今回もKenny Wheelerを想起させたWolfgang MuthspielのECM作
"Where the River Goes" Wolfgang Muthspiel(ECM)
前作"Rising Grace"から比較的短いインターバルでリリースされたWolfgang MuthspielのECMにおけるリーダー作である。前作は約2年前の今頃のリリースだったはずだが,結構豪華なメンツをまたも集めるというのは,ECMレーベルにとっても相当なことである。ドラムスがBrian BladeからEric Harlandに代わっているが,優秀なミュージシャンであることには変わりはない。だが,私にとっては,Brad Mehldauの参加が本作のキモであることは,前作同様である(きっぱり)。
前作を聞いた時に,私はECMの先祖がえりと評した(記事はこちら)が,今回もその印象は変わらない。Ambrose Akimsireのラッパを聞いていると,どうしてもKenny Wheelerの往時のアルバムを思い出してしまうのである。そして,本作のメンバーは必ずしもECMゆかりの人ばかりではないが,セッション・アルバムとしてリリースするところはまさに70年代から80年代のECMにはよくあったことだ。思うに,異種格闘技とまでは行かないが,メンツをとっかえひっかえしながら,アルバムを作っていたようなところもECMにはあった。本作はドラムスを除いて,前作とメンバーは一緒だから,必ずしもそうした企画とは違う。しかし,出てくる音がどうしてもKenny Wheeler的に聞こえてしまうのだ。だが,それは決して悪いことではなく,むしろ私にとっては歓迎すべき音作りだったと言ってよい。
ブルージーな感覚が強いBrad Mehldauのオリジナル"Blueshead"以外が,リーダーMuthspielのオリジナルだが,全編を通じて決して「熱く」ならないのが,ECMらしいところである。まぁ,このジャケットで,ゴリゴリのジャズが出てきたら,逆に笑ってしまうが...。Brad Mehldauとしては助演に徹しているって感じが強いが,やはりこれだけのメンツが揃えば,レベルは高いねぇ。ってことで,毎度のことながらECMには甘い私だが,星★★★★☆。
Recorded in February 2018
Personnel: Wolfgang Muthspiel(g), Ambrose Akinmsire(tp), Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Eric Harland(ds)
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ECMは時々ビックリするくらいのメンバーを集めてきますが、同じミュージシャンで2度目とは(少し入れ替わりはありましたが)。メルドーはメンバーの中では、ミキシングもありますけど、自分としては目立っていた方だと思います。このメンバーでこういうサウンドも、好きですねえ。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2018年11月 4日 (日) 15時05分
910さん,こんにちは。TBありがとうございます。
長年ECMを聞いていると,こういう感じのアルバムって,なんか懐かしい感じがしますよね。演奏もECMらしいですし,Ambrose Akinmsireがこういうラッパっていう意外感が強いのかもしれませんね。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年11月 4日 (日) 16時09分