1曲目冒頭の響きに驚いてそこでやめてはいけない”Wishes”
先日,East Windレーベルの第1作,その名も"East Wind"のアルバムについて,このブログに書いた。その後,NYに渡った菊地雅章と日野皓正が組んで吹き込んだアルバムが本作である。グループ名のKochiは「東風」であるから,East Windやんけ!って話もあるが,敢えてKochiとした理由は謎である。
それはさておきであるが,このアルバムの冒頭には多くのリスナーが驚き,戸惑うのではないか。まさに雅楽の響きを模したものであり,菊地は琵琶まで弾いてしまうし,更にシンセで笙みたいな音を出しているのだから,これはやっぱり驚く。しかし,ここで挫折しては,このアルバムの本質に触れることなく終わってしまうことは言うまでもない。あくまでも雅楽のような響きは導入部に過ぎず,その後に来るファンク・フレイヴァーこそが本作の魅力である。バンドのメンバーからしても,Anthony Jacksonを除けば,Miles Davisのバンド関係者が集まっていて,Milesの隠遁がなければ,こういう音楽をやっていたのかもしれないと思ってもよさそうな音である。2曲目の"Caribbean Blue"を聞いていると,後の「ススト」のプロトタイプと呼びたくなるような音である。
"East Wind"とは全然タイプが違うが,70年代中盤にこのようなアルバムが作られていたということは結構凄いことではあるが,やはりMiles Davisの影響下にある音楽という評価も成り立つだろう。主役はあくまでも菊地と日野であるが,助演したメンバーもそれぞれに聞きどころありであり,特にDave Liebmanのフルートにはしびれるねぇ。星★★★★☆。
Recorded on August 11, 12 & 14,1976
Personnel: 菊地雅章(p, el-p, org, synth, 琵琶),日野皓正(tp, perc), Steve Grossman(ts, ss), Dave Liebman(ss, fl), Reggie Lucas(g), Anthony Jackson(b), Al Foster(ds), Mtume(perc)
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