Giovanni Guidiの新作は美的な毒とでも呼びたい。
"Avec Le Temps" Giovanni Guidi(ECM)
Giovanni Guidiは今年1月末のイタリア文化会館でのライブにおいて,実に甘美な音楽を聞かせた(記事はこちら)が,その記憶もまだ新たなこの春に,ECMでの4作目となるアルバムを届けてくれた。一言で言えば,美しさの中に毒を持った音作りと言える。美的なだけではなく,フリーなアプローチも交えながら,音楽的なクォリティは実に高いと思わせる。
ソロでのライブはそれはそれは甘美な響きに満ちていたが,冒頭のタイトル・トラックもそれに近い印象を与える。Léo Ferréが1971年にリリースした曲の歌詞は実に悲哀に満ちたものだが,そうした感情的な機微を音で表すとこうなるって感じか。メンバー4人の共作となっている3曲目,4曲目はコレクティブ・インプロヴィゼーションの趣であり,フリー度がやや高まるものの,その他の曲では静謐なる美学というECMレーベルならではと思える特徴が示されたアルバムと言ってよいと思う。
バックを支えるリズムのThomas MorganとJoão LoboはGiovanni GuidiのECMでのトリオ作にも参加しているから,これが今のレギュラーってところだろうが,こういう音楽にThomas Morganは絶妙の相性を示すって感じがする。Jakob Broのライブで見たThomas Morganはジャズ・ミュージシャンらしからぬ(?)シャイな好青年であったが,ああいうキャラだからこそ,こういう音って気もする。そして,このアルバムで効いているのがRoberto Checcettoのギター。実にGuidiトリオとのいい相性を示す響きである。
こういう音楽に魅力を感じてしまうと,抜け出すことができないというのがECMのマジックというか,その特性だと思うが,今回もまんまとManfred Eicherの術中にはまってしまった私であった。星★★★★☆。それにしても,ラストの亡きTomasz Stankoに捧げたと思しき"Tomasz"の美しいことよ。
Recorded in November, 2017
Persoonel: Giovanni Guidi(p), Francesco Bearzatti(ts), Roberto Cecchietto(g), Thomas Morgan(b), João Lobo(ds)
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