2020年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

2018年おすすめ作

無料ブログはココログ

« ちょっとしたTommy Flanaganとの逸話。 | トップページ | またも出た!Woody Shawのライブ発掘音源。 »

2019年11月17日 (日)

Marc Coplandの新作は注目のメンツによるピアノ・トリオ。

And-i-love-her "And I Love Her" Marc Copland(Illusions Mirage)

Marc Coplandの前作"Gary"をこのブログで取り上げたのが約半年前のことだったが,それから短いインターバルでリリースされた新作はピアノ・トリオである。Drew Gress,Joey Baronとの組み合わせは,それぞれがこれまでMarc Coplandとの共演歴があるため,コンビネーションとしては鉄壁だろうと想像するに難くなく,リリースがアナウンスされた時から注目していた。ストリーミングでは結構早くから聞いていたのだが,ようやく現物を入手した。

結論から言ってしまえば,いかにもMarc Copland的な演奏である。いきなりミステリアスな雰囲気から始まるのは"Afro Blue"。そこかしこにMarc Copland的な感覚やフレージングがあって,やっぱりMarc Coplandだと思ってしまう。そして2曲目はこれまでもCoplandがやったことがあるHerbie Hancockの"Cantaloupe Island"であるが,原曲と全然イメージを変えてしまうのがMarc Coplandらしい。それに続くDrew Gressのオリジナル"Figment"はこのトリオの美学を感じさせる演奏になっていて,わかってるねぇと思ってしまう。そして,Marc Coplandのオリジナル"Might Have Seen"なんて,Marc Coplandしかこういう曲を書かんだろうという響きなのだ。

そして,よくよく考えてみれば,このトリオ,John Abercrombieの最後のクァルテットを支えたトリオである。バンマスのAbercrombieを偲んで(?)のジョンアバ・オリジナル,"Love Letter"をやって,それに続くのがこれまた実に美しくも動的な魅力にも溢れたMarc Coplandのオリジナル,"Day and Night"である。こういう演奏をされてしまうから私はこの人のファンをやめられない。そして,本作で最も注目されるであろう"And I Love Her"であるが,和声の使い方はMarc Coplandらしいものの,曲の崩しは限定的。この曲は崩しようがなかったってところかもしれないが,これも十分に美しい演奏である。私としてはついついBrad Mehldauの演奏と比較してしまうが,それでも個性の違いは明確に出るものだ。それに続くのはトリオ・メンバー3者の共作となっているので,即興で仕立てたものだと思われる"Mitzi & Jonny"。ほかの演奏と比べると,ちょっとこの曲は浮いた感じがするのはちょっと違和感がある。しかし,最後を締めるのはCole Porterの”You Do Something to Me"である。3者のソロ交換で締めるところはアルバムのクロージングとしては適切と思わせた。やっぱりいいねぇ。

一点補足するとすれば,このアルバムで特筆すべきはその音のよさだと思う。私はオーディオ・マニアでも何でもないし,家のオーディオ・セットも正直言ってしょぼいものだが,ここでの楽器音のリアリティは素晴らしいと思った。どこかのエロ・ジャケのレーベルとは全然違う,これが本当の趣味のよさ。相変わらずMarc Coplandに甘いと言われそうだが,星★★★★☆。

Recorded in August 2017

Personnel: Marc Copland(p), Drew Gress(b),Joey Baron(ds)

« ちょっとしたTommy Flanaganとの逸話。 | トップページ | またも出た!Woody Shawのライブ発掘音源。 »

新譜」カテゴリの記事

ジャズ(2019年の記事)」カテゴリの記事

コメント

続けてこんばんは。

こういうマーク・コープランド、このメンバーのトリオ、何を取ってもいい感じだと思いました。あまり冷たすぎず、抑えるところは抑えても、ECMほどには静かではないし、このレーベルから出ていることも大きいんじゃないかと思います。好きなピアニストです。

https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2019/11/post-1c1980.html

910さん,続けてこんばんは。こちらもリンクありがとうございます。

この音源に限らずMarc Coplandって,かなりのスタイリストだと思います。この人にしか出せない音ですよね。素晴らしいと思います。

閣下、コメントをありがとうございました。m(_ _)m

このメンバーでは、普通、、買わずには、いられませんよね。
私は、彼の、独特の暗さ、翳り、繊細な感覚が大好きなのですが、、
期待通りの内容でした。緊張感のある美しい演奏でしたね。

URLを貼り付けますね。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-cd79e1.html

Suzuckさん,おはようございます。リンクありがとうございました。

おっしゃる通り,Marc Coplandには独特の陰影がありますね。その魅力はトリオかソロ,もしくは弦とのデュオでこそ発揮されると頑なに思ってます(笑)。

 いつも思うのですが・・・このMarc Coplandと言う人は「自己の世界」というものを確実に築き上げてきた人ですね。誰もが立ち入れない「世界」を感じます。その深遠なる世界に存在する美学がたまらない。
 私はこのアルバムを"今年の納め"とした選びました。そこには私の感覚では(あくまでも私の感覚ですが)ただ聴衆に迎合しない真摯な心で人間に迫ろうという意志が感じられるからです。ジャズもこうした世界が存在することが嬉しいです。
 中年音楽狂さん今年も有り難う御座いました。又2020もよろしくお願いします。
ここでTBさせていただきます↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-088f24.html

MRCPさん,こんにちは。リンクありがとうございます。

おっしゃる通り,Marc Coplandは自己の世界を作り上げてしまっている人だと思いますし,ピアノに強い個性が感じられると思います。長年私も贔屓にしてきていますが,この独自の世界観はやはり好き者にはたまりません。

ということで,こちらこそ本年もありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ちょっとしたTommy Flanaganとの逸話。 | トップページ | またも出た!Woody Shawのライブ発掘音源。 »

Amazon検索ツール

2019年おすすめ作