,当時は全然そんなことは考えていなかった。ってことで,私も若かったってことだ(爆)。

このアルバムを久しぶりに聞いてみると,やっぱり暑苦しい(笑)が,いかにもMcCoy Tynerらしいサウンドが炸裂しているではないか。言ってみれば,「ピアノの弾き倒し」であるが,そこに"Valley of Life"では琴も弾いてしまうんだから(ご丁寧にジャケにも写っている),時代感たっぷりってことになるだろう。まぁ,それでも結構さまになっているから,大したものだと改めて思ってしまう。

こうしてアルバムを改めて聞いていると,やはり時代を彩ったミュージシャンであったという感覚があって,惜しい人を亡くしたという実感が強くなっていく私であった。正直言って,McCoy Tynerのアルバムの全てが優れているとは思っていないが,これだけの個性を発揮したということは認識して然るべきミュージシャンであった。

R.I.P.

Recorded in January 1972

Personnel:McCoy Tyner(p, 琴, a-fl, perc), Sonny Fortune(as, ss, fl), Calvin Hill(b, reeds, perc), Alphonso Mouzon(ds, perc, tp, reeds)

2020年3月18日 (水)

こいつは驚いた!Ondřej Štveráčekの新作はエレクトリック・アルバム。

_20200317 "Space Project" Ondřej Štveráček(Stvery)

ジャズ界のおんどれ君ことOndřej Štveráčekの新譜である。昨年前半に2枚のアルバムをリリースして,いつもながらおんどれ君には甘いところを見せた私だったが,そのおんどれ君からの新作が届いたので,早速発注である。

今回は日本のセラーの取り扱いがあり,あっという間に届いたこのアルバムを聞いてびっくりである。全編がエレクトリック・アルバムなのだ。サックス奏者としての幅を広げるためにはこういう動きも出てくるかもしれないとは心のどこかでは思いつつ,このままずっとColtrane愛を貫くのかいう考えもあったので,これにはやはり驚いた。なるほど"Spece Project"な訳だ。だが,メンバーはいつも通りのレギュラーだが(苦笑)。

結果からすれば,これは想像以上にかなりカッコいい音になっている。冒頭はいきなり”What's Outside"のリメイクであるが,オリジナルの感覚はほとんど残ってない。特におんどれ君には悪いが,ここではおんどれ君以上にKlaudius KováčのHerbie Hancockライクなキーボードが効いているように思える。影響は相当強そうなフレージング連発であるが,このアルバムのトーンにはかなり強く影響を与えていることは間違いないだろう。これでつかみはOKである。

そしておんどれ君,アルバムを通してエフェクターを効かせたテナーとソプラノをブイブイ吹きまくっている。スローなテンポの曲でも,アドリブになると強烈なラインをぶちかまして,これが実に楽しい。どうせならEWIでも吹けばよかったのではないかと思ってしまう。これをおんどれ君のアルバムとして聞くか,何も先入観なしに聞くのでは随分印象が違うと思うが,それでもこのアルバムは結構楽しめるアルバムとなっている。

ドラムスのGene Jacksonも百戦錬磨というか,何でもござれって感じで,ここでのバッキングに何の違和感もないのは大したものである。

いずれにしても,つくづくおんどれ君には甘いと思うが,このアルバムも星★★★★☆としてしまおう。あぁ~びっくりした(笑)。

Personnel: Ondřej Štveráček(ts, ss,effects),Klaudius Kováč(p, synth), Tomáš Baroš(el-b), Gene Jackson(ds), Radek Nemejc(perc)

2020年3月16日 (月)

日本のジャズのレベルの高さを改めて感じる"This Is Honda"。

_20200302 "This Is Honda" 本竹曠(Trio→Ultra-Vybe)

久々の音楽ネタである。

先日,須川崇志のアルバムを買いに行った時に,ついでにショップで中古で仕入れてきたアルバムである。正直言って,私は一部の例外を除いて,それほど幅広に日本のミュージシャンに幅広く目配りをしてきた訳ではない。本田竹曠についても,このブログでは本田竹広名義となった"Boogie-Boga-Boo"を取り上げた程度だろうが,彼が渡辺貞夫5のメンバーの時代とか,ネイティブ・サンの頃から音は聞いてきた。

その本田竹曠のアルバムの中でも,非常に世評の高いアルバムの一つがこれであろう。不勉強にして私は今回このアルバムを初めてちゃんと聞いたような気がするが,ジャズ喫茶とかでは聞いていた可能性は高い。

正直言ってやっている曲は手慣れたスタンダードって気もするが,そうした中で,"Secret Love"みたいなスウィート,もしくはバラッドに仕立てたくなる曲をスウィング感たっぷりにやってしまうところには,ちゃんと毒も仕込んでいるってところか。それでもフレージングは見事なものだし,各人のアドリブ・ラインもいい。実にバランスの取れたピアノ・アルバム。

ある意味,もっと刺激的にプレイすることもできたであろう人たちではあるが,ここでは大人な演奏をしたって感じである。そうしたことも実力のあらわれ。星★★★★。

Recorded on April 18, 1972

Personnel: 本竹曠(p),鈴木良雄(b),渡辺文男(ds)

2020年3月15日 (日)

出張中に見た映画の最終回は「蜜蜂と遠雷」。

Photo_20200311174001 「蜜蜂と遠雷」('19,東宝)

監督:石川慶

出演:松岡茉優,松坂桃李,森崎ウィン,鈴鹿央士,斉藤由貴,鹿賀丈史

恩田陸の原作が直木賞も獲った小説の映画化となる本作が,今回の出張の復路4本目,通算6本目の最終作のチョイスとなった。あいにく原作の小説は読んでいないが,音楽を恩田陸がどのように描いたか,猛烈に関心が生じてくるという副次的効果もある作品であった。

クラシック・ピアノのコンクールを描いたものというと,私の世代には「赤い激流」となってしまう(爆)が,この作品は4人のピアニストのそれぞれを描いていて,なかなか楽しく,しかもよく出来た青春映画となっていた。映画の尺に合わせて,ストーリーも演奏シーンも結構端折っているとは思うが,それでもここに出てくるような曲を選んだ恩田陸が凄いねぇと思ってしまう。プロコフィエフとかバルトークだもんねぇ。そして,それを118分という枠に収めた監督,石川慶による脚色も立派ということになると思う。

キャストでは何と言っても松岡茉優が可愛いと思ってしまうが,それを上回るのが鈴鹿央士の天然というか,ナチュラルな演技がうまくはまっている。あれが演技で出せるとすれば,これはかなりの才能である。いずれにしても,最後にこういう爽やかな映画を見て,気持ちよく着陸寸前の眠りに落ちた私であった。星★★★★。

それにしても,クロークの片桐はいりには笑ってしまった。

2020年3月14日 (土)

出張中に見た映画:5本目は「スキャンダル」だが,この邦題は...。

Bombshell 「スキャンダル(”Bombshell")」(’19,米/加,Lionsgate)

監督:Jay Roach

出演:Charlize Theron,Nicole Kidman,Margot Robbie,John Lithgow,Allison Janney,Malcolm McDowell,Kate McKinnon

これが復路で見た3本目,通算5本目の映画。日本でもつい先日公開されたばかりの映画だが,豪華な俳優陣に目が引かれるが,昨今の#MeTooムーブメントの影響も出ている感じの実にリベラルな映画である。何と言っても,トランプと仲良しの保守系メディア,Fox Newsで起こったセクハラ事件が題材なのだから,トランプへの皮肉も満載って感じである。私のようにリベラルな人間にとっては,おぉ~,もっとやれ~って感じの映画となっている。逆に保守的な人間からすれば,こういう映画は我慢ならないところらしく,iMDBのユーザ・レビューも賛否がわかれているのが面白い。

しかし,ここで描かれている話が実際にあったというのだから,ひどいもんだねぇと思わざるをえない。何を以てハラスメントとするかは,受け手側の心情次第というのはわかっていても,自分に当てはめるとちょっと怖い(苦笑)。それでもここで描かれたレベルは,度を越しているのは誰でもわかることで,それが放送業界で起こっていることが恐ろしいわけだ。それはFoxに限らず,NBCの人気番組,”Today"のキャスター,Matt Lauerだってクビになっているのだから,多かれ少なかれこういう問題は存在してきたってことである。

それにしても,いくら実話とはいえ,こういう話を映画にしてしまうところが凄いと思うが,それを見ながらもっとやれ~と思っている私も何のこっちゃという感じだ。まぁ,Margot Robbieの演技はちょっとなぁと思うところもあるし,John Lithgowもよくこんな役を受けたねぇと思ったのは,一昨日取り上げた"Dr. Sleep"のRebecca Ferguson同様であった。それでも実に様になっているというか,本当にえぐい爺さんに見えてしまうから大したものである。

そして,ここでCharlize Theronが演じたMegyn KellyとNicole Kidmanが演じたGretchen Carlsonは実在の人物だが,実際の本人たちの雰囲気と実に近いところで,オスカーのメイクアップ賞を獲ったのも当然か。どれぐらい似ているかってことで,下に写真を貼り付けるが,左が本人,右側が今回演じた役者。特にCharlize Theronは瓜二つと言っても過言ではない。ってことで,いろいろな意味で見どころのある映画であった。星★★★★。

最後に一つだけ言っておきたいのだが,この邦題はないだろう。面白くも何ともないし,工夫のあとも見られない。まぁ,"Bombshell"をそのままカタカナにするのも問題だが,それにしてもこれでは映画が可哀想としか言えない。

Bombshell-comparison

2020年3月13日 (金)

出張中に見た映画:4本目は「パラサイト 半地下の住人」。

Photo_20200311101301 「パラサイト 半地下の住人("기생충”)」('19,韓)

監督:ポン・ジュノ

出演:ソン・ガンホ,チェ・ウシク,パク・ソダム,チャン・ヘジン,イ・ソギュン,チョ・ヨジョン,チョン・ジソ

パルム・ドールのみならず,オスカーの作品賞,監督賞まで獲ってしまった超話題作である。私も機内エンタテインメントで韓国映画を結構見るが,大概が暗~い話が多い。あのヴァイタルな生活を送る韓国の人々の心の奥底には,こういう感情があるのかなんて感じさせられることも多いのだが,この映画はちょっとタイプの違う映画であった。

一言で言えば,ブラック・コメディだが,段々スラップスティック化していく。正直言ってストーリーは無茶苦茶って話もありながら,確かにこれは面白い映画である。よく言われる通り,社会性とエンタテインメントを共有しているし,ストーリー展開もうまい。

だが,これが2019年度の最高の作品なのかというと,決してそんなことはないような気がする。世の中,ダイバーシティを重視することは悪いことではないし,アカデミーもそれで批判を受けてきていたのだが,私がイマイチこの作品に没入できないのは,そんなことではなく,映画そのものに「深み」が感じられない,あるいは私自身への訴求力があまりないってことだろう。結局,面白い映画を見るのはいいとしても,私の心に刺さらないというところが実感なのだ。結局は好きか嫌いかってことになるのだが,この作品,嫌いではないとしても,私は先日取り上げた「フォードvsフェラーリ」の方が圧倒的に好きなのだ。そもそも「フォードvsフェラーリ」にはChristian Baleという圧倒的訴求要因があった。

そもそも格差という社会的な問題とエンタテインメントを融合させるというならば,私たちには「天国と地獄」というはるかに素晴らしい先例がある。そうしたことを考えながら,この映画を見ている私もいかがなものかって気がするが,それが実感なのである。ってことで,非常に面白い映画だと思いつつ,星★★★★ってところ。

2020年3月12日 (木)

出張中に見た映画:3本目は「ドクター・スリープ」。

Dr-sleep「ドクター・スリープ(”Dr. Sleep")」(’19,英/米/加,Warner Brothers)

監督:Mike Flanagan

出演:Ewan McGregor,Rebecca Ferguson,Kyliegh Curran,Cliff Curtis,Zahn McClarnon

今回の出張の復路で見た映画の1本目がこれである。私としては時差ボケを回避するため,復路は我慢して起きていたのだが,着陸前の20分ぐらいうとうとしたぐらいで,あとは持ちこたえて,結局復路では4本映画を見たが,それぞれタイプの違う映画で,それはそれでよかったと思う。

それでもって,1本目がこれだが,これは「シャイニング」の40年後を描いた続編である。映画「シャイニング」は私は今から10年ほど前に同じく機内エンタテインメントで見て,このブログでも記事にしている(記事はこちら)。あの訳のわからない怖さってのは今でも印象に残っているが,ショッカーではないにもかかわらず,とにかく怖い映画であった。この映画は「シャイニング」で出てきた子供のDannyが成長し,訳のわからないカルト集団と対峙するという筋書きである。「シャイニング」に感じられた怖さが,ここではあまり感じられないのが決定的な難点であるが,まぁそれでもそこそこ見られる。「シャイニング」の要素を引き継いでいるところもあって,その辺りにはリスペクトなり,シンパシーが感じられるのはまぁ当然だろう。

この映画に出てくるTrue Knotというカルト集団はまさに訳がわからないが,その首領みたいなRose the Hatを演じるRebecca Fergusonが相当に気味が悪い。Rebecca Fergusonが結構な別嬪だけに,その気持ち悪さが倍増するって感じだが,こういう役を受けるところは,役者魂だねぇと思っていた。

私はそもそも肝っ玉が小さいので,ホラー映画が嫌いなのだ(爆)。だが,この映画はホラーっていう感じはあまり強くないので見られたって話もあるが,やはりStephen Kingの書くストーリーは訳がわからんと思っていたのも事実。いずれにしてもこの映画に152分ってのはちょっと過剰だろうな。星★★★☆。

2020年3月11日 (水)

出張中に見た映画:2本目は「フォードvsフェラーリ」

Ford-v-ferrari 「フォードvsフェラーリ("Ford v Ferrari")」(’19,米/仏,Fox)

監督:James Mangold

出演:Matt Damon,Christian Bale,John Bernthal,Caitriona Balfe,Josh Lucas

往路の2本目に見たのがこの映画である。この映画もなかなか評判がよいが,タイミングが合わず,劇場では見ることができていなかったもの。これは実話に基づく映画であるが,実に面白く出来ている。常勝フェラーリに対抗するフォードという構図がありながら,この映画は私にとってはChristian Baleのためにあるような映画である。例えて言えば,Chritian Baleが演じるKen Milesは,「ライトスタッフ」でSam Shepardが演じたChuck Yeagerを彷彿とさせる,男の中の男みたいなものである。こういうのにおじさんは痺れてしまうのだ(爆)。キャスティング上はMatt Damonの方が上になっているが,繰り返す。これはChristian Baleを見るための映画なのだ。

しかしそれだけではない。もちろん,ストーリーの見事さ,そしてオスカーで編集賞を獲ったのもうなずける展開のスピーディさには,結構153分という長い映画でも,だれることはなかったと言える。私は別に車好きって訳でもないが,こういう映画にはロマンを感じてしまうのだ。そして,そこに割り込むビジネス・サイドのいやらしさに,Christian Bale演じるKen Miles同様の不愉快さをおぼえてしまい,ストーリーに同化していく我ながらの単純さではあるが,そう思わせてしまう映画なのである。

これは実によく出来た映画であり,私としては高く評価したい。レースものは映画にはよくあるし,以前,Ron Howardが撮った「ラッシュ/プライドと友情」ってのもあったが,あれよりずっとこっちの方がいいと思ってしまった。それもひとえにChristian Baleである。ちょいと甘いと思いつつ,星★★★★★としてしまおう。いずれにしても,これは大画面と大音響で見直してもいいと思える映画である。

2020年3月10日 (火)

出張中に見た映画:1本目は「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」。

Knives-out 「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(”Knives Out")」(’19,米,Lionsgate)

監督:Rian Johnson

出演:Daniel Craig,Chris Evans,Ana de Armas,Jamie Lee Curtis,Christopher Plummer

今回は久しぶりの米国出張ということもあり,機内エンタテインメントで映画を見る気満々だったのだが,結果的には往復で6本ということで,まぁこんなものか。往路では2本しか見ていないので,もう1本は見られたなぁなんて思っているが,それでも普通の人から言わせればよくやるわってところかもしれない。それでもって,最初に見たのがこの映画である。

この映画,なかなか評判もよく,最初から期待して見た映画である。監督は「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を撮ったRian Johnsonだが,全然違うタイプの映画なのが面白い。本作を一言で言うならば,演劇的な感じと言えばいいだろうか。そうした中で,くすっと笑わせるところもあり,シナリオが面白いと思っていた。

そして,Daniel Craigが007シリーズとは全然違う感じを出しているし,登場人物がいちいち癖がある設定で,役者がそれをうまく演じているから,これはまぁそこそこの出来になることは間違いないと思えた。結局のところ,シナリオとキャスティングの勝利って感じだ。星★★★★。

それにしても,昨今のChristopher Plummerは怪優化が進んでいるなぁ。「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐と偉い違いや。だが,既に90歳を過ぎても,見事なものであった。

2020年3月 5日 (木)

出張はつらいよ。

Phoenix

コロナウィルスの感染が広がる中,米国出張中の私である。今回訪問しているのは,アリゾナ州フェニックス。フェニックスに来るのは20年ぶりぐらいだろうか。前回はよりリゾート的なスコッツデールだったが,今回はダウンタウン。

何が辛いかと言えば,16時間の時差。表は写真のように陽光が降り注いでいるが,老体には時差の調整が実に厳しい。

明日はサンフランシスコに移動してひと仕事して帰国だが,マジでヘロヘロである。いつものことながら出張はつらいのだ...。

2020年3月 1日 (日)

Barry Mannが名曲の数々をセルフ・カヴァーで歌う。いいねぇ。

_20200229 "Soul & Inspiration" Barry Mann(Atlantic)

数々の名曲を書いてきたBarry Mannがその名曲をセルフ・カヴァーで歌う企画アルバムだが,必要最小限のバックのメンバーを従えた演奏により,曲のよさが更に際立つというところだろう。そして,それを支えるコーラスやハーモニーをつける歌手が実に錚々たる歌手が揃っている。この辺りにBarry Mannというミュージシャンへのリスペクトが感じられるのが心地よい。

もちろん,オリジナルで歌われたヴァージョンに比べると,って話もあるかもしれない。しかし,Barry Mann自身の歌も結構洒脱な感じでいいのである。とにかく曲の持つパワーを感じるだけで幸せになれる。星★★★★☆。

Personnel: Barry Mann(vo, p, el-p), Paul Shaffer(org), Matthew McCauley(org), Dean Parks(g, sitar, mandolin), Fred Mollin(g, banjo, hca, vib, celeste, perc), David Piltch(b), Lenny Castro(perc), Oliver Schroer(perc), Pat Perez(ts, ss), Norton Buffalo(hca), Carole King(vo), Marc Jordan(vo), Brenda Russell(vo), Richard Marx(vo), Bryan Adams(vo), Daryl Hall(vo), Deana Carter(vo), J.D. Souther(vo), Peabo Bryson(vo), Leah Kunkel(vo)

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