久しぶりに聞いたKeith Jarrettの"Inside Out"。
”Inside Out" Keith Jarrett / Gary Peacock / Jack DeJohnette(ECM)
Keith Jarrettのアルバムは結構保有しているが,実はあまり家で再生する回数は多くない。大概の場合,クォリティが確保されているから,まぁ聞かなくてもわかったような気になっている部分はあるし,所謂Standards Trioによる演奏は,若干マンネリ化してきた部分も感じていたのは事実だからと言ってもよい。なので,私がこのアルバムを聞くのは実に久しぶりってことになる。本作は久々にスタンダードから離れて,完全即興で演じられた音楽集である。
Keithが突然,なぜこうした完全即興に臨む気になったかは知る由もないが,クリエイティビティを維持する一環としてやっているのではないかと勝手な想像をしている。完全即興だからと言って,どフリーという訳ではなく,ほぼ調性の範囲内での演奏が多いので,何も怖がることはないのだが,スタンダードをやっている時よりは若干敷居が高いと感じる人がいても不思議はない。しかし,これもこのトリオの本質であることに変わりはない。変幻自在に変化するメロディ・ラインとそれに呼応するリズムって感じの演奏は,スタンダードをやっていても,完全即興でも違いはないからだ。
ここでは"341 Free Fade"や"Riot"において,多少フリー色が強くなるが,ブルーズ的,ゴスペル的な響きを持たせた完全即興は,私にとってはスリリングな感覚さえもたらすものであり,実にジャズ的な響きだと思ってしまう。Standards Trioがやや予定調和的に感じている私にとっては,こういうサウンドの方が実はしっくりくる部分もあるのだ。しかし,その後にアンコールとして演じられる"When I Fall in Love"の美しさを際立たせるような演奏をしてくるのが,ある意味反則(もちろんいい意味でだ)。テンションが高まったところで,それをスローダウンさせながらも,別の感動を与えてしまうこのトリオ,やはり恐るべしである。星★★★★☆。
それにしても,ライナーにはKeithはこういう感じの演奏を今後もリリースするなんて書いているが,トリオでこういう即興って出てないと思うが...。まだまだ音源は眠っているのかもしれないねぇ。
Live at Royal Festival Hall, London on July 26 and 28, 2000
Personnel: Keith Jarrett(p), Gary Peacock(b), Jack DeJohnette(ds)
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