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2020年2月 2日 (日)

またもEastwoodにやられたと思ってしまった「リチャード・ジュエル」

Richard-jewell 「リチャード・ジュエル(”Richard Jewell")」(’19,米,Warner Brothers)

監督:Clint Eastwood

出演:Paul Walter Hauser,Sam Rockwell,Kathy Bates,Olvia Wilde,John Hamm,Nina Arianda

今年の5月に90歳になろうとしているClint Eastwoodの作品にはほぼ毎回痺れさせられている私である。老いてますます盛んとはEastwoodのためにあると言いたくなるが,今回もまたも彼の手腕にやられてしまった。

昨今,Clint Eastwoodの映画は実話に基づくものが多くなっているが,今回はアトランタ五輪期間中の爆弾テロにおける爆発物の第一発見者でありながら,容疑者としてメディアとFBIから追われるという,まさに冤罪の被害者としてのRichard Jewellの姿が描かれる。こういう映画を見ていると,本当に何が正義なのかわからなくなるという点で,実に恐ろしい事件を描いている。実際にはもっと複雑であったであろう事件について,非常にコンパクトにストーリーに仕立てているが,まさにここに描かれているのはFBIの傲慢とメディア・リンチである。プロファイリングだけに依存するような,あれほど予断に満ちた捜査が本当に行われていたとすれば,FBIなんてとんでもない組織だってことになるし,メディアも視聴者,読者の「関心」をかさに,人間の尊厳を踏みにじるような行為をしているとも言える訳だ。それをドラマとして仕立てるEastwoodの技はここでも十分に発揮されていた。

私がこの映画で最も泣かされたのはRichard Jewellの母親を演じたKathy Batesの演技だったが,まさに素晴らしい助演ぶりで,かつリアルな演技は本当に素晴らしかった。こういう映画が興行的にはなかなか苦しいのはわかるが,日本での不入りぶりには愕然としてしまった。公開してまだ2週間強だが,すぐに打ち切られてしまいそうなこともあって,慌てて劇場に駆けつけてよかったと思わざるをえない。劇場で見るに値する傑作というのはこういうのを言うのであって,CGに依存するような映画ではない。

結末はわかっていても,見終わった後の清涼感という観点でも,実に素晴らしいと思えた映画。興行的には世界的に苦しいようだが,より多くの人が見て,そして考えるべき作品。喜んで星★★★★★としよう。ここ数年,私はClint Eastwoodの映画をほぼ必ず見ていると言ってよいが,「アメリカン・スナイパー」なみに痺れたと言っても過言ではない。

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