Eric Harland Voyagerの第3作はダウンロード・オンリー?
"13th Floor" Eric Harland Voyager (GSI Records)
世の中でCDが売れるのは日本だけって感じになっているのかもしれないが,ほかの世界では基本は音楽はダウンロードで聞くものって感じなのかもしれない。流通等を考えれば仕方ないところもあるが,媒体指向の私みたいな人間にとってはちょっと残念な部分もある。ミュージシャンもダウンロード・オンリーでしか音源をリリースしない人が増えているが,ライブの場での販売等のために媒体も作るってのが一般的なのかもしれない。先日取り上げたCharlie HadenとBrad Mehldauのデュオ・アルバムにもダウンロード・オンリーの曲があったが,ダウンロードにリスナーを誘導しようとしているのかもしれないと感じる部分もある。
そんな中で,リリースされたのがEric Harland率いるVoyagerの第3作である。第1作のライブを高く評価しつつ(記事はこちら),第2作には感心しなかった(記事はこちら)し,ライブにも違和感を覚えていて(記事はこちら),ちょっと評価が下がっていたのは事実である。それでも,アルバムは購入し,ライブにも行っているのだから,Eric Harlandの注目すべきミュージシャンとしての位置づけは変わっていないのだ。そんな彼が,自身のバンド,Voyagerとしてのアルバムをリリースするとなれば,聞きたくなるのは当然のことなのだ。しかし,上述の通り,本作はダウンロード・オンリーと思われるため,ストリーミングで聞いた。
正直に言ってしまうと,こういう音こそ彼らに期待するものであって,第2作やライブで聞いた時よりもはるかにいいと思う。やはりこれだけのメンツを揃えていれば,これぐらいのスリリングな音が出てくると嬉しくなってしまう。私としては,ライブの場でもこういう感じでやってくれと思ってしまうし,これなら再来日しても,また聞きに行くだろう。
比較的コンパクトな曲が多いが,あっという間に11曲,47分という時間が経過していくのは,彼らの演奏の熱さゆえってところを強く感じる。曲にはややばらつきがあるようにも思えるが,アドリブ・パートになると,その熱量ゆえに気にならなくなってしまうが,やはり私も彼らのそうした世界が好きってことになるが,これは改めてVoyagerの評価をぐっと押し上げる効果があったと思わせるに十分なアルバムである。Eric Harlandも40代前半ということで,まさに中堅としてこれからもジャズ界をサポートし,プッシュしていく立場にあることを改めて実証した作品。フェード・アウトがあったりして惜しいと思わせる部分もあるが,星★★★★☆と評価できるアルバム。
こういう時代になってくると,今後はますますCDの購入枚数は厳選したものとなり,減っていくんだろうなぁと思うと,何となく寂しいような気もするが,まぁ,置くところにも困っているからねぇ。逆に買う方が珍しくなるのかもしれないな。
Personnel: Eric Harland(ds), Walter Smith III(ts), Julian Lage(g), Nir Felder(g), Taylor Eigsti(p), Harish Raghavan (b)
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