Steve Kuhnのライブ盤:こんなものも持っていたねぇ。
"Live in New York" Steve Kuhn(Cobblestone)
LPが聞ける環境が整って,改めて聞いているアルバム。このアルバム,いつどうやって買ったのか記憶が曖昧なのだが,町田のDUで中古で買ったような気がする。いずれにしても,カット盤だし(笑)。カット盤って結構懐かしい響きのように思ってしまうのは私だけ?
それはさておきである。本作は1972年の作品であるが,詳細の録音データは明示されていないが,ジャケ裏に引用されているVariety誌の記事によれば,おそらくNYCのWest VilligeにあったFolk Cityってところで吹き込まれたのではないかと思われる。
Steve Kuhnは耽美的なスタイルでも,モダンなスタイルでも弾きこなすピアニストであるが,ここでは時代を感じさせるエレピも駆使したプレイぶりである。こんな演奏もしていたのか~って感想が一番適切だと思うが,ついでに歌まで歌ってしまうのだから,今のSteve Kuhnからは想像もできない(はっきり言ってヘタウマだが)。このアルバムにはそういうスタイルもありながら,現在のSteve Kuhnと本質的には変わっていないと思わせるようなフレージングを聞かせる部分もある。だが,やはりややリヴァーブが聞いたエレピの音がこのアルバムを印象づけると言っては言い過ぎか。例えば,それはB面1曲目の"Chicken Feathers"なんかがそんな感じである。
リズムはGeorge Mrazは比較的コンベンショナルな演奏をしている(それでも"Ida Lupino"の8ビートには驚く)が,Gil Evansとも共演歴のあるBruce DitmasとSue Evansがよりアグレッシブって言うか,ロック的な感じも出していて,それとSteve Kuhnのエレピが混じり合うところが面白いアルバムと言える。だからと言って,これがSteve Kuhnのアルバムでいの一番に聞くべきアルバムなんてことはないのだが,たまに取り出して聞く分には結構楽しめるアルバムであった。星★★★☆。
Personnel: Steve Kuhn(p, el-p, vo), George Mraz(b), Bruce Ditmas(ds), Sue Evans(perc)
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コメント
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弊ブログへのコメントありがとうございます。こちらへの書き込み遅れました。(スキーの後、体調がグズグズで、トシですねえ。)
購入時期が同じなんでしょうか、懐かしいカット盤ですね。でもこのアルバム、近年のキューンよりは断然好きですね。攻めていますし。
この後、これがECMのTransへと昇華されるので、重要なアルバムなんだろうな、って思っています。
https://dailymusiclog.hatenablog.com/entry/2025/02/19/173818
投稿: ken | 2025年3月 2日 (日) 20時12分
kenさん,おはようございます。リンクありがとうございます。
>購入時期が同じなんでしょうか、懐かしいカット盤ですね。でもこのアルバム、近年のキューンよりは断然好きですね。攻めていますし。
私が買ったのは十数年前中古でしたので,タイミングは違っていると思います。おっしゃる通り,近年のSteve Kuhnとは毛色がだいぶ違いますね。
>この後、これがECMのTransへと昇華されるので、重要なアルバムなんだろうな、って思っています。
ECM路線へ向かう助走だったのかもしれませんね。いずれにしても面白いアルバムでした。
投稿: 中年音楽狂 | 2025年3月 3日 (月) 07時17分